私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

プーチンの一分

2022-03-02 21:39:03 | 日記・エッセイ・コラム

 一分(いちぶん)は古い言葉で、ちょっと洒落てみましたが、これを言い分と言い換えると私の言いたいことのポイントが少しばかりずれてしまいます。

 プーチン大統領のウクライナ侵攻で世界は大騒ぎですが、私は事態の進展を眺めながら、しきりにレニングラードの戦いとスターリングラードの戦いに思いを馳せています。レニングラード(今はサンクトペテルブルク)の戦いは1941年9月8日から1944年1月27日まで、スターリングラード(今はヴォルゴグラード)の戦いは1942年6月28日から1943年2月2日まで続き、最終的にはロシア軍がヒットラーのナチスドイツ軍を破りました。世界の戦争の歴史上、最も凄惨を極めた二つの市街戦であったと言えます。そして、これがナチスドイツの“終わりの始まり”であったのです。私はウクライナ戦争にイギリス-アメリカ帝国の“終わりの始まり”を見ます。

 第二次世界大戦での各国の死者(戦闘員と民間人)は、ごく大まかに見積もると、ソビエト連邦は3000万人、日本は300万人、米国は30万人、一桁ずつ違います。ソビエト連邦はナチスドイツ軍を破るのに大変な犠牲を払いました。他方、米国は少ない人的損害で、政治的にも経済的にも大勝利を収めました。共産主義国ソビエト連邦を嫌悪した米国はあらゆる圧力をかけて、結局、1991年の年末にソ連の解体と、ロシアという国の、今でいうレジーム・チェンジに成功します。プーチンがロシア共和国の大統領になったのは2000年ですが、新しい世紀の最初の20年間にこの国は確実な歩みで国力を回復してきました。この状況に向けられたアメリカ帝国の敵意と憎悪は昔と変わらない凄まじさで継続されて、遂に現在のウクライナ戦争に至りました。

 私は個人として特別ロシアが好きでも嫌いでもありません。プーチン個人についても同じです。私は、ソ連をダメにしてしまったゴルバチョフさんには好意を寄せていますが。

 2022年2月24日の朝まだき、プーチン大統領はロシア国民に宛てて長い講演を行い、ウクライナに対して“特別の軍事作戦”を決意するに至った理由を詳しく説明して、ロシア軍の進攻が始まりました。その時刻から1日ほどの間は総語数3350に及ぶこの長い演説の全文の英語翻訳を色々の所で読むことができました。読んだすぐ後に私はその内容の重要な部分をこのブログに取り上げようと心に決めましたが、次の日には、全文の翻訳記事にはもうアクセスが出来なくなりました。例えば:

Putin’s speech, February 24,2022

とでもして、探してみてください。見出せるものは、講演内容の細切れの引用文に何がしかの“コメント”または“注釈”がついたものばかりです。西側支配権力はプーチンの語ったことの全容を世界の人々に読ませたくないのです。アルジャジーラだけが、“コメント”で切り刻まれていない充分の量の部分抜粋(ハイライト)を示してくれているので

https://www.aljazeera.com/news/2022/2/24/putins-speech-declaring-war-on-ukraine-translated-excerpts

私はこれに頼って、プーチンが言及している事の重要な箇所を訳出し、“コメント”を加えます。

*********

<以下は、ロシア大統領府が発表した講演原稿(transcript)をもとに、アルジャジーラのスタッフが翻訳したハイライトです>:

尊敬するロシアの市民たちよ! 親愛なる友人たちよ!

今日、私は再びドンバスで起きている悲劇的な出来事と、ロシアの安全保障の確保という重要な問題に立ち返る必要があると考えている。まず、2月21日の演説で述べたことから話を始めよう。私が語りたいのは、我々に特別の関心と憂慮を抱かせているのは何か、つまり、西側の無責任な政治家たちによって、毎年、毎年、一歩一歩、攻撃的かつ無遠慮に作り出されて行く、わが国に対する根本的な諸々の脅威についてである。

<訳注;講演は上の言葉で始まります。ここから2節飛ばします>

もちろん、国際関係やそれを規定するルールなど、現実の生活の中では、世界情勢の変化やパワーバランスの変化を考慮する必要があった。それは、プロの政治家として、円滑に、忍耐強く、各国の利益を考慮し尊重し、自己の責任を理解した上で行われるべきものであった。しかし、現実はそうではなかった。(西側では)絶対的な優位性を持つことによる陶酔、一種の現代版絶対主義、そして意思決定者の一般教養の低さと傲慢さが、自分たちにだけ有利な決定を準備し、採用し、押し通すことになった。このような状況が、別のシナリオで展開され始めたのである。

<訳注;その例として西側が国連保障理事会の承認を得ないまま、旧ユーゴースラビアに猛攻撃を加えて滅亡させてしまった事実を指摘します。これに続いて、イラク、リビア、シリアに対する西側の侵略が挙げられます>

その次は、イラク、リビア、シリアの番だ。リビアに対する非合法な軍事力の行使、リビア問題に関する国連安全保障理事会のすべての決定のねじ曲げは、国家の完全な破壊、国際テロの大きな温床の出現、人道的大惨事と今日なおまだ終わらない内戦を引き起こした。この悲劇は、リビアだけでなく、この地域全体で何十万、何百万という人々を運命づけ、北アフリカや中東からヨーロッパへの大規模な移住の波を生んだのである。

シリアに対しても同じような運命を確実なものとした。シリア政府の同意も国連安全保障理事会の承認もなく、この国の領土で西側連合が行っている軍事活動は、侵略、介入以外の何物でもない。

<訳注;続いて、「イラクは大量破壊兵器と化学兵器を持っていた」から進攻したという、今では、世界中の誰もが知っている米国の大嘘に言及>

こうした文脈の中で、NATOを1インチたりとも東方に拡大することはないという約束が我が国には与えられていた。私は繰り返して言うが、彼らは我々を騙したのだ。言い換えれば、彼らはまんまと我々をペテンに掛けたのだ。そう、政治は汚い仕事だとよく言われる。しかし、ここまでやるのはひどすぎる。結局のところ、このようなごまかし行為は、国際関係の原則だけでなく、何よりも一般に認められた道徳の規範に反している。正義と真実はどこにあるのだろう。完全な嘘と偽善だけだ。

ところで、アメリカの政治家、政治学者、ジャーナリスト自身が、近年、アメリカ国内で実際に「嘘の帝国」が作り上げられてしまったと書き、また、発言もしている。それは事実なのだから、そうでないと異論を唱えるのは難しい。しかし、相手を見縊ってはならない。アメリカ合州国は大国であり、システムを形成する強国である。その衛星国はすべて、米国に従順に同意し、その音楽に合わせて歌うだけでなく、その行動を真似し、提示されたルールを熱狂的に受け入れているのだ。したがって、米国が自らのイメージと外観に似せて形成した、いわゆる西側ブロック全体が、一つの「嘘の帝国」であると、正当な理由から、我々は確信を持って言うことが出来るのである。

<訳注;この後もウクライナ侵攻の理由の説明、プーチンの言い分が延々と続きます。参考のため、これに続く数パラグラフを英原文で引用しておきます>

Despite all of this, in December 2021 we once again made an attempt to agree with the United States and its allies on the principles of ensuring security in Europe and on the non-expansion of NATO. Everything was in vain. The US position did not change. They did not consider it necessary to negotiate with Russia on this important issue for us, continuing to pursue their own goals and disregarding our interests.

As for the military sphere, today, modern Russia, even after the collapse of the USSR and the loss of a significant part of its capacity, is one of the most powerful nuclear powers in the world and possesses certain advantages in some of the newest types of weaponry. In this regard, no one should have any doubts that a direct attack on our country will lead to defeat and horrible consequences for any potential aggressor.

As NATO expands to the east, with every passing year, the situation for our country is getting worse and more dangerous. Moreover, in recent days the leadership of NATO has been openly talking about the need to speed up, force the advancement of the alliance’s infrastructure to the borders of Russia. In other words, they are doubling down on their position. We can no longer just watch what is happening. It would be absolutely irresponsible on our part.

Further expansion of the NATO infrastructure and the beginning of military development in Ukraine’s territories are unacceptable for us. The problem, of course, is not NATO itself – it is only an instrument of US foreign policy. The problem is that in the territories adjacent to us – territories that were historically ours, I emphasise – an “anti-Russia” hostile to us is being created, placed under full external control; [it] is intensively settled by the armed forces of NATO countries and is supplied with the most modern weapons.

For the United States and its allies, this is the so-called policy of containment of Russia, [which brings] obvious geopolitical benefits. And for our country, this is ultimately a matter of life and death, a matter of our historical future as a people. And this is not an exaggeration – it is true. This is a real threat not just to our interests, but to the very existence of our state, its sovereignty. This is the very red line that has been talked about many times. They crossed it.

**********(訳出引用終わり)

 今回のウクライナ戦争については、私ははっきりとプーチンの言い分に与します。誰がどう非難しようと私の考えは変わりません。過去十数年、私は、私なりに、世界を凝視し続けてきました。ハイチ、キューバ、コンゴ、リビア、シリア、エリトリア、ホンジュラス、ボリビア、ベネズエラ、・・・。現在我々の眼前に展開している悲劇的事態は、結局のところ、英帝国-米帝国と繋がる植民地時代の終焉を告げる晩鐘です。この忌むべき時代の決定的な“終わりの始まり”です。プーチンがアスペルガー障害者であるかどうかなどどうでも良い事です。今からロシアという国は、気の毒にも、ひどいことになるかも知れません。しかし彼らにはサンクトペテルブルクの戦い、ヴォルゴグラードの戦いの記憶があります。ナチズムを打倒した輝かしい記憶があります。長い時間がかかるかも知れませんが、ロシアは必ず最後の勝利を収めるでしょう。

 もう一つ、私は決して孤立してはいません。私と同じ想いを抱く多数の人々の存在を知っています。その同胞の声が満ち満ちている場所を、今は、一つだけお教えしましょう。それは、私が毎日欠かさず訪れているウェブサイト;

https://libya360.wordpress.com

です。もし、英語を読むのが嫌でしたら、私が心から敬愛し、愛読する

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/

を訪ねてください。私は一人ではありません。

 

藤永茂(2022年3月2日)


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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (一読者)
2022-03-02 23:06:09
アメリカはロシアにとってのウクライナのNATOへの加盟がアメリカにとってのキューバへのソ連の核ミサイル配備と同じかもしくはそれ以上のものであると認識していたにも関わらず撤回しませんでした。
NATOへの加盟拒否は核ミサイルの撤収よりはるかに容易であり、ロシアにとってのウクライナはアメリカにとってのキューバより歴史的にも戦略的にもはるかに重要で、かつロシアは本気で侵攻する意志があると自分達自身が繰り返し宣伝してきたのにも関わらずです。アメリカはウクライナ人の人命と自国のプライドを天秤にかけ後者を取ったのです。
キューバへの核配備もウクライナのNATO加盟もどちらも超えてはならない一線でした。もしフルシチョフがバイデンのように振る舞っていたらキューバはウクライナのようになっていたでしょう。(これは推測ではなく歴史的事実です)その時世界はアメリカに対して制裁を課し、アメリカを現代のナチスドイツだと非難し、「我々は皆キューバ人だ」と宣言したのでしょうか?
CIA主導のカラー革命や冷戦終結後もなぜか存在し続けるNATOによって主権を脅かし続けてきたアメリカが、一体何様のつもりでロシアを批判するのでしょうか?ロシアを「敵」にした責任はアメリカとその走狗たる西側諸国にあります。
戦前回帰 (ワタン)
2022-03-03 06:46:18
藤永先生 流石です! プーチン非難の砂嵐のなか、オアシスに出遭つたやうな爽快さです。

今朝、三月三日、雛祭りの新聞、週刊文春・週刊新潮の広告は、と見てみたら、<戦意高揚>オンパレードで、そろそろ、戦中の菊池寛流曖昧路線や、『日の出』突撃路線に本家帰りしたかと、感涙にむせぶことには、なりませんがw。
Unknown (読者の一人)
2022-03-03 11:43:34
 失礼します。
 ご存じかもわかりませんが、そのスピーチ(約30分)をYouTubeで視聴できます。(英文訳付き)
 Vladimir Putin's Speech on Ukraine and US Foreign Policy and NATO - 24 February 2022, ENG Subtitles
 先生のご健康をお祈りします。 
賛同します (anonymous)
2022-03-04 09:45:01
もう、偽善と二枚舌の大洪水はウンザリです。米国がイラクを侵略した際、誰かが制裁を口にしたのでしょうか。ウクライナがドンバスの住民を無差別攻撃している間、国際世論とやらは何を発言したのでしょう。イスラエルを制裁した国は、何カ国あるのでしょうか。イエメンでのジェノサイドの米国の加担は、なぜ沈黙状態なのでしょうか。そんな世界の反ロシアヒステリー状態に、お付き合いする気にはなれません。
快哉 (one of us)
2022-03-04 20:25:54
よくぞ言ってくれました。
戦争はどんなものであれ悲惨ですから一刻も早く終結することを望んでいます。
しかし、終わらせるためにはその始まりの原因を理解することなしでは不可能です。
日本を含め欧米主流メディアは真の原因には触れずプーチン大統領の人間性やら皮相かつ的外れなゴシップばかりで賑わう始末。
さらに西側政治家のヒステリックな振る舞いは戦争の火を煽り立てこの紛争の長期化をさえ望んでいるように感じられます。
一般のロシア人に対する扱いを見ても現代のクリスタルナハトや日系人の強制収容といったものを想起させる状態へエスカレートし
大変ひどい様相を呈しています。
ロシアのプロパガンダでもなんでもなく、ウクライナのナショナリスト、右派ミリティアがナチズムと強い繋がりがあるのは事実です。
ドンバス住人の被害やこれらの事実に目を伏せ諸手を挙げて一方的な反ロシアキャンペーンに勤しむ西側メディアを見るにつけ
第二次大戦後、枢軸国が勝利した場合を描いたIF小説というものがいくつかありますが、フィクションでもなんでもなく
ナチス、ファシズムは実際に勝利し表面上は違う形で現在にまで続いてるのではないかと、しきりに考えるようになりました。
とにもかくにも賛同の気持ちと、いつも貴重な視点を提供してくださる先生に感謝の意を表したくコメントさせて頂きました。
疑問があるのです (銀)
2022-03-04 22:33:43
何年も前、先生のブログを初めて読んで、目が見えるようになりました。ユーゴスラビアからリビアまでは真実を見逃しましたが、シリアのときには、先生のおかげで、私は騙されませんでした。そしてシリアを救ったプーチンやラブロフに親近感を覚えました。今では勝手に友人と思っています。
数日前に先生の覚悟(この投稿)を読んでから、ずっと考え続けました。もやもやしました。やりきれない思いでした。でもそこで、まだ決定的な主役が沈黙を守っていることに気づきました。それはウクライナの国民です。
メディアには多くのウクライナ人が登場して、世界に訴えています。プーチンを罰しろと。でも、その反対のことって、言いたくても言えないんじゃないか? ネオナチから解放してくれとは。なぜなら、そんなことを言ったら、殺されるから。
オデッサで焼き殺された多くの人たちにも家族や友人はいたはず。ロシア語を話したからと殴られた人も大勢いたはず。8年前に若い女の子たちが嬉々として火炎瓶にガソリンを詰めていましたが、あれがウクライナの若者のすべてではないはず。ネオナチに賛成しないウクライナ人は多いはず。だって、ヤヌコビッチは過半数をとったのだから。で、その人たちはなんて言っているのか。その声を聞くまでは、私は世界の反プーチンの合唱には加わらないぞと思いました。
先生、そしてみなさん、このことについて、何かご存知ではありませんか?
Unknown (新参者です)
2022-03-05 01:43:44
銀さま
刻々と変わる情勢を世界中から見る手助けにSNSを利用してます。
大量のウソ塗れ、プロパカンダ、捏造映像、さながら両陣営の情報戦の態となってますが。
また大量のロシア&プーチン叩き、そして我が国の人々のもう救い様のない思考停止と、羊の如く踊らされる被洗脳ぶりにめまいが致しますが。
そのなかでも細心の注意をはらって見ているといくつか有益な情報を見つけられました。
ほんの一例です
https://twitter.com/j_sato/status/1499400752724267010
(逃げて来たウクライナ難民にインタビューすると、想定外の放送事故が)
https://twitter.com/sunrise108max/status/1499194303218057216
(ドンバスで8年間苦しめられた市民は露軍を解放者と呼ぶ)
https://twitter.com/1914_7/status/1498596576360419329
https://twitter.com/trappedsoldier/status/1499678483714248704
(露軍が制圧した南部の都市で食料を配り始め、大勢並ぶ市民)
あるいはブルガリア市民など政府の意向に反し『反ネオナチ・反NATO』デモを始めたという情報。

20億もの寄付をこのネオナチ政権に渡してしまった愚かな日本人。藤永先生やほんの一部言論人の声に耳を傾ける人も徐々に出てきているようです。今になって、やっと東部住民の8年の苦悩の真実やネオナチが跋扈する国内の実情を信じる人が出てきて、この流れが加速して欲しいです。あとはロシア国内でも反政府の声が広まってる、という話ですのでその行方が気になります。

藤永先生、そろそろ春といえまだ寒暖も激しいです。お身体をどうぞ大切に。
ネオナチ・ファシズムの蔓延にためされる21世紀の人類。 (眠り葦)
2022-03-05 19:25:16
 藤永先生のご健筆とご健勝まことに重畳の至りです。一分をいちぶんと読みますとまったく知らなかった意味になるのに驚きました。
 おそらくインテグリティという意味ではなかろうかと想像しました。そこで『武士の一分』という映画を主演の木村拓哉というネームを我慢して後半を飛ばしとばし観ましたが、心像喚起力がある藤沢周平の文章で原作を読むのが格段であろうと想像しております。

 スラブ民族差別なのかと疑うプーチンロシア敵視憎悪に熱狂する列島全土ファシズム状態のなかで、毅然としてアングロサクソン一極世界の終焉を見抜かれる藤永先生のご慧眼に感嘆します。
 強力な経済制裁という反ロシア側の仕掛ける経済戦争は、グローバルな通貨システムの分断による米ドル一極体制の崩壊を導き、重要な資源を含むグローバル・サプライチェーンの分断はウィルス・ パンデミックによるサプライチェーン麻痺にかさなって米欧日の経済システムに深刻な打撃となって跳ね返るでしょう。

 そこからGAFAMのビッグデータ&ネオリベラル・アルゴリズム支配の底が露呈し、AIが光を失うのではないかと期待してしまいます。
 デヴィッド・グレーバーが喝破した科学技術の発展の歪曲抑制偏頗化という特性を極限化するネオリベラリズムが21世紀に生みだしたネオナチ・ファシズムが黒雲のようにUSEU日本の空を蔽っています。
 USEU日本に黒い死の雨が降るのか、その前にネオリベラリズムが解体崩壊するのか、人びとの正気と理性にかかっています。
 
 21世紀のロシアをネオリベラリズム・オリガルヒの毒牙から救ったプーチンは立派だと言わざるを得ません。

 藤永先生、私は音楽とバレエの国、ロシアが大好きです。加藤登紀子のご両親が開いたレストラン『キエフ』の絶品ピロシキでロシア・ビールを飲むのは最高でした。熱いワレーニキにアイスクリームをかけたデザートがたまらなくなつかしいです。

 昔なつかしいネームであるフルシチョフとブレジネフというソ連のトップはウクライナ人なのだそうです。『キエフ』でそう聞いたような気がします。
お礼 (銀)
2022-03-05 19:50:39
"新参者”さま
ありがとうございました。
さっき、もうちょっとちゃんとしたお礼を投稿したのですが、どこかへ飛んで行ってしまいました。SNSがとても苦手なもので、すみません。
先生、今後の記事も私の羅針盤にしますので、ぜひ発信してください。
お久しぶりです (Oseitutu.Miki)
2022-03-07 19:55:27
先生、先生の鮮やかな論考を立て続けに読むことができて嬉しく拝読しました。先生はこうおっしゃるだろうと思っていました。先生は当然一人ではありません。ウクライナがなぜ非武装、中立でなければならないのか、歴史を紐解けばロシアにとってそれが不可分であることがわかります。引っ越して隣国を変えることはできないのですから。これからロシアがどんな目にあうのか、ただただ悔しく、日々の報道を見ています。そして、当然ながらウクライナへの共感を訴えるヨーロッパでは黒人差別が露呈しているとのこと。底の浅い人道主義は害でしかないのかもしれません。溜息ばかりの中、日々の生活に忙殺され、疲れ果ててしまっています。先生、まだ季節は行きつ戻りつですのでどうぞご自愛ください。

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