ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [2月10日(金)~2月12日(日)]

2017-02-14 23:43:40 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週は「海峡を越えた野球少年(原題:グラウンドの異邦人)」は思った以上に内容豊富なドキュメンタリーでした。30年以上、あるいは半世紀以上も前、「在日同胞」代表として韓国に行き、歓迎された彼ら。今連絡が取れなかったり、コンタクトを拒む人が相当数いるのは、当時韓国人であることを隠して生活していた人も多かったことや、その後日本国籍を取得したりして「韓国人としての過去」と決別して暮らしている人も多いということなのでしょう。そんな中、1982年の訪問チームのメンバーがこの映画を通じて再会し、再び韓国を訪れたりしたのはけっこうなことでした。民族学校に通ったという朝鮮総聯系の人もいたのですね。その前の世代で、50~60年代頃に韓国に行って外野手として活躍し、後に野球の指導にあたったという裵寿讃(ペ・スチャン)さんのことも触れられていました。彼も総聯系で両親が北朝鮮に渡りましたが、その関係で80年代全斗煥の軍事独裁政権時代に安企部による厳しい取り調べ(拷問?)を受けたりもしたような・・・。(具体的には語られていませんでしたが・・・。) その裵寿讃さんの息子さんが私ヌルボがたまに楽しく読んでいるサイトの主のマッコリマンさんだとは知りませんでした。なるほど、そのサイト中の一家の歴史の中に裵寿讃さんのことも書かれていました。(→コチラ。) 今度弘大(or上水)方面に行く機会があったらマッコリマンさんの店に行ってみようかな。(ツイッターは→コチラ。) なお、この映画については大島裕史さんの→コチラの記事に詳しく書かれています。

 「キネマ旬報 2月下旬号」の2017年の外国映画の上映予定作のリストから韓国映画をピックアップしてみました。※その後の情報も入れてます。青色は邦題・茶色は原題です。
 「お嬢さん(アガシ)=3月3日・「少女は悪魔を待ちわびて(おまえを待ちながら)=3月7日・「密偵」(仮)=2017年・「シチリアの恋(シチリアの陽の下で)=GW・「新感染 ファイナル・エクスプレス(釜山行き)=夏・「第3の愛」=4月1日・「あの日、兄貴が灯した光(兄貴)=5月・「アシュラ」=3月14日・「哭声/コクソン」=3月11日・「徳恵翁主」(仮)=2017年・「ある日」(仮)=夏・「隠された時間」(仮)=2017年・「フェイク(仮)(似而非[サイビ])=秋・「ソウル駅」(仮)=秋・「空と風と星の詩人 〜尹東柱の生涯〜(ドンジュ)=夏・「バッカス・レディ(殺してくれる女)=夏・「あの人に逢えるまで(ミヌさんが帰るまで)=夏

 韓国では、昨年の「鬼郷」に続いてこの3月1日の三一節に新たな慰安婦映画「雪道(눈길)」が公開されます。新たなといっても、2015年KBS1の光復70周年特集として作られたドラマで内容は→コチラ参照。→予告編(YouTube)を見ると軍人による<強制連行>の場面があったりして「うーむ・・・」といった感じではありますが、「鬼郷」ほどヒットするかどうか?

         ★★★ NAVERの人気順位(2月14日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(-) オー・マイ・パパ(韓国)  9.78(214)
②(1) Le Tour:私の生涯最高の49日(韓国)  9.53(264)
③(3) 将棋王:可樂市場レボリューション(韓国)  9.50(56)
④(2) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.46(199)
⑤(5) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.26(1,235)
⑥(4) ウィークエンド(韓国)  9.26(149)
⑦(6) ボブという名のストリート・キャット  9.23(354)
⑧(7) LION/ライオン ~25年目のただいま~  9.23(318)
⑨(-) 影たちの島(韓国)  9.23(99)
⑩(-) 私たち(韓国)  9.19(1,184)

 今回の新登場はありません。「私たち」「影たちの島」等、公開後まだ1年たっていないので新作扱いにしました。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(3) はじまりへの旅  7.50(9)
④(4) メッセージ  7.29(7)
⑤(5) 君の名は。(日本)  7.17(6)
⑥(7) 恋物語(韓国)  7.00(7)
⑦(8) 女教師(韓国)  7.00(5)
⑧(9) たかが世界の終わり  6.86(7)
⑧(-) 幸せなひとりぼっち(オーヴェという男)  6.86(7)
⑧(-) パーソナル・ショッパー  6.86(7)

 今回の新登場は⑧「パーソナル・ショッパー」だけです。2016年カンヌ映画祭で監督賞を受賞したフランスの心理ミステリー。パリで忙しいセレブに代わって洋服や装飾品をそろえる“パーソナル・ショッパー“として働くアメリカ人女性モウリーン(クリステン・スチュワート)は最近最愛の双子の兄を亡くし、悲しみから立ち直れずにいます。そんなある日、正体不明の人物から携帯に奇妙なメッセージが届きます。やがて不可解な出来事が次々と起こり始めます・・・。韓国題は「퍼스널 쇼퍼」。日本公開は5月です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績2月10日(金)~2月12日(日) ★★★

         「捏造された都市」がトップ 韓国映画が続く
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(30)・・捏造された都市(韓国) ・・・・・・2/09 ・・・・・・・・・・896,587 ・・・・・・・・・・1,072,587・・・・・・・・・8,824・・・・・・・・1,019
2(1)・・共助(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/18・・・・・・・・・・・543,395 ・・・・・・・・・・7,262,167・・・・・・・・59,422 ・・・・・・・・811
3(28)・・トリプルX:再起動 ・・・・・・・・・・2/08・・・・・・・・・・・254,916 ・・・・・・・・・・・・368,341・・・・・・・・・3,177 ・・・・・・・・590
4(2)・・ザ・キング(韓国)・・・・・・・・・・・・・1/18・・・・・・・・・・・114,191・・・・・・・・・・・5,271,369 ・・・・・・・43,151・・・・・・・・・482
5(3)・・メッセージ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/02・・・・・・・・・・・・89,953 ・・・・・・・・・・・・563,996・・・・・・・・・4,646・・・・・・・・・422
6(新)・・フィフティ・シェイズ・ダーカー・・2/09・・・・・・・・・・・84,471 ・・・・・・・・・・・・109,368・・・・・・・・・・・938 ・・・・・・・・435
7(35)・・バレリーナ ・・・・・・・・・・・・・・・・・2/09・・・・・・・・・・・・82,076 ・・・・・・・・・・・・・94,689・・・・・・・・・・・730・・・・・・・・・434
8(4)・・モアナと伝説の海・・・・・・・・・・・・1/12・・・・・・・・・・・・74,025 ・・・・・・・・・・2,264,369・・・・・・・・17,710・・・・・・・・・401
9(9)・・レゴバットマン ザ・ムービー・・・2/09・・・・・・・・・・・・69,097 ・・・・・・・・・・・・105,962・・・・・・・・・・・858・・・・・・・・・427
10(新)・・名探偵コナン エピソード"ONE"・・2/08 ・・・・・・・57,019 ・・・・・・・・・・・・・81,714・・・・・・・・・・・641・・・・・・・・・215
小さくなった名探偵(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「共助」は700万人を超えましたが2位で、「捏造された都市」が1位です。このところずっと韓国映画が続いています。あ、「君の名は。」は11位に落ちましたね。
 今回の新登場は1・3・4・6・7・10位の6作品です。
 1位「捏造された都市」は韓国の犯罪・アクション。ゲームの世界では完璧なリーダーだが現実には平凡な失業者クォン・ユ(チ・チャンウク)。PC房で偶然ケータイを探してほしいという見知らぬ女性の電話を受け、その後わけもわからないまま彼女を残酷に殺害した犯人にされてしまいます。すべての証拠は仕組まれたように彼が犯人だということを示しています。誰も無実を信じてくれない中で、彼のゲーム仲間で初心者ハッカーのヨウル(シム・ウンギョン)は、すべてのことがわずか3分16秒の間に誰かによって完全に捏造されたことを知ります。特殊効果が専門のデモリション(アン・ジェホン)をはじめゲーム仲間が皆集まって、自分たちだけのやり方で事件の実体を追って反撃を始めます・・・。原題は「조작된 도시」。「操作された」ではなく「造作」なのですね。意味は「捏造」で間違いなしです。
 3位「トリプルX:再起動」はアメリカのアクションシリーズの第3作。首の後ろの“xXx“のタトゥーがトレードマークの主人公ザンダー・ケイジが今回は政府の極秘エージェントとして“パンドラの箱“と呼ばれる制御不能な(?)軍事兵器を奪還する任務を引き受けます・・・。韓国題は「트리플 엑스 리턴즈」。日本でも2月24日公開で、すでに諸情報が流されています。
 6位「フィフティ・シェイズ・ダーカー」は、2015年のアメリカのラブロマンス「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」の続編。前作では大企業CEOクリスチャン・グレイ(ジェイミー・ドーナン)とインタビューがきっかで知り合い、恋愛模様を繰り広げながらも最後は分かれてしまった女子学生アナスタシア・スティール(ダコタ・ジョンソン)でしたが、今作ではその後大学を卒業して就職してからも彼のことが忘れられず、そして再会・・・。でないとお話が始まりませんよね。韓国題は「50가지 그림자: 심연」。日本公開は年内のようです。
 7位「バレリーナ」はフランス・カナダ合作のアニメ。小さな田舎の村に住んでいる孤児の少女フェリシーと彼女の幼なじみビクターの夢は、最高のバレリーナと発明者になること。2人は自分の夢を叶えるために、ちょっと荒唐無稽に見える計画を実践します。それは光の都パリに向かって旅に出ること。セーヌ川、エッフェル塔、そして最高の舞台のオペラ座まで。華やかで美しいパリの姿は彼らの夢に向かう情熱を一層かりたてます・・・。韓国題は「발레리나」。日本公開はなさそう?
 10位「名探偵コナン エピソード"ONE" 小さくなった名探偵」は、劇場公開の記憶がないので調べたら、2016年12月9日に「金曜ロードSHOW!」で放送された「名探偵コナン」のスペシャル番組だったのですね。たった2ヵ月前なのにもう韓国で上映とは早いものです。韓国題は「명탐정 코난: 에피소드 원-작아진 명탐정」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・スノーデン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/09 ・・・・・・・・・・・18,991・・・・・・・・・・・・27,518・・・・・・・・・・・・・228 ・・・・・・・・278
2(1)・・LION/ライオン ・・・・・・・・・・・・・・・・2/01 ・・・・・・・・・・・12,806・・・・・・・・・・・・91,112・・・・・・・・・・・・・686 ・・・・・・・・140
        ~25年目のただいま~
3(14)・・パーソナル・ショッパー ・・・・・・・・・2/02・・・・・・・・・・・・・4,232・・・・・・・・・・・・・6,808・・・・・・・・・・・・・・58 ・・・・・・・・・77
4(2)・・マギーズ・プラン ・・・・・・・・・・・・・・・・1/25・・・・・・・・・・・・・2,783・・・・・・・・・・・・41,104・・・・・・・・・・・・・332 ・・・・・・・・・36
        幸せのあとしまつ
5(15)・・誰も知らない(日本) ・・・・・・・2005/4/01・・・・・・・・・・・・・1,455・・・・・・・・・・・・37,241・・・・・・・・・・・・・242 ・・・・・・・・・33

1・3・5位の3作品が新登場です。
 1位「スノーデン」は、(めずらしく)一足早く1月27日に公開されています。韓国題は「스노든」です。
3位「パーソナル・ショッパー」については上述しました。
 5位「誰も知らない」は2004年の是枝裕和監督作品の再上映。静かな是枝ブームがまだ続いているのかな? 韓国題は「아무도 모른다」です。
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