ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ミッション:8ミニッツ』

2011-10-10 23:21:48 | 新作映画
※ネタバレ注意:鑑賞予定の方は、ご覧になってからお読みください。

ミッション:8ミニッツ

(原題:Source Code)


----これも、もっともらしい英語のタイトルを日本で付けたってパターンだよね。
「8分間のミッション」って、どういうこと?
「これはね。
シカゴ郊外で起こった列車爆破テロの犯人を突き止めるべく、
犠牲者の志望する“8分前の意識”に入り込み、
犯人を割り出すためのミッションを受けた男、スティーヴンス大尉の物語。
このスティーヴンス大尉をジェイク・ギレンホールが演じているんだ」

----へぇ~っ。いままで聞いたことのない斬新な設定だね。
監督は誰ニャの?
「クラシカルなSF『月に囚われた男』において
一躍脚光を浴びたダンカン・ジョーンズ
この映画が見事なのは、
8分ごとにタイムがリセットされ、
スティーヴンスは何度もその意識の中に入り込まなくてはならないという点。
パラレルワールドを次々と観ているような不思議な錯覚に襲われる。
登場する人物は毎回同じ。
でも、そこで起こる出来事は微妙に違ってくる。
スティーヴンスは、
あるときは、爆弾のありかを見つけ、
あるときは、その起爆装置となる携帯の持ち主を探し、
そしてあるときは、ついに犯人を見つけ出す…」

----ちょっと『バンテージ・ポイント』に似ているような気がしないでもないニャあ。
「う~ん。
あれは、そこで起こっている<真実>はひとつだったからね。
これは、毎回、変わっていく。
さらに、凝っているのは、
このスティーヴンス大尉の正体。
彼は、なぜ自分がこのミッションに選ばれたのか分からず、
“8分前の意識”の世界の中で、
ケンカ別れしたままの父と連絡を取ろうとしたり、
自分がそこでどうなっているかを調べたりする。
と、その中で愕然とするような事実が分かってくるんだ」

----それはオモシロそうだニャ。
「そして、さらに興味深いのは、
最初のうちは、エンドレスに続くその作業でへとへとになっていた彼が、
その中で知り合った女性クリスティーナ(ミシェル・モナハン)を始め、
そこで死んだ人々を救いだそうとし始めること」

----えっ。だってそこって仮想空間みたいなところでしょ?
現実的に考えて無理なんじゃニャい?
「そこが、
この映画最大の見どころ。
ちょっと、ここからはネタバレに近くなるけど、
『ジョニーは戦場へ行った』の主人公が
実は別世界で新しい人生を始めた…とでもいった感じかな。
このダンカン・ジョーンズという監督、
“ここではないどこか”に新しい生の場を探す…という意味では、
一種の夢追い人なのかもしれない。
いまそこにある現実に対する深い失望感、
あるいは現実社会になじめないという遊離感覚。
そこを起点に作られたこの作品は、
いかにも映画的アプローチと言う気がぼくはするけどね」

----でもそれって、ある意味、逃避ニャのかもよ。
ところで、
「警告:このラスト、映画通ほどダマされる。」って?
「さあ、それがよく分からない。
ダマされるダマされない以前に、
ラストをどう解釈すべきか、そこの方が問題なのでは?
ここもネタバレになるから詳しく言えないけど、
もし、“8分前の意識”の世界で起こったことが、
こちらの世界の現実を変えたとしても、
それを知っているのが主人公と、
もうひとり、この装置を操作したコリーン・グッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガ)だけというのは、
ちょっと合点がいかないところだけどね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「喋りすぎている気がして少し心配なのニャ」複雑だニャ

※でも、かん口令は敷かれていなかった度



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