風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

日曜美術館 『宮崎進 ~シベリア・鎮魂のカンヴァス ~』

2010-08-07 14:16:06 | テレビ



私には、はじめにシベリアがあった。この体験や記憶を再現することはできないが、ここにあった絶望こそ、私を何かに目覚めさせるきっかけとなった。生死を超えるこの世界で知った、人間を人間たらしめている根源的な力こそ、私を突き動かすものである。
宮崎 進


先週の日曜美術館は、シベリアの抑留体験をキャンバスに刻み続けた88歳の画家・彫刻家 宮崎進さんの特集でした。
絶望、鎮魂、そしてその底から生まれる希望を描く宮崎さんの言葉を、ここにご紹介したいと思います。 



捨て犬のように兵達は俘虜になった。生きることだけを考える虚ろな日々は、立つか、しゃがむか、うろうろするばかりだった。

およそ60万人の日本人がシベリアへ連行され、6万人近い人々が命を落としたシベリア抑留。
一昨年に亡くなった私の祖父も、シベリア抑留者でした。
もうすぐ私達は65回目の終戦記念日を迎えます。
この時期各テレビ局で様々な戦争関係の番組が特集されます。
戦争を経験した人々が年々減ってゆき、戦争の悲惨な記憶が薄らいでゆくなか、様々な企画展があちこちで催されています。
一年のうちのこの数日くらいは、「戦争」というものとじっくり向き合ってみるのもいいのではないでしょうか。



媚とかへつらいとかそういうものはいらないですよ。自分自身でありたいと思う。人間ひとりひとり、そのままで、ありのままでありたいと、そういう風に思うんですけどね。

子供の頃は 木々の間を流れる風が見えたし
そよ風の中に歌が聴こえたわ。
私の名前を呼ぶ歌があったのよ。

子供じゃなくなってからは 挫折の味を知ってしまった。
すべてが再び巡ってくることを ようやく信じられるほど大人になった。

そう 今 私はここにいる。
私は自由だとやっと言える。
もしその問いが私をここまで導いたのなら
私は生きるべき生き方をしている。

(宮崎さんが好きなSuzan Boyleの"Who I Was Born To Be"の歌詞)


やっぱり自由というところにすべてをかけているところがいいですよ。
そういう風にありたいと思います。
自分は自分としての生き方があるはずなのに、それが見つからないもんだから、うろちょろ、うろちょろしているわけでしょう。
自分の生き方を見つけ出して、そのように生きたいと思うのが普通ですよね。




いつか、そこに見えてくる不思議なもの。やって来るかもしれないし、何も来ないのかもしれない。ただそのことのために仕事をする。自然に、心のままに。ただ、あるようにありたいのである。


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