ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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「ネパールの玉流館の従業員女性」についてのコラムに共感

2009-12-05 23:57:42 | 北朝鮮のもろもろ
 10月だったか、「朝鮮日報」の日本語版で「ネパール空港で会った北朝鮮女性たち」()というコラムがありました。
 筆者のチェ・ボシク記者がネパールのカトマンズ空港に到着して外に出ると、白いスカート姿の北朝鮮女性たちが「ぜひ一度お立ち寄りください。とてもおいしいです」と声をかけながら平壌の有名な食堂・玉流館のビラを手渡したというのです。
 チェ記者の感想はこうです。「体制存続のための外貨稼ぎに駆り出され、・・・わずか数千ウォン(日本円で数百円)の食事でこのような立派な公演まで行う。自分の娘が同じようなことをやらされているとしたら、耐えられるだろうか。・・・・(彼女たちが)エリートならば、選ばれなかった住民たちは、どれだけ悲惨な生活を送っているのだろうか。このような体制を、いつまでわたしたちは傍観しなければならないのか」。

 続いて北朝鮮の人権問題について記しています。
 左派政権が続いた10年の間、政府や運動圏出身者たちは「北朝鮮の人権問題に口を閉ざしていた」し、「北朝鮮の人権問題に口出しすれば、南北和解のムードに水をさす」「内政干渉になる」などと主張していたが、それでも「一部の良心的な勢力」は「北朝鮮の人権問題を取り上げ、社会問題化していた」。しかし「現政権では忘れ去られたようなものだ」。
 「拷問や公開処刑、強制収容所などについての証言にも、今や取り立てて関心を示すこともなく、人身売買の標的となった脱北女性の涙にも、われわれは憤りを感じなくなった。現在、北朝鮮住民の3分の1が飢えに苦しんでいる。しかし今やこうした話を聞いても、われわれは特に何も感じない」とのことです。

 韓国一の発行部数を誇る「朝鮮日報」は韓国の代表的保守言論で、とくに1980年代軍事政権と結びついて急速に成長した新聞社です。今も問題は多々ある新聞ですが、それでもこのコラムの結びの文章には私ヌルボ、深く共感した次第です。

 「政府高官たちが関心を示さないのに、日々の生活に忙しい一般庶民にとっては、当然のことながら関心の対象にはならない。だが、いつの日か残酷な苦痛から抜け出した彼らは、われわれの目の前に現れたとき、「あの時、なぜあなたたちはわたしたちの悲惨な状況に口を閉ざしていたのか」と、間違いなく問いかけることだろう」。

 その日が訪れた時、韓国の多くの人たちは「私たちの生活の質を下げたくなかったから」と答えるのでしょうか?
 そして、<何らかのためらい>が引っかかっている<進歩的>、<良心的>な人たちは・・・?。

※私ヌルボは北朝鮮の人権問題を政治的に利用したり、北朝鮮の人権抑圧の現実に対して差別的意識が透けて見えるような嘲笑的言辞を流しているような人とは無縁でありたいと思います。

※ネパールの玉流館などのような北朝鮮の外貨稼ぎ関係の問題についてはいずれテーマとしてとりあげます。

※今回はヌルボとしてはかなりマジに政治的(?)見解を披歴してしまいました。先日の梁英姫監督の国家から全く自由なピュアな感覚と、「朝鮮日報」のコラムに触発されて、つい・・・。


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