この夏の太平洋静狩浜から日本海寿都湾まで一日で歩く40Kmウォークは無事に終了した。
最終組は夜8時、朱太川の河口の堤防を脚を引きずりながら懸命にゴールを目指すRyo、もう止まってしまうのではないかと後ろからライトを照らして心配した。 前へ前へと向かう子どもの姿に感動したなあ。
40Kmウォークは札幌で支笏湖まで歩き始めた20年前から実施している。私が黒松内に移住してからは黒松内開催の恒例行事が秋に開催されるが、夏休みにも実施することがある。 今年は3年ぶりに開催した。暑さがあるので夏の方が過酷だ。
スタッフが子どもに寄り添い歩く。 ひとりで歩ききれる上級生はいるが、小さい子はやはり大人のサポートが必要となる。今回は、役場から研修で来たAさんが、なきじゃくるSを途中、引っ張るように歩いていた。初めて経験する足の痛みだ。当然、「もう歩けない」と思う。足が壊れてしまうのではないかと不安になる。彼はもう諦めるんじゃあないかというくらいにシャクリあげていた。 しかし、その彼も覚悟を決めると、ついに無言になり、歩いた。
Rは、もう進めないのではと思うくらいに脚を引きずるように一歩一歩歩いていた。スタッフは彼の歩調に合わせゆっくりと前を歩き、ときどき振り返っていた。 Rが朱太川の河口の土手に入ると、私は車のライトで後ろから伴走した。 左足を一歩前に出し、その反動で右足も動かすというような姿が映し出さた。
目標を完遂し、太平洋で瓶に入れた砂に 日本海の砂を重ねいれた。 私は、朝、言った。
「日本海の浜でも砂を入れて、よく観てごらん」と。 彼はそれを覚えていた。
暗くなった浜で日本海の砂を瓶に重ね入れて、ヘッドライトの光でそれをしみじみと観察して・・・、
小さく・・・、そして、言った・・。
「本当だ・・・、違う・・・」
それは、自分で40Kmも歩いて、自分で確認したことだ。
すごいことだ。
その言葉を聞けて、私は嬉しかった。
人生に困難がないなんてことはありえない。
その困難に出会ったときに、 この経験は大きな糧となるはずだ。
自然体験活動をなぜするのか・・・ 生きるために必要なことを学ぶため
そして、彼のこの一言のために・・・
僕らはシゴトをしたい。
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