褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 エル・スール(1983) スペイン語で『南』という意味です

2012年09月27日 | 映画(あ行)
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 誰にでも他人に言えない秘密があるが、俺にも他人に打ち明けられない大きな苦悩を抱える秘密が・・・う~ん、しばらく考えてみたが思いつかなかった。今回紹介するスペイン映画エル・スールは少女から大人に駆け上がろうとする多感な時期にある女性が、誰にも決して打ち明けることが出来ない、と言うよりも打ち明けても解決できそうにない苦悩を抱えたお父さんとの思い出を回顧するストーリー。

 使いようによっては、莫大な金持ちになれそうな特殊能力を持っているお父さんなのに、案外ショボイことで悩みまくっている。果たしてこのウジウジしたお父さんは性格に問題があるのか、それとも深刻なノイローゼに罹ってしまったのか
 だが何時まで経っても初恋の人が忘れられない男性ならば、きっとこのお父さんの絶望的なまでに苦悩するお父さんの姿に共感することができるはず。まるで何の悩みのないノーテンキな俺でも、ウジウジしたお父さんの姿に特に違和感を感じなかった。羨ましくなるほどの特殊能力ですら全く役に立たないことに、ひたすら虚無感が漂ってくる。

 そして、少女時代においては特殊能力を使うお父さんを大好きだった娘が、次第に成長していく様子の変化が巧みに描かれている。まるで神様のような絶対的な存在である父親だったのに、次第にお父さんの過去を知るにつれて、なんだかお父さんがとっても苦しそうだと気付いていく描写は女性の成長していく姿の象徴的シーン。
 この映画を観終わった後に誰もが、父と娘のレストランでの会話シーンを思い出し、胸が締め付けられるほどの悲しみを感じることが出来るはずだ。

 そして実はスペインというのは案外、複雑な事情を抱えている国。スペイン内乱バスク独立運動など歴史的、民族的な問題でいつ爆弾が破裂しても不思議では無い国。どうしてサッカーにおいてバルセロナFCレアル・マドリードという超有名世界的ビッグクラブを二つを擁しながら、やっと今頃になってサッカーW杯に優勝したのかがなんとなく理解できる。

 そんなスペイン内乱の影を大きく感じることができ、ヨーロッパ映画らしい綺麗な映像に酔いしれることができるエル・スールを紹介します

エル・スール [DVD]
オメロ・アントヌッティ,ソンソレス・アラングーレン,イシアル・ボリャン,オーロール・クレマン,ロラ・コルドナ
東北新社


ビクトル・エリセ DVD-BOX - 挑戦/ミツバチのささやき/エル・スール
アナ・トレント,フェルナンド・フェルナン・ゴメス,オメロ・アントヌッティ,オロール・クレマン
紀伊國屋書店


 15歳の女性であるエストレリャ(イシアル・ボリャン)は、なんとなく嫌な予感がしていた。しかし、その予感が現実の物になってしまう。彼女は父との思い出を振り返る。エストレリャ(イシアル・ボリャン)は7歳?の時に父アグスティン(オメロ・アントヌッティ)に連れられて、母フリア(ロラ・カルドナ)と一家3人でスペインの南部から北部へやってくる。
 父アグスティン(オメロ・アントヌッティ)は振り子を使って水脈を発見するなど特殊能力を持っているがエストレリャ(イシアル・ボリャン)は、そんな父アグスティン(オメロ・アントヌッティ)を尊敬し、また大好きであった。

 エストレリャ(イシアル・ボリャン)が初聖体拝受式のために、スペイン南部から父アグスティン(アントヌッティ)の母親ドナ・ロサリオ(ジェルメーヌ・モンテロ)と乳母ミラグロス(ラファエラ・アパリシオ)がやって来る。その夜エストレリャ(イシアル・ボリャン)はミラグロス(ラファエラ・アパリシオ)から父アグスティン(アントヌッティ)の南部で暮らしていた時の出来事を教えてもらう。それ以来、エストレリャ(イシアル・ボリャン)は父アグスティン(アントヌッティ)の過去の苦悩を次から次へと知ってしまうことになり・・・思わず絶句してしまいそうになる絶望的シーンがありながらも、ほんの少しの希望を感じる事ができますので、ぜひ映画を観てください



 実はこの映画を二十年前にも観ていますが、まるで印象に残っていませんでした。しかし知り合いから、とても良かったですよと言われて再見する気になりましたが、本当に良い映画でしたなんだか僕も二十年間を無駄に生きていたのでは無い事が証明されたようで嬉しいです。

 監督は10年に1回の割合で作品を発表するスペインの巨匠ビクトル・エリセ。名作の誉れ高いミツバチノささやき、そしてマルメロの陽光あたりが有名。
 両作品とも観ていますが、前者は俺の芸術を理解するレベルが低すぎるのか、正直何処が良いのかよくわかりませんでした。男性の僕が観て喜ぶような映画ではなかった気がします。後者はひたすら画家が絵を描くシーンを延々と見せられるのですが、かなり退屈でした。
 もしかしたら両作品とも再び観ると、一気に僕の中での評価が変わるかもしれないです。

 ウジウジ父さんを演じたのがオメロ・アントヌッティ。タヴィアーニ兄弟監督のグッドモーニング・バビロン! 父 パードレ・パドレーヌなど名作に多数出演している名優です。個人的にちょっと怖いお父さんを主に演じている印象があります。比較的最近ではスパイク・リー監督のセントアンナの奇跡に出演していました

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