実家のお手伝いで、九州へ月忌回向に向かいました。
家を出たのは、午前7時。
最初のお宅は、午前8時40分、到着予定です。
少し早く到着したので、近くの美術館で、時間調整。
その間に、ほかのお宅へも、大まかな到着時間を連絡しました。
私は、月忌回向にお伺いするとき、到着時間を連絡しています。
それは、お待たせすることで、お迷惑をおかけしたくないと、思うからです。
あるお宅へ、電話した時のことです。
「12時前後に、到着します。
前のお宅を出発するときに、もう一度連絡をしますので、よろしくお願いします」
と、お伝えしました。
月忌回向も、予定通りに進み、12時にお伺いするお宅へ電話をしました。
でも、誰も出ません。
「おかしいな・・・?」
しばらくして、もう一度電話ををしましたが、同じです。
お宅へ到着して、呼び鈴を鳴らしても、返事はありません。
とりあえず、お伺いした旨を書いた紙を、ドアに挟みました。
そして、次のお宅へ。
車に戻ると、家内が、
「あなた、午後2時に行くって、連絡したんじゃないの?
先方は、そう聞いたって、おっしゃっていたわよ」
「そんなはずはないよ。
ちゃんと、12時ごろってお伝えしたよ」
「自分が言ったことを、忘れちゃってるのよ。
あなた最近、ボケてるから・・・」
なんとも言えない気持ちで、先ほどのお宅へお伺いしました。
すると、檀家さんが、こう言いました。
「最初に、12時ごろにお伺いします、て連絡があったことは覚えているの。
でも、その後に、野口さんっていう人から、午後2時にお伺いしますって、連絡があったの」
「野口さんっていうお坊さん、うちのお寺にはいませんけど」
私の実家は、ほかのお寺に、お手伝いを頼んでいました。
その中には、野口さんていうい人は、いません。
「初めて聞く声だったわ」と、檀家さん。
首をひねりながら、私は月忌回向のお経をあげました。
お経も終わり、お茶をいただいていると、電話が鳴りました。
受話器を置いた檀家さんが、こう言いました。
「『今から月忌回向にお伺いします』っていうから、『今、お坊さん来ていますよ』って返事をしたら、切れちゃった。
誰だったのかしら?」
もしかして、僕が予定を間違えてる・・・?
ほかの人がお伺いするところへ、行っている?
車に戻って、予定表を見ましたが、間違っていません。
・・・じゃ、電話をしてきたのは、誰?
「昔、月忌回向中に、不慮の死を遂げた、お坊さんの霊魂じゃないの?
その人が、あなたの後をついてきたとか・・・」
「怖い話は、やめてください」
私は、背筋が寒くなるのを感じました。
「聞いたこともない、声・・・」
檀家さんの言葉が、耳に残りました。
先日の、お化けのお話ではありませんが、お寺にいると、不思議な出来事に出合います。
家を出たのは、午前7時。
最初のお宅は、午前8時40分、到着予定です。
少し早く到着したので、近くの美術館で、時間調整。
その間に、ほかのお宅へも、大まかな到着時間を連絡しました。
私は、月忌回向にお伺いするとき、到着時間を連絡しています。
それは、お待たせすることで、お迷惑をおかけしたくないと、思うからです。
あるお宅へ、電話した時のことです。
「12時前後に、到着します。
前のお宅を出発するときに、もう一度連絡をしますので、よろしくお願いします」
と、お伝えしました。
月忌回向も、予定通りに進み、12時にお伺いするお宅へ電話をしました。
でも、誰も出ません。
「おかしいな・・・?」
しばらくして、もう一度電話ををしましたが、同じです。
お宅へ到着して、呼び鈴を鳴らしても、返事はありません。
とりあえず、お伺いした旨を書いた紙を、ドアに挟みました。
そして、次のお宅へ。
車に戻ると、家内が、
「あなた、午後2時に行くって、連絡したんじゃないの?
先方は、そう聞いたって、おっしゃっていたわよ」
「そんなはずはないよ。
ちゃんと、12時ごろってお伝えしたよ」
「自分が言ったことを、忘れちゃってるのよ。
あなた最近、ボケてるから・・・」
なんとも言えない気持ちで、先ほどのお宅へお伺いしました。
すると、檀家さんが、こう言いました。
「最初に、12時ごろにお伺いします、て連絡があったことは覚えているの。
でも、その後に、野口さんっていう人から、午後2時にお伺いしますって、連絡があったの」
「野口さんっていうお坊さん、うちのお寺にはいませんけど」
私の実家は、ほかのお寺に、お手伝いを頼んでいました。
その中には、野口さんていうい人は、いません。
「初めて聞く声だったわ」と、檀家さん。
首をひねりながら、私は月忌回向のお経をあげました。
お経も終わり、お茶をいただいていると、電話が鳴りました。
受話器を置いた檀家さんが、こう言いました。
「『今から月忌回向にお伺いします』っていうから、『今、お坊さん来ていますよ』って返事をしたら、切れちゃった。
誰だったのかしら?」
もしかして、僕が予定を間違えてる・・・?
ほかの人がお伺いするところへ、行っている?
車に戻って、予定表を見ましたが、間違っていません。
・・・じゃ、電話をしてきたのは、誰?
「昔、月忌回向中に、不慮の死を遂げた、お坊さんの霊魂じゃないの?
その人が、あなたの後をついてきたとか・・・」
「怖い話は、やめてください」
私は、背筋が寒くなるのを感じました。
「聞いたこともない、声・・・」
檀家さんの言葉が、耳に残りました。
先日の、お化けのお話ではありませんが、お寺にいると、不思議な出来事に出合います。