HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

Tくんピアノの端から端まで

2020年03月01日 | レッスン日記(小中高生)

Tくん(小1)

前回やった、バーナムの「さか立ちの練習」がお気に入りです。

「『さか立ち』、またやりたい!」

「いいよ。やってみて」

『さか立ち』というのは、音階を弾く予備練習の課題です。

3つの短いフレーズがセットになっていて、それぞれのフレーズには短い言葉が添えられています。

ドレミファソラー(もう少し!)

ドレミファソラシー(もう一息!)

ドレミファソラシドー(できた!)

最後まで弾くと、ハ長調の音階を弾くことが出来る仕掛けです。

ポイントは「ファ」の音を、前もってくぐらせた1の指で弾くこと。

Tくんがすごく楽しんで、何度も「さか立ち」を弾いているので、先生は言いました。

「ねえ、裏ワザ教えてあげようか?」

「うん!何?!」

「あのね、こうやって『ドレミファソラシドー』まで弾くでしょ。その時に、最後の『ド』を5の指で終わらせないで、そこでまた1の指でドを弾いちゃうの。そしたら、ほら、また振り出しになるじゃない?また、ドレミファソラシドってひけるでしょ。そうしたらまた、ドを1にする。そしたらどこまででも弾けて、ピアノの端から端までだって弾けるんだよ!」

「うわあ!」

Tくんの目が輝きました。そしてさっそく、音階を弾き始めます。

「こっちからこっちから!」

先生が、一番低いドの音(ピアノの左端)へ誘います。

「ドレミファソラシー、でドで終わらずにぃ、ドレミファソラシー、で終わらずにぃ」と掛け声をかけながら応援して、ついに一番高いドまで到達したTくん、エベレスト登頂したみたいに大喜びです。

「やったー\(^o^)/」

「やったねー\(^o^)/」

これ、別に裏ワザでも何でもなく、ただ音階の指づかいを伝授しただけなんですけどね。

1年生のTくんにとっては、裏ワザを使って、ピアノの端から端まで弾いちゃった、というのはすごい偉業を成し遂げたような喜びだったようです。

まだまだ、長いスケールの音階を習う段階ではないのですが、せっかく興味を持ったので、この機会を利用しようと思い

「来週までに、こうやって端から端まで、スピードで弾けるようにやっておいでよ」ということにしました。

Tくん、やってくるかなあ。

何しろ、一歩外に出たら宿題なんか忘れちゃうTくんだからなあ。