THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,133 夕張FIVE PENNIES(PART2)

2017-01-27 21:48:26 | Live Set List

・・・・・PART1からの続き・・・・・・

 

5:20~5:50

9バンド目に控えしは、ファイブ・ペニーズのマスターが率いるヴェンチャーズ・コピー・バンド「SLAGHEAPS」

3人組みの、もちろんインストウルメンタル。

前回の「ぼた山音楽祭」に続いての参加。以前は4人組で「OH!JEANS!!(オジン達という意味)」なるバンドで出演していたのですが、今はこのメンツ。

といっても、年に遊び程度で2回ほど集まるくらいなんだそうですよ。今回のライブはとっても良いキッカケだった事でしょうね。

メンバーは、マスターが3トーンサンバーストのフェンダー・ジャズ・ベース(ローズ指板)。

この日唯一の掛け持ちミュージシャン、マツオくんがギター担当。

このバンドでは3トーンサンヴァーストのフェンダー・ストラトキャスターに持ち替え(ローズ指板)

ドラマーには全然年齢を感じさせない元気印のヒデさん。

なんと68歳だとさ、ビックリです。

このいかしたバンド名「スラッグヒープス」の意味は「ズリ山、ぼた山」

つまりこのイベントにピッタリなのです。

炭鉱町、夕張ならでは。こんなにロックっぽい単語はそうそうないですよね。ちっとも知らなかった。

マツオさんが調べ上げて、晴れて命名したのだそうですよ。さすが北高校OB。

目の付け所が一味違うね。

ただメンバーのほとんどが、「次が出番だよ!」とマサに告げられるまで気づかずに、ノンビリと構えていられたのには参ったけど・・・(笑)。

「クル・エル・シー」でいきなり攻撃的なギターが炸裂。

マツオくんはノーキー・エドワーズ役を嬉々として演じています。羨ましい。

聞くところによると、前夜にセットリストを5回立て続けに練習したのだとか・・・過激だ!。

そりゃあ、ヘトヘトになったことでしょう。

メドレーで「ドライヴィング・ギター」

イントロが、ここではドラムが主役。

ヒデさんは譜面台に置かれたスコアを必死の形相で追いかけながらのプレイ。

マスターが前もって語っていたように、MC一切なしのノンストップ・ライブ。

そうは言っても絶対に途中で疲れて休憩も兼ねておしゃべりをはじめるだろう・・・とマサはふんでいたのですが、マジで一言も語らずに怒涛の疾走ライブを実現させてしまいました!

「10番街の殺人」でも、ヒデさんは満面の笑みで叩きまくっています。

あの小さな体の、どこにあれだけのヴァイタリティーが湧き出てくるのか?不思議です。

特産名物の夕張メロンか、長芋かウサギ屋のアンドーナツか、カレー蕎麦、煮豆か、はたまた石炭ラーメンがドラミング・スタミナ源??

「キャラバン」では一転インデイアン・ビート。

シカゴもジャズカバー・アルバム「ナイト&ディ」に収録していましたっけ。

満を持して飛び出したのは、「待ってました!」とばかりにヒデさんのドラムソロ。

スネアを中心に叩きまくる、素早いスティックさばきが正確無比でお口あんぐりです。

しかもそれだけでは飽き足らないのか、今度はマスターが歩み寄ってベース弦をスティックで「ベンベンベン!~」と叩く、本家ヴェンチャーズ直伝の2人羽織奏法。

どこまでも熱い連中です。

「アパッチ」

このバンド、前回のライブではちょっと消化不良気味な面が見受けられたのですが、今回は比較にならないほどに、グッとまとまりがあって一体感を醸し出し成長の痕跡を覗かせています。

この曲ではマツオくんがピックスクラッチ、スプリング・リバーブ、そしてミュート奏法など、エレキギター・ブーム到来時代の空気をそのまま運びこんでくれました。

「ウォーク・ドント・ラン」でも、ヒデさんによるエネルギッシュ光速ロールをまくし立ててのイントロ。

磨きのかかったフィンガリングで、鮮やかに爪弾かれていきます。

恐るべし3人衆、今も健在だ。

もうこの頃になると、外もすっかり闇に包まれてきました。

「パイプライン」

遂に出た!テケテケテケ・・・・ジャーン!

焦らしに焦らした挙句にやって来た定番のギター・サウンド。

思い切りサーフィンやりたくなっちゃうね。ボードや波に乗るのって、とても難しいんだけどさ・・・・。

どの曲も耳に馴染みのある懐かしの旋律ばかりで、口づさみたくなるものばかり。

他のバンド・ギタリストも我慢ができずに、客席で自分のギターを手に一緒にフレーズをなぞっています。

その気持ちは、よくわかります。

「さすらいのギター」は、当時ヴェンチャーズ・ガールとして人気絶頂だった小山ルミの代表作。

ラジオやテレビ以外にも、海に山に街に車中にと夏の間中、どこへ行ってもひっきりなしに流れていたものです。

ヴェンチャーズはエレキ小僧だけではなく、歌謡界にも多大なる影響を与えていたのですよ。

「ダイヤモンド・ヘッド」も絶対に外せないビッグナンバー。

これ聞いたら、いつどんな時にでも、ハワイが目に浮かんできちゃって、今すぐにでも飛んでいきたくなっちゃう。

特に雪深い土地に生まれた道産子ならば尚の事憧れの島。

たどり着いたラストは「ブルドッグ」

意外ですね、ここにこれを持ってくるなんて。

ワウペダルを駆使して、うねりまくるギター・スピリット。

ギタリストの教科書みたいなステージですね。

昔とった杵柄だけに、演奏しながら無意識に、ほろ苦くも甘ずっぱ~いバンドマン感覚が蘇ったみたいです。

マサにいきなりふられて、マスターが軽めのご挨拶(最初マイク・ケーブルが抜けていたけど・・・)。楽器をスタンドに置いてカウンターやミキサー業務に無事戻りました。

次回ライブでは加山雄三、寺内タケシの曲も飛び出してきたりしてね!

 

6:00~6:30

10組目にエントリーしたのは札幌からやってきた、4人組邦楽バンド「アンクル・キャッツ」

去年からずっと,ありとあらゆる場所でSTAとタイバンが続いている彼等については,もはや説明不要でしょう。

もう完全にSTAファミリーと化しています。

ということは、お互いのバンド遍歴も,みつめあってきたわけであります。

でも、ここのところはボーカリストが女性だったり、ヘルプだったりで、ちょっと落ち着かない状態続き。

初夕張アンクルキャッツのライブに久しぶり、フミオくんが帰ってきました。

ライブを観て、やはりこのバンドの看板スターは彼なんだなあ!と改めて痛感した次第。

他のメンバー構成はというと・・・バンマスのフクさんがギター。

使用ギターはミュージックマンAX40AXIAスターリングのワインレッド(メイプル指板)2ハム、1ボリューム。

黒いアンクル・キャッツTシャツ着用のササくんがベース(ナチュラルボディのミュージックマン・ステイングレー。ローズ指板)。ドラマーにヤスヒコちゃん(スティックはビックファース)というお馴染みの顔ぶれ。

「ロックンロール・ウィドウ(山口百恵)」のイントロが流れた途端に、長身フミオクンの独壇場と化します。

まったくもって、女心を歌わせたら彼の右に出る者はいないのではないでしょうか。

もう何度も聞きなれたレパートリーではありますが、その歌声はまさしく絶品。

イントロがはじまった途端、そのストーリーへと即座に感情移入。

今回は徹底しての歌謡曲路線を貫いています。

「ああ、無情(アン・ルイス)」と、ちょっと気の強い女性の歌が続きますが、MCでは穏やかな側面も見せてくれるフミオくん。

人並み外れた歌唱力、温厚なるトーク、そして衣装にも注目。

彼は裁縫が得意でして、そのライブ会場、曲目、客層、タイバン、イベントの主旨にあわせて詳細に思案しているのだとか。

今回はグッと抑え気味ではありますが、白黒の表柄で統一(写真参照)。

帽子からシャツに至るまでこのカラー。でも白い羽付きマフラーは必須アイテム。

ゴージャスかつエキゾチックなるいでたちで、振舞ってくれました。

「サジタリアス・アクエリアス(中島優貴)」は、もはやアンクル・キャッツのテーマソングの領域に入るほどの定番曲。

「星座っぽい」とはフミオくんの弁。

ササくんの荒くれサムピッキングとチョッパー奏法、フクさんのセンス良いギターフレーズとコーラス・ワークが絶妙。

「この後にも、まだまだライブは続きます・・・・・白い小鳩(椎名林檎)」

熱唱に継ぐ熱唱。でも音程はちっともふらつかないのがフミオくんの底力。

歌いながら舞い上がるような動きに伴い、マフラーからゆっくりヒラヒラと美しい弧を描きながら落下する羽が数枚。

これはライブのたびの現象なので演出なのか?と思い込んじゃうほど。

応戦するかのように、ササくんがファズをかけたベース・ソロで迫ってきます。

「ちょっと暑いので、マフラーを脱ぎますね(これは小鳩にひっかけたセレクションなのだそうですよ)」

その仕草がとっても色っぽい・・・・・玉三郎みたいだ。

「ダンシング・オールナイト(もんた&ザ・ブラザース)」

フミオくんほどのボーカリストでも「一番しんどい曲」と言わしめた手強き曲。

それを知ってか知らずか、観客全員参加しての大合唱がはじまった。

それに呼応するかのようにフミオくん、いつもよりもヴィブラートの揺れ具合が悩ましく出血サーヴィス。この歌唱法は、生半可な喉だとぶっ壊れてしまうことでしょう。

連続ハイトーンに、難易度強のギターソロが華麗に引き継がれていきます。

フミオくんいわく「腰痛誘発ソング」とのこと(笑)。

「六本木心中(再びアン・ルイス)」

一番ハードロック節炸裂なこの曲、フミオ・ショー続行のためにドリンクをグイッとひと飲み。

しかしタフな連中です。脱帽だ。

陶酔の表情を浮かべつつも、後半戦に挑みかかります。

「最後のラ・ボエーム(中森明菜)はデザイアーのB面に収録されていた曲です・・・・あ!?今の若い人達にB面って言っても通じないかな?

レコード裏面のことです。」

コアな選曲ですが、好サポートのバックメンが、ドラマティックでトリッキーな展開で聞き応えあり。

フミオくんにボイス・トレーニング受けたら、あんな風に上手になれるかな?

 

6:40~7:10

11バンド目「BEER PLEASE」

2番目に大所帯の、いかしたパーティー・バンドは5年ぶりの夕張ライブ。予告どおり午後6時に無事会場入り。

STAとタイバンするのも、札幌白石区の企画イベント「ピグスティー」以来です。

いつもは2人の歌姫を従えて、昭和歌謡、ロックンロールからロカビリーなどを演奏してくれるのですが、今回アヤちゃんがスケジュール調整がきかず残念ながら泣く泣く欠席・・・・。

 でもその分、いつまでも若々しいルチュさんがはじけまくってくれました!

メンバー構成は・・・・ルチュ嬢のボーカルをフロントに、リーダー&ベースのカート氏。

この方は夕張出身が縁でマサと知り合い、STA企画ライブにビアプリとして参加。そこから一気にルチュさんらが加入して、現在に至るわけです。

使用ベースはグレッチのブラウン・サンバースト(ローズ指板)

リズム・ギター&コーラスにベテランのサッちゃん。使用ギターはエピフォン・カジノで、色彩豊かなメタリック・ブルーがボディ・カラー。

ニューフェイス3代目エディは、黒のグレッチ・チェット・アトキンス・モデル6120を使用。

ドラマーはマサイくんで、CANOPUSスネア使用(ナチュラル仕上げ)。

イスにさりげなく掛けられていた、ポール・マッカートニー・ツアーグッズに記された「OUT THERE 」はビアプリ・メンバーのモノ。

マサは見逃さずに、しっかりとチェックさせてもらったよ(笑)。

「月影のナポリ(森山加代子)」でビアプリ祭り開演。

ステージ狭しとばかり、前後左右に動き回って魅了するルチュ嬢。

男性陣は、全員がお揃いの白シャツに黒ベストというお洒落ないでたち。

もちろんルチュちゃんも、白黒衣装でフリル付きドットのスカートにリボンで髪をセットしていて、なまらチャーミング。

「ハウンド・ドッグ」というエルビス・プレスリー極めつけナンバーを、女性が堂々と歌って見せるというのも一興。

めったに観ることができない1人ボーカルのビアプリだけに、観客も固唾を飲んで見守っています。

でもルチュ嬢は大健闘していて、全く違和感を感じさせないのだから大したものだ。

メンバーの都合上、中々ライブ活動もままならないようですが、今回はリーダーの故郷というわけで、即決2つ返事で出演決定したそうですよ。

だから気合の入り方が違います。通常ペースよりも倍は力入ってるんでないかい(笑)。

曲中にメンバー紹介も織り交ぜつつ、

「用意はいいですか?ぼた山音楽祭、盛り上がっていきますよ~!」

セカンド・チューズデイも取り上げていた「ビー・マイ・ベイビー(ロネッツ)」が飛び出した。

マサイくんがじっくりと間合いを計って、慎重にリズムキープしながらバスドラ・キック・ビート。

場面転換、揺れるフィーリングでスローに決めてくれました。会場はいつの間にかダンスホールに豹変。

ルチュ嬢のステージ度胸は天下一品。

一瞬で観客を引き込んで、虜にしてしまいます。

「ルイジアナ・ママ(ジーン・ピットニー)」においても、ツイストを披露。ダンシング・クィーンとしての面目躍如。

オールディーズ、ロックンロール、スロー、そしてまたロックンロールに戻るという趣向を凝らした流れも痛快。

たいしたもんだね。

勢いは衰えるどころか、ドンドンと加速してどうやら止まりそうにもありません。 

「ゴーカート・ツイスト(ジャンニ・モランディ)」

ビアプリは札幌から夕張に向かう道中も、全員がウキウキでエンジョイしてきたようです。まるで旅行気分。

車内での光景が目に浮かぶようだ。

客席にいるとわかりませんが、ステージ上はかなりの熱気みたいです。

ルチュ嬢も身を持って感じたらしく、とうとう「暑い・・・・ではどんどんといきましょう!終盤に向けて・・・あれば3曲(サッちゃんと目を合わせて・・笑)・・・?!次もオールディズの王道で1973年に公開された映画アメリカン・グラフィティの中から・・・・悲しき街角(デル・シャノン)」

キュートな振る舞いが自然体のルチュ嬢。

私が初めて会った時から全然変わっていないね・・・・いや違った!ますます若くなっている!!

手足や腰の切れ味もシャープで、ターンも堂に入ったモノ。

「あっという間に時間が過ぎてしまいましたが、まずはラストの曲・・・・マイ・ボニー(トニー・シェリダン&ビートルズ)です!」

ルチュ嬢、最前列よりもせり出しての、張り切りボーカルで猛烈アピール。

どこまでも、どこまでも縦横無尽に元気を振り撒いて、華やかな魅力で夢心地にしてくれるルチュ嬢は貴重な存在。

だから当然のごとく「アンコール!」が鳴り止まない。

「催促したみたいですね~(笑)」

ここに用意されていた曲は、来日公演も決定したポール・マッカートニーが、ビートルズ時代に書いた粋なロックンロール「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」

なんとルチュ嬢が4カウントを告げた!

ストイックなくらいに真面目なマサイくんがリンゴ・スターの役割を忠実に果たしています。

実は去年、リーダーのカート氏は病に倒れてしまったのですが、無事に完治してバンド活動に元気よく復帰したようで良かったですね。

追記:スバル&ルチュ初対面で意気投合。新たな出会いで音楽の輪がまた一つ繋がりました。これこそライブ・イベントの醍醐味。

あ!ルチュ嬢は今年もポール・マッカートニー来日公演に行くそうですよ!

若さのヒントがあちこちに見え隠れしているようだ!!

 

7:20~7:50

さあ、いよいよライブ・イベントも佳境に差し掛かってきましたよ。トリ前12組目は満を持しての登場で「ディーン柴岡さん」

言わずと知れた、夕張が生んだ北海道を代表するカントリーシンガーであります。

現在も毎週土曜日の夜には、ススキノにあるカントリーの老舗「サニーズバー」で定期的にライブを行っています。

ディーンさんも、皆川さんに継ぐ「ぼた山音楽祭」の常連ミュージシャン。

夕張というキーワードが縁で知り合った音楽の絆は、強固なのであります。

ディーンさんは多忙にも関わらず、「マサが声をかけてくれれば、いつでも駆けつけるぞ!」と頼もしき言葉を送ってもくれました。

まずは初対面のお客様も多いので、ご挨拶代わりに十八番の「テネシー・ワルツ(パティ・ペイジ)」から。

今年で68歳になるそうですが、どうみても10歳は若く見えるね。

グッと深く、イスに腰掛けただけでも絵になる憎い男。

「70歳までやりたいなあ・・・・と思っています」と言っていたけど、90歳まで現役バリバリにトレードマークのテンガロンハットを被りながらやり続けることでしょうね、絶対に!

江利チエミの歌唱でも有名なこの曲をディーンさんは、前半を英語、後半を日本語で丁寧に説得力溢れる燻し銀ヴォイスで聞かせてくれました。

深みのある歌声は何度聞いてもしみじみと心に染みるのですよ。

「元々はケンタッキー・ワルツという曲がありまして、テネシーの連中が対抗意識を燃やし、ピー・ウィー・キングという変な名前の男が作り、28年に発表されたのがこの曲。

先ほども紹介されたけど、実は今朝気が付いたら4時までサニーズ・バーで飲んでいました(ミュージシャンしているなあ・・・・笑)。

本来ならば喋れない状態・・・・。こんなおかしな男がやって来る歌です・・・・・ウエイファーリング・ストレンジャー(トラディショナル)」

曲へと自然にもっていく熟練の技が小気味良い。

ディーンさんのトークは毎回とてもわかりやすくて勉強になります。

淡々とライブは進行しているんだけど、いつの間にかアメリカ西部劇中の酒場にいるような錯覚に陥ってしまいます。

「俺はアメリカ人とのハーフではないよ。でもこういう曲を歌っていると、やっぱりお前はアメリカ人だろ!と言われちゃう(笑)

よくディーンはジェームス・ディーンから付けたんだと思われているんだけど、ディーン・マーティンからとったんだよ。

そのディーン・マーチンの代表作・・・・誰かが誰かを愛してる」

もう女性客達はうっとりと瞳を潤ませています。

ああ・・・それなのに、それなのにお茶目なディーンさんが言い放った。

「歌っている時に気づいたんだけど・・・・1オクターブ高く歌っていた(大爆笑・・・・でも違和感なかったところなんて、さすがです!)。

このまま押し切っちゃえ!で乗り切っちゃいました」

シカゴにも同名異曲がある「トウギャザー・アゲイン」は女性シンガー、エミルー・ハリスの作品。

歌詞の内容は「このような場にまた呼んでいただいて、皆で一緒に楽しく!という歌です」とのこと。

「つい最近、3年ほど前まで手稲に住んでいたんだけど、今は北24条に住んでいます。

あそこら一体にはライブバーがいっぱいあるので、私も大体夜の9時くらいに、歌わせろ!と言って入っていくんだよね。

そろそろ嫌われてきたんじゃあないかな・・・・・(笑)私のことを、あいつはダニー・ボーイ(アイルランド民謡)だ!なあんて呼んでさ。」

この曲はビートルズが屋上で「ゲット・バック」を演奏し終えた直後に、ジョン・レノンがアドリブで一節を歌っていますね。

またエリック・クラプトンやジェフ・ベックもレコーディングしています。

この曲の高音部に差し掛かった時、ちょっときつかったのか、一瞬演奏を止めて「出ないなあ・・・・やはり朝の4時まで飲んでいるとダメだよなあ・・・」なんて語っていたけど、ただのジョークにしか聞こえないからちょっと不気味です(笑)。

「私は昔、昔の小さい頃ハイトーンで4オクターブまで出ていたんです。

ウィーン少年合唱団に入ろう!とまで思った。でもあっさりあきらめた途端ガンガン酒を飲んでいた。

この曲を歌うと荒くれ西部の男達が皆大人しくなります。青い山脈が遠くに見える場所・・・・・シェナンドー(伝承歌)・・・・」

マサは個人的に、このタイトルを聞くと中学生の頃にテレビで観た、ジェームス・スチュワート主演の映画「シェナンドー河」を思い出します。

歌の内容も、やはり故郷の川への想いを歌っているのだそうですよ。

「アメリカの言葉っていやらしくて、つい最近なんかもアイ・ハブ・ア・ペン!なんて流行っているけど、絶対にあちらの国では一生使わない

のに、中学からみっちりと教えられたもんだね。今夜は誰かを好きになる・・・・という歌です。

ぜア・マスト・ビー・ア・サムワン(ゴスディン・ブラザーズ)」

この曲も60年代アメリカン・カントリー・フォーク・ポップロックの息吹を伝える傑作。

ディーンさんがいなかったら決して聴く事のできない、ここは貴重な場であります。

それはお次の「オン・ザ・サニーサイド・オブ・ザ・ストリート」にも言えること。

ここまできても時間に余裕がたっぷりとあります。ビアプリのアンコールもあったのに。

素晴らしい快挙だ。こんなこと、長年ライブ企画運営をやっているけれども初体験。

精神的にもすこぶるナイスですな。

「これを歌ってから水でも飲みたいと思います。カントリー・ロード(ジョン・デンバー)!」 

衰え知らずのディーンさんは、ヴァイタリティの塊。

余力を振り絞って延々とロング・トーンで観客を圧倒。

もうスタミナの限界だあ!というところでとりあえず息継ぎをしてから「死んでまうやないかあ!!(笑)」

クニもパーカッションで合流。

もちろんこれだけで、ディーンさんを終わらせるわけにはいきませんよ。

「アンコール!!」

もう完全にディーンさんのペース。術中にはまっている我々であります。

「サンキュー!お言葉に甘えて・・・・君の全てが好きだよ。だから僕の全部をあげるよ!という歌です・・・・オール・オブ・ミー」

何から何まで大受け。

これでもディーンさんのレパートリー全体からみれば、ほんのひとかけら。

「ジャンバラヤ」「千の風になって」、そしてもちろん哀愁の「心の夕張」も聞きたかった。

それは次回のお楽しみ!

これからも精力的にカントリー・ミュージック普及活動のために汗を流し続けてください。

 

8:00~8:30

なんとかトラブルもなく無事にここまで辿りつきました。

皆さんのご協力のおかげです。感謝という言葉しかないねえ。

普通13組出演ならば1時間ほどの遅れは当たり前なんだけど、こいつは奇跡だ。

しかも、ずっと山場の連続で疲れ知らずの大盛り上がり。

今まで企画したイベント中でも1,2を争う完成度でしたね。

企画立案マサ率いるオオトリ「THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)」は、この日一番の大所帯で8人編成。

唯一ホーン・セクションを要する、何から何まで面倒くさく、やかましくも暑苦しい骨太ブラスロック野郎集団(褒め言葉だよ)。

この会場初体験のメンバーもけっこう在籍。

一度たりとも、同一メンバーでのS・T・A夕張ライブって自慢じゃあないけどありません。

そういう意味では、シカゴというよりもタワー・オブ・パワーのノリに近いかも・・・。大編成の宿命ですな。

自画自賛するわけではありませんが、STAもここ最近のライブと比較してみても満足度に満ち満ちていました。メンバー達も、とてもいい顔していたなあ。あいかわらずラフだったり、ワイルドすぎるふらつき場面やノイズが気になったけど。

 

***MEMBER***

MASA・・・B VO CHO

KUNI・・・TP CHO VO PER 

FUNNY・・・TP FLUGELHORN

NOBU・・・G

SEKKIE・・・DR

EBI-CHAN・・・TB

TAKA・・・TS

JUN・・・AS VO CHO

===GUEST===

SUBARU・・・VO(GET IT ON )

 

***SET LIST***

1、INTRODUCTION・・・CHICAGO

2、IF YOU LEAVE ME NOW(愛ある別れ)・・・CHICAGO

3、VEHICLE・・・IDES OF MARCH

4、OLD DAYS(追憶の日々)・・・CHICAGO

5、GET IT ON(黒い炎)・・・CHASE

6、25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO

===ENCORE===

7、GOT TO GET YOU INTO MY LIFE・・・THE BEATLES

 

ゾロゾロとステージに歩み寄るメンバー達は、早速楽器を構えてチューニングや音出し。

いつものことではありますが、この時に初めてホーン隊の立ち位置を決定します。

スタッフの方、申し訳ない・・・・。

「幸福の黄色いハンカチ」を意識した黄色いシャツ着用のマサは、ワイヤレスを2機使用。

ベースとボーカル用。

シュアーの受信機をマスターに手渡してセット・アップ完了。

セッキーもディーンさんの準備中にほぼまとめておいたので、スムーズに落ち着いて配置完了できました。

勢いにのって最後はド派手に、盛大にぶちかましていきましょう。

なんたって泣いても笑っても残り30分。マサがけたたましいナレーションを叫ぶ中、ノブが小刻みなコード・カッティング。

はずみをつけて「やあ!みんな、ご機嫌いかが!?」のご挨拶ソング「イントロダクション」

泣く子も黙るプログレッシブ・ブラスロックで幕開け。

ルチュ嬢が言っていたけど、音がでかいのにクリアだったとのこと。

バランスやイコライジングの設定がバッチリとツボにはまったようです。

8人のうち、ホーンが5人という、半分以上が管楽器編成。

こいつは、見た目も圧巻でしょうね。

鍵盤楽器が不在の分も、各メンバーが互いに無言でフォローしあって穴を埋めていきます。

このテンション感覚、嫌いじゃあないよ。

セット・リストはヤングマンのエビちゃんリクエストを重視して、マサが組んでみました。

だからエビちゃんも心なしか、嬉々として演じているようです。

クニも一人で何役もこなす多忙なるパートなのに、余裕の表情を浮かべながら手を変え品を変えの大活躍。クニがこれまた良い仕事をしているんですよねえ。

痛かった前回ライブの反省も踏まえてか、すこぶる全員のプレイに気迫が漲って爽快であります。

いつもよりも、数段うねりまくる迫力の変拍子グルーヴ。カッチリと噛み合っているね。

「チャラ~ン・・」のウィンドウ・チャイムに導かれる形でエビちゃん、今回はスムーズにトロンボーン・ソロ突入。

フリーフォームな隠し技も込めて引き継がれるのは、ファニーお手本のようないななきトランペット・メロディで高らかなるファンファーレ。

クラベスの乾いた響きもほど良いアクセント。

テンション・マックス状態の中、アイコンタクトを送りあってリズム・セクションも鉄壁の構え。

セッキー、右手中指2箇所骨折もほぼ完治したようです。

ノブのアヴァンギャルでサイケデリックなギター・ソロが縦横無尽に駆け巡る。

難解で複雑なリズム・チェンジや、細かいニュアンスも楽々クリア。

手数王セッキーによるドラム・フィルに、励ましの気合ともいえる掛け声を送るマサに、振り返ったジュンも目を合わせて思わずニンマリ。

エンディングではマサのジャンプで大団円。

「改めましてTHE SAPPORO TRANSIT AUTHORITYです!皆さん、楽しんでますか~!?」「イエ~ッ!!」

「こんなに夜遅くまでよくぞ残っていてくれました。昼12時からはじまったんだからね。正直、不安でした。体力持つか、事故でも起こらないか・・・とかね。

でも順調にここまできました!STAでは何が起こるかわからないけどね・・・・(笑)

うちのバンド唯一のバラード・ナンバーをお送りしましょう。ジュンが心を込めて歌います・・・IF YOU LEAVE ME NOW・・・・・」

セッキー、スティックを打ち鳴らしての4カウントから、リム・ショットで彩を添え効果絶大。

ジュンの独壇場。右手を軽くマイクに添えて曲に体を左右に揺らしながらリズムをとって切々と歌を聞かせる表情がダンディー。

バック陣もファニーがフリューゲルホーンに持ち替えて、サウンドにヴァリエーションを加えます。

もの悲しきクニとマサのコーラス、ノブの繊細なるギターソロもむせび泣いているところが特筆モノ。

場面一転して、今度は同じジュンのボーカルでも、飛び出してディスコでも大いにもてはやされたスタンダード。このあたりから会場後方にて踊り狂うレディ・ダンサー達が出没。

エディット・バージョンなので、すっきりとシンプルにまとめてみましたが、ここでもノブによるギターソロが火を噴いた。

「そんな感じでね、頑固一徹結成から13年にわたってブラスロック街道を驀進しています。

日本中探しても、毎月こんなジャンルでやり続けているバンドは皆無でしょう。

まず体力が持たない、ジャンルがコア、そして音楽性があらゆるエッセンス投入されているために再現困難・・・・とまあ、毎回崖っぷちに立たされている状態の中に、マサが無理難題を押し付けて皆で和気藹々とアットホームなる活動をしています(爆笑)。

次の曲は久し振りにやりますが、私はシカゴ版・三丁目の夕日と呼んでいます。子供時代の古き良き懐かしいあの頃をもう一度。

邦題は追憶の日々で・・・・オールド・ディズ!」

ピーター・セテラが気恥ずかしい、という理由でライブ演奏をことごとく拒否していたジェームス・パンコウのヒット曲。エビちゃんはトロンボーン奏者の作品とは知らずに気に入っていました。

やはりトロンボーンが前面にクローズ・アップされているから、無意識にセレクトしたんだねえ。

シカゴは現在、この曲をコンサート中盤における重要なレパートリーとしてずっと組み込んでいます。

ノブも控えめにフェンダーUSAカスタムショップ・エリック・クラプトン・モデルのブラッキー・ストラトキャスターでバッキングにて盛り立てています。

「早くも後半戦に差し掛かってきました。

敬愛するどのブラスロックバンドにも女性メンバーが在籍していないため、STAも初期コンセプトに立ち返り、いい雰囲気でヤリクリしております。

でも、悲しい性か、時折は色気が欲しくなるものであります・・・・紹介しましょうスバル!!」「ヒューッヒューッ!!」

「彼女は札幌を拠点にアニソンの乙!!帝國ゆるゆる団や、エゴ・ラッピンのカバー・バンドでエゴイズム・ラッピンなるバンドのリーダーをつとめています。

STA内においてマスコット・ガール的存在の彼女にとってはテーマソングと化しつつある曲いきます。皆さん、チェイスってご存知かな!?」「オオオ!!」

「いきます!邦題は黒い炎・・・・GET IT ON!!」

1・2・3・4!1・2・3~!!スリリングなイントロから猛烈なる全員一体となっての猛攻。

スバルは片手を天高く伸ばしつつ悩殺。愁いを含んだ妖艶なる悩殺ポーズもふんだんにみせつけながらの、身をくねらせ腰振りステージング。

長い髪も振り乱して、観客の視線を一挙独占。

ファニーもハイノートをヒットしながら、ホーン隊を頼もしく牽引。

ノブのワウペダルも光っています。

マサもピョンピョン飛び跳ねながら、右手をグルグル回転。

とどめはセッキーによる、思い切りタメを効かせた衝撃のフィルイン。

スバルちゃんが、伝説のジャパニーズ・ブラスロックバンド「TOPS」の黒い炎による日本語歌詞(爆風スランプのVOサンプラザ中野くん作詞)を歌っていることを、マサがマニアックに解説(ジュンいわく、スバルもかなり自分のものにしつつあるね、と太鼓判)。

「じゃあ、ついでにメンバー紹介をします。人数が多いからついでにね(笑)。」

先ほどまでの鬼気迫るライブ演奏とは打って変わり、この場面では各メンバー達を面白おかしくマサがいじりいじられつつもフューチャーします。

個人情報もやや公開ね。

ファニーが今年から担当することになった、札幌村ラジオ・コミュニティFM番組「楽しい音には福来たる」のことに触れてみました。トランペット講師の彼が優しく奥深い音楽講座も交えつつ、生放送で1時間楽しくお送りするというもの。

マサも14日にゲスト出演を果たしました。

2週間にわたって、「ぼた山音楽祭」の告知も詳細にわたり話しちゃいましたよ。

ちなみに、ファニーはライブ後の放送でも、夕張でのエピソードや思い出を語ってくれました。

マサがDJという言葉を使ったら、すかさずファニーがスクラッチポーズをとって「キュイキュイ!」音付きでおどけてみせて、馬鹿受けしてもいました。

最年少のエビちゃんや、サングラス着用の好男子タカ、ニューフェイスのセッキー達も温かい拍手を貰っていました。

「最後の曲です。」「えええ・・・!!???」「外の真っ暗闇に捧げます。極上のミッドナイト・ソング・・・・・25OR6TO4!!(エディット・バージョン)」

エロティックにヒステリックに、ジュンがアルト・サックスで挑みかかる。

ほどよくリラックスしたタカも負けじと追随。マサは大股開きでモニター・スピーカーに片足乗せてのパフォーマンス。

こんなに優雅な振る舞いをするSTAはレアかもね。

クニはコーラスとタンバリンに専念しながら頑張っています。セッキーは独自の解釈による、タムでのオカズを叩きまくる。

エビちゃんは、こみ上げてくる嬉しさでいっぱい

一人残らずシュプレヒコールで「HEY!HEY!」

ノブがあまりにも有名なるリフからギュウイーン!

マサは右足でのキック攻撃からヘッド・バンキング。グッと腰を落とし気味に構えてからベースを頭上に構えて、ゆっくりと最後の音で全員雪崩れ込み。

精も根も尽き果てたかに見えたSTAも「アンコール!」に励まされて、むっくりと復活!

単純明快で、愛すべきバンドマンばかりです。

マサ「S・T・A珍しいなあ、アンコールなんてさ。それでは夕張だから特別に。皆さん、紅白歌合戦観ましたか?私はピコ太郎が大好きです・・・(中略)・・・で、いきなりポール・マッカートニーがメッセージを引っさげて登場したのにはビックリしましたね。

また今年来日してくれるようです、札幌には来てくれないけど・・・。

彼の来日記念としてポール作ビートルズの曲をお届けしましょう。」「わあっ!!」「でも俺達ひねくれているから、ヒット曲はやりません・・・・(笑)

ブラスロックの原点、この曲を聴いたシカゴのメンバー達がバンドを結成して、コンセプトのキッカケにしたのだそうです。

EW&F,BS&Tもレコーディングしていて、シカゴも最初に演奏したのがこの曲。

リヴォルヴァーから・・・・GOT TO GET YOU INTO MY LIFE!!」

散々試行錯誤の繰り返しで、練り上げた結果、今までの中でも出色の出来だったのではないでしょうか。

ポールのコンサートに今回も行くというルチュちゃんも、マサと一緒に歌ってくれましたよ。思わずマサも彼女を指差してリードしちゃったさ。

意気投合したルチュ&スバルの両歌姫が、仲良く並んでライブを満喫している図を見ていると理屈抜きにこちらもシアワセを感じます。

皆さんのあらゆる尽力のおかげで、これにて「ぼた山音楽祭」も無事に閉幕。

マサがその場で全出演バンド、マスターと奥様、スタッフ、最後に最高のお客様たちを紹介。そのたび拍手を全員で送りました!

皆、満足に満たされて、各自で別れの挨拶やガッチリと固い握手を交わします。再会も約束しました。

BGMはエディ・コクラン「サムシング・エルス」で景気付け。

今度は早めに夕張に戻ってきますよ、一応暖かい季節にね(笑)

後片付け後には、そのまま会場で打ち上げタイムに突入。

残念ながらこれは4人だけの参加でしたが、ディーンさんを真ん中にここでしか聞けない興味深い業界談義、音楽界の裏話や苦労話、それ以外にもここでは書けないよもやま話てんこ盛りで十分に華やぎました。

2017年、初め良ければ何とやら・・・だね!!

 

VERY SPECIAL THANKS TO・・・SATORU-SAN&SUBARU&HANA-CHAN&HITOMI0-SAN&MINA-CHAN&LUTYU&MASTER&OOSAKI-MAMA&STUFF&COCA-COLA&SAYO-CHAN&BURN&ABE-KUN&MINAGAWA-SAN&MR,DEAN・SHIBAOKA&MR,KART&MASAI-KUN&CALPIS&APPLE PIE&FRIED NOODLES&CURRY・RICE&FRENCH FRIES&OOLONG TEA&SNOW SNOW SNOW~~~!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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