日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

時代を反映しているラジオCM

2014-02-24 20:38:17 | CMウォッチ

テレビCMは、番組の邪魔者!と思っていらっしゃる方も多いと思う。
テレビCMの場合「中座をする」と言う方法で、CMを見ないと言う方法があるのだが、ラジオCMの場合、その様な訳にもいかない。
とは言うものの、ラジオCMは映像がないため音声だけで「製品・商品・サービス」を伝えなくてはならない。
その為の苦労というのは、テレビCMとは別の苦労があると思う。
だからだろうか?ラジオCMと言うのは、その時々の社会を反映しているモノが多い様な気がする。

最近では、某ドリンク剤のCMに「クスッ」と笑ってしまった。
一つは「なんてきれいな夜景なの?」とデート中の女性が男性に話しかけ、ややお疲れ気味の男性は「それは、サラリーマンの苦労が輝いているからさ」と、答える。
確かに、高層のオフィスビルには、夜遅くまで照明が点いているコトが多いだろう。遅くまで仕事をする人達がいるからこそ、遅くまで照明が点きそれが一つの夜景となっている・・・と言うのは、想像できる。

また、最近フィットネスクラブに通い始めた若い男性社員が、ウェイトトレーニングの成果自慢をしていると、「あら、私なんて10㎏くらいは片手で持ち上げているわ」と、女性が一言。
その言葉に反応した若い男性社員達のことばは「子育て、お疲れ様です」だった。

おそらく、10年前なら、この様なCMはできなかっただろう。
子育てをしながら仕事を続ける女性が増えてきたからこそ、この様なCMがリアリティを持って聞けるのだと思う。
僅か数秒足らずのラジオCMには、ユーモアのセンスだけではなく、エッセンスとしての社会風刺も必要だ。
それが「都会の夜景と残業をするサラリーマン」であったり、「スポーツジムでのウェイトトレーニングに対する子育ての大変さ」になるのだと思う。

「映像がない」と言うことは、聞き手が想像しやすくなくては意味が薄れる、と言うことなのだと思う。


ちなみに同じラジオCMのシリーズの中には以下の様なモノもある。
母親「さぁ、ごはんにしましょう。その前にすることは?」
子ども「まず、写真を撮ってブログにアップする!!」
母親「まず、手を洗うでしょ(やや怒りの語調)」

確かに、最近外食をすると「頂きます」よりも先にスマホやデジカメで写真を撮る人は多い。
それが良い・悪いではない。その様な人が増えている。増えているだけではなく当たり前になってきている、と言うことをシニカルに伝えているのだと思う。
その点では、テレビCMよりもラジオCMのほうが社会風刺度は高い様な気がする。