日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

富士通のPCの広告が気になる

2014-02-22 21:51:00 | CMウォッチ

最近富士通のパソコンの広告が、とても気になっている。
富士通LIFEBOOK:GRANNOTE

勘の良い方ならおわかりだと思うのだが、この広告に登場しているのは総て男性。
なぜ、女性が登場しないのだろう?
別に最近流行(?)になっている「クレームでCM中止」を狙っている訳ではない。
単純に「女性が登場しないこと」に疑問を感じているだけなのだ。
と言うのも「大人の生活をより豊かに」というのが、このPCのキャッチフレーズだからだ。
女性は、「大人の生活をより豊かに」する対象ではない、と言うことだろうか?

米国ほどではないが、日本でも複数の人が起用される広告では男女比・世代比などのバランスに配慮する傾向がある。
さすがに、女性下着のCMに男性がその下着を着用すると言うことは無いが、女性向け商品にあえて男性を起用する、と言うケースは若干ではあるが増えてきているように感じている。
男性アイドルを起用し「男性から女性にエールを送る」と言う、演出のCM等は対象としているのは女性だが、あえて男性を起用し商品のイメージづけをしている、と言う一例だと言える。

そう考えると、ノートPCと言う商品そのものは、男性向け・女性向けという商品ではない。
そしてこの「GRANNOTE」という商品のキャッチコピーとなっている「大人の生活」という点でも、男性・女性は関係がないと思う。
この広告に登場している男性を拝見すると、おそらく40代後半~50代のように思われるのだが、この世代の女性達の多くは子育てもほぼ終わり、自分の時間を上手に使い、友人同士の小旅行やショッピングなどでネットを日常的に活用している世代だと思う。
もちろん、仕事をし続けている女性も多い世代でもある。
むしろ、男性のほうがその様な余裕が持てずにいるのでは?
とすれば、このPCの付帯サービスが「大人(男性)の生活を豊かにする」ということだろうか?

面白いことに、WEBで紹介されている「みんなの声」を見てみると、実は広告に起用されている様な世代ではなく、もっと若い世代が興味を持っている。
何となくだが「大人の生活を豊かにする」というキャッチコピーとは裏腹に、本当はもっと若い世代で男性・女性なども関係がない人達が、この商品のユーザーなのでは?
違う言い方をするなら「普通のPCと同じ」ということだと思う。

広告も「大人」をキーワードにした付帯サービスにしても、企業側がやりたいことが「今」にあっているの?と、感じるのだ。