北海道紋別郡上湧別町にあった開盛駅は、宗谷本線の名寄駅から石北本線の遠軽駅に至る本線(138.1km)と中湧別駅から湧別駅に至る支線(4.9km)の2つの支線から成っていた国鉄名寄本線(143.0km)の一般駅の社名淵駅として、1915(大正4)年11月1日に開業しました（開業時は湧別軽便線に所属）。
しかし、名寄本線が北海道旅客鉄道(JR北海道)に移行後の1989(平成元)年5月1日で廃止されたことに伴い、開盛駅も廃駅となりました。
開盛駅は,、1986(昭和61)年11月1日の駅の完全無人化までは千鳥式に配置された単式ホーム2面2線を有していて列車交換も可能でしたが、廃止時は遠軽方面に向かって左側に配置された単式ホーム1面1線のみの無人駅でした。
開業時に建てられた木造駅舎が、無人駅になってからも解体されずに廃止時まで残っていました。
開盛駅が属していた名寄本線は、1896(明治29)年5月14日に公布された北海道鉄道敷設法の規定により、道央とオホーツク沿岸方面とを結ぶ幹線鉄道として建設され、1921(大正10)年10月5日の全通後は札幌と北見・網走方面を結ぶメインルートとなりましたが、1932(昭和7)年10月1日に石北本線が開通すると、名寄本線は一転してローカル線に転落してしまい、以後はオホーツク沿岸の市町村を淡々と結ぶ生活路線に徹しました。
やがて名寄本線は、1980(昭和55)年12月27日の国鉄再建法（日本国有鉄道経営再建促進特別措置法）施行による特定地方交通線選定の際には第2次特定地方交通線に選定されますが、営業キロが143kmもある長大路線であったため地元の自治体が特別な配慮を求めたことや、沿線道路が未整備だったため、冬季の代替輸送に問題があるなどの理由により1984(昭和59)年6月22日に一時廃止承認が保留されたものの、その後、運輸省の調査結果を受けて1985(昭和60)年8月2日に追加廃止承認されてしまいます。
そして、1987(昭和62)年4月1日の国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)に承継された後、1989(平成元)年5月1日で廃止され、それに伴い開盛駅も廃駅となりました。
＜開盛駅の年表＞
・1915(大正4)年11月1日：湧別軽便線の一般駅である社名淵駅として開業
・1922(大正11)年9月2日：線路名が湧別線に改称されたのに伴い、同線の駅となる
・1932(昭和7)年10月1日：湧別線の遠軽駅～下湧別駅間が名寄本線に編入されたことに伴い、同線の駅となる
・1934(昭和9)年2月5日：駅名が開盛駅に改称される
・1961(昭和36)年7月25日：貨物取扱い廃止
・1978(昭和53)年12月1日：荷物取扱い廃止。同時に出札・改札業務を停止し、旅客業務について無人化。但し、閉塞扱いの運転要員は継続配置
・1986(昭和61)年11月1日：交換設備を廃止し、駅の完全無人化
・1987(昭和62)年4月1日：国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となる
・1989(平成元)年5月1日：名寄本線の廃止に伴い廃駅となる
（駅 名 標）
（駅舎・ホーム側）
（開盛駅駅舎）
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