頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『捜索者』タナ・フレンチ

2022-07-30 | books
シカゴ市警を辞め、アイルランドに古い家を買ったカル。少年が家の周囲をうろうろする。兄が行方不明になったので、探して欲しいと言う。19歳なのだから自分の意志で出ていったのだろうと思うが調べてみると・・・

こういうミステリー薄め+情景描写多めタイプはやや苦手にしていたのだけれと、本作は良かった。


ロバート・B・パーカーの「初秋」を彷彿とさせると解説に書いてあったけど、確かに(だいぶ前に読んだので記憶は薄いけど)

 

今日の一曲

Depeche Modeで、"Personal Jesus"



では、また。


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『両手にトカレフ』ブレイディみかこ

2022-07-28 | books
現代英国に暮らすミア。働かないシングルマザーと弟と共に日々の食べ物にも困る日々。ミアがたまたま出会った本は、日本のアナーキスト金子文子の自伝だった。フミコの母は男に依存し男に捨てられる日々。ミアはフミコにシンパシーを感じる。

良い小説だった。ブレイディみかこがずっと主張してる、貧困層に対する福祉の必要性とか、今自分の置かれてる場所からうまく逃げれば、幸せになれるのかも知れないこととかが身にしみてくる。

ラジオで宇垣美里が、嫌いな言葉として、置かれた場所で咲きなさいを挙げていたのを思い出した。どうして他の場所に行ってはいけないのかと。宇垣氏の言動には、良い所悪い所混在してるかと思うけど、これは良かった。

 

今日の一曲

David Bowieで、"Five Years"


では、また。


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『業火の市』ドン・ウィンズロウ

2022-07-26 | books
86年、ロードアイランド州プロヴィデンスはアイルランド系とイタリア系マフィアが仕切っていた。前者マーフィー家の娘と結婚したダニーが主役。前者の厄介者リアムが後者モレッティ家の息子の女に手を出す。諸悪の根源はここから始まった。

面白面白かった。読みやすい&先が読めない。「ゴッドファーザー」をまた観たくなった。

「 犬の力」は途中脱落した。短文を連ねる叙事詩的描写が合わなかったから。しかし、もう一度読むと違うかも。


 

今日の一曲

Chris Isaakで、"Wicked Game"


では、また。

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2022年7月ドラマちょいとレビューその4

2022-07-24 | film, drama and TV
「魔法のリノベ」・・・工務店の出来ない営業マンの間宮祥太朗。大手リフォーム会社から転職してきた出来る波瑠がリードして仕事を成功させる。昔のシーンでの長い髪よりも、現在のシーンのショートの方が遥かに似合う。本当の美人はショートが似合う、のか?ドラマはまあまあ。「家売る女」とか「正直不動産」の方が上。

「家庭教師のトラコ」・・・橋本愛が謎の家庭教師。料金は払う方が決める、教育方針には口を出さない、指導中は部屋を覗かない、指導の日は家庭に泊まる。直接勉強を教えるのではない間接的なやり方で指導する。不思議だけど、先が気になるドラマ。橋本愛の不気味演技もいい。

「NICE FLIGHT」・・・副操縦士玉森裕太は冷静な管制官中村アンに助けられ、惚れる。仕事と恋の話。JAL全面バックアップぽく、リアルな映像が多いのはいい。ストーリーはやや陳腐。まだ観るけど。

今日の一曲

Astrud Gilbertoで、"Corcovado"


では、また。


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店名にツッコんでください292

2022-07-22 | laugh or let me die
店名にツッコんでください292
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2022年7月ドラマちょいとレビューその3

2022-07-20 | film, drama and TV
「競争の番人」・・・杏演じる白熊楓は公正取引委員会職員の苦闘物語。原作とは色々と設定を変えていて、白熊は警視庁から左遷されてたり、坂口健太郎演じる小勝負はナンパキャラになっていたり。ただホテルの談合近辺のネタは全く同じ感じ。知ってる話だから観なくてもいいのだけれど、また観る。

「プリズム」・・・杉咲花は声優を目指すがオーディションに受からない、バイトで園芸店に。父親吉田栄作は母と離婚、浮気相手は男性だった。そしてガーデンデザイナーの男性と知り合う。設定とか雰囲気がすごくいい。しかしテーマが何だかは分からない。

「恋愛ディソナンス」・・・勤務していたピアノ教室がつぶれた中島裕翔。友人の筧美和子から、自分が高校の教師を辞めるからその後釜にと言われ高校教師になる。毒母富田靖子の娘吉川愛との微妙な関係。そして、筧は行方不明、遺体となって発見された。不思議なドラマ。あちこちに伏線が張られていて、コメディかと思ってたら、シリアスなミステリー的ドラマ。面白かった。

「石子と羽男」・・・高卒で司法試験に一発で受かったが事務所をくびになっていた弁護士中村倫也。弁護士事務所所長さだまさしと知り合い、そこで働くことになった。さだの娘はパラリーガルの有村架純。中村と有村の凸凹コンビが事件を解決してゆく。面白い設定。悪くなかった。

「初恋の悪魔」・・・警察の総務や会計など捜査権のない4名、仲野太賀、柄本佑、松岡茉優、林遣都が事件を解決する。脇役が田中裕子や伊藤英明など豪華。ドラマは不思議というか、面白いのか謎。


今日の一曲

ハンバート ハンバートで、「岬」



では、また。



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『看守の信念』城山真一

2022-07-18 | books
「看守の流儀」の続編連作短編集。頭が切れ、かつ人情に厚い火石。今回はプライベートな部分が出てきた。

本作もまたすごくいい。(他の人のレビューを読んでいたら、重大な描写を読み取っていないこと判明。本読みの風下にも置けず)

 

今日の一曲

Vaundyで、「走馬灯」



では、また。



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『十三階の仇』吉川英梨

2022-07-16 | books
NGO職員の女性がコロンビアで惨殺される。解決のため外務大臣が向かうが、影武者になった元十三階(公安)職員が拉致される。外務副大臣天方に崩壊させられた十三階。リーダー格の黒江と古池はインドに逃亡中。拉致事件の犯人が交渉相手に指示してきたのは古池・・・

なかなか面白かった。冒頭延々と前作の解説があるので、忘れていても大丈夫。事件の裏側が最も手が込んでいて感心した。

↓下に自分用のネタバレあり

 
今日の一曲

マハラージャンで、「その気にさせないで」




※自分用ネタバレ

裏で仕組んだのは黒江。十三階復活のため、女性を殺し、古池を交渉に引っ張りださせることまで予定してた。十三階潰しに活躍した佐倉は官房副長官は、ストラディバリウスを貰って中国に情報を渡していたが、中国スパイ二殺された。そして黒江律子は重度の精神病になり、罰せられず。しかし病気のふりをしていたのだった。

では、また。


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『爆弾』呉勝浩

2022-07-14 | books
微罪で捕まった49歳の自称スズキタゴサクは、爆弾が爆発すると予言し、実際に爆発する。次はどこで爆発するのか、ノラリクラリとかわすスズキ。焦る捜査陣との行き詰まる攻防。

最初はつまらないと思い、しかし途中から面白くなり、最後にはあまり面白くなくなった。

心理サスペンスとして、なかなかだったんだけど、スズキと警察以外の登場人物が出てきた辺りから、そんなわけあるかっ!とリアリティを失ってしまった感あり。


今日の一曲

宇多田ヒカル feat.スチャダラパーで、「今夜はブギー・バック」



では、また。


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2022年7月ドラマちょいとレビューその2

2022-07-12 | film, drama and TV
「ユニコーンに乗って」・・・永野芽郁は貧乏母子家庭高卒から学習アプリを開発する企業のCEOに。投資してくれたベンチャーキャピタルからは事業拡大を命ぜられ、人材募集をかけるとやってきたのは、元銀行員の西島秀俊。すごく面白かった。少し頼りないCEO役も永野芽郁にピッタリ。

「テッパチ」・・・金も仕事もなくなり、仕方なく自衛隊に入った町田啓太。入隊前後を描くのは珍しい。内容はややありがちな青春もの+お仕事系。まだ観るけれど。

「ちょこっと京都に住んでみた」・・・木村文乃が京都に住む。実在のお店らしきものが登場するので、ガイドブック的な実用あり。

「六本木クラス」・・・Netflixで観た韓国ドラマを忠実すぎるぐらいにリメイク。知ってる話しかないので物語的には観る意味は特にない。香川照之演じる役には違和感、早乙女太一には巧妙さを感じた。韓国とは違う日本的要素をなぜ入れないのか?

「復讐の未亡人」・・・松本若菜は、出来る派遣社員。しかし自殺した夫の復讐すべく、会社に乗り込んでくる。というような話だと思うけれど、それだけだと一話で終わってしまうので、次回以降どうなるのか期待。

「オクトー〜感情捜査官 心野朱梨」・・・人の感情をビジュアライズする捜査官は飯豊まりえ。話はピンと来なかったが、まだ観る。


今日の一曲

Depeche Modeで、"Enjoy The Silence"



では、また。


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『過ちの雨が止む』アレン・エスケンス

2022-07-10 | books
AP通信の記者ジョー・タルボット。一度も会ったことのない父親が死んだらしいと聞いて、その街にやって来ると、トラブルの嵐。父親は殺された可能性大、彼の妻は自殺、娘は意識不明。遺産相続問題も絡んで・・・

読むのに時間がかかったがそれだけの意味はあった。

正義とか悪とか、愛とか嫌悪とか、人間のあれやこれやについて考えさせてくれる。

 

今日の一曲

Blankey Jet Cityで、"Sweet Days"



では、また。


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店名にツッコんでください291

2022-07-08 | laugh or let me die
店名にツッコんでください291
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『シモネッタの本能三昧イタリア紀行』田丸公美子

2022-07-06 | books
イタリア語通訳が旅したイタリアの出来事を記すエッセイ。

恋、食べ物、治安。笑い、驚き、感心しまくり。こんなに沢山の事件が起こるとは!イタリアがすごいのか、著者がすごいのか。

 

今日の一曲

Jack Whiteで、"Seven Nation Army"



では、また。



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『奇跡集』小野寺文宜

2022-07-04 | books
大学に向かう電車内で腹痛が耐え難い学生の話から、同一の電車に乗る別の乗客の話へと展開していく連作短編集。

小野寺史宜らしいポジティブさ全開。ただ心に残るようなインパクトはやや欠けるかな。


今日の一曲

Wilson Phillipsで、"Hold On"



では、また。


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2022年7月ドラマちょいとレビューその1

2022-07-02 | film, drama and TV
「オールドルーキー」・・・綾野剛はサッカー選手。元日本代表、J-1からJ-2、J-3へ流れ、終にチームは解散してしまった。反町隆史率いるスポーツマネージメント会社に頼むが、他のチームからオファーはない。サッカー以外何もできない彼。再生できるのか?なかなか面白かった。

「空白を満たしなさい」・・・死んだ男が蘇り、自殺ではないと証明しようとする話らしい。面白くなく途中離脱。

「拾われた男」・・・テンポが速く、何だこのドラマ?と思っていたら、俳優松尾諭の自伝的エッセイをドラマ化したものだった。役者になりたくて、上京。しかし東京乾電池の試験受けて落ちる。飛行機のチケットを拾ったことから、人生が・・・飛行機のチケットを拾ったことは確か朝日だか日経だかのエッセイで読んだ気がする。このテンポの速さ、先の読めなさ。さすがNHK、とか言うとどこかの党に刺されるのか。

「量産型リコ」・・・乃木坂46の与田祐希は、現状維持、冒険しようとしない女性を演じる。プラモデルに出会い、(たぶん)今後変わっていくのだろう。ザザっと早送りで観た。2回目はたぶん観ない。


今日の一曲

中野サンプラザでのライブの抽選に挑んだが、やはり当たらなかった。山下達郎で、"Sparkle"



では、また。



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