ドキュメント映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』

香川一区の野党候補小川淳也に迫る、13年に渡るドキュメント。同じ選挙区の元デジタル担当大臣の平井は祖父も父も大臣で本人は元テレビ局社長、弟は新聞社社長。小川は選挙区ではなかなか勝てず、比例区でやっと復活してばかり。

観たことのない素晴らしいドキュメント。青臭い理想を掲げて、腹芸は苦手。でもなぜか応援したくなる。

衆議院選挙の直前に観たけれど色々考えさせられた。特に小池百合子に振り回される辺りとか、娘たちが応援に回る辺りとか。

続編が12月に公開が決まっていて、撮影中だと町山智浩氏がラジオで言っていた。

なぜ君は総理大臣になれないのか [DVD] 小川淳也 マクザム

 

店名にツッコんでください２７３

店名にツッコんでください２７３

『教場X 刑事指導官 風間公親』長岡弘樹

風間公親が、様々な新米刑事の指導をしながら、事件解決する連作短編集。読者からは真犯人はすぐに分かるので、証拠や自白をどうやってとるかがメイン。

ネタそれぞれなかなか面白かった。銃を撃った証拠の話とか、通り魔殺人に見せかけて殺す話など。

教場X 刑事指導官・風間公親 長岡 弘樹 小学館

 

今日の一曲

Led Zeppelinで、"Moby Dick"



では、また。

『一夢庵風流記』隆慶一郎

ずっと積読してた。パチンコとかアニメで活躍してるらしい。何となく読み始めた。ら、止まらない止まらない。

前田慶次郎、前田利家の義理の甥。色々あって、日本史至上最高のかぶき者。信長、秀吉、家康の時代に、やりたい放題。

優秀な馬と家来を引き連れ、自由に生きる、男の中の男。という感じ。

めちゃくちゃ面白かった。歴史に残らない人物を蘇らせる隆慶一郎の手腕に脱帽。

そして、手前の話で恐縮だが、自分は石田三成のような奴だと思った。

「石田三成は慶次郎とは正反対の男だ。あらゆる起り得る事態に智恵をふりしぼって対策を立てる。そのくせ事は必ずしも対策通りには起らない。そのなるとこの男は神を呪い、人を罵り、結局は自分を責める。よろず事に向う姿勢が派手派手しく、終った後も知る限りの人人に吹聴してやむことがない」

一夢庵風流記（新潮文庫） 隆 慶一郎 新潮社

 

今日の一曲

Tommy february6で、"Bloomin’!"



では、また。

『十三階の母』吉川英梨

テロリストが公安を狙う。首相の娘に命を狙われて古池と黒江はアメリカに潜伏していたが帰国を命じられる。テロリスト対公安という単純な構図でないややこしい闘争の行方は・・・

読みやすさ、スピード感、先の読めない展開。素晴らしい。黒江がめちゃくちゃになり過ぎな感はあるけれど、それ以外はすごく面白かった。

※自分用に下にネタバレ

十三階の母 十三階の女 吉川英梨 双葉社

 

今日の一曲

The Devil’s Daughters w/ Danny B Harveyで、"Rock Boppin’ Baby"




※以下ネタバレ




首相の娘、天方美月は、左派過激派の恋人を黒江に殺されたことを恨んでいる。そして国会議員になった。次期の首相秘書官の佐倉が公安(十三階)を潰そうと、公安の新人の女真奈と理事官乃里子をたらし込む。テロリストの情報は偽。真奈に美月へ爆弾を送らせ怪我をさせて、美月に十三階を潰させようとする。極秘だった黒江と古池の息子の居所を真奈に知られ、殺す、というようなトンデモナイ展開だった。

では、また。

２０２１年１０月ドラマちょいとレビューその２

「じゃない方の彼女」・・・大学の先生濱田岳(既婚、真面目)が女子大生山下美月との関係の沼にハマってゆく。男の気を引く演技がなんとも巧い。

「SUPER RICH」・・・金持ちに産まれ、電子書籍の会社を経営するのが江口のりこ。投資をしてみたら大変な事になってしまい、、こりゃ、面白かった。普通のドラマ二本分詰め込まれてた。先がどうなるか全く見えない。

「最愛」・・・大学陸上部員の松下洸平、高校生の吉高由里子の恋、殺人事件。初回は訳がわからないまま進む。そして15年後、松下は刑事、吉高は社長に。初回ラスト近くで面白くなってきた。

「群青領域」・・・途中離脱

「らせんの迷宮」・・・途中離脱

「二月の勝者」・・・中学受験塾のスーパー講師が柳楽優弥。面白かった。しかし、サッカー選手になれる可能性よりも名門校に受かる可能性のほうが高いからという話にはあまり説得力がないとは思ったけれど。

「アバランチ」・・・元警官や元自衛官で成る謎の集団が、悪い奴らを懲らしめる。アクション多め、役者も豪華め。悪くないけれど、すごく面白いというほどでもなかった。

「婚姻届に判を捺しただけですが」・・・独身を謳歌していたが、金が必要になった清野菜名。誰でもいいから結婚相手が必要な坂口健太郎と偽装結婚することになった。どこかで観たような話な気もしなくもない。ただ先は気になる。

今日の一曲

CASIOPEAで、"EYES OF THE MIND"



では、また。

『邪馬台国はどこですか？』鯨統一郎

だいぶ前に読んだのを再読。バーで繰り広げられる歴史談義。客の宮田が大学の先生二人の前で披露するのは、ブッダは悟りを開いたのか論、邪馬台国は九州でも畿内でもなかった論、聖徳太子は、○○だった論、信長の死んだ理由は、○○だった論、明治維新は勝海舟が仕組んだ論、キリストは本当に復活してた論。

いわゆるトンデモ歴史という奴なのだろうけれど、妙に説得力があり、読みやすい。✕✕は○○だったかどうかは別にしても、その周辺の知らない歴史を楽しく読めるのが収穫。

邪馬台国はどこですか？ 鯨 統一郎 東京創元社

 

今日の一曲

アイナ・ジ・エンドで「金木犀」



では、また。

『復讐のトレイル 狩猟区管理官シリーズ』C・J・ボックス

ワイオミングでハンターが連続して殺された。内蔵を抜かれ、頭部は別に。まるで動物が獲物になったかのように。同時に反狩猟主義のリーダーのクラマス・ムーアがやって来て、この殺人者を称賛する。冷や飯を食わされていたジョー・ビケットは州知事特命で謎を解く。

読みやすい、分かりやすい、感情移入しやすいの三拍子揃ったシリーズ。またまた面白かった。

なんつーか、スカッとしました。

復讐のトレイル 狩猟区管理官シリーズ (講談社文庫) Ｃ．Ｊ．ボックス 講談社

 

今日の一曲

中村佳穂『で、「アイアム主人公」



では、また。

店名にツッコんでください２７２

店名にツッコんでください２７２

2021年10月ドラマちょいとレビューその1

「スナック　キヅツキ」・・・原田知世の経営する、酒は出さない不思議なスナックで癒やされる客。テレ東深夜っぽい。

「正義の天秤」・・・弁護士事務所の代表が亡くなった後、儲からない刑事部門を立て直すため、医師免許を持つスーパー弁護士亀梨和也がやって来た。ネタはまあまあ。

「ラジエーションハウスII」・・・医師免許を持っているのに放射線技師として働く窪田正孝がアメリカから戻って来た。パート1と変わらないクオリティ。充分面白かった。

「日本沈没」・・・原作も昔読んだし、映画も観たはずだけど覚えてない。俳優陣が豪華、お金がかかってる感じがする。その割に危機感が伝わってこないのが玉に瑕。

「恋です！〜ヤンキー君と白杖ガール〜」・・・弱視の杉咲花。絡んでこようとしたヤンキーの急所を蹴って悶絶させる。するとそのヤンキーに惚れられてしまう。コッテコテだけれど悪くない。

「アンラッキーガール！」・・・ものすごくついてない３人の女性が知り合いになる話。まだ観るけれど、まだ面白くはない。

「言霊荘」・・・自分の発した言葉が現実化してしまい人が死ぬ。もっともっと怖くして欲しい。

「それでも愛を誓いますか？」・・・セックスレス夫婦。子供が欲しいと頼んだのに拒絶される妻が松本まりか。ややありきたり感があるけれど、まだ観る。

「真犯人フラグ」・・・幸せに暮らしていたら、妻子供が失踪してしまう夫は西島秀俊。雑誌の編集をしてる友人に相談すると、SNSに、投稿すべきだとアドバイスされる。注目は浴びた代わりに思わぬ代償が。意外な展開が面白かった。

9月に始まったので少しずれるけれど、「東京放置食堂」がすごく良かった。

裁判官を辞めて大島に流れて来て居酒屋を手伝うのが片桐はいり。店長は工藤綾乃。毎回色んな問題を抱えるゲストが癒やさせる。ぶっきら棒な工藤のさっぱりした演技が良かった。



今日の一曲

ヨルシカで「月に吠える」



では、また。

『ときどき旅に出るカフェ』近藤史恵

30代後半、独身、勤め人の瑛子。たまたま訪れたカフェには、6年前に会社を辞めた葛井円がオーナーとしていた。カフェ・ルーズは、円が旅行で知った海外の珍しいメニューを出してくれる。瑛子は常連になった。日常で起こる小さな謎を円が解いてくれたり、ちょっとしたハプニングがあったりする連作短編集。

うーむ。近藤さん、素敵すぎる。

出てくる知らない食べ物、飲み物。アルムドゥドラー、ロシア風ツップフクーヘンなど。各短編で解かれる謎、人間ドラマ。どれも美味しく頂いた。

ときどき旅に出るカフェ 近藤史恵 双葉社

 

今日の一曲

never young beachで、"SURELY"



では、また。

『家康、江戸を建てる』門井慶喜

秀吉から関東に移動しろと命じられ、江戸を住める街に変えていく苦労を部下の目線で描く。氾濫する利根川を東に曲げる、小判を鋳造する、上水道を作る、石垣用の石を探し、切り出し、運ぶ。

知らない話が多く、とても面白かった。

家康、江戸を建てる 門井慶喜 祥伝社

 

今日の一曲

「関ジャム」の振付特集で紹介されていた。Siaで、"The Greatest"



では、また。

『もものかんづめ』さくらももこ

読んだと思っていたけど、ほとんど全く読んでなかったさくらももこエッセイ。

基本的に昔を思い出す。水虫になったり、全く売れない健康食品売り場でバイトしたり、妄想の恋日記を書いていたり。

こんなに明け透けに自分のことを語れるなんて素晴らしい。みんなどこかにつまらないプライドやら羞恥心があって、ストレートに自分のことを語るのは難しいけれど、そういうことのない人の書くエッセイは、ただひたすら面白かった。

もものかんづめ (集英社文庫) さくらももこ 集英社

 

今日の一曲

TENDREで、"SIGN"



では、また。

映画「007／ノー・タイム・トゥ・ダイ」

引退してジャマイカに引っ込んだジェイムス・ボンド。CIAの旧友フェリックスに頼まれたのは、誘拐されたロシア人の科学者を奪還すること。そこには世界を揺るがす巨大な陰謀があった。

前作「スペクター」で登場したマドレーヌの子供時代が冒頭に登場。そして、マドレーヌが今回の中心に来る・・・

前作の続編的だそうなので、事前にネタバレサイトで復習したけれど、全く覚えてなかった。

３時間近くあるので、ちょっと長いなとは思ったけれど、アクション、音響ともに素晴らしかった。ダニエル・クレイグの最後になるそうで、相応しい作品だった。

冒頭のマドレーヌの子供時代に住む家。その周囲の凍った池が凄くキレイだった。また、カーチェイスする石畳も美しかった。後で調べたらロケはイタリアの世界遺産だそうだ。後は、パロマ役の女性が良かったのでまた観たいとか、マドレーヌが子供時代観ていたテレビ番組が「ウォレス＆グルミット」だったのにテンションが上がってしまった。

まさに映画館で観るべき作品だった。


↓予告編



では、また。

『逆玉に明日はない』楡周平

日本を代表する巨大食品メーカーMIRAIゼネラルフーズ。社長の堂面は娘の三津子の結婚相手を探してる。四葉商事の乗務に頼んで、相応しい相手を探してもらった。白羽の矢が立ったのは、アメリカの会社に出向中の是枝。見合いをすることになった。大金持ちでもあり、美人の三津子。子供が生まれたらすぐに、堂面の養子にするなどの条件はあったものの、結婚に応じることにした。すると・・・

読みやすく面白かった。基本的にはコメディなのだけれど、お仕事小説でもある。

うまい話の裏には、やはり・・・

逆玉に明日はない 楡周平 光文社

 

今日の一曲

EPOで、"DOWN TOWN"



では、また。