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「ブライダルマーケット」という市場をつくった、桂由美

2024-05-01 11:42:13 | マーケティング

昨日、ブライダルファッションデザイナーの桂由美さんの訃報が、伝えられた。
桂由美さんと言えば、思い浮かぶのは「ウエディングドレス」だと思う。
実は、ウエディングドレスを専門に行うデザイナーは、欧米のファッション業界では珍しい存在である、ということを知っている方はどのくらいいらっしゃるのだろうか?
ファッション関連のお仕事に就いている方なら、ご存じだとは思うのだが、一般的には余り知られていないのでは?と、考えている。
というのも、毎シーズンパリやミラノで発表されるファッションコレクションで、発表するデザイナーにとって、発表する最後に登場するのが「マリエ」と呼ばれる、ウエディングドレスであり、そのウエディングにデザイナーが一番表現をしたいエッセンスを盛り込んでいるからだ。

発表された「マリエ」によって、ウエディングドレスの傾向が分かるのは当然だが、これらのデザインを基に多くの花嫁となる女性はウエディングドレスを注文するからだ。
その意味で、ウエディングドレスを仕立てる(あるいはレンタルをする)洋装店はあっても、ウエディングドレスだけを専門にデザインをし、販売をするというで企業は、見られないからだ。

そして、桂由美さんの知名度が上がるにつれ、日本の結婚式も変わり始めたような気がする。
例えば、結婚式場や結婚式場の情報誌等の表紙は、ウエディングドレスを着ているモデルが、一般的だ。
しかし、50年ほど前であれば、文金高島田の和装の花嫁の方が、多かったという印象を持っている。
まして地方であれば、花嫁支度を自宅で行い、仲人さんに手を取られ家から出て、ご近所の方々からお祝いの言葉を掛けられ、式場に向かうという花嫁さんも、少なくなかった。

そのような光景が見られなくなったのは、結婚式場という専門の場所やホテルウエディングが一般化した為だろう。
と同時に、和装で結婚式を挙げた後、披露宴でウエディングドレスを着る、ということも定着した。
バブル経済真っただ中の頃等は、結婚式では白打掛→披露宴で色打掛→ウエディングドレスへ着替え→カラードレスで来賓のお見送り、というパターンが一般的だった。
もっとも、派手な結婚式と揶揄された名古屋なので、他の地域では違うかもしれない。

バブル経済前から、芸能人やスポーツ選手の結婚式では、都内の有名な教会での「チャペル結婚式」が、度々報道されていたこともあり、その時代時代の憧れの一つが、ウエディングドレスであった、ということもある。
そのような「日本人の結婚式」の姿を変えた人物人が、桂由美さんであった、ということには間違いないと思う。
と同時にそれは日本に「ブライダル市場」という、市場を創ったと言っても過言ではないのでは?と、考えている。

何故なら、「ウエディングドレス」のみのファッションショーを開き、それが結婚式場やホテルの「ウエディングフェア」というカタチで、模擬披露宴体験を提供することで、「結婚式から披露宴、引き出物」に至る、「結婚式に関連する様々なサービスと物販をセット販売」するという、今では当たり前になった「ブライダルビジネス」をつくり上げることに多大な影響を与えることとなったからだ。
そこには、結婚式情報誌に様なモノも含まれている。

「ブライダルビジネス」全てに桂由美さんが、関係していたわけではないが、この日本特有の「ブライダルビジネス」を具現化する切っ掛けを創り、普及させること(=「ブライダルマーケット」)をつくった一人なのだと考えている。



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