風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

三月大歌舞伎 昼の部 @歌舞伎座(3月15日)

2015-03-16 22:50:52 | 歌舞伎



カメラを持っていったのに、写真撮ってくるの忘れた・・・
なので上の写真は、また鎌倉東慶寺。今月のニザさまのイメージは白梅でございます。
そういえば今月の垂れ幕は『菅原伝授手習鑑』ではないのですね。
義経千本桜や仮名手本の通しのときは狂言名だったのに、なぜでしょう。あれ、好きなのに。
そして先ほど秀太郎さんのブログで知ったのですが、この日は中日だったようです。

しかし通し狂言はやっぱりいいですね、観る方も自然と感情移入できて。
もっといっぱいやってほしいな。


【加茂堤(かもづつみ)】
手水・・・行水・・・会話がエロくて楽しい 菊之助だと下品にならないのがよいです。
とはいえ菊ちゃんは先月の陣門組打がとってもよかったので、比べてしまうと少々物足りない気もしてしまったけれど(あくまで先月比)。思っていたより色気があったのはよかったな^^

早春らしい華やかな色合いの舞台も本当に綺麗だった
背景に咲く紅白の梅。
牛車の前に並んで置かれた、姫の赤い草履と親王の白い草履。
桜丸(菊ちゃん)の赤と白の衣装。
八重(梅枝)の黄緑色の衣装。

梅枝といえば、相変わらずの安定感と貫録ですねー。
今回の昼の部、若手の壱太郎(苅屋姫)&萬太郎(親王)がひっじょうに物足りず(なぜああなった・・・お人形さんよあれじゃあ・・・)、花形勢(菊ちゃん、染五郎、愛之助、亀亀兄弟)も特に悪くはなかったのですけど、もっと深くまで行ってくれたらもっと感動できたのに・・・とも感じたので、梅枝の健闘には救われた気がしました。


【筆法伝授(ひっぽうでんじゅ)】
染五郎(源蔵)が思っていたよりずっとよかったのですけど、でもこの人独特の演技の軽さみたいなものもやっぱり少し感じてしまって、良かっただけに惜しい気がしました。。

梅枝の戸浪。ええと、梅枝って27歳でしたっけ。前幕の菊ちゃんとだけでなく、染五郎とも全く無理なく夫婦だった^^; とてもいい戸浪だと思いました。

魁春さん(園生の前)、とてもとてもよかったなぁ。。。気高くて品のある所作が、道真の奥さんらしくて。魁春さんって、背中で語ることのできる役者さんですよね。後ろ姿にも見惚れてしまった。素敵でした。


【道明寺(どうみょうじ)】
仁左衛門さんと秀太郎さんが素晴らしかった。。。
今回の昼の部、このお二人と前幕の魁春さんが素晴らしすぎて、なんというか若手&花形とのギャップによるバランスの悪さが観ていて気になってしまったのも事実で、でもこのお三方がそれを吹き飛ばすくらい本当によくて。

秀太郎さん(覚寿)、すんごくよかった。いいという言葉すら軽く感じられるくらい。
最近みられていた台詞の不明瞭さが消えて、動きもきっぱりされていて、内面から威厳と深みと温かさと悲しみが滲み出ていて。この狂言を見るのは初めてですけど、覚寿にしか見えなかった。後半ちょっとお疲れ気味にも見えたけれど、それも含めて素晴らしかった。長生きしてください・・・と縁起でもないことまで考えてしまった。だって秀太郎さんの舞台、本当に好きなんですもの。

芝雀さん(立田の前)、今月も出られるとは思っていなかったので登場されたときは吃驚。とてもよかったと思います。しかしお姉さんの方が妹(苅屋姫)よりずっとこの件に心を痛めてるように見えるってどうよ^^;

歌六さん(土師兵衛)&彌十郎さん(宿禰太郎)。贅沢な配役!お二人のやりとり、楽しかった

仁左衛門さん(菅丞相)、白と朱色の衣装がお似合いです!濃い紫も。
神格化される存在らしい清らかさと崇高さに加えて、人間的な温かみと誠実さがあって、こんな道真なら寺子屋も納得できる、そんな道真だった。そういえば杮落しの熊谷陣屋の義経でも、タイプは違えど似たことを感じたなぁ。
仁左衛門さんの後この菅丞相の役をやれる役者が育つまでどれくらいかかるのだろう、とやっぱり考えないではいられませんでした。吉田屋でも感じたことだけれど。きっと、この仁左衛門さんの菅丞相と秀太郎さんの覚寿の舞台を今観られることはとても幸福で幸運なことなのだろうなあ。。
もう「十五代目!」の掛け声だけで泣ける私がここにいる。

木像バージョンのときのカクカク歩きは、後から「ああ、そういうことだったのか~!」と素直に思いました。初回観劇ならではのお楽しみですね^^
冠が落ちたときも本気でドキッとした(今回忙しくて筋を事前に調べられなかったのです)。

仁左衛門さんの花道での空気、涙、とても心動かされました。。。
が。
壱くんがあまりにあまりに淡泊なので(泣いてても淡泊に見える・・・)、愛情が父→娘の一方通行にも見えてしまい、彼はまだまだこれからなこともわかってはいるのだけれど(世話物の気の強い娘役などは良かったですし)、違う苅屋姫だったら更に更に感動的な幕切れになったのかしら・・・と思ってしまったのも正直な感想ではありました。。壱くん、がんばれー。ついでに菊ちゃん(輝国)もがんばー。



今月のチラシ。楽座で買った先月の舞台写真。木挽町広場の豆大福(美味しいよ♪)

今回の観劇(幕見)は、私語とビニール音と立見客の動きの多さで落ち着かんかった。。
ニザさんが駕籠に乗ったようにみせかけて下手の袖にこっそり引っ込むときに、イチイチ「今、乗ってないんだよ。見せかけただけ」とか連れに解説せんでよろしい。
それと、ヒソヒソ声で話をし続ける夫婦!ヒソヒソ声なら問題ないとか思っとるのデスか。
あと、ダウンコートを脱いだり着たりを何度も何度も豪快に繰り返すオッサン。暑いか寒いかはっきりなさい、それが無理なら静かに脱ぎ着する気を使いなさい。ダウンの生地はビニールと同種なことに気づきなさい。
そして、鞄をジーッと開け、ビニールで包まれた飴を豪快に開いて口に入れて、その包み紙を大音量でクシャクシャと丸めて鞄に戻し、再びジーッと閉める、を何度も繰り返してたオッサン。包み紙はイチイチ丸めんでよろしい。ジッパーだってどうせまたすぐに開けて飴出すんでしょ。なら毎回閉めなくてよろしい。
。。。つかれた。。。

そうそう、楽座でもっっっのすごい美少女の写真があって、誰これ!?と顔近づけて見たら、関の扉の菊ちゃんでした。あまりに可愛かったので、観てもいないのに写真買いそうになってしまった。やっぱり観たかったよぉ。。


※3月27日(千穐楽)の感想

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 水谷豊、3人の“相棒”を語る | TOP | 三津五郎さん »

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。