乳歯の時期の歯並びかみ合わせの相談で、比較的多いのが上下前歯が反対に噛んでいる、反対咬合です。
最近はムーシールド効果もあってか、早い時期の矯正治療に関心が集まっているように思います。
乳歯前歯が出てきて反対に噛んでいても、奥歯まで全部出揃ってしばらく、すなわち3歳半頃までに自然に改善することがあります。奥歯が出揃ってそれまで深かった噛みあわせが浅くなってきますので、理論的には下顎が後退するというのがその原因かと思われます。
それ以降では乳歯の時期の改善は期待できませんので、治療したほうが良いか? ということになります。
最初の写真ではかみ合わせるとがっつり逆なんですが、同じ患者さんでも2枚目の写真のように、無理せず自分で前歯を合わせることができます。
噛みあわせが深いぶん、下顎が必要以上に前に誘導されています。これを、機能的反対咬合と呼んでいますが、この要素が強いほど早期治療の効果が大きいと考えています。ただ、噛みあわせが深いとムーシールドでは改善しにくいので、上の歯並び裏側に装着するリンガルアーチのほうが確実で患者さんの負担も小さいと言えます。ちなみにこの患者さんは3歳。
こちらは4歳の患者さんですが、同様にがっつり反対咬合。最初の患者さんより若干骨格的要因もありそうですが、下顎の位置が改善され、噛みかたや口腔周囲筋が良い方向に改善された状態で生え変わりを迎えるのが良いでしょう。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam