HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

Sちゃんボレロ熱演!

2016年02月03日 | クラシック曲
Sちゃん( 小6 ):
クラシック曲集の中から「ボレロ」を練習してきました。
この「ボレロ」という曲、一応 曲集の中に入ってはいるのですが、これまで生徒の誰かに与えたことは 一度もありませんでした。
なぜなら、単調なリズム、単調な旋律が延々と続いていく この曲は、そのオリジナル演奏やオリジナルバレエ(バレエのために、モーリス・ラヴェルが作曲した)をよく知っている人じゃないと、譜面だけ見ても何がなんだかわからない→魅力がない、という曲だからです。
まして小学生には、単純なくせに譜割りやリズムが読み取りにくくとっつきにくく、ちんぷんかんぷん~となってしまうのがオチだからです。

それが、今日のSちゃんの演奏はどうだ!
一寸の狂いもなく、粛々と続けられるリズム。
ハッキリとしたタッチで、自信にあふれた旋律。
そうです。Sちゃんは弱冠12歳ながら「ボレロ」が何たるかを知っている人、なのです。
「知っている人」には素晴らしいスリルと魅力にあふれた「ボレロ」。
Sちゃんが弾き終わるのと同時に「すごい!よく練習したね!」と絶賛、そして「たいへんよくできました」のシールを貼ってあげました。
「Sちゃん、がんばったね。オーケストラやバレエの様子を思い浮かべながら弾いてたよね」
こっくりと頷くSちゃん。
そうなんだよね。
実は今Sちゃんが弾いた楽譜は、ピアノ学習者のために編曲されたものだから、どんなに一生懸命弾いても 本物のオーケストラ演奏みたいな厚みのあるサウンドや、迫力のある音は出せなくて、ちょっと残念なのです。

だけど、シンプルな単音のメロディーと ほとんどベース音だけの伴奏でできているこの楽譜を演奏している間じゅう、Sちゃんの心の中には 大編成のオーケストラサウンドが鳴り響いていて、バレエの様子もはっきりと見えている。
そのことが、横で聴いていてもよーくわかります。
自分のイメージの中ではオーケストラと一緒に弾いている気分だから、シンプルな楽譜でも楽しいのです。
ちっとも、物足りなくなんかないのです。
それが一番大事。イメージの翼の力は無限。

Sちゃん、先生にもオーケストラがはっきり見えたよ。
冒頭の、たった一人の小太鼓から、少しずつ少しずつ演奏者が増えて行って、最後は巨大なオーケストラになる様子。
そして、男性バレエダンサー…上半身裸で黒いタイツのソロダンサーのしなやかな踊り。
力強い群舞と大迫力の幕切れ。
全部はっきり見えたよ。

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