頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか』更科功

2018-12-31 | books
ホモ・サピエンス以外にもたくさん存在した人類。ホモエレクトゥスとかネアンデルタール人とか。彼が登場した背景や絶滅した背景などを易しく教えてくれる。

ものすごく興味がある分野、というわけでもないので斜め読み。それでも面白かった。

ゴリラやチンパンジーは住むところを変えずに暮らしているのに、人類はあちこちに移動していった。まるでゴリラ=王様、人類=家来のよう。

ネアンデルタール人はホモ・サピエンスよりも脳が大きかった。脳が大きいとエネルギーを消費するので、たくさん食べないといけない。体も大きかったけれど、その分食べないといけない。もし絶滅していなかったら、どうなっていたのだろう?



絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書)
更科功
NHK出版



今日の一曲

Duran Duranで、"New Moon On Monday"



そう言えば歌詞ってどんな意味だろうと調べてみたけれど、意味がよく分からなかった。では、また。
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『こころの処方箋』河合隼雄

2018-12-29 | books
心理学者として日本で最も有名じゃないかと思うのだけれど、著作はほとんど読んだことがなかった。何となく読み始めたら、滋養に溢れたスープのように、痩せた心に染み込んできた。

「言いはじめたのなら話合いを続けよう」 相手に文句を言ってそれで終わりにしないで、ちゃんと話し合うべき。(確かに)

「灯台に近づきすぎると難破する」理想を目指していたのに、その理想になったら難破してしまう。理想なしで生きるのは味気ないけど、理想は人生を照らす灯台に過ぎず、到達点ではない。(なるほどー)

「己を殺して他人を殺す」 自分のやりたいことを後回しにして己を殺し生きてきた人が、他人に害を与えるようになってしまった。己を殺すといっても殺し切ることは出来ず、半殺しになった部分が後で復活する。こういう人は自分の考えや欲望を殺して生きているつもりだが、周囲から見ると勝手なことをしている。言わばチグハグ。(当てはまる知り合いがいる。でもこれ読んでって渡しても自分のことだとは思わないんだろーなー)

「100点以外はダメなときがある」 努力してるのに報われないという人がいる。そういう人は絶対に失敗してはいけないというときに80点しか取れない。そうでなく絶対必要な時に100点を取り、そうでない時には60点で良い。(うーむ、名言じゃ)

「一番生じやすいのは180度の変化である」 大酒飲みが、酒をピタッとやめるような真逆の変化は起きやすい。でも元にも戻りやすい。20度変わるよりも楽だから。(そーなのかー)

「心の中の勝負は51対49のことが多い」 表面的には2対0で圧倒的にこうだと思える人でも、心の中では極めてビミョウなことが多い。(ふむふむ)

「どっぷりつかったものがほんとうに離れられる」 人間関係でも趣味でも離れるには一度どっぷりつかる必要がある。そうすれば適度な距離がとれるようになる。中途半端だから心残りがするのだ。どっぷりつかるのと溺れるのは違う。溺れる人はあちこちしがみつき、離れられない。(うーむ。確かに確かに)

というような名言の数々でクラクラしてきた。凡百の自己啓発本とは、月とスッポンだった。


こころの処方箋 (新潮文庫)
河合隼雄
新潮社



今日の一曲

こころ、ってことで、中村雅俊で「心の色」



では、また。



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『悪しき狼』ネレ・ノイハウス

2018-12-27 | books
ドイツミステリーの女王による、オリヴァー&ピア刑事のシリーズももう6作目。川で少女の遺体が見つかった。凄まじい暴行の跡があった。身元がなかなか分からない。肺にあったのは塩素で消毒された水なので、川で溺死したのではない・・・人気ドキュメント番組のキャスター、ハンナ・ヘルツマンは、大きなネタを掴んだ。極秘裏に取材を進めていくと、とんでもないことが分かってきた。しかし・・・ピアの友人エマは、シングルマザーとその子供のための協会「太陽の子協会」の創始者の息子と結婚し、義父、義母と共に暮らしている。しかし、夫は家庭を顧みず・・・トレーラーハウスで暮らす貧しい男は、裏で弁護士のような仕事をしている・・・それらが並行して描かれるが、後で一点に集約されていく。

うーむ。さすがネレ・ノイハウス。面白過ぎる。(どうでもいいことだけれど、ネレって、礼という字に似てるな)読むのがたぶん速い私なのに、これには1週間もかかってしまった。濃密で、読み飛ばせない。

おぞましい事件の裏にあるおぞましい真実。作者のあとがきによると、現実の世界でもあることらしい。その話がメインにあるのだけれど、サイドストーリーも素晴らしい。感じの悪い刑事だったフランク(どの話が忘れた)がなぜそうなったのか、本作で分かる。

個人的には、偽弁護士のようなことをする男と、ロードキングス(バイク乗りたちの犯罪集団)の元幹部の話が非常に興味深かった。

以上、どうも巧くこの小説の面白さを伝えらなかった。すまぬ。


悪しき狼 (創元推理文庫)
ネレ・ノイハウス
東京創元社



今日の一曲

The Doobie Brothersで、"Long Train Runnin'"



では、また。

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『愉楽にて』林真理子

2018-12-24 | books
製薬会社副会長、シンガポールと日本を行き来する久坂は53歳。父の会社は長兄が継いだが、妻の多額の遺産で潤う55歳田口。金に困らない男たちが、旨いものを食い、あちこちの女に手を出す、という話。

くだらないと言えば実にくだらない。林真理子というより渡辺淳一っぽい内容。空虚なのになぜかぐいぐいと読ませる。

エロい表現があちこちにある。

ホックをはずす。女の洋服は包装紙と同じだ。はがすと中身はひとつひとつ違っている。予想どおりのこともあるし、驚くようなこともある。だから確かめずにはいられない。

中学の時、友だちH君は言った「俺の夢は、ブラのホックを外すことだ」と。その後夢は叶っただろうか。

久坂はジムで鍛えた女の体には、全く食指が動かない。はっきりと隆起した筋肉は、男に対する拒否のように思える。が、ファリンの腕はさほどのことはしていないようだ。ぜい肉はついておらず奇麗な形だった。しかし若い女のような張りはない。内側から静かに崩れようとしている。中年女の二の腕は、久坂の好物だった。

基本的にここに出てくる女性は、40代から50代しかいない。恋愛(やそれに付随するもろもろ)に関しては、もはや20代が中心だというのはもう古いのかも知れない。少子高齢化社会でもあるので、もっと歳いっても恋しようよというのが作者のメッセージなのかも知れない。

愛らしい容姿を持つ凡庸な娘、というのが、多くの父親の望むものだ。久坂はそれまで才能ある女、努力する女、というのを何人も見てきた。どれも女を幸せにしないものばかりではないか。

たまに含蓄がありそうな表現はあるものの、基本的には何も残らない、いっときのエンターテイメントに過ぎない。

ただ恋の行方がどうなるかとか、京都で屋敷を買うというのはどういうことかとか、京都で舞妓さんとか芸妓さんとお近づきになるとはどういうことかとか、京都で茶室を作るというのはどういうことかとか、ついつい先が気になり前のめりで読んでしまった。読書に意味を求めない、そんな時間だった。


愉楽にて
林真理子
日本経済新聞出版社



今日の一曲

Duran Duranで、"The Reflex"



では、また。

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『常設展示室』原田マハ

2018-12-22 | books
IT長者の愛人になるためアートギャラリーを辞めてしまった女性の話や、メトロポリタン美術館で働く人、年老いた母のいる画商の話など、絵画に関わる短編集。全体的にまあまあ。

いい時のマハ様はこんなもんじゃないぞっ、お前、どこ見てんだよー(誰に言ってるのだ?)



常設展示室: Permanent Collection
原田マハ
新潮社




今日の一曲

UNICORNで、「大迷惑」



では、また。



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店名にツッコんでください204

2018-12-20 | laugh or let me die
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2018年秋冬ドラマ復習

2018-12-18 | film, drama and TV
今期のドラマは良かった。

「獣になれない渡たち」 そうそう。なかなか手も握ってくれないの。哲也ったら獣になってくれないの。ってベッドの上の渡哲也想像しちゃったじゃないか。そうじゃなくて「獣になれない私たち」 すごく丁寧に作られていた。ラストのガッキーが手を握るシーン、ドラマのラストシーン歴代1位かも知れない。そう簡単に恋愛できないリアルな20代後半から30代男女、ブラックな職場、理不尽な人生。新垣結衣がかわいいなどと一度も思ったことがなかったのに、このドラマで初めて「ガッキー、めっちゃかわいいやんか。わいの眼は腐っとったんかー」とうちの猫(かつお節太郎4歳仮名)に叫んでしまった。松田龍平がますますお父さんに似てきた。

「大恋愛」 キレイだけれど、痩せすぎなんだよなーと思っていた戸田恵梨香がこんなに愛しく見えるとは。愛すべきいいひとムロツヨシがこんなにイケメンだったとは。という具合に、観る人の心を根底から覆すという意味でも稀有なドラマだった。アルツハイマーという誰がかかるか分からない病についてすごく考えさせられた。ラストで彼女がちょっと記憶を取り戻すシーン。アロットオブのティアーズがアイズからドロップした。(号泣したって素直に書けねえのかよ) まさか松岡昌宏が(→の人の名前を思い出すのに時間がかかった。わいもアルツハイマーかも知れない)草刈民代と恋するとは。この二人が一緒になったらいいなと思っていたので、その辺も良かった。

「昭和元禄落語心中」 落語を愛する者たちの物語+人間ドラマ。たぶん原作の漫画がすごく良い出来だったんだろうなと想像する。

「今日から、俺は!!」 くだらない、くだらなすぎる、80年代バカヤンキーの話。馬鹿馬鹿しすぎるのに、馬鹿馬鹿しすぎるからか毎週笑った。1000年に一度の逸材のアイドル、橋本環奈のヤンキー姿。「やすらぎの郷」他あちこちで見る清野菜名。たぶんアドリブ演技をかましている佐藤二朗。そして今井役の太賀。個人的には太賀に、助演男優賞をあげたい。

昭和元禄落語心中(1) (ITANコミックス)
雲田はるこ
講談社

今日から俺は!!(1) (少年サンデーコミックス)
西森博之
小学館



今日の一曲

最近脳内でいつも聴こえる、Queenで、"Another One Bites The Dust"



では、また。
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『二十五年後の読書』乙川優三郎

2018-12-16 | books
55歳、独身、エッセイストの響子は、作家の谷郷と関係を持っている。趣味は新しいカクテルを考案すること。優秀なバーテンダーと組んで、大会で勝つのを目標にしている。仕事、恋愛、趣味。彼女の人生はどう転がっていくのか・・・

まだるっこしいことをまだるっこしい文章で書かれたのを読むのが好きな自分にとってはご馳走。

これと言ってドキドキするような展開が続くわけでもなく、やや淡々と進む。その過程で、文学についてかったるい議論が続出する。そのかったるさはある人にとっては毒でしかないだろうし、私のような好き者のヘンタイには薬になる。

主人公の内面をひたすらに進むので、「55歳独身女性の人生はどんなものなのか」を体感している感じがした。時代小説を中心に書く、しかも男性作家が、現代小説でしかも女性の内面を描くのを読むのもまた趣き深いものがある。

平凡な器に情欲と理性をそそいで掻き混ぜると後悔というカクテルになる。ふさわしいガーニッシュは逃避か妄信であろう。

ガーニッシュって付け合わせって意味だそうだ。知らなかった。

たいていの女は強腰と弱腰を併せ持つもので、どこでどちらが出るのかの違いにすぎない。

こういう表現は、作者の女性との体験(もしくは知識)から来るのか、あるいは純粋な想像から来るのだろうか。

男で苦労しながら男によって幸福を味わう女はごまんといるが、麻美の頼りなさは目先の小さな岩を乗り越えることに汲々として、十歩先の山を見ないことであった。響子は目の前の岩すら越えたことがない。

本作が好きなのは、結局響子という人の人柄が良いからだと思う。年相応の内面でもあり、またかわいくもある。

万人にオススメするわけじゃないけれど、好きな人にはたまらない、サンマのはらわたとか、ホヤのような癖のある作品だった。

ところで、2か月連続刊行で、翌月には同一作者による「この地上において私たちを満足させるもの」 これは本作と関係がある。たぶん本作から読んだ方がよいような予感がする。

二十五年後の読書
乙川優三郎
新潮社

この地上において私たちを満足させるもの
乙川優三郎
新潮社



今日の一曲

20分ちょっとあるLive Aidの映像から。ドラムはPhil Collinsが叩く、Led Zeppelinで、"Rock and Roll"と"Wole Lotta Love"と"Stairway to Heaven"



WikipediaによるとPhil Collinsだけが同日に英米両方のイベントに出場したそうだ。では、また。



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『ナラタージュ』島本理生

2018-12-14 | books
工藤泉、大学1年。高校の演劇部の顧問、葉山先生から連絡がある。現役生の数が足りないので芝居に参加して欲しいと。同期の仲間が集まり、楽しく練習する。そこで知り合ったのは小野君。優しく、自分に好意を抱いてくれている。・・・工藤がずっと好きだったのは葉山先生だった。そして彼も自分の事を思ってくれていると思っていた。あんなことを聞かされて・・・小野とうまくいくのか、葉山先生のことは忘れられるのか・・・

書店の文庫本の平台で見かけるたびに、昔これ読んで面白かったよな、と思ってた。しかしパラパラめくってみたら、全く話を覚えてなかった。読んでみたら、初読だった。(大丈夫か?俺)

女子高生、あるいは女子大生の目で、異性を見る。我が心は乙女になるわけだが、この脳内性転換手術は2秒もあれば済む。すぐに、あたし泉なの。自分の気持ちに素直になれない、18歳。両親は今ドイツにいるわ。(以下省略)

女性が主人公で、彼女に感情移入しながら読むことはしょっちゅうあるけれど、あくまでも一時的な、お遊びの擬似性転換(いや、いちいち性転換しなくてもいいか)に過ぎない。しかし本作は、どっぷりと自分が工藤泉になってしまった。葉山先生、あたしを、あたしを、もっともっとー!

小野君や葉山先生とどうなるか、だけじゃなく、演劇部の高校生たちをめぐる事件もあって、ストレートには終わらず、ラスト近辺で、読む者の心をグラグラと揺さぶる。何度も何度も何度も。

恋愛小説の大傑作だった。(読むのが遅かったけど)  下に自分用にネタバレあり。



ナラタージュ (角川文庫)
島本理生
角川書店
ナラタージュ DVD 通常版
松本潤 有村架純
東宝



今日の一曲

先日テレビでBARBEE BOYSが一夜限りの再結成の放送をしてたそうだ。知らなかった。BARBEE BOYSで「目を閉じておいでよ」「女ぎつね on the Run」




この話、どっかに書いたかも知れないけれど、昔、職場の先輩と話していた時に、「バービー人形か、先輩古いっすね。そう言えば、BARBEE BOYSってバンド知ってます?俺好きなんすよ」と言うと、「へーそうなの。メンバーの○○って、高校の同級生なんだよ。今度の俺の結婚式の2次会に来るよ。お前も来る?」っと言われてのけぞった。知り合いが一人もいない2次会に行くほど向こう見ずな私ではなかったので断った。その先輩の話が本当だったのかどうかすら今では確認できない。では、また。




※ネタバレ

小野君と付き合うが、こちらが嫌がっても性行為を強要するようになり、別れる。葉山先生は結婚しているが、奥さんは自分の母親とうまくいかずノイローゼになり実家に帰っていた。しかし奥さんともう一度やり直すことになり、泉とは最後にセックスして終わった。泉は別の人と結婚することになった。知り合いに紹介されたカメラマンは葉山先生の友達だった。彼から、奥さんと一緒だった葉山先生が定期入れの中に泉と一緒に写った写真を見せられたという話を聞き衝撃を受け、終わる。
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『本のエンドロール』安藤祐介

2018-12-12 | books
豊澄印刷会社の営業、浦本。工場の野末。デザインの臼田、DTPオペレーターの福原。彼らの本に対する愛情、苦労を描く、連作短編集。

なかなか重版のかかる作品の書けないミステリー作家が、この作品で重版がかからなければ引退すると宣言する話や、ものすごくこだわった表紙にしようとする巨匠デザイナーやら、7月刊行予定を無理矢理5月刊行にさせようとする作家や、電子書籍との共存への模索など盛りだくさん。

ものすごく面白かった。一冊の本を作る過程がかなり詳しく紹介されていて、楽しい。基本的に何かの裏側を知るのは楽しみなのだけれど、そこに本が加わるのだから楽しくないわけがない。

本好きなら、読まねばならないマスト本。そうでなくてもお仕事小説として十分に楽しい。

先日TBSの「ゴロウ・デラックス」で、三省堂書店本店の書店員さんの新井さんの特集を放送していた。本を愛する店員さんが、オリジナルのPOPを作ったり、作家と対談したり、芥川賞直木賞発表の日に限って新井賞を決めたりと様々な工夫をされていた。こことか、東京堂とか新宿の紀伊国屋とか、行くと刺激を受ける書店もあるし、横浜の某有○堂本店のようなただ最近発売された本が平台に並んでるだけという本屋もある。新井さんがいる・いないという個人の問題なのか、もちっと大きい組織の問題なのか、よく分からない。

本離れ、紙の本から電子データへの移行、様々な課題、どうすればよいのか、もちろん分からない。まあいいか、目の前の本が面白くて、目の前の食べ物が旨ければ。


本のエンドロール
安藤祐介
講談社



今日の一曲

一昨日に続いてまたフレディ・マーキュリー。QueenとDavid Bowieで、"Under Pressure"



では、また。
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映画「ボヘミアン・ラプソディー」

2018-12-10 | film, drama and TV
クイーンの結成から、1985年のチャリティイベント「ライブ・エイド」までを描く。空港で働きながら、夜な夜なライブハウスに出かけていたフレディ。気に入っていたバンドのボーカルが辞めてしまって丁度よく加入できた。レコーディング、ツアー、名声。結婚、そしてゲイへ。フレディ・マーキュリーの人生はどうなっていくか・・・

ラストはウェンブリースタジアムでのライブエイドの演奏なのだけれど、始まった瞬間からドロップした。ティアーがアイから。(ルー大柴かっ)

クイーンの曲は多少知っているけれど、ものすごく好きというほどではなかった。どちらかと言えばローリング・ストーンズやレッド・ツェッペリンの方が好きだった。CDとかiPodではそちらの方がよっぽど聴いていた。

しかし、一気にクイーンが好きになってしまった。映画館で観たせいかやはり音がいい。ブライアン・メイの弾くギターの音ったら、たまらん。知っている曲が流れるとつい小さな声で歌ってしまった。座席を予約する時に、前に通路がある席を選んだので、ちょっとぐらい口ずさんでもよいのだ。たぶん。

バンド結成や名曲誕生の裏側、恋などエピソードもいい。もっともっと詳しく知りたいと思うことはあったけれど、別の本でも読もう。

知り合い、もしくは知り合いの知り合いは観て、みな良かったと言うけれど、やはり良かった。応援上映という回があって、どうやら拍手したり、歌ったりしていいらしい。次はそっちに行くか、IMAXにするか迷う。(また行く事決定したのか?)

映画評論家町山智浩氏いわく、この映画のヒットを受けて、二匹目のドジョウが狙われているそうだけれど、プリンスの伝記映画を作る話があるらしい。既に伝記映画があるそうなので、どう違うものが出てくるのか楽しみだ。

「ボヘミアン・ラプソディー」に話を戻すと、(水野晴郎風に)いやあ、ロックて本当にいいものですね。(淀川長治風に)それではみなさん、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

【早期購入特典あり】ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)【特典:ステッカー付】
Universal Music =music=


今日の一曲

そこはやっぱり、Queenで、"Bohemian Rhapsody"



では、また。
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『カササギ殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ

2018-12-08 | books
スーザン・ライランドは編集者。人気ミステリー作家、アラン・コンウェイの名探偵アティカス・ピュントシリーズの最新作の原稿を読み始めて驚愕する・・・1955年、貴族のパイ宅で家政婦が死んだ。事件の捜査を依頼されたピュントは一旦断るが、第二の殺人が行われた。現地に向かうピュント。怪しい者たちだらけ。探り当てた真実とは・・・という作内のミステリーに加えて、その原稿を読むライランドの周辺で起こる事件。こちらは解決するのか・・・

本格的な謎解きミステリーはものすごく久しぶりに読んだ。学生の頃に山ほど読んで、たぶん飽きてしまったのだろう。以降読むのは、スパイ小説とかサイコスリラー、リーガルサスペンスとか、ミステリーでも、作者が読者に対してフェアな戦いを仕掛けるような本格ミステリーではないものばかりだった。

そして久しぶりに読んでみたら、なかなか面白かった。

様々な伏線が張られていて、どう回収するのかと思っていたけれど、ラストで全てきっちりと回収されていた。見事。

入れ子型の構造も奇をてらっているのではなく、ちゃんと意味があった。複雑な作品だったけれど、意外と読みやすい逸品だった。


カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)
アンソニー・ホロヴィッツホロヴィッツ
東京創元社
カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)
クリエーター情報なし
東京創元社



今日の一曲

さっき「私とクリープハイプ」という番組で、川口春奈が好きな曲として挙げていた、クリープハイプで「二十九、三十」



冒頭で紹介された「グレイマンのせいにする」がすごく良かったのだけれど、いいMVがなかったので、そっちにした。では、また。
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店名にツッコんでください203

2018-12-06 | laugh or let me die
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『知ってるつもり 無知の科学』スティーブン・スローマン&フィリップ・ファーンバック

2018-12-04 | books
昔、日テレで関口宏司会の番組で「知ってるつもり」という番組があってよく観てた。宣統帝溥儀だったか、弟の溥傑の話が面白かった。

本作は、我々がいかに先入観に囚われていたり、そもそも無知だったりすることをあちこちからアプローチして説明してくれる。なかなか面白かった。

「道徳的思考停止」の例として、

ジュリーとマークは姉弟である。大学の夏休みに一緒にフランスを旅行していたある晩、海辺のコテージでふたりだけだったとき、セックスをしてみたらおもしろいかもしれないと考えた。すくなくとも、どちらにとってもそれまでにない経験になるはずだ。ジュリーはもともと避難用ピルを飲んでいたが、マークも安全のためコンドームを使った。どちらもセックスを楽しんだが、もう二度としないことにした。その晩のことは特別な秘密にする。そうすることで二人の絆はさらに深まった。


これを読んだ人はたいてい嫌悪感を持つか、二人を非難する。しかしそうする正当な理由を説明できない。

近親相姦からは障害を持つ子が生まれやすいというが、避難しているので関係ない。姉弟関係が壊れると思うかもしれないが、そうはならなかったとある。つまり、なぜ嫌悪感を抱いたり、非難するのか、合理的な理由を説明できないわけだ。

というのが面白いと思ったのだけれど、これは極端な例で、もっと普通の科学的な話が多い。


知ってるつもり――無知の科学
スティーブン・スローマン&フィリップ・ファーンバック
早川書房



今日の一曲

BSの番組「町山智浩のアメリカの今を知るTV」で知った。楽曲を作った本人には勝手に使うなと言われたのに、某国の大統領は中間選挙の遊説中に盛り上げる曲として勝手に使っている、Neil Youngで、"Rockin' In The Free World"



では、また。
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『フーガはユーガ』伊坂幸太郎

2018-12-02 | books
父親から虐待され、母親には見て見ぬ振りされる双子の常盤風我と優我。年に一度入れ替わるという不思議な現象とともに成長する。周囲で不気味な事件が起こりながら・・・

うーん。苦行だった。強引で偶然の多いストーリーに入り込めず、2018年最もつまらない本かと思っていたら、229頁でやっと少し面白くなった。

世間での評価は高いらしい。つまらないと思う私がおかしいのか?ああそうだよ。私はいつも間違ってるよ。



フーガはユーガ
伊坂幸太郎
実業之日本社




今日の一曲

ザ・ピーナッツで、「恋のフーガ」




では、また。
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