褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 鬼火(1963) 不安、絶望、恐怖、怒り、まるで僕の人生

2010年11月22日 | 映画(あ行)
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 今まで何本の映画を見てきたかわからないけれど、まるで自分の人生のように感じる映画と言えば今回紹介する鬼火。この主人公はまるで僕自身を見ている気がする
 これからの人生に対する不安、自分の描いていた人生の理想と現実とのギャップ、これから自分に起こるかもしれない災難、あらゆるものに対する怒り・・・今までの人生の殆どをネガティブに考える時間に費やしてきたような気がする。

 人によって幸せに対する価値観は違うけれど僕のように自分自身を不幸だと決め付けている人間は恐らく自分勝手で傲慢な考え方なのだろう。
 自分自身のことを不幸だと思っていても、他人から見れば幸せそうに見えるかもしれないし、世界中のあらゆるニュースを聞くと自分よりも大変な人がたくさんいることを感じる。

 日本人の自殺は年間30万人を超えている。1日に800人以上が自らの命を絶っているわけだ。多くの人々が人生に対して希望を見出せないことがよくわかる数字だ。
 そんな希望を見出せない日本をあらわしているように、今の日本の政権のスローガンは最小不幸社会
 これではまるで今の日本の社会において希望を見つけることが出来ないのが当然であり、絶望感を抱く人が多いのも仕方ないのかもしれない。
 
 ちなみに今回紹介する鬼火の監督はヌーヴェルバーグを代表するルイ・マル
 傑作サスペンスの死刑台のエレベーター、ドタバタコメディの傑作地下鉄のザジ、そしてさよなら子供たち、恋人たちなどドラマ性、恋愛など幅広い分野に手腕を発揮している。
 人生に絶望した男の選ぶ道はそれでは鬼火を紹介しよう

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 アラン(モーリス・ロネ)はニューヨークでの結婚生活に破れ、失意からアルコール中毒に冒され入院中。
 彼の部屋には自らの絶望感を表す写真がたくさん貼っている。

 彼は自殺を決意し拳銃の点検を行う。そして彼は自らの過去を清算するためにパリに出向き、旧友を訪ねようとする。



 アラン(ロネ)は結婚して子供もいる平凡な生活をしている友人の姿に愕然とし、またかつての政治活動を行っていた仲間との再会にも心満たされる事もない。
 女性友達だったエヴァ(ジャンヌ・モロー)と出会うも彼女の仲間が麻薬に耽りながら希望を待っているだけの生活を見てはアラン(ロネ)の心は虚ろになるばかり。
 かつての彼女だったソランジュと出会い晩餐会に参加して彼女の優しさに触れるが、アラン(ロネ)の心は益々虚しさに襲われる。
 パリでの旧友たちとの出会いから病院に帰って来たアラン(ロネ)は拳銃を・・・人間の闇の部分を描いたこの作品は映画を観てください

 自らの人生に終止符を打つ前に、旧友たちの今を知ろうとして訪ねてみれば、その旧友たちの今も自分の理想と違っていた事に愕然としてしまい、益々自らに絶望していくストーリー。
 よく人生を語るときに明るい話題ばかり振り撒く人がいるが、そんな人に騙されてはいけない。人生なんて苦しい時の方が多いのは間違いない。
 
 確かに夢や希望に満ち溢れた映画を見るのは自分の心を癒すのに1つの手段である事は認めるが、今回紹介する鬼火のように暗く、重たい映画を観て自らの人生に悩み、考え抜く事も大切だと思う。
 それにしてもこの映画のワンカットが非常に意味深であり、また音楽がストーリーと非常に合っている。間違いなく名作です

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