静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

赤阪鐵工所の見学

2017年09月29日 10時33分10秒 | 研修・見学

漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。

10月の見学会は21,22日です。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-420/kengakukai-aug.html
必ず、事前のお申し込みをお願いします。
皆さんのご来園をお待ちしています。

昨日に続いてエンジンの勉強。
学園からクルマで5分。船舶エンジンの専門メーカー、赤阪鐵工所(あかさかてっこうじょ)の見学です。
学園実習棟にある主機関(⇒メインエンジン)のメーカーです。



今回は溶かした鉄を砂型に流し込んでエンジン部品を作る工程を特別に見学させていただきました。
しかし、工場内は写真撮影禁止でご紹介できません。
これはヤマハ発動機やホンダ技研でも同じで、仕方ありません。
工場内には3階ほどの高さのある2サイクルエンジンもあり、とても勉強になりました。
写真でお見せできないのが残念です。ほんと、大きいんですよ!

学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp


 【赤阪鐵工所】
赤阪鐵工所はすごい会社です。
wikipediaに
「焼津港の漁船の動力化を推進することで、焼津漁港が東洋一の遠洋漁業の基地となった。また、漁船の動力化を全国に普及させることによって、日本独自の海洋文化を創設することとなる。」
とあります。
学園の実習の先生は、遠洋マグロはえ縄漁船の元機関長。
赤阪鐵工所製のエンジンを3つ使ったそうです。メンテナンスしやすいのが特徴だそうです。
長期航海をする遠洋漁船には大事なポイントですよね。

 園長のつぶやき
学園の立地は恵まれています。
赤阪鐵工所ばかりでなく、大型漁船で圧倒的なシェアを持つ三保造船所も隣の静岡市にあります。
焼津市内には遠洋漁業の基地である焼津漁港を始め、漁業関係の資料館も多数あります。
そして隣は水産技術研究所。ほかにも深層水の施設とか。
漁師になる勉強をするのに、すばらしいロケーションです。
実は、またカツオが釣れそう...との情報を得て、今日の早朝から船をだしました。
結果はまた来週お知らせします。
小さくて、海に近い学校だから、こんな融通(ゆうづう)が利くんですよ。

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機関整備実習

2017年09月28日 13時49分13秒 | 実習

 

漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。

10月の見学会は21,22日です。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-420/kengakukai-aug.html
必ず、事前のお申し込みをお願いします。
皆さんのご来園をお待ちしています。

学園の機関実習棟には100トンクラスの漁船に使われているのと、ほぼ同じ主機関(⇒エンジン)があります。
6気筒のディーゼルターボエンジンです。


この主機関はいろいろな実習に使いますが、ピストンを取り出しての保守を行います。
このピストンがバケツほどの金属(きんぞく)の塊(かたまり)。カンタンに取り出すことができません。
エンジンメーカーの技術者を呼んで、毎年1気筒づつの整備です。

工業高校では「大きなエンジンを扱いたい」と言うことで船の機関員をめざす人もいるそうですよ。
この大きなエンジンを壊れないように運用するのが船の機関員です。

エンジンのことが詳しく分かるので、機関専攻だけなく航海専攻の生徒を含めた全員で行います。

研修生の二人にも貴重な体験になったと思います。

学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp


 【機関員の重要性】
大型船舶には2種類の海技士が乗船する必要があります。
航海士と機関士です。航海士だけでは出港できません。
小さな船では小型船舶操縦士の資格をもつ人だけで運航できます。
機関員は要らないわけです。
クルマだって、運転免許があれば良くて整備士を乗せる必要はありません。
その理由は、沿岸を運航する小さい船と、陸を走るクルマはエンジンが故障しても何とかなるからです。
遠洋でエンジンが壊(こわ)れれば、それは遭難(そうなん)です。乗船している人の命に危機(きき)が及びます。
ですから機関員の役割はエンジンなどの機械を壊さないこと。
特に海の上では大きな修理はできません。だから壊さないようにメンテナンスすることが第一です。
エンジンだけでなく、発電機、冷凍機、圧力ポンプ...すべての機械が機関員の手に委(ゆだ)ねられます。
かっこいい仕事だと思いませんか?

 園長のつぶやき
機関にしても、航海にしても海技士資格を取るためには、なかなか高度な技術が求められます。
勉強が苦手で、中学や高校を過ごしてきた多くの学園生が、高度な内容を理解していきます。
私から見ると不思議な光景です。
今までの中学、高校と何が違うんでしょう?
学園のスタッフがゼロから教えるのに慣れているというのはあります。
でも一番の違いは、学園ではがんばるからだと思います。
漁師になると言うハッキリとした目標があり、学園生はそのためにがんばります。
10月の海技士試験を前に、決められた学習時間以外にも勉強をする生徒がいます。
過去にこれだけ勉強したことがなかったのではないかと思います。
自分は頭が悪いと思っている人。それは単なる思い込みかも知れません。
学園で教えるのは、漁師になるために必要なことだけ。
だったら、漁師になりたい人はがんばることができると思いませんか?

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研修生報告会

2017年09月27日 10時02分33秒 | 学園紹介

漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。

10月の見学会は21,22日です。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-420/kengakukai-aug.html
30才まで入学できます。
漁師になろうと思うなら、学園で必要な技術を身につけることができますよ。
必ず、事前のお申し込みをお願いします。
皆さんのご来園をお待ちしています。

8月28日から2週間、学園で研修を行った農林水産省のSさんが、研修終了の報告に来てくれました。
学園のあと、伊豆の稲取(いなとり)でのキンメダイ漁、伊東市富戸(いとうしふと)での定置網漁業に一週間ずつ研修されました。

生徒から「漁師から怒られたことは?」と質問があり
「キンメダイ漁では、稲取の方言が分からなかった。
 仕事の指示を出されたが、意味が分からず動けずにいたら怒られた」
と言うことでした。これは多くの新米漁師が経験することです。

学園の感想として、生徒の行動が素速いことに驚いたそうです。
我々から見れば、漁師として巣立つにはほど遠いレベルですが、外部の人にはそう見えたんですね。
それだけ、生徒たちも4月から成長していると言うことなんでしょう。

Sさんは、農林水産省に戻り激務が待っていると思います。
ご活躍を祈りながら、また学園に遊び来てくれるのをお待ちしています。


学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp


 【伊豆を支える沿岸漁業】
静岡県の漁業を見たとき、水揚げ量は焼津に集中しています。
中でも、伊豆地域は小さな漁港が多く、水揚げも多くない場所がほとんど。
しかし、伊豆の漁業は地域を支える基幹産業です。
先週も、南伊豆町でイセエビが解禁になったことがテレビで紹介されました。
イセエビの他にも、アワビやキンメダイなど高級食材がたくさんあります。
伊豆は観光地ですが、観光目的の一つが伊豆の海産物を食べることなのです。
ですから、伊豆の水産物は、水揚げ量は少なくても、観光客を呼ぶ貴重な資源なのです。

 園長のつぶやき
漁業の世界は、外から見えないことがほとんどです。
なにせ現場が海の上ですから、一部の沿岸漁業でしかテレビで紹介されません。
魚を捕るのが漁師の仕事ですが、レジャーで行うフィッシングとは一線を画すものがあります。
仕事として収入を得るには、一定以上の技術が必要です。
今回の研修生も、その一端を感じ取ったようです。
「釣りが好きで漁師になりたい」
この気持ちから漁師をめざす人はたくさんいます。
漁師になる条件として、魚を捕ることに喜びを感じるのは大事なことです。
ただ、アマチュアからプロへのステップアップは必要です。
ステップアップしたい人は学園で学んでください。
プロ漁師の養成所です。

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バケ作り

2017年09月26日 09時39分21秒 | 実習

漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。

9月の見学会も残るは30日だけになりました。
http://www.ryoushi.jp/regional/22/9.html
そして、10月の見学会は21,22日です。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-420/kengakukai-aug.html
必ず、事前のお申し込みをお願いします。
皆さんのご来園をお待ちしています。

昨日に続いて実習の紹介。
まだテドコが完成していない生徒がいますが、遅れている人は昼休みにがんばってもらいます。
で、授業の中ではバケと呼ぶ疑似餌(ぎじえ)を作る作業です。

返しのない大きい釣り針に、ハネとカバーの皮をつけていきます。
カンザシ作りでやった作業の応用です。

先生がお手本を見せます。

これを各生徒が5本づつ、大きさを変えて作っていきます。
できたバケは乗船実習に持っていき、カツオを釣ります。

二人の実習生も、お世話役の生徒と一緒にがんばって取り組んでいます。

学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp


 【ビンナガのバケ】
カツオの一本釣り漁船では、時期によりビンナガも釣ります。
ビンナガはカツオより釣りにくく、各漁師がバケを工夫するそうです。
以前は象牙を使ったバケもあったそうです。どんな効果があるんでしょうね?
ビンナガはカツオより釣りにくい分、漁師との駆け引きや腕が左右します。
漁師でも、ビンナガ釣りは特に楽しいと言う人もいます。

 園長のつぶやき
毎年、お問い合わせがあるんですが、
「学園を卒業すると、高卒の学歴がつきますか」
と言うもの。
名前が漁業高等学園なので、1カ年の特別な高校と思う方もいるんですね。
漁師になる高校なら、水産高校がほどんどの県にあります。
学園の1年で高校3年分の勉強なんて、できるわけがありません。

これは私の個人的な意見です。
高校の学歴があった方が良いか?と言うこと、「なくてもかまわない」と思います。
でも「高校の勉強は必要ない」とは思いません。
むしろ、身につけた方が絶対に良いです。

なにが言いたいかというと、勉強せずに高校を卒業して得た「高卒の学歴」なら価値がないと言うことです。
高校でなにもせずに3年過ごすなら、学園で充実した1年を過ごす方が価値があると思います。
そして、必要を感じたときに定時制でも、通信制でも良いので高校の勉強をすればよいのです。
必要を感じて勉強をするのなら、しっかり勉強もできるはずです。

漁師に学歴は必要ありませんが、学力が不要なわけではありません。
学力があり、世の中のことを知っている方が絶対に良いです。

こんな人がいます。
ホンダ技研の創業者、本田宗一郎さん。
最終学歴は高等小学校です。
しかし、技術を身につけるために浜松高等工業学校(⇒現在の静岡大学工学部)の聴講生(ちょうこうせい)になりました。30才になろうとするときです。
しかし、本田さんは卒業していません。卒業試験を受けなかったからです。
先生から「試験を受けないと卒業できない」と言われても「卒業証書なんて紙切れに価値はない」と試験を受けませんでした。でも、技術はしっかりと身につけたので、ホンダ技研は成長していきます。
卒業していない本田さん、その偉業(いぎょう)により静岡大学のOB名簿にのっているそうです。
本田さんにとっては、どうでも良いことでしょうけどね。

さあ、どのような人生を送るのかは、一人一人が決めること。
学園で充実した1年を過ごしたい人は、中卒、高卒、大卒関係なく、ぜひ来てください。

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テドコを作る

2017年09月25日 14時51分28秒 | 実習

漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。

9月の見学会も残るは30日だけになりました。
http://www.ryoushi.jp/regional/22/9.html
そして、10月の見学会は21,22日です。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-420/kengakukai-aug.html
必ず、事前のお申し込みをお願いします。
皆さんのご来園をお待ちしています。

無線の資格、二海特。実は二人が不合格でした。
追試をしていただき、なんとか2名とも合格。
やれやれです。

さて、学園の実習はカンザシが終了した生徒からテドコに移っています。
竿(さお)の滑(すべ)り止めをするテドコ。竿でなくても、棒状の物なら、いろいろ使い道があります。

これも、テドコと同じで、摩擦(まさつ)だけで糸を固定します。
力を入れて作りますが、ちょっと気を抜くとゆるゆるに...
集中して作業しないと、先生のチェックに通りません。

テドコが終わった生徒はバケと呼んでいる疑似餌(ぎじえ)のづくりになります。
それが終わると、クロスロープの加工を覚えていきます。
難易度は上がりますが「飽きるな、あきらめるな」でやってもらいます。

学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp

 【クロスロープ】
みなさんがご覧になる機会の多いロープは3つの細いヒモをねじって太くした物です。
これが長く使われてきましたが、硬い、ねじれる、かさばると言う欠点があります。
その欠点をなくすために作られたのがクロスロープ。
8本の細いヒモを編み込んで作っています。
3本と8本で、どちらか加工がむずかしいかは想像がつくと思います。
漁師でもクロスロープの加工をできる人はわずかです。
難易度は高いですが、基本的な理屈(りくつ)は同じ。
学園生は「あきらめるな、あきるな」で身につけていきます。

 園長のつぶやき
本日から、農林水産省の2名が研修に来園です。
今回は女性の方で、機関専攻に入るKさん、航海専攻に入るOさんです。
午後から授業に合流です。

お二人にも寮で生活してもらいます。
若い漁師の卵にどんなことを思うのか...楽しみです。

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