日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「恵方巻」に見る「食卓の変化」

2014-02-03 18:51:41 | マーケティング

今日は「節分」。
二昔ほど前なら、スーパーで一番目に付くところで売られていたのは「節分豆」だったと思うのだが、最近はその座を「恵方巻」が獲得した様だ。
と言っても「豆」とは違い、温度管理などが必要なので売り場そのものは限られているのだが、とにかく一番目立つ売り場=恵方巻という感じだ。

お昼過ぎ、買い物へ出掛けたらその「恵方巻」売り場が、とても賑わっている。
「恵方巻」そのものは、「今日」しか販売しない商品なので、それを買い求める人も普通の「太巻き寿司」ではなく「恵方巻」目当て、と言うことは直ぐに判る。

そんな売り場を見ていたら、気がついたコトがあった。
今日のスーパーの折り込みチラシなどで、大プッシュの「恵方巻」は、「海鮮豪華恵方巻」。
いくつかのスーパーのチラシを見比べても、どこも「海鮮豪華恵方巻」の写真が一番大きい。
次に、目立つのがお子さま向けだろうか?「サラダ巻き」の様なマヨネーズが使ってあったり、(名古屋だからか?)エビフライを巻いた、「太巻き寿司のニュータイプ(随分古い言葉で申し訳けない)」。
「太巻き寿司」と言っても、昔からある様なかんぴょうやにんじん、干し椎茸を煮含めた「巻き寿司」ではない。

ところが、実際の売り場を見ていると、「海鮮豪華恵方巻」や「サラダ巻き」などよりも、昔ながらの「太巻き寿司」のほうが人気がある。
その理由はなんだろう?と、考えて見るとおそらく「サラダ巻き」などは、普段食べられるメニューで昔ながらの「太巻き寿司」は、「助六」と言うメニューで見ることはあっても「太巻き寿司」という形状で見るコトはほとんど無い。
まして、太巻き寿司そのものは、作る手間暇が掛かる割りに見た目の豪華さに欠ける。
その昔なら、子どもの遠足や運動会のメニューとして登場したかも知れないが、今自宅で太巻き寿司を作られる方は、余り多くないのではないだろうか?

そう考えると「恵方巻」という時が、昔ながらの「巻きもの」としての「太巻き寿司」を見る機会であり、食べる機会になっているのかも知れない。
こうして日本の伝統的家庭料理は「イベント食」となり、かつて特別な時に食べていた(という記憶がある)すき焼きなどは、冬の定番メニューとかわりつつあるのかも知れない。
これも、生活の変化の姿というコトだろう。