----「マジックアワー」というと、
テレンス・マリック監督は『天国の日々』のイメージがあるけど、
やはりそれと関係あるの?
「うん。三谷幸喜監督が前作『THE 有頂天ホテル』のときに、
カメラマンの山本英夫から聞いたらしい。
映画通の三谷幸喜にしては珍しく、
そのとき初めて知ったとか。
一日のうちで、太陽が地平線に隠れた直後のほんのわずかな時間帯。
陽は残っているけども光源がないから影がでない。
その幻想的な瞬間がマジックアワー」
----確か『天国の日々』の昼の屋外シーンは
マジック・アワーのみで本番撮影されたんだよね。
これもそうニャの?
「いや、ほとんどがセット撮影だし、
そのことにはこだわっていないんじゃないかな。
むしろ、その言葉からイメージした
世界が最も美しく見える瞬間、
“人生のマジックアワー”を
ある意味、映画をモチーフに描いている」
----“ある意味”?
「うん。分かりやすく説明するために
まずはストーリーを話そう。
ボス(西田敏行)の愛人マリ(深津絵里)に手を出してしまった備後(妻夫木聡)は、
命を助けてもらう代償に、伝説の殺し屋・デラ富樫を探し出すことを約束。
だが期日が迫ってもデラは見つからない。
窮地に陥った備後は、無名の三流役者・村田大樹(佐藤浩市)を
デラに仕立て上げることを画策。
何も知らない村田は、すべてを映画の撮影と思い込み、その町へやってくるが…」
----ニャるほど。それで“ある意味”…。
「うん。主人公の村田が子供の頃から映画が大好きという設定。
彼の生涯の一本、
日活ムードアクションを思わせる『暗黒街の用心棒』を始め、
劇中劇も多数登場。
その中には、
これが最後の出演作となった市川崑監督の姿が見られる
『黒い101人の女』の撮影現場も出てくるし、
特機部やスモーク係などスタッフたちも活躍する。
なかでも日活アクション映画の悪役として鳴らした榎木兵衛が
弾着の名人として出演しているのは感慨深かったね」
----そうか。じゃあ、あいかわらず出演者も多いんだね。
今回もそのアンサンブルを楽しむって感じ。
「うん。でも見どころは佐藤浩市だろうね。
この日本が誇る名優が売れない役者という設定で、
わざと大げさな大根芝居はするし…。
彼がここまでコメディ俳優に徹した映画は他にないんじゃないかな。
映画は、すべてを現実と思っているボスたち、
すべて映画の中と信じきっている村田、
なんとかその嘘がバレないようにと
あくせく奮闘する備後とその仲間。
この三つの思惑が推進力と鳴って進んでゆく」
----ふうん。それはオモシロそうだ。
「実際、試写室では笑いに加えて
『オモシロい』と思わず声が出てしまう人までいた。
でも個人的には予想の範囲内って感じかな。
もちろん、ぼくも何度か笑い声は上げたけどね。
それよりも見どころは種田陽平の美術。
その街・守加護(すかご)は、種田いわく“マルセイユの日本版”。
街の中心部のセットは
メインストリートを斜めにして
日本最大のステージの一つにすっぽり入れこむカタチで建設。
どうやらアレクサンドル・トローネルを意識したらしい」
----ニャに、そのトロ~寝るって?
「『天井桟敷の人々』『北ホテル』など
戦前のフランス映画の偽物の街を作り上げた
フランスの美術の大家。
その後、彼はハリウッドに渡り
ビリー・ワイルダー監督の『アパートの鍵貸します』で
アカデミー美術賞を受賞。
同じワイルダーの『あなただけこんばんは』では
パリの娼婦街と市場の街並を手がけている」
----そう言えば、
確か三谷幸喜監督ってビリー・ワイルダーの大ファン。
ニャンだか納得。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「これはヒットしそうだニャあ」
※「ロシナンテ」の人もカメオ出演だ度


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テレンス・マリック監督は『天国の日々』のイメージがあるけど、
やはりそれと関係あるの?
「うん。三谷幸喜監督が前作『THE 有頂天ホテル』のときに、
カメラマンの山本英夫から聞いたらしい。
映画通の三谷幸喜にしては珍しく、
そのとき初めて知ったとか。
一日のうちで、太陽が地平線に隠れた直後のほんのわずかな時間帯。
陽は残っているけども光源がないから影がでない。
その幻想的な瞬間がマジックアワー」
----確か『天国の日々』の昼の屋外シーンは
マジック・アワーのみで本番撮影されたんだよね。
これもそうニャの?
「いや、ほとんどがセット撮影だし、
そのことにはこだわっていないんじゃないかな。
むしろ、その言葉からイメージした
世界が最も美しく見える瞬間、
“人生のマジックアワー”を
ある意味、映画をモチーフに描いている」
----“ある意味”?
「うん。分かりやすく説明するために
まずはストーリーを話そう。
ボス(西田敏行)の愛人マリ(深津絵里)に手を出してしまった備後(妻夫木聡)は、
命を助けてもらう代償に、伝説の殺し屋・デラ富樫を探し出すことを約束。
だが期日が迫ってもデラは見つからない。
窮地に陥った備後は、無名の三流役者・村田大樹(佐藤浩市)を
デラに仕立て上げることを画策。
何も知らない村田は、すべてを映画の撮影と思い込み、その町へやってくるが…」
----ニャるほど。それで“ある意味”…。
「うん。主人公の村田が子供の頃から映画が大好きという設定。
彼の生涯の一本、
日活ムードアクションを思わせる『暗黒街の用心棒』を始め、
劇中劇も多数登場。
その中には、
これが最後の出演作となった市川崑監督の姿が見られる
『黒い101人の女』の撮影現場も出てくるし、
特機部やスモーク係などスタッフたちも活躍する。
なかでも日活アクション映画の悪役として鳴らした榎木兵衛が
弾着の名人として出演しているのは感慨深かったね」
----そうか。じゃあ、あいかわらず出演者も多いんだね。
今回もそのアンサンブルを楽しむって感じ。
「うん。でも見どころは佐藤浩市だろうね。
この日本が誇る名優が売れない役者という設定で、
わざと大げさな大根芝居はするし…。
彼がここまでコメディ俳優に徹した映画は他にないんじゃないかな。
映画は、すべてを現実と思っているボスたち、
すべて映画の中と信じきっている村田、
なんとかその嘘がバレないようにと
あくせく奮闘する備後とその仲間。
この三つの思惑が推進力と鳴って進んでゆく」
----ふうん。それはオモシロそうだ。
「実際、試写室では笑いに加えて
『オモシロい』と思わず声が出てしまう人までいた。
でも個人的には予想の範囲内って感じかな。
もちろん、ぼくも何度か笑い声は上げたけどね。
それよりも見どころは種田陽平の美術。
その街・守加護(すかご)は、種田いわく“マルセイユの日本版”。
街の中心部のセットは
メインストリートを斜めにして
日本最大のステージの一つにすっぽり入れこむカタチで建設。
どうやらアレクサンドル・トローネルを意識したらしい」
----ニャに、そのトロ~寝るって?
「『天井桟敷の人々』『北ホテル』など
戦前のフランス映画の偽物の街を作り上げた
フランスの美術の大家。
その後、彼はハリウッドに渡り
ビリー・ワイルダー監督の『アパートの鍵貸します』で
アカデミー美術賞を受賞。
同じワイルダーの『あなただけこんばんは』では
パリの娼婦街と市場の街並を手がけている」
----そう言えば、
確か三谷幸喜監督ってビリー・ワイルダーの大ファン。
ニャンだか納得。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「これはヒットしそうだニャあ」

※「ロシナンテ」の人もカメオ出演だ度



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やっぱり大ヒットしてますねぇ。
自分も榎木さんああいう形で使ってるのは
やるなぁと思いました。
三谷監督ってやっぱり舞台作家なので
それぞれの登場人物に見せ場を!って
いう脚本になってるのが、ちょっと勿体ないなぁと
思って観ていました。
ほんとだ。
週末の興行No.1ですね。
普通に観て楽しいし、
三谷ブランドでしょうか。
ただ、笑いとしては
予想の範囲内だった気がします。
ぼくもアレクサンドル・トローネルという名前は
久しぶりに思い出しました。
映画の本をいろいろ読んでいる頃、
よく目にした名前でした。
おっしゃるとおり、
映画というのは、このような形で受け継がれていくところに
一つの楽しさがあるという気がします。
彼の名前がこうして現代に復活し、
またいろんな方に覚えていただけるというのも、
こういうブログをやっている者として、
とても嬉しいです。
いつも、勉強になります!!
『天国の日々』の撮影は、
嘘のようにきれいですよ。
ぜひ、ご覧下さい。