HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

練習はイメージの力で

2010年01月30日 | ブルクミュラー
S子ちゃん(小5):
ブルクミュラーの「せきれい」を仕上げました。

高い音域から、素早い動きで和音を転回させながら分散で急降下してくる冒頭に始まり、曲全体を通しての軽やかな感じが、河原などにいる小さな鳥「せきれい」の様子を思わせます。

S子ちゃんの「せきれい」は、しなやかな手首の動き・正確な和音のつかみ・軽快なテンポ・そして表情など、すべてを含めて、非常に完成度の高い曲に仕上がったと思います。
本当に軽やかで生き生きとした鳥が、表現できたね!

さて、次の曲は「お別れ」・・・
どんな曲かな? 先生が弾いてみます。
聴き終わったS子ちゃんは、「ああー(なるほど・・)」と、「お別れ」というタイトルに 深く納得した、という表情です。
「『お別れ』って感じ、した?」
「はい」 S子ちゃんは、感じ入ったようにうなずいています。
「この曲は、大きく3つの部分に分かれてる、ってこと、わかった?」
S子ちゃんがうなずいたので、先生は続けて言いました。
「最初の部分は、いきなり悲しそうだね。お別れの、悲しい気持ちがあふれ出してるみたいに・・・そして、心がザワザワ揺れ動く、テーマが現れてくる。このテーマは、今、まさに大切な人とお別れする、その様子を表現してるよね。そして真ん中の部分は、少し変わって、明るい音になってる。ここは・・・?」
「思い出・・・楽しかったことを思い出してるんだと思う・・・」
「そうだね。そしてまた、さっきの 揺れ動くようなテーマが出てきて、現在に引き戻される。『それでも今は、お別れしなければならない』っていう現実に戻ってくるのね。そして最後、いよいよ『さよなら~』って手をふりながら、だんだん、だんだん遠ざかって・・・ジャン!おしまい! ね?」
「はい!」
S子ちゃんも 同感、という顔でうなずきました。

S子ちゃん・・・こんなふうに、曲の内容を感じ取って、イメージを描くことができるようになってるんだね。とってもすてきです
このように、レッスンの曲を、ただ「難しいからしっかり練習しましょう」というのでなく、イメージを描いて表現するように弾くのは、とても大事です。
その方が、結果的にテクニックも格段に上手になるのです。

例えば、この「お別れ」は、実は 右手・左手ともに三連符の連続、という課題のための曲です。
けれど「三連符をマスターするために、よく練習しないといけません」というのではなく、「お別れの、なんともいえない辛い気持ち、揺れ動く複雑な心を、何とか表現したい。そのためには、三連符難しいけど、がんばってきれいに弾こう」という気持ちで弾けば、魔法のように美しく弾けてしまいます。

「せきれい」にも、同じことが言えます。 
この「せきれい」は、実は 和音の転回の練習曲なのです。
しかし、S子ちゃんが「せきれい」という、軽やかな鳥のイメージを心に描きながら、いっしょうけんめいに 心を込めて弾いたので、完璧ともいえるほどすばらしい「和音の転回」が完成してしまいました

練習は、苦行ではなく夢の世界の完成
S子ちゃん、次回の「お別れ」、どんなふうに弾いてくれるか楽しみです。

※本日の内容について、さらに詳しく書こうと思います。
「音楽のツボ」ページを見てくださいね♪


天国と地獄・超はやく!

2010年01月28日 | レッスン日記(小中高生)
M2ちゃん(小4):
先週の宿題だった「『天国と地獄』を超・はやく弾いてくる」。
「どう?はやく弾けた?」と先生。
「うん、けっこう弾けたよ」とM2ちゃん。
どれどれ、と弾いてもらいました。

おおー、なかなかいいじゃないか。
特に左手の8分音符が、テキパキときれいに入っています。
時々、伴奏系を間違えて「あれ?音がちがう!」といった風に弾き直してしまうのが惜しい。
「大体、CとGを交代交代に弾くようになってるんだけど、ここはC、C、と2小節続いてるから気をつけてね。そしてその次の小節は、反対にG、G、と続いてるからね。わかったね?」
「うん。あっ、そうだ」
M2ちゃんは、かわいいペンケースからシャープペンシルを出して、コードネームをよく見えるように囲みました。
先生が、さらにC・Cのところは緑、G、Gのところは赤でアンダーラインを引いて、もっと目立つようにしました。

「さあ、それじゃそろそろ、合格テストにしようか」
「3回ミスで合格?」
「ううん。もうすごく上手だから、今日は1回も間違えないで!」
「え~っ。できるかな
M2ちゃんは、ドキドキしながらスタンバイしました。
「いくよ?」
「いいよ。はいっ」
M2ちゃんは弾き始めます。えっ、速い・・・
だいじょうぶかな、こんな速く弾いて・・・というぐらい、M2ちゃんは速いスピードで弾いていきます。
よしっ、前半クリア。おおっ、後半もクリアだ
2コーラス目・・・残念、伴奏間違えた
「もう一息だったのに~
よしっ、気を取り直してもう一回。

こうして、何回目かの挑戦で、無事M2ちゃんは、「はやく・ミスなく」天国と地獄を合格しました。
ずいぶんピアニスティックな音色が出せるようになったM2ちゃん、とても楽しみです

音あて

2010年01月27日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(年長):
「わたしね、四月になったら、いきなり学校に行くの!」
と、重大機密を発表するように教えてくれました。
「へ~、いきなり行くんだ・・・いいなー ランドセルとか、あるの?」
「あるよ!ランドセルもあるし、ふでばことかもある
いいなー、これから学校デビューか・・・
学校がぜんぶ終わってしまった先生としては、うらやましいです

今日も、テキストはよく練習してきて、10番まで丸をつけてもらいました。
そのあと、ドリルの中に出ている「おとあて」をやってみました。
ドレド、とか レソソ、のように 1小節に3つの音が連続して書かれている小さな五線が、バラバラに配置してあります。
先生が、ピアノで そのどれかのフレーズを弾き、生徒はピアノを見ないで、どの音列だったかを当てる、というゲームで、Sちゃんはこれが大好きです。

各フレーズには、それぞれわかりやすいアイコンが添えられていて、例えば
先生:~「さあ、今のは何かな?」
生徒:「ド・レ・ド・・・トマトだ!」といった具合です。
耳で聞いた音を当てるだけでなく、書かれている音符を読んで、どれと一致するか照合しなければならないので、2つの難しさがありますね。

今日の課題は、もう大分難しくなっていて 選ぶパターンが6つ、その上半分はヘ音記号の音です。
へ音記号の楽譜は、ピアノで弾くときはト音記号の五線の下段に書かれていて、見やすくなっていますが、このドリルでは ヘ音記号の五線が単独で書かれているので、小さな子には読みにくいと思うのですが・・・Sちゃんは、間違えずにちゃんと読んでいたので、えらいなー、と思いました。
音当て自体は、なかなか難しく、正答率は5割ぐらいかな・・・
慣れてくれば、どんどん当てられるようになります。

ちなみに、今回の課題のアイコンは、魚関係で統一されていました。
「シレレ、は イカだね」「ミソミ、はタコだよ」といったふうに。
「この魚はなんだろう。まあるくふくらんでるから、多分フグだね。ほら、Sちゃんが通ってくる道に、フグが泳いでるお店があるでしょ。あれよ」
「え~、みたことないよ」
「そう? じゃ今日、帰りに気をつけて見てごらん。先生んち出て、左に行って、右に曲がって、それから少し行ったら、右側に フグの泳いでるお店があるから」
「うん、わかった!」

近所の「一番街」に、「とらふぐ亭」があるのでね。
道に面した壁に、大きな水槽がはめ込んであって、フグがたくさん泳いでるんだけど・・・
大人の目線の高さだからな・・・ Sちゃん、みつけたかな・・・

ブルクミュラー「進歩」は2匹の子猫・ヒバリの思い出

2010年01月27日 | ブルクミュラー
Y子ちゃん(小4):
ブルクミュラーの「進歩」が、大分上手になりました。

ブルクミュラー曲集の例にもれず、このタイトルも わかったようなわからないような。
曲に合ってるようなそうでもないような。

両手3度違い(オクターブの開きがあるので、厳密には10度だけど)で、音階がダダダーッと駆け上がります。
この「進歩」、ブルクミュラーの中では、子どもの不人気上位にランクインしてる曲らしいです。
私も好きじゃなかったな・・・
音階練習全開で、力いっぱいで。かわいくも楽しくもない、まじめ一直線の、いかにも「練習曲ですっ」といったオーラに満ち満ちた体育会系の曲、という印象でした。
タイトルからして「進歩」だなんて、不まじめだった私は、それだけで「つまらん」と思っていたものです。

そういえば、この「進歩」という曲で、いきなり思い出したことがあります。

私がこの曲を練習していたのは小学校低学年の頃だったのですが、当時 近所にT子ちゃんという同い年の子がいて、同じピアノの先生に通っていました。
不思議なことに、私はなぜか、ブルクミュラーの「進歩」というと、反射的にT子ちゃんを思い出してしまうのです。大人になってもずーっと。

自分でもなぜだかわかりませんが、多分、彼女がとてもまじめながんばり屋さんだったので、この「進歩」という曲が 彼女を連想させたのかな・・・と、今では思ったりします。
このワケわかんなくてつまんない「進歩」をさー、よくまじめに、練習できるよねー。
・・・チビ時代の私は そんな風に、思っていたんでしょう。
「T子ちゃんは毎日、勉強もピアノもきちんと1時間ずつやってるそうよ。その上親の言うことをよく聞き、お手伝いをよくし・・・」と よく親から引き合いに出されていた私は、「けっ、はた迷惑なやつだブー」と 何の罪もないT子ちゃんを 内心ちょっぴりウザく思っていました。
親は重ねて言いました。
「T子ちゃんはね、ピアノのレッスンに行って 自信があった曲が合格しなかったら、家に帰っても玄関を入らず、ドアの外でくやし泣きしてるんだって」 
ちぇっ、重ね重ね迷惑な行動をブー 大体、生徒のくせに自分で合格レベル決めていくなんてゴーマンじゃん・・・と私は思いました。
もちろん低学年ですから、「傲慢」などという単語が浮かんだわけではないのですが、子ども心にも「力まかせにバリバリ弾きゃいいってもんじゃない」ということが言いたかったのさ。(ほんとだよ)

今 大人になって(先生になって)、あの頃の ナマケモノで身勝手な私の気持ちを 百歩譲って代弁するとすれば(『ドロボウにも三分の理』ですから)、
「ピアノは『根性論』で解決するもんじゃない」ということだったと思います。
「がむしゃらに訓練を繰り返し、速く・正確に・力強く指がまわっても、それは「音楽」とは別の次元のこと。もっと感動する曲なら、私だってがんばって弾いちゃうんだけどな~ ヘイヘイヘイ~」などと、都合のよいことを考えていました。

で、思い出話から一気に現在へとタイムスリップし、今はY子ちゃんが「進歩」を弾いています。
弾いてみると、そこまでつまらない曲でもないのです。スリリングなシンコペーションの掛け合いもあるし。
でも、タイトルが「進歩」じゃ、身もフタもない。色気もビジュアルもあったもんじゃない・・・

そのとき、私の頭に 電光のようにいきなりひらめいたビジュアルがありました。
「ねえ、これ、2匹の子猫が遊んでるみたいじゃない
私は Y子ちゃんに言いました。
「右手は、黒い子猫。そして左手は、白い子猫。 2匹は、ピッタリ並んで いっしょにオモチャをくわえたまま、すごい勢いでダダダダーッと駆け出していってるよ」
「それから、黒い子猫が白い子猫の方を向いて、『こんなことできるんだぞー』。そしたら、白い子猫も負けずに、『ボクだって!』と同じようにやってみせてる」
「それからまた、2匹いっしょにダダダダーッとダッシュ!」
「うん、そんな感じ!
Y子ちゃんも猫を飼っているので、子猫の遊び方も その情景も、よくわかります。
「前半の最後は、今度は2匹、逆の方向へ走って行った!」
「後半では、また、かわるがわるにどこかへ登ってみたり、それをまねしたり、珍しいものをさわってみたり、同じようにやってるね。それから、2匹の冒険は、もっとスリリングになって、代わる代わるのピッチも1小節交代→ついには半拍交代に。そしてまた、冒険に満足した子猫たちは、新しい遊びを見つけに、2匹いっしょにダダダーッと駆けだしていくのよ・・・ねっ、どう?この、子猫たちの冒険っていうの
「うん、よくわかる。」Y子ちゃんもニコニコして、いたずらな子猫たちの姿が 目の前に見えているかのようです。
「じゃ、これで仕上げてきてね!」
「はーい

よかったよかった。
突如として、この「黒い子猫と白い子猫」のイメージが 天使のように舞い降りてきてくれたおかげで、私はとうとう、世紀をこえてT子ちゃんとさよならできそうです。

T子ちゃんの名誉のために言っておきますが、彼女は決して「ぶりっこ」じゃなく、ひ弱な優等生、というわけでもなく、大らかで優しい、しっかりした女の子でしたよ。
今ごろ、どうしてるのかなあ・・・



同じくやりなおし~☆

2010年01月27日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(小5):
M3ちゃんと交代して、譜面代にブルクミュラーを拡げると、脇からM3ちゃんが
「Mちゃんね、練習してないよ」と言っています。
「うるさい!M3!」
「1回も練習してないんだよ~」
「だまれ!うるさいうるさいうるさい!!!わ~~~っ」
できる限りの大声で、M3ちゃんの声をかき消すMちゃん。
そうか。ほんとに練習できてないんだ。そして、それを自分で恥じ入ってるんだ。
ということが、よくわかりました。

Mちゃんは、うんと小さい保育園児のころから、「恥を知る」子どもでした。
わすれものをしたり、ちゃんとできなかったりすると、小さい子どもとは思えないような「深く恥じ入っています」という表情を 全身に表わしていたものです。
今、それを思い出しました。
いつもは、ちゃんと一人で練習してきてるMちゃんなのですから、練習しなかったことは、先生からとやかく言われなくても 充分自分で反省し、恥じている様子です。
ま、一応、ブルクミュラーを聞いてみましたが、なるほど、「これからやってみます」状態の完成度でした。
これからやってみてください。

Mちゃんもまた、M3ちゃんの楽譜を借りて「明日の記憶」を ちょっぴり弾かせてもらいました。
こういう、「はやっている曲」などは、クラシックやスタンダードナンバーなどの いわゆる「純音楽」に比べて「大衆音楽」というジャンルになるでしょうか。
芸術性が低い、とか短命である、とかいう向きもあるかと思いますが、生徒たちが「好きだ」と思い、「弾いてみたい」と思う曲は、そのことだけとっても、大変価値の高いものです。
知っている曲、いつも歌っている曲が、楽譜になるとどんな譜面になるのか。
すごく難しいリズム割り、見たこともないような高い音や低い音、そういう楽譜を、弾きたい一心で苦労して読んでみたら、ああ、あのフレーズになるのか!といった驚きと喜び。
そして、耳馴染んだ音楽を、自分の手で再現する満足感。
そういった喜びの数々は、みな 彼らの音楽を形成する、大きな原動力です。
みんなには、どんどん好きな曲に体当たりしてもらいたいと思っています。

M&Mコンビは、今日は仲良くそろって「やりなおし~☆」でした。
来週をお楽しみに。 To be continured...

やりなおし~☆

2010年01月26日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小5):
いつもMちゃんと二人で来ると、まずMちゃんからレッスンになっていますが、
「たまには先にやれば?」と言われ、今日はM3ちゃんからです。

宿題だった「旅愁」、先週一生懸命がんばってほめられ、さて、今週どんなにじょうずになっているかと思ったら、「あれ?」「え?これでいいのかな?」と、自信なさそうな弾き方。
できばえも、先週と変わらない・・・というか、練習してないので先週できた分も頼りなくなってる。
「あーあ、残念だね。先週せっかく、ブログに『優等生』って書いてあげたのに」
「えっ、ほんと?見てない・・・
「なーんだ。今日、丸になると思ってたのにな・・・合格には、せめて間違い2個か3個までじゃなきゃね。大体、1小節に1回は間違えてるじゃん」
「まちがえてない小節もあるよ。あ・・・でも、3回ぐらいまちがえてる小節もある・・・
「ほーら、見てみい!平均すると1小節1回じゃんか。この曲は全部で1、2、3、4・・・16小節あるから、間違い16回ってことじゃん
「は・・・はは・・・
「やり直しだね!」
先生は、楽譜に「宿題!」の意味の☆印を、もうひとつ書きました。
「来週はしっかりやってくること!わかったね!」
「はい~
と怒られたあと、自分のお小遣いで買った楽譜の中の、好きだという「虹」を、「弾いてごらん」と、少し弾かせてもらいました。
知っている曲でもあり、好きな曲なので、難しくてもなんとかできる範囲でチャレンジすることは、ためになることです。
M3ちゃんは(見かけによらず)美しいゆったりした曲が好き。その感性をのばしてもらいたいと 期待しています。

きょうは社会科見学

2010年01月26日 | レッスン日記(小中高生)
Tくん(小4):
妹のTちゃんが「今日はおにいちゃん、おくれるかもしれない。社会科見学行ってるから」というので、大分遅くなるかな、と思っていましたが、ちゃんといつもの時間に間に合いました。
「お台場行って来たんだって?いいな~、どこで遊んだの?」と聞きましたが、水の科学館とか、お利口そうな所ばかりでした。
そりゃそうだね。社会科見学なんだから、フジテレビやら遊園地なんかで遊んできたわけじゃないんだ。(^_^;)

「はにゅうの宿」右手はタアンタ、タアンタ、という「付点四分音符+八分音符」のリズムの連続。それに、左手はおなじみの分散和音を合わせます。
Tくんはコードネームで弾くやり方が慣れているので、左手は一応コードを確認したあと、すぐ右手に分散和音を合わせました。
「両手いっぺんにやってごらん。その方が、右手のリズムが弾きやすいから」

付点のときは、けっこうリズムがいいかげんになってしまうので、片手ずつよりも両手いっぺんにやった方が、かえって正確に弾けるものです。
「今日は、学校の宿題ないんだよ!ラッキー
「毎日、宿題あるの?」
「毎日だよ!」
そりゃ ラッキーデーだね。
疲れてるようでもあったので、レッスンもあっさりした感じで終わることにしました。
帰ってのんびりしてちょ。

意欲的Tちゃん

2010年01月26日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小2):
「くちぶえふいて」を 両手で仕上げてくるのが宿題でした。
チロル風の、はずむようなポルカです。
前半は弾きなれた分散和音の伴奏ですが、後半は 初めて弾く ズン、チャーッチャ、ズン、チャーッチャ、というシンコペーションの伴奏となります。
右手と左手のリズムが うまく合わせられればいいのですが、人によっては大変難しい!と感じる場合もあり、そうなると収得にすごく苦労します。

ところがTちゃんは、ちゃんとメロディーとシンコペーションの伴奏を合わせて、しかも左手が軽く弾むように弾けていて、とってもいいと思いました。すごいすごい。

丸をつけてもらうと、Tちゃんは「あのね、この曲ひいてみたいと思って、ページにシール貼っておいたの」と、ずーっと終わりのほうのページを開きました。
「こういう楽譜って、ひいたことないから、どんなのかと思って・・・」
「いるかの旅」というその曲は、左手の伴奏が二声部になっている、かなり難しい楽譜です。
元気よく、いるかが水面にジャンプしている絵が描かれています。
「そうなの?こんな感じの曲だけど・・・」
先生が弾いてみてあげると、さし絵のイメージとは大分ちがい、ちょっと悲しい感じに聞こえる曲でした。
「ふうん・・・絵と、感じちがうね・・・」
Tちゃんも そう思ったようです。
「ほかの曲にする?」と言われてページをめくっていたTちゃんは、
「あっ、『星空はいつも』だ。これにする!これ、いつも学校で歌ってるもん」と目を輝かせました。
その曲は、多分5年生とか6年生向きの曲だと思いますが、合唱になっていて、歌詞も大人っぽく難しいです。
「こんな難しい歌、歌ってるの?」
「うん。ちゃんとわかるもん」
これも、大分後のほうの曲ですが、これをやってくることになりました。

Tちゃん、今日はなんだか、ずいぶんしっかりして意欲的に感じました。
そうだね。もうすぐ、3年生になるんだもんね。しっかりするはずです。

アンコール遺跡のお話

2010年01月23日 | その他日記
キノパパ:
今年になって最初のレッスンです。

冬休みの間に なんとあの世界遺産の聖地 アンコール遺跡へ行って来たとのことで、今日は そのときの写真を見せてもらいながら おみやげ話を聞くことで、めちゃめちゃ盛り上がってしまいました。

アンコール遺跡は、現在のカンボジアの元になった「アンコール王国」の遺跡です。
中でも「アンコール・ワット」は特に有名な寺院ですから、みなさんも その名を耳にしたことがあるかもしれませんね。

熱心な仏教王国であったアンコール。その遺跡には、いたるところ仏像が彫刻されていて、その巨大さ、緻密さ、美しさ、そして数の多さには、写真を見ただけでも圧倒されます。
この、人類の貴重な文化遺産である広大なアンコール。そしてそこからほんの15分ぐらい離れた場所では、一般市民が 壁も電気もないような粗末な家に肩を寄せ合って暮らしています。
子どもたちは皆 靴も履かず裸足、そして家族の一日の生活費は 200円だそうです。
「みんな、とにかく今日一日を生き抜くことだけで精一杯の暮らしです。見なければよかったと思うような、悲惨ともいえる場面も目の当たりにしました。けど、やっぱり行ってよかった。あの国を体験して帰って来てから、何事にも不満がなくなりました。会社での人間関係や嫌なこと、日々の不平不満・・・そんなものが何でしょう? 今日を何不自由なく暮らし、電気もガスも水も豊富にあり、食べ物はあふれ、明日に何の不安もなく、暖かなベッドで眠れる、恵まれた暮らしに感謝しなきゃ、という気持ちに、ほんとになっちゃいますよ。」
キノパパは言いました。
「あれを見ると、人生観が変わります。あの、何も持ってない人たちと、何でも持っている自分とを引き比べて、何というか・・・ショックを受けました。本当に・・・大きなショックでした」
心優しいキノパパは、本当にショックを受けたようでした。
なぜなら 帰国後、高熱を出して寝込んでしまったのですから。
そのため、今年第一回のレッスンが、今日まで延びてしまったのです。

私たちは、もっと自分の持っているものに感謝して、大事にしなければいけません。
そして時々は、遠い空のむこうの、カンボジアのみなさんに、そして時空を超越して今なお残る広大な遺跡に、思いを馳せようではありませんか。


アートなピアニストの方々 PART2

2010年01月23日 | その他日記
このピアノの絵
タイトルは「ワルツ」です。
その名の通り、ブラームスの連弾曲「ワルツ」の楽譜が、譜面代に拡げられています。

これは、私の友人が描いた絵です。
恐れ多くも、コンクールで入賞した作品なのですぞ!
彼女も 私と同じピアノ教師です。
ピアノを素材とした 絵の細部まで 決しておろそかにせず、丁寧に描き込まれていて、さすがピアニストだなあ、と思います。

譜面代に拡げられた楽譜のページがやわらかくうねっていて、印刷された五線譜も、その隆起に沿って丁寧に描かれています。
このように描くのは、すごく大変だったと思いますよ~
この楽譜、ちゃんと本当に弾けるように、正確に書いてあるそうですよ。

また、ちょこんと座っているお人形の重みで沈んでいる鍵盤の感じ。
この正確さは、ピアノを本当によく観察している人じゃないと描けないです
また、開いた蓋(ふた)の裏面に映り込んでいる、ソファーなどの様子も、夢見るような、不思議な雰囲気を出していると思います。

私は小さいころ、ピアノの中に映り込んで ダークに姿を変えた部屋の中とかを、すごく不思議な感覚でじっと見ていたものです。
まるで「鏡の国のアリス」みたいに、ピアノに映ったダークな世界へ誘い込まれるような、そんな奇妙な感覚を味わっていました。
お人形、というのも、何か不思議な異世界へつながるものでした。
そして、そんなバックに流れる、アンティークなワルツ

この絵は、そんな、幼い日の不思議な倒錯のあやうさの世界を思い出させてくれる、そんな気がします。

どうです?! ヒバリ推薦の、アートなピアニストのみなさんの作品たち。
みなさま、ご堪能いただけましたでしょうか?

アートなピアニストの方々 PART1

2010年01月23日 | その他日記
この作品を見てください!
これは、水曜日に来ているHさんが、ご自分で作ったものです。
お母様が着ていらした着物(絹)の布を使って作った、かわいい金魚の巾着袋
90才のおばあさまにいただいたものを見て、裁断や縫い方など推理しながら作ったというのですから、驚きではありませんか!

さまざまな色の、小さなパーツを縫い合わせ、てっぺんにはカワイイ帽子(?)、そしてその部分に紐が通してあって、小さな巾着として使えるのです。
おばあさまにいただいた時には、お香が入っていたということでした。
タンスに入れて使ったのでしょう、というHさんのお話です。
なるほど、和風サシェ、ということですね。かわいい
そのほかにも、お琴の爪を入れるとかさ、指輪やピアスを入れるとかさ、いろいろ考えられるじゃありませんか

これも、Hさんの作品です。
こちらは、花びら型の巾着。
どうです、すてきでしょ?

これらを見せていただいて、とても驚いたので、私はさっそくWEBで、そのようなものが定番としてあるのかどうか、調べてみました。
そうしたら、和風小物、として同じようなものがWEBでもいろいろ販売されたりしていましたが、どれも固そうで色もあまり使ってなく、Hさんのみたいに優雅なのは ひとつもありませんでした。

Hさんは、以前に「元祖スポーツ追っかけギャル」としてブログに登場してもらったこともある、元バリバリのキャリアウーマンなのですが、こんな素敵な手芸もできるなんて、さらに尊敬度アップです\(^O^)/

また作品見せてね

超スピードで!

2010年01月21日 | レッスン日記(小中高生)
M2ちゃん(小4):
オレンジ・ピンクとバーナムを弾くのを聞き、確かにM2ちゃんのタッチはしっかりしてきたと思いました。
どんな曲も楽しげに弾いているのが、M2ちゃんのピアノの特徴でもあります。
さて、宿題の「天国と地獄」。
先週、コードで伴奏したり、リズムを変えて弾いたりし、さいごに楽譜通り、分散和音で通して弾いてくることになっていました。

M2ちゃんは、しっかりしたタッチで弾いています。
「もうちょっと、速く弾ける?」
弾き終わったとき、先生はききました。
「え?どれくらい速く?」
「そうね・・・これくらい
先生は、ほんの少しだけ、テンポを上げて弾いてみせました。
「うん、やってみる」
M2ちゃんは弾きました。とちゅう、苦手なところでちょっとつまづいたりしますが、そのほかの所はちゃんと弾けています。
「できたね。もうちょっとだけ、速くひいて?! このくらい・・・
こうして、少しずつ、M2ちゃんの「天国と地獄」は、テンポがあがっていきました。
何回か弾いて、かなりテンポが上がったとき、先生は言いました。
「じゃ、来週の宿題言うよ。せっかく、こんなに上手に弾けてるから、これを、すごーく速く弾いてきて!」
そしてM2ちゃんのテキストに 赤エンピツで「はやく」と書き、その文字の前に「超」と書いて丸で囲みました。
「いいね?超・速く弾いてくるんだよ」
「うん、わかったー

もう「天国と地獄」が、大分上手に弾けるようになったので、合格にしてもよかったのですが、近頃指がとてもしっかりしてきたM2ちゃんなので、それをきわめてみたくなったのです。
来週の成果に期待

ガッツ!Sちゃん

2010年01月20日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(年長):
10月からピアノを始めて、丸3ヶ月。
その間に、「うたとピアノのえほんみぎて」「うたとピアノのえほんりょうて」「ピアノで歌を1」と、もう3冊の本を終えました。
先週、「ピアノで歌を2」の本をもらって、今日は、その本の最初から4番まで、いっしょうけんめい練習してきて 丸をもらいました。それも、
「わたし、これ見なくても弾けるよ。見ないで弾いてみるから!」と、どの曲も2回目は楽譜を見ずに、みごとに弾くのです。
先週、はじめて「暗譜演奏」を披露してくれた時に、
「うわあ、すごいね!見ないで弾いたから、花まるつけてあげるね」と、すでに3重丸をつけていたところを花びらでグルグル囲んで「花まる」にしてあげたら、それ以後必ず、
「花まるは?」と催促するようになりました。w(^□^)w 

幼稚園ぐらいで、普段お母さんが 熱心にお家で教えてくださったりしているお子さんだと、耳で聞いたものをそっくり覚えてしまっている、ということもあります。
てっきり楽譜がよく読めるのだろうと思っていると、実は耳で覚えているだけで 読譜力が全くない、ということが高学年になって発覚し、取り返しのつかないことになったりするのです。
しかしSちゃんの場合は、確かに自分でちゃんと音符をよんで練習し、それを暗譜しているようなので、まだ幼稚園なのに、なんとしっかり学習しているのだろうと、感心します。

小さい「レッスン記録ノート」に、教室でやった曲や宿題などを書いていて、毎週、お母さんの方からは お家での練習の様子などを書いて持たせてくれています。
今週のお便りを読むと、「練習しながら泣いているので驚きました」と書いてあるのです。
お母さんは家事をしていてピアノは見ていないので、叱られたわけでも下手だと言われたわけでもないのに、自分一人で弾きながら泣いていた。きっと、うまく弾けなくて泣いてしまったのでしょう、ということでした。
ガーン!すごい
私は幼稚園時代に、弾けなくて泣いたことなんてなかったと思います。
なんてガッツのある子なんだ、Sちゃんは~
その練習はちゃんと成果をあげ、入門3ヶ月でSちゃんの指は、おどろくほどなめらかに動くようになってきているのです。
まだ、おそらくピアノが何たるかもわかってはいず、ただただ楽しく弾いているのであろうSちゃんですが、成長した時に どんな音楽を好きになっていくのか、どんな演奏をしてくれるようになっていくのか、楽しみがいっぱいです。
入門してきた子どもたちには、いつも そういう楽しみがあります。

末永く、暖かく、見守っていきたいです。

世界がひとつになるまで

2010年01月20日 | レッスン日記(小中高生)
Y子ちゃん(小4)
いつもレッスンに来て、まずエクササイズの「バーナム」をひととおり終えると、つぎはメインテキストのレッスンです。
「うたはともだち」のアレンジレッスンを始めてからは、毎週 バーナムが終わると
「次、これ?」と「うたはともだち」を出そうとするY子ちゃん。
メインテキストはブルクミュラーなので、
「うーん、まずブルクミュラーをやろうね」と言うと、「うん」とアッサリうなずいてブルクミュラーを出すのですが・・・
実は「うたはともだち」が、とっても楽しくて大好きなんだなあ、と Y子ちゃんの気持ちがわかってしまう先生なのでした。

今やっているのは、Y子ちゃんが「これが弾きたい。学校の先生が、赤ちゃんがうまれるのでお休みに入る時、お別れ会でみんなで歌ったの」という、「世界がひとつになるまで」です。

 なぜみんな 
 この地球に生まれてきたのだろう

 世界がひとつになるまで
 ずっと 手をつないでいよう
 あたたかいほほえみで もうすぐ
 夢がほんとうになるから

確か アニメ「忍たま乱太郎」で歌われてたと思う・・・
しみじみとリリカルな、美しい歌です。

今までに弾いたことのある伴奏形や、テンポや、いろんなことを思い出して、この曲に似合う伴奏をつけてみよう・・・
そういうことをコンセプトに、最初は和音で落ち着いた刻みの伴奏、途中からは盛り上げながら、ちょっとリズムの揺れを感じさせる伴奏。そして右手も、コーラスのパートが歌集に書いてあるのを利用して、厚みのあるサウンドにしよう・・と、先生はアドバイスしました。
「その3つを取り入れて弾くと、こんな感じになるよ」
先生が弾いてあげたのを聴いて、「うわあ・・・」と Y子ちゃんの目はになっちゃいました。
「こんなふうに、弾いてみてね」
「うん。できるかなあ・・・」 
できるよ。美しいものを表現したい!と思う気持ちが、あなたに力をくれるのだから。
来週、楽しみにしてるから、がんばってきてね。

優等生M3ちゃん

2010年01月19日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小5):
「大人のピアノ教本2」から、「旅愁」が宿題になっていました。
♭ひとつのヘ長調(メインとなるスリーコードはF、B♭、C7)、左手でタリラリ、タリラリと分散和音の伴奏をつけるスタイルです。

「旅愁」は、もともと歌の曲で、ピアノで弾くために作られたものではありません。
なので 鍵盤でメロディーを弾くのはけっこう弾きにくく、右手もあちこち跳んだり指をクロスさせたりと、しょっちゅう気をつけていなければいけません。
また、左手も、曲の区切りのところなどで イレギュラーなフレーズが投入されていたりして、今までM3ちゃんがタラタラやっていた「ピアノで歌を」の子ども用の楽譜からは 格段に弾きづらくなっています。
けれどM3ちゃんは、♭も落とさず、音も間違えず、指番号もちゃんと守って、驚くほどきちんと練習してきていました。
また、去年 中間部を抜かして弾いていた「エリーゼのために」の中間部にも再チャレンジを開始し、今日は 先生から言われていた「後半は両手で弾けるように」をちゃんと実行してきました。
なんだかもう、今年は別人でスタートみたいな、すっかり中堅リトルピアニストのM3ちゃんなのです。
「あっ、先生、この間もってきた『ジャニーズ曲集』から、何弾くか検討してくれた?」
そうなんだ。M3ちゃんが、お小遣いで買ってきた「ジャニーズ曲集」。発表会で弾きたいから、曲を選んでと言われてた。
「うん、まだ検討中・・・『虹』は やりたいって言ってたよね?」
「うん。あと、ブログ更新してなかったよ。」
だはっ、すまん
「今日見たら、更新してなかったよ。楽しみにしてたのに・・・」
今では すっかり優等生に生まれ変わったM3ちゃんにダメ出しされてしまった
すみません、これからはなまけず 更新がんばります