褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 華氏451(1966) 活字離れの人に警告です

2018年03月04日 | 映画(か行)
 最近は読書する時間が減ってしまい、新聞もスポーツ新聞の競馬のコーナーを読むだけの俺。すっかり活字離れが進んでしまっている状態だが、よくよく考えてみると本には昔からの人類の知恵が詰まっている。そして今の日本人の中には想像できない人がいるかもしれないが、時の権力者からの自由の表現への挑戦に対する制約があったっり、思想弾圧の憂き目にあったり、様々な困難な状況に陥ってしまった著者がたくさんいる。そんな血のにじむような覚悟を決めて書かれた本の数々を『面倒くさいから読んでられない』なんて言っていたら人類の進歩が止まってしまう。
 確かに最近は、金儲けのために書かれているのがあからさまだったり、自らのストレス解消のために好き放題に書かれていたり、読者を洗脳してしまおうとする悪企みの意図があったり等々のようなロクでもない本が多く存在しているような気もするが、ある程度の自由の表現が保証されている民主主義国家に生きる者の宿命として、そのような本でさえも少々は読む価値があると認める寛容な精神が必要だ。
さて、タイトルの華氏451の意味だが紙が燃えだし始める温度のことを言うそうだ。

 それでは古今東西においても見られる焚書(ふんしょ)による弾圧の世界をみせてくれるストーリーの紹介を。
 書物を読むことが禁止された世界において。書物を捜索し跡形もなく燃やしてしまうことを仕事としているモンターグ(オスカー・ウェルナー)は今日もセッセト真面目に仕事に取り組んでいた。
 ところが会社へ向かう道中の電車の中でモンターグは綺麗なオネエちゃんのクラリス(ジュリー・クリスティ)に出会った影響で本に興味をもってしまい、チャールズ・ディケンズのデイヴィッド・コパフィールドを読み出し、次第に活字の持つ魅力に取りつかれてしまうのだが・・・

 近頃でもあるSNSに事実を投稿すると危うく名誉棄損で訴えられそうになった人が居るが、何かと言論弾圧が今日でも行われているこの世の中が本当に嘆かわしい。そんな個人的なボヤキは横においておいて、冒頭からいきなり工夫の演出。本作のテーマがオープニングシーンからズバリ込められた珍しいスタイルが非常に巧みだ。俺なんかは見ていたDVDのデッキが壊れたのか心配してしまった。
 そして主人公のモンターグが所属する仕事が非常にブラック過ぎる。特に消防隊の格好をしながら火炎放射しているのには笑えた。

 しかし、小学生の時から親や先生から本をたくさん読みなさいと散々聞かされたが、なんで読まないといけないのか実は大人になってもよくわからなかった。しかし、本作に出てくる多くの有名な書物を見ていると何となくわかった気になった。前述したように本には人類の知恵が詰まっていることに気づく。
 日本人の中にも古事記や日本書紀なんかどうせ嘘だろう、と言っている者が居るがこの映画の後半の部分を観れば自分たちがどれほど恐れ多いことを言っているかがわかるはずだ。

 見た目は安っぽいSF映画だが、大いなる風刺に満ちていてテレビの世界を皮肉るなど内容的に見ごたえ充分。最近なんだが俺と同じように活字離れが進んでいる人、この世の中は本当に表現の自由が保障されているのか不満に感じている人、本が大好きな人等に今回は華氏451をお勧め映画に挙げておこう

華氏451 [DVD]
オスカー・ウェルナー,ジュリー・クリスティ,シリル・キューザック,アントン・ディフリング
ジェネオン・ユニバーサル


 これがレイ・ブラッドベリの原作本
華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)
伊藤典夫
早川書房


 監督はフランス映画のヌーヴェルバーグを代表するフランソワ・トリュフォー監督。自信を持って映画が好きだという人にはアメリカの夜がお勧め。他には大人は判ってくれない 、突然炎のごとくが良いです。
 
 




 

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