静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

機関整備実習一日目

2019年09月30日 13時17分29秒 | 実習

年に一度の機関整備実習です。
何が年に一度かというと、6つあるピストンの一本をはずして点検機会です。
全部のピストン点検に6年かかることになります。
実習棟の機関は船のエンジンのように動きっぱなしではないですから、これで十分です。
実際にはエンジンのメンテナンスと言うより生徒の実習を目的とした作業です。

ピストンを抜くのにメーカーの方を呼びます。
後で工場を見学させていただく赤阪鐵工所のスタッフです。


せっかくの機会なので、航海専攻の生徒も参加して行います。
人数が増えたので、全員が作業場所を見ることができず交代で行いました。
今年は本当に人数多いなぁ。


取り外したピストンはリングを外し、全部の部品を点検です。
汚れている物は灯油で洗浄しました。


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ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
AO入試の願書受付が始まっています。
受験希望者は期日までに願書を提出してください!
今週末が〆切ですよ。
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.ryoushi.jp/regional/22/post_192.html
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/r1-opencampus.html

 園長のつぶやき
航海専攻の生徒が機関実習を行うのはなぜでしょう?
航海専攻の生徒は、卒業後に甲板員となります。
甲板員はエンジンを扱うことはないので、機関実習は必要ないと思えます。

だからこそ、実際に船に乗るようになっても甲板員は機関員の仕事を見ることがありません。
機関員は機関員で、大事な仕事をしていますが、それが甲板員には分かってもらえないことは船で良くあることです。
甲板員が「機関員は楽している」と思うなら、船員のチームワークが悪くなります。

一学期中は航海、機関のコースを分けずに両方を学ぶことも、お互いの仕事を理解するのに役立ちます。
決して無駄にはなりません。
漁船に乗ってからでは得られないことを学ぶことも、学園では大事なことと考えています。

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無線漁業組合を見学

2019年09月27日 09時00分00秒 | 研修・見学

例年だと無線講習の予習を兼ねて行う静岡県漁業無線局(静岡県無線漁業協同組合)の見学です。
いろいろ事情があって、無線講習の後になってしまいました。


年季の入った建物です。
床がギシギシして、体重のある生徒が乗ったらまずそうな場所もあります。
事務局長が無線局の業務を説明してくれました。


ここでは世界の海で操業する組合員の漁船と定時で通信が行われます。
モールス信号もまだ使われています。
建物の外には短波の大型アンテナがそびえ立っています。
業務をしている場所は撮影できないので、紹介できないのが残念です。

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 園長のつぶやき
学園で学ぶ海技士は航海と機関。
しかし、無線の海技士というのもあります。
かつては無線海技士は花形でした。
水産高校でも人気はトップ。
学ぶ内容も高度です。
現在は水産高校でも無線のコースがないところが多くなりました。

その理由は、世界海洋遭難安全システム、通称GMDSSのためです。
海難事故の際に、自動的に救難信号をだす装置が船に使われるようになりました。
そのため規制緩和がおきて、無線海技士を乗船させる義務がなくなったのです。
現在では無線海技士ではなく一海特の免許で通信長ができます。
加えて、通常時は衛星経由の通信もできます。
モールス信号で遠方と通信しなくても良くなりました。

それでも昔ながらの方法で通信している漁船もあり、陸上の無線局もあります。
世の中では5Gの通信が普及間近です。
これから船の通信も変わっていくでしょう。
ちなみに、私は5Gはおろか、3G使っています・・・

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ミクロネシア研修生との体育の授業

2019年09月26日 09時00分00秒 | 授業・講演

外国人研修生との体育の授業。
これで一気に距離感が縮まります。
今年は無線技士講習が長かった関係で、ずっと体育の授業がありませんでした。
初めての合同体育です。
この日はたまたま日本かつおまぐろ漁協(ミクロネシアの研修を依頼した団体)のおじさんも加わりました。

研修生はバスケットのクラブに入っているらしくメチャうまい。
のびのびとやっていました。


バレーボールとサッカーもやりましたよ。
漁師を目指す人は誰でもスポーツが好きですね!


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 園長のつぶやき
ミクロネシア研修生がなぜ来ているかというと、国内で働く場所がないからです。
正確には稼げる仕事がありません。
だから、わざわざ言葉の通じない日本で働くことを希望します。

逆なのが日本の状況。
若い人の仕事はたくさんあります。
学歴や技術、才能がなくても、就ける仕事はよりどりみどり。
なら、自分のやりたい仕事が簡単に見つかるか?
と言えば、そうでもありません。
むしろ、仕事がたくさんあるのが問題なのかも知れません。

お腹が空いていて、やっとのことで「おにぎり」を手に入れたとします。
ありがたく「おにぎり」を食べますよね。

ところが、大して空腹でもないのに、バイキングに連れて行かれ
「さあ、なんでもたくさん食べなさい!」
と言われたらどうでしょう。
目の前のごちそうに感動するでしょうか?
うれしいと思うでしょうか?
今の若者は、こんな状況だと思います。

食べほうだいのバイキングと言えど、腹に入る食べ物には限度があります。
もし自分の食べたい物が「おにぎり」であるなら、バイキングに価値はありません。

もし、やりたい仕事が見つからないならお金を出して高校や大学に行くのも良いかも知れません。
でも、お金をかけなくても自分のやる仕事が決まっているのなら違う方法があります。

せっかくバイキングに言っても、食べるのはおにぎりだけかも知れませんよ。

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小型船舶操縦士講習の申請書作成

2019年09月25日 09時00分00秒 | 授業・講演

三学期に行う小型船舶操縦士講習の受講申請書を作成しました。
ずいぶん早いですが、11月から遠洋航海実習があるので早く準備です。


小型船舶操縦士は海技士に比べれば、ずっと敷居の低い資格です。
これを落とすようでは・・・と言う感じです。
ただし、1級が取れるのは18才以上。
それより下の生徒は2級までしか取得できません。


今年は全員合格できるでしょうか?
申請書を書くとき、先生の指示を理解せず、誤って書く生徒がいました。
合格できるか、ちょっと心配になりました・・・

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 園長のつぶやき
自分のことは自分でやる。
・・・は当然ですよね。
では「生徒の誰かがやる仕事」の場合です。
ちょっとした片付けなら全員でなくても、2,3人で済む場合もあります。
その時に、率先してやるのか、「誰かがやればいい」と見ているのか?

もちろん、率先してやることが大事です。
それは就職後は漁船の新人として、そのような役割が求められるからです。
誰かがすべき仕事を先輩漁師がやっているのに、新入りが見ているだけ。
これだと周りの人はどう思うでしょうか?
すぐに怒られるかは分かりませんが、良い印象を得られることはありません。

新人なら、まわりの先輩と同じ仕事ができなくて当然です。
ならば「自分には何ができるか?」を常に考えて仕事をすることが求められます。
漁師は職員ですから自分から仕事をする人を可愛がります。

学園在学中に、率先して仕事をすることを身につけて欲しいと思います。

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実習船やいづを見学

2019年09月24日 09時04分09秒 | 研修・見学

遠洋航海実習に備え、水産高校の実習船やいづを見学してきました。
短い時間でしたが、一ヶ月間の生活となる船内を水産高校の専攻科生が案内してくれました。


実習船は民間の漁船と違って、いろいろなスペースが広いので生徒は驚いたと思います。
その代わり魚を積むスペースが制約されています。


生徒たちは、これから竿作りと一本釣りの練習を行い遠洋航海実習に備えます。

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 園長のつぶやき
学園では年齢に関係なく、ホームシックになる生徒がいます。
入学してすぐになる生徒もいれば、遠洋航海実習でなる生徒もいます。
特に遠洋航海実習では、スマホが使えず、陸も見えなくなるため孤立感が強まり、心細くなるんでしょう。
恐らく、ホームシックになるのは恵まれた家庭に育って生徒だと思います。
少子化のため、子供にとって居心地の良い家庭が増えている気がします。

さて、人が成長するとき、遅かれ早かれ親から自立しなくてはなりません。
これは子供だけでなく、親も自覚が必要です。

入学した早々に退学した生徒がいます。
理由はホームシックです。
私は引き留めようとしましたが、保護者の方から
「息子が退学したいと言ってホッとしている。
 漁師になったら、毎日、無事に帰ってくるか心配することになる」
との言葉があり、引き留めは辞めました。

学園の卒業生で、操業中の事故で死んだ人はいません。
漁師の仕事に危険はないとは言いませんが、他の仕事に比べて特段に死亡率が高いことはないはずです。
そんなことがあれば、漁師になる人なんていませんよ!

この保護者の方は「子供を自分の家においておきたい」のだと私は判断しました。
それなら、何を言ってもダメです。

でも、学園に入学するまでは、気持ちのどこかに「子供を自立させたい」と思っていたのではないでしょうか?
「かわいい子には旅をさせよ」
と言いますが、
「ちょっと家から出たら予想以上に子供がダメージを受けている」
とビックリしたのかも知れません。

家だと、子供は親にとって特別な存在です。
でも寮では全員が平等。
気づかいもありますが、だからこそ成長があります。
親も子供もガマンが必要です。

遠洋航海実習では水産高校職員、船員、専攻科生との共同生活となります。
揺れる船内、初めての船上生活で、ストレスも多くなります。
それを乗り越えることで、自信がつき、精神的な自立につながります。

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