僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

あなた、誰?

2017年02月26日 | 日記
実家のお手伝いで、九州へ月忌回向に向かいました。

家を出たのは、午前7時。
最初のお宅は、午前8時40分、到着予定です。

少し早く到着したので、近くの美術館で、時間調整。
その間に、ほかのお宅へも、大まかな到着時間を連絡しました。

私は、月忌回向にお伺いするとき、到着時間を連絡しています。
それは、お待たせすることで、お迷惑をおかけしたくないと、思うからです。

あるお宅へ、電話した時のことです。

 「12時前後に、到着します。
  前のお宅を出発するときに、もう一度連絡をしますので、よろしくお願いします」

と、お伝えしました。

月忌回向も、予定通りに進み、12時にお伺いするお宅へ電話をしました。
でも、誰も出ません。

 「おかしいな・・・?」

しばらくして、もう一度電話ををしましたが、同じです。
お宅へ到着して、呼び鈴を鳴らしても、返事はありません。

とりあえず、お伺いした旨を書いた紙を、ドアに挟みました。
そして、次のお宅へ。

車に戻ると、家内が、

「あなた、午後2時に行くって、連絡したんじゃないの?
 先方は、そう聞いたって、おっしゃっていたわよ」

「そんなはずはないよ。
 ちゃんと、12時ごろってお伝えしたよ」

「自分が言ったことを、忘れちゃってるのよ。
 あなた最近、ボケてるから・・・」

なんとも言えない気持ちで、先ほどのお宅へお伺いしました。
すると、檀家さんが、こう言いました。

「最初に、12時ごろにお伺いします、て連絡があったことは覚えているの。
 でも、その後に、野口さんっていう人から、午後2時にお伺いしますって、連絡があったの」

「野口さんっていうお坊さん、うちのお寺にはいませんけど」

私の実家は、ほかのお寺に、お手伝いを頼んでいました。
その中には、野口さんていうい人は、いません。

「初めて聞く声だったわ」と、檀家さん。

首をひねりながら、私は月忌回向のお経をあげました。

お経も終わり、お茶をいただいていると、電話が鳴りました。

受話器を置いた檀家さんが、こう言いました。

「『今から月忌回向にお伺いします』っていうから、『今、お坊さん来ていますよ』って返事をしたら、切れちゃった。
 誰だったのかしら?」

もしかして、僕が予定を間違えてる・・・?
ほかの人がお伺いするところへ、行っている?

車に戻って、予定表を見ましたが、間違っていません。
・・・じゃ、電話をしてきたのは、誰?

「昔、月忌回向中に、不慮の死を遂げた、お坊さんの霊魂じゃないの?
 その人が、あなたの後をついてきたとか・・・」

「怖い話は、やめてください」
私は、背筋が寒くなるのを感じました。

「聞いたこともない、声・・・」
檀家さんの言葉が、耳に残りました。

先日の、お化けのお話ではありませんが、お寺にいると、不思議な出来事に出合います。




 
 
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