褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 奇跡の海(1996) 絶望的な映画だけれど、一筋の光が流れる

2009年10月14日 | 映画(か行)
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 とことん悲劇的な映画があるけれど、今回紹介したい映画奇跡の海は凄かった
 観ていてこれほど、辛い映画はなかったね監督はダンサー・イン・ザ・ダークでもとことん絶望的な気持ちにさせてくれた、ラース・フォン・トリアー
 この映画は僕が観た映画の中では、かなり変わった映画8章から成り立つ映画だけれど、章と章の間に綺麗な風景画(デジタル画像?)を挿入し、ロックの音楽が流れるけれど、またこの映画の内容にまるで合わない音楽
 それに手持ちカメラで撮影されているから、画面がぶれまくり
 そして、カットごとの編集の杜撰さには見ていて驚くばかりド素人が映画を撮った見たいな感じだった
 実はこの映画はデンマーク映画デンマークの映画にはドグマ55という規則があり手持ちカメラでの撮影はその影響が強い
 ダンサー・イン・ザ・ダークも、画面がぶれまくりだったからね
 この映画の純粋な心を持った女性のとことんまで落ちぶれていく姿を描いたこの映画は本当に凄い
 僕の大好きな映画のにおけるヒロインのジェルソミーナもとことん悲劇的な女性だったけれど、この映画の主役の悲劇性は凄いね本当に観ていて辛くなるけれど、しかし僕はこの映画は映画史に残る傑作に挙げて良いと思うそんな観ている人もどん底に陥れるような奇跡の海を紹介しよう
奇跡の海 プレミアム・エディション [DVD]

ジェネオン エンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


 舞台はスコットランドの海に面した場所が舞台そこは、非常に排他的な場所で厳格なプロテスタントの村
 教会で結婚式が行われるしかし、この教会にはなぜか鐘がない
 この結婚する女性は少し精神病を患っているべス(エミリー・ワトソン)、そして夫になるヤン(ステラン・ストラスカルド
 夫のヤン(ストラスカルド)はこの村の人間ではないこの結婚を喜んでいるのはヤン(ストラスカルド)の仲間たちと、べス(ワトソン)の義姉にあたるドド(カトリン・カートリッジ)だけだった
 ヤン(ストラスカルド)とべス(ワトソン)はどのような出会いがあったのか、わからないが二人は愛し合っていたしかし、義妹のとべス(ワトソン)と結婚するヤン(ストラスカルド)の気持ちに対して何か企みがあるのではと疑いを持っているドド(カートリッジ)
 ドド(カートリッジ)の夫で、べス(ワトソン)の実の兄は死んでいて、それを機会にべス(ワトソン)は精神に異常を来たしていたそんなべス(ワトソン)と結婚しようとするヤン(ストランド)の気持ちがドド(カートリッジ)には、わからなかった

 しかし、この結婚はべス(ワトソン)にとっては、毎日教会に来て掃除をし、神様に祈る事で成し遂げた結婚だと思っている
 幸せな新婚生活を送るべス(ワトソン)とヤン(ストランド)だが、やがて北海油田へ採掘作業の仕事のため、しばらくべス(ワトソン)とヤン(ストランド)は別れて生活しなければならないその別れた生活にべス(ワトソン)は悲しみ、泣き崩れる
 そして、ヤン(ストランド)とべス(ワトソン)は別々の生活を送るが毎日、二人は電話での会話に楽しみを見出す
 
 あと10日でヤン(ストランド)が戻ってくるしかし、待ちきれないべス(ワトソン)は教会に行ってお祈りをするヤンが早く帰ってきますように
 本当にヤン(ストランド)は早く帰ってくるしかし、仕事場での事故が原因で体全体が麻痺状態で帰ってきた
 しかも、完全に治る見込みは無く、いつ死んでもおかしくない状況だそんなヤン(ストランド)でも愛するべス(ワトソン)は毎日の如く見舞いに病院にやって来る
 やがて、意識が戻ったヤン(ストランド)は睡眠薬を多量に飲んで自殺しようとするそれは、セックスできない体になってべス(ワトソン)を満足したやることが出来ないからだ
 しかし、命は助かったヤン(ストランド)はべス(ワトソン)に対して、意外なことを言う俺はお前(ベス)に対して喜ばせる事が出来ないから、他の男とセックスしろ、そしてその行動をすべて話せそしてさらにその行った行為を聞くことで俺(ヤン)はお前(ベス)とセックスした気になると語る
 
 べス(ワトソン)は他の男を誘惑しようとするが、セックスまではいかないベス(ワトソン)はヤン(ストランド)に、嘘をついてセックスをしたと話すが、彼はすぐに彼女の嘘を見抜く
 べス(ワトソン)が本当にセックスをすれば、自分の体は治ると言う
 ついにヤン(ストランド)が危篤状態になるべス(ワトソン)は教会へ行き、神様に尋ねる自分はどうしたら良いのか神様の答えがベス(ワトソン)の口を通して語るお前は神とヤンのどちらを愛しているのだ
 ついにベス(ワトソン)は、他の男を誘惑してセックスしたするとヤン(ストランド)は意識が戻った
 しかし、段々ベス(ワトソン)の衣装が変わってきたついに娼婦の姿になっているのを母親も気付き、そしてドド(カートリッジ)も、ヤン(ストランド)の言葉を真剣に聞いてはいけないと言うしかし、ヤン(ストランド)の娼婦的な行為が村の人々に知れ渡りが教会から脱退させられる事になってしまった
 そしてベス(ワトソン)の主治医である先生もこのままではベス(ワトソン)がボロボロになっていくのを見て精神病院へ入院させようと、ヤン(ストランド)に許しを願い出る
 ヤン(ストランド)も、自分の言葉がベス(ワトソン)を、肉体的にも精神的にも追い込んでいるのを悟り渋々ベス(ワトソン)が入院することを認めた
 
 入院のために車に乗せられていたベス(ワトソン)だが、脱走するベス(ワトソン)は、母親の家に行くが教会を脱退させられた娘のベス(ワトソン)を家の中に入れてやる事は出来なかった
 そしてベス(ワトソン)は教会へ向かおうとするが、向かう途中に子供たちから石を投げつけられるついに教会の近くまで来たベス(ワトソン)だったが、彼女は教会へ入れてもらう事さえ許されなかった
 そして、ベス(ワトソン)は以前に娼婦として海の男たちの相手をして刃物で脅された時があったが、再びヤン(ストランド)を助けるために危険を承知で海の男たちの所へ向かった

 滅多刺しの状態でベス(ワトソン)が入院してきたその姿に驚くドド(カートリッジ)や母たち
 ベス(ワトソン)は意識の戻らないヤン(ストランド)の状態を見て私が間違っていたのねと言って死んでしまう
 そして、ベス(ワトソン)の葬儀(?)に義姉のドド(カートリッジ)が参加していたが、彼女の隣に奇跡的に回復していたヤン(ストランド)の姿があった 
 しかし、ベス(ワトソン)は教会から追放されており土葬されることになった土葬されるということは、この教会では地獄へ、ベス(ワトソン)が行くということと同じことだった

 そして、ベス(ワトソン)が土葬される日、その前日にヤン(ストランド)と彼の仲間たちは死体のベス(ワトソン)を棺から奪い取っていた
 そしてヤン(ストランド)達はベス(ワトソン)を北海油田の海上で海に放ってあげる
 そして、次の日の朝にヤン(ストランド)達が見たものは・・・


 この映画はかなりきわどい性描写があったりして、ヤン(ストランド)とベス(ワトソン)が愛し合っていたことを表現している
 しかし、ヤン(ストランド)の事故をきっかけにベス(ワトソン)が、ボロボロになっていく姿を見ていて辛くなる
 しかも、あれほどヤン(ストランド)を愛し、神様を信じたのにベス(ワトソン)は死んで行くこれほど、悲劇的な映画は滅多に観られない
 しかし、これだけ悲劇的シーンを見せといて、最後はヤン(ストランド)は助かるし、最後のシーンで象徴している事(ネタバレになるので詳しく書きません)にかすかな希望を見せる演出は流石はラース・フォン・トリアーだね
 しかし、かなり宗教色が強いのは確かだろう実は旧約聖書には、神様が出てきて人間に試練を与えるシーンが多い
 この映画におけるベス(ワトソン)はまさに神様から試練を与えられた人間の役になっている
 例えば十戒という映画でも、モーゼは苦難の末にエジプトからイスラエル人を脱出させ、しかし神様から十戒を守らせるようにモーゼは神の声を聞くが、民がその十戒を守らない事に対してさらなる苦難の旅をイスラエル人はさせられることになる結局モーゼ自身はイスラエルの国に辿り着く事は出来ないが、イスラエル人たちは無事に神の言うイスラエル人の住処に辿り着く
 実はモーゼとベス(ワシントン)は自分を犠牲にして、他の人を助けると言う意味で共通している

 そして、映画ベン・ハーイエス・キリストが自らの命と引き換えに、病気になっている人を治してしまうイエス・キリストの姿とこの悲劇的なベス(ワシントン)は同じ立場だと考えてみる事ができる
 しかし、ベス役のエミリー・ワトソンは凄い女優だね特にこの映画では表情が良いね
 実は彼女はパンチドランク・ラブや、ゴスフォード・パーク等にも出ているけれど、それほど魅力ある女優さんに見えなかったけれど、その時は手を抜いていたのかなそのように思うほど、この映画の彼女は凄いね
 はっきり言って、この悲劇的な映画はお勧め映画だとは言い難い賛否両論ある映画だと思う
 しかし、僕には物凄く人間の持っている純真さを感じられた、素晴らしい名作でした

にほんブログ村 映画ブログへ

人気blogランキングへ    
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 
  
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画 エリザベス(1998) ... | トップ | 映画 ゲーム(1997) 実は... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(か行)」カテゴリの最新記事