日本人でも知っているアメリカ有数の都市であるフィラデルフィア。歴史的にはアメリカ独立宣言が行われた場所として知られている。もちろん本作はタイトル名どおりにフィラデルフィアを舞台とした映画であり、エイズやゲイに対する偏見が真っ向から描かれている。
本作の公開当時はエイズに対する認識が不足しており、手が触れたり、一緒の風呂に入ったりするだけで感染してしまうというような寒いギャグ同然の噂が流れたりしたが、本作もそのよう一端を示すようなシーンが見られる。
さて、偏見、差別、不正から正義を取り戻そうとする内容はハリウッド映画が十八番とするド定番。しかし、本作でそれとは別に興味が惹かれるのは、先ほどから何回も繰り返しているフィラデルフィアという題名。実はこの都市名の語源はギリシャ語からきており、その意味するところは兄弟愛。題名に秘められた想いを知ったときに、更に感動が大きくなる仕組みだ。
さて、兄弟愛の都市で繰り広げられる偏見、差別、不正から正義を取り戻すための戦いを描いたストーリーを簡単に紹介しよう。
フィラデルフィアの一流法律事務所で働くベケット弁護士(トム・ハンクス)は昇進をかけて、重要な訴訟問題に取り組む。ところが思いもしない訴訟資料の紛失に、突然のエイズ宣告。次々にトラブルに見まわれたベケットは社長のウィラー(ジェイソン・ロバーズ)からクビにされてしまう。
ベケットは元の職場に不当解雇の訴訟を起こすために行く先々で弁護士を訪れるが、断わられるばかり。かつて法廷で争ったミラー弁護士(デンゼル・ワシントン)の元にも訪れるが、気乗りしないミラー弁護士からも断わられる。
それから数ヵ月後、ミラー弁護士は図書館で周囲から冷たい目で見られながらも、前よりもやせ細った姿で黙々と資料を漁り続けるベケットを見かける。言われ無き偏見に晒されながらも正義を取り戻そうと戦うベケットの姿に心を撃たれたミラーは、ベケットと一緒に戦うことを決意するのだが・・・
本作はトム・ハンクスに2年連続でアカデミー主演男優賞をもたらした作品としても有名だが、ちまたでよく言われるのが、痩せゆくエイズ患者を熱演していること。本作を切っ掛けに名優として地位を築き上げたのだが、しかし俺から見れば特別彼の演技が凄いとも思わず、むしろメイク技術をもっと褒めるべきだと思うのだが。
本作の監督であるジョナサン・デミが前作の羊たちの沈黙の大成功に気を良くしたからなのか、今回も俳優のドアップの顔を写しまくる演出を見せるが、この辺りの評価は判断の別れるところ。個人的には美人女優の顔だったら大いに納得していたと思うが、いかんせん個性派俳優達の顔のドアップを見せられるのはチョッときつかった。
現在において、エイズやゲイに対する偏見、差別の映画を見ても大してのめり込めない人が多いと思うが、あの国は未だにあらゆる差別が存在している。これからあの国の大統領になろうとしている人物は人種差別主義者なのか単にレッテルを貼られているだけなのか、よくわからない部分があるが、そんな時にタイムリー(?)な映画として本作はお勧めできる。
更に、音楽は中々いけるし、ナンダカンダ言っても豪華脇役の俳優達の演技は注目に値するし、確かに兄弟愛を感じさせる。本作は法廷劇を用いた社会派映画のカテゴリーに入ると思うが、家族の優しさが身に沁みる映画でもある。いわゆる正統派な内容で安定感のある作りなので決して退屈することはないし、多くの人が感動できる映画として今回は映画フィラデルフィアをお勧めしておこう
監督は前述したジョナサン・デミ。この人のお勧めとするやっぱりサイコサスペンスの傑作羊たちの沈黙は外せない。そしてアン・ハサウェイが少々捻くれた役を演じているレイチェルの結婚もお勧め。
本作の公開当時はエイズに対する認識が不足しており、手が触れたり、一緒の風呂に入ったりするだけで感染してしまうというような寒いギャグ同然の噂が流れたりしたが、本作もそのよう一端を示すようなシーンが見られる。
さて、偏見、差別、不正から正義を取り戻そうとする内容はハリウッド映画が十八番とするド定番。しかし、本作でそれとは別に興味が惹かれるのは、先ほどから何回も繰り返しているフィラデルフィアという題名。実はこの都市名の語源はギリシャ語からきており、その意味するところは兄弟愛。題名に秘められた想いを知ったときに、更に感動が大きくなる仕組みだ。
さて、兄弟愛の都市で繰り広げられる偏見、差別、不正から正義を取り戻すための戦いを描いたストーリーを簡単に紹介しよう。
フィラデルフィアの一流法律事務所で働くベケット弁護士(トム・ハンクス)は昇進をかけて、重要な訴訟問題に取り組む。ところが思いもしない訴訟資料の紛失に、突然のエイズ宣告。次々にトラブルに見まわれたベケットは社長のウィラー(ジェイソン・ロバーズ)からクビにされてしまう。
ベケットは元の職場に不当解雇の訴訟を起こすために行く先々で弁護士を訪れるが、断わられるばかり。かつて法廷で争ったミラー弁護士(デンゼル・ワシントン)の元にも訪れるが、気乗りしないミラー弁護士からも断わられる。
それから数ヵ月後、ミラー弁護士は図書館で周囲から冷たい目で見られながらも、前よりもやせ細った姿で黙々と資料を漁り続けるベケットを見かける。言われ無き偏見に晒されながらも正義を取り戻そうと戦うベケットの姿に心を撃たれたミラーは、ベケットと一緒に戦うことを決意するのだが・・・
本作はトム・ハンクスに2年連続でアカデミー主演男優賞をもたらした作品としても有名だが、ちまたでよく言われるのが、痩せゆくエイズ患者を熱演していること。本作を切っ掛けに名優として地位を築き上げたのだが、しかし俺から見れば特別彼の演技が凄いとも思わず、むしろメイク技術をもっと褒めるべきだと思うのだが。
本作の監督であるジョナサン・デミが前作の羊たちの沈黙の大成功に気を良くしたからなのか、今回も俳優のドアップの顔を写しまくる演出を見せるが、この辺りの評価は判断の別れるところ。個人的には美人女優の顔だったら大いに納得していたと思うが、いかんせん個性派俳優達の顔のドアップを見せられるのはチョッときつかった。
現在において、エイズやゲイに対する偏見、差別の映画を見ても大してのめり込めない人が多いと思うが、あの国は未だにあらゆる差別が存在している。これからあの国の大統領になろうとしている人物は人種差別主義者なのか単にレッテルを貼られているだけなのか、よくわからない部分があるが、そんな時にタイムリー(?)な映画として本作はお勧めできる。
更に、音楽は中々いけるし、ナンダカンダ言っても豪華脇役の俳優達の演技は注目に値するし、確かに兄弟愛を感じさせる。本作は法廷劇を用いた社会派映画のカテゴリーに入ると思うが、家族の優しさが身に沁みる映画でもある。いわゆる正統派な内容で安定感のある作りなので決して退屈することはないし、多くの人が感動できる映画として今回は映画フィラデルフィアをお勧めしておこう
フィラデルフィア (1枚組) [DVD] | |
トム・ハンクス,デンゼル・ワシントン,アントニオ・バンデラス,ジェーソン・ロバーツ | |
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
監督は前述したジョナサン・デミ。この人のお勧めとするやっぱりサイコサスペンスの傑作羊たちの沈黙は外せない。そしてアン・ハサウェイが少々捻くれた役を演じているレイチェルの結婚もお勧め。
原題はギリシャ語でしたか。私は手持ちの英和辞典を参考にして、自己流に友愛と訳していました。ご教示ありがとうございました。