高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

請願提出

2020-11-22 15:27:45 | 日記
1月19日。黒松内町議会へ北海道新幹線トンネルの掘削残土置き場についてのJR機構との協定見直しの請願署名の提出をしてきました。
 
北海道新幹線札幌伸長工事の多くはトンネル工事となり黒松内町の当該工区でもこの夏より開始されました。元々鉱山があったような地質ですから、すぐに心配されていたように有害物質が検出されました。当地工区では、それは基準値以上(4倍)であっても人体にとっては微量と言われる数値でそのまま土砂として置いても土壌吸着して流失はないとのJR工事機構側からは「安全」の説明を受けています。
しかしなあ・・、実際に置き場は沢地状であり要対策土と言われる土砂がダンプカーで運ばれてきて、埋立地上部にダダダァーとつ見下ろされる様子を見学すると、ホントかと思わざるを得ません。 核ゴミ問題と同じで、国策仕事であり、あちら側の研究者は「安全だ」と説明しますが、こちら側の研究者は「安全を保障できない」言います・・・。
 
そこで、「朱太川の清流をまもる会」という団体を立ち上げて、工事見直し(JR工事機構と町の協定の見直し)を求める署名活動を行い、それを請願として黒松内町議会にあげました。
 
町内ではこれまで、長い議論もあったようですが、結果としては、お金がかからない川にごく近い町有地に最もお金がかからない工法で捨て置かれるだけとなってしまいました。 工事後の機構側管理も基本は2年間であり残土は町有になってしまいます。 場所の変更は困難なことでしょうが、せめて管理方法の見直しを求める請願書を署名を集めて町議会に提出しました。
 
 
しかし、工事の中止や変更は、そう容易いものではないでしょうし、結局はこのまま続けらることになるでしょう。
しかしね・・、 何も言わないのでは ダメだね!!
そして、こんごはいかにすべきか・・・
 
市民団体として、投棄地下の水が流れ出る場所で採水調査するしかないか・・。
 



 
 
 
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遺稿

2020-11-19 16:05:08 | 日記
死んだ父親と母親の遺品が今頃になってごそっと送られてきて整理をしていると、文才のあったお袋の詩や俳句、短歌があった。

油蝉
日なたくさい乾いた匂いにむせんで
すべっこい肩が栗色に焼けて光って
キラキラした目で油蝉をつかんで来た。
ギ・ジジジーと わめく蝉のほか
なんにも彼の目には入らないで
ただ 私を見上げて
生えかわったばかりの白い前歯を見せて
ニッと笑った。
長い敏捷な脚と傷だらけの細い腕だけで
雑木林を馳せ巡って枝を叩き
乾いた道に砂埃をけたて
余多の仲間を唖然とさせて 帰ってきた。

跳ねろ、
飛べ。

お前の少年時代は一度しかない。

羽ばたきする背をつまみ
じっと耳にあて 目を細くして
今。
恍惚悦にいる吾子。
☆☆☆☆

昭和46年だから、弟とのできごと描写だろう………。 こんな愛情に包まれてアタシ達は育まれてきたんだなあと、いい歳してホロリとしてしまったよ。

オフクロ、ありがとう。合掌……。

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風雪に耐えて

2020-11-14 10:49:09 | 黒松内・寿都

寿都町と黒松内町、島牧村で分ける寿都半島(私だけの通称)には月越山地が背骨のように伸びています。その最高峰(とはいえど、標高503mですが)の名前は母衣月山といいます。読み方は「ほろつきやまやま」です。 北海道はアイヌ語源の地名が多いのですが、これはかない大和語起源のように感じますが、その由来はわかりません・・。

この頂上には、遠くから樹冠だけが見える大木のような常緑針葉樹あります。それを見ざして冬期にスノーシューで目指したことがありました。無雪期は背丈以上の根曲がり竹が密生しているので近づけません。 ときおり太いダケカンバなどがありますし、ちょっと離れた場所にはミズナラの大木もあるので、かつては原生の森だったのでしょうが、ニシン漁盛んな頃に生活やニシン油製造のための燃料としてバンバンと伐採されてしまったのでしょう。

近づくと、大木あらず、なんと背丈ほどのオンコの木(いちい)なのです。 風雪に耐えて成長ができなかったのか・・、あるいは、あまりにもわかりやすい目印のように鎮座しているので、誰かが植えたものなのかもしれません。

なかなか近づきがたい場所にあるのですが、大切にしたいいち樹です。

(写真は 山本竜也さん撮影)

PS アイヌ語で 大きな盃を伏せた山 みたいな名前でもあるらしい・・と、とあるかたからお知らせが来ました。

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初雪

2020-11-10 09:52:14 | 日記

今年はイチョウが色づいたと思ったが。すぐに落葉し雪が来た。分かってるんだなあ。

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小泉元首相講演会

2020-11-01 11:48:56 | 日記
ブログではあまり書いていませんでしたが、寿都町が高レベル放射能廃棄物の最終処分場(地下埋設)の立地への文献調査に応募するということで寿都町では反対運動が起こっています。「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」が立ち上がり、文献調査応募の是非を問うています。そもそも同町には、住民投票を行うための条例規定がないので、この条例設置を求める請願署名活動をしました。その前に町長はもはや独断で国に応募をしてしまったのですが・・・。 にしろ、応募後に取り消しをした高知東洋町の前例もあるので、住民は町長リコールも視野の入れて運動を継続しているところです。

その中で、元総理大臣の小泉氏の講演が決まりました。 私も小泉事務所にお願いのメールを入れたりしました。原発反対の全国ネットワークや城南信用金庫の後押しなど多くの要請もあり、小泉氏が来町を決断をしてくださいました。11月3日に東京から日帰り講演です。 小さな町の市民団体が受け入れる超VIPなので、受け入れにてんやわんやですが、いよいよ明後日です!!
 
氏は、首相当時は原発推進派(ともかくも国是推進)だったのですが、東日本大震災の福一事故、フィンランドの地層処分予定地への視察などを通して、今や原発反対の旗振り役になっていることはご存知の通りです。講演会の聴衆は近隣町村を含めて、今のところ300名くらいにチケットが配布されているもようです。 これを機会に運動にはずみがつくことを願っています。
 
このような状況の中で、寿都町の浜中地区で大きな土木工事が進められています。市街地からは離れているので寿都町民もよく知らないと思います。 はば3,40m、長さ2-300mはあるでしょうか、運河ができるような掘削工事です。林に仕切られているので道路からは見えにくいのですが、この先の海岸によく子どもの活動でゆくので、たまたま見つけました。何人かの町民に聞くと「土砂採取らしいよ」「風車新設の基礎工事のためじゃないかね」とあまり関心がないようなので、工事現場近くまで行ってきました。
 
工事看板には、「漁港護岸工事」ともあります・・。
役所に照会したところ・・・、「ホタテやカキの水揚げ用で、何年も前から決まっている工事で今回とは関係ない」と寿都役場の人も建設主体の小樽開発建設部も言います。
 
でもね・・
随分と今の寿都漁港と離れているでしょう・・。 こんなに大きい港が必要なの? まるで大型の運搬船も接岸できそうではありませんか。  今は漁港づくりとして農水や北海道開発庁予算を使って建設されても、国のやることですから、商業船港と用途変更など簡単にできてしまうんでないかい???
 
まさかと思いますがね・・、こういうご時世なので疑心暗鬼になってしまいます・・。
 
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寿都石

2020-11-01 11:09:46 | 黒松内・寿都

10月22日

隣町の寿都で開催されている「寿都お宝学習会」なる市民サークルに参加させてもらっています。10数人のメンバーがいて寿都教育委員会の学芸員参加事務局を勤めてくださっています。 寿都弁、寿都鉄道、金唐紙、角十佐藤家などいくつかの調査グループがありフィールドワークをしています。 私はかつてのニシン漁の場所請負人だった佐藤家の倉の片づけチームに入っているのですが、他のチームのワークにも参加してもいいので、「寿都の石」チームのフィールドワークに参加してきました。

寿都はニシン漁盛んな頃の大金持ちの家が今も残っており、それらの土台やら墓石などに本州から北前船で運ばれてきた本州産の建築石が各所で使われています。 それらは灰色から肌色の火山性の溶結岩なのですが、どうもそれと違う黄色みがかったものでありました。調べてゆくと、港の岸壁にも使われていたりすることが発見されています。 海岸にも崩れて波に揉まれて丸みを帯びた石も数多く見つかります。


今回は、詳しく歩き回ったこの地区(美谷・びや)のTTYさんの案内で巡検。すると、海岸にある稲荷神社の地面がこの黄色みがかった地層が露頭していることがわかりました。さらには、切り出し場であったであろうかと思われる地形が大きくくぼみ同様の地層が露出し、タテヨコに切り込みがはいっている崖もみつかりました・・。
 
地質の専門家に写真をみて頂いたところ、水冷破砕岩というらしく、太平洋側の室蘭にも散見されるらしいことがわかりました。 それじゃあ、ロマンもないので、この石を「寿都石」と勝手に命名し、お宝認定することにしようということになりました・・・。
 
フィールドワークは想像も膨らみ、おもしろいね!
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環境教育の意義

2020-11-01 08:55:10 | 主義・主張

寿都弁慶岬。 美しいなあ・・。 

こんな美しい海がある寿都町で、今、高レベル放射性廃棄物の最終処分場(地下地層処分地)の立地文献調査への応募が決まった。それも、町の協議会(議会ではない、法的根拠はない)で通したこととは言え、町長独断の形で・・。 町長が独自独善で応募しても法律上はなんの問題がない町長専決事項でもあるのだ。寿都町には住民投票の規定すらない・・・。(なので、今、条例制定への請願を出している) このこと自体が法律の建て付けとして、核リサイクル国策事業の焦りを現している。

しかし、この問題に対して賛成する‍人と反対する人がどうして現れてしまうのだろう・・・。 放射能のことだけを考えれば、そんなものを近くに置きたくない、危険であると、ちょっとだけ知識があれば生理的にも受け付け難いことだと思うのだが・・・。

問題の本質は、やはり「お金」「経済の成長」への信奉があるかなしなのだろう。

自然体験型環境教育を自分の仕事としてきた私だが、その教育的大きな目標に、「空間的視野の拡大」と「時間的視野の拡大」というお題目・ベースコンセプトがある。 この視野の拡大がなされていない人々がイコール推進派なのだろうと感じること多大である。

空間的視野とは、そもそも環境とはいち限定されているものではなく、つながりがあるものである。今ここに、目の前にある事象はその隣にも繋がっているという視野・感覚だ。 地下には水脈もある、地質断層もある・・、放射能は管理が行き届かなければ拡散するものである・・・・・、目に見えない微生物もプランクトンも存在している・・、何万Kmも離れた地域で紛争が起こっている・・、障がいのある人には使えない場所である・・・、アパートの中に引きこもっている老人も若者がいる・・・。 森と海はつながっている・・。 これらが感覚的に理解できることが空間的視野の拡大だ。

時間的視野とは、何百年、何千年、何万年、何千万年前から命は脈々と繋がってきたかけがえのない存在である。ここがわずか100年前は森であった、湿原であったことを想像できるか、人口減社会を想像できるか・・、これらが感覚的に理解できるようになるためには時間的視野の拡大が必要だ。

これらが備わっていないと、とうてい、「世代間の公平性」など理解はできない。

寿都町長は、最終処分場建設を前提とした概要調査終了の段階で、町民の皆さんに、その先に進むか否かを判断していただくと説明する。 それは20年後らしい・・。今の子どもが働き盛りな頃だ・・。そんな重大な問題を先送りする神経が理解できない。。。

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