日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

地域規模の小さな地方が、変わり始めている

2014-02-15 20:28:07 | ライフスタイル

先日の東京都知事選の結果を見て、「案外、東京という都市は保守的なのかも知れない」と、感じた。
むしろ、地方のほうが「革新的」と言う表現は大袈裟かも知れないが、未来志向が強いのでは?と言う気がした。
と言うのも、荒唐無稽のようなアイディアの大阪の「道頓堀プール」というアイディアなどは、実現できる・できないではなく、挑戦する価値があるのでは?と言う気がしている。
それに比べ、と言う東京から発信されるモノというのは、確かに「最新情報」かも知れないが、それは世界から集まる情報が、東京に集まりやすいと言うことなのだと思う。

しかし、ネットの時代になると「東京経由」という情報は、少なくなりどんな地域にいても世界へとアクセスするコトが可能になる。
いわゆる「田舎」だから・・・と言うギャップはなくなり、逆に「地方色のある情報」を、積極的に発信しようとしている地域が増え始めているのでは?と言う気がしている。

その一つが、岡山県の西粟倉村かも知れない。
おそらく数年前までは「限界集落」と呼ばれる様な、過疎の村。
高齢化が進み、主な産業である林業も衰退の一途・・・と言う状況の中で、新しい試みをはじめているのだ。
それが「西粟倉村森の学校」だ。

「農業の6次産業化」と言うことが言われて久しいが、言うなれば「林業の6次産業化」というコトになると思う。
その中でも興味を引いたのが、「ヒノキの学習机を作る」という木工体験だ。
既に、2013年度は締め切っているようだが、「木の切り出しから製材、机を作る」と言う、木工体験。
もちろん、一気に作るコトはできないので、年に数回泊まりがけの木工体験だ。
それも条件がある、親子での参加での受付となっているのだ。
「親と子ども」と言うだけではなく、「祖父母+両親+子ども」でも参加は大丈夫なようだが、「家族総出で子どもの学習机を作る」と言う経験は、これまでの様な「体験型観光」よりも、もっと深い関係が参加者と西粟倉村の人達との間で生まれるだろう。
なにより「家族総出で机を作る」と言う経験そのものも、参加家族にとっては貴重な経験となるだろうし、その机を贈られたお子さんにとっては、世界でただ一つの机として大切に使うだろう。

何よりこの西粟倉村が、拘った「村であり続ける」という考えは、東京の様なところでは生まれ無かったように思う。
「小さな村だからこそできるコト」、その発想が「森の学校」を生み、ネットという情報網がそれを支える一つの手段となっている様な気がする。
そこから発信されるのは、東京とは全く違う「自然の中で暮らす」という価値観であり、もしかしたらこれから先、目指していかなくてはならない「価値観」かも知れない。

西粟倉村の様な村や町というのは、実は全国に生まれつつあり、それらの地域が新しいエネルギーシステムを創りだしたり、これまでとは違う価値観を創りだしていくのでは?と言う気がしている。