ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[韓国語の新語] オーディション番組の審査員兼「メント」って何?

2011-03-03 20:48:28 | 韓国語あれこれ
 韓国の月刊誌「新東亜」は3月号もおもしろそうな記事がいろいろ。
 その中で、MBCの人気オーディション番組「위대한탄생(偉大な誕生)」の審査員を担当している作曲家・プロデューサーのパン・シヒョク「절박함에 대한 진심 어린 대답, 독설」というタイトルで寄稿しています。訳すと、「切迫していることに対する心を込めた答え、毒舌」です。

 つまり、この番組の視聴者からは参加者を厳しく評する自分は「毒舌家」といわれているが、それは、「狭き門を突破して何とかスターへの夢を実現させたいとギリギリの状況に立っている参加者に対して、同情を排して冷静に評価することが本人のため・・・」等の考えを述べているのですね。

 さて、ここで私ヌルボが「?」と思ったのはこの記事の内容ではなくて、掲載されていた下の写真の説明文中の言葉。

  
 【MBC 오디션 프로그램 ‘위대한 탄생’은 이은미, 방시혁, 김태원, 김윤아, 신승훈(왼쪽부터) 등 5명의 뮤지션이 심사위원이자 멘토로 참가한다.】

 「イ・ウンミ、パン・シヒョク、キム・テウォン、キム・ユナ、シン・スンフン(左から)ら5人のミュージシャンが審査員であり멘토として参加する」とありますが、「멘토(メント)」って何だ? ・・・電子辞書にはやっぱりナシ、韓国語ではなさそうだし、コメント(comment)は커멘트だから違うし・・・。

 ・・・ということで、NAVER百科辞典(左のリンク参照)で探したら、オープン国語辞典中の流行語。新造語で「멘토링(メントリング)」がありました。2006年5月upされたものです。
 説明文には「他の人を助ける良い助言者、後援者を'멘토(mentor)'といい、멘토の活動を'토링(Mentoring)'という」とあります。語源は、ギリシャ神話の「オデッセイ」の登場人物の名に由来するとのことです。

 <NATE知識Q&A>でも2009年7月「멘토とは何のことをいう言葉ですか?」という質問があり、4分後にくわしい解答が寄せられていました。(反応が早いのはYahoo知恵袋だけではありませんね。)
 その中で「最近メントと関連した何冊かの本が出て、少しずつ멘토と멘토링に対する理解が高まっていってるようだ」とあります。

 日本のサイトを見てみると、<青春スケッチ>というブログでスペンサー・ジョンソン著「メント」という韓国本の自己啓発書の紹介と、「メント」の意味についての説明がありました。
 韓国で2007年6月刊行、ということは、上記の「メントと関連した何冊かの本」の1つなんでしょうね。
 このような言葉が新語として登場する背景を考えるに、元々韓国は日本よりも自己啓発関係の本が多いようだし、また近頃の風潮とも関わりがあるのかもしれません。