風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

NEWシネマ歌舞伎 『三人吉三』

2015-07-03 13:51:29 | 歌舞伎




※ネタバレありですよ~

口と音声が合わない箇所がチラホラで串田さんもっと丁寧なお仕事頼ミマスだったり、
3時間半だった舞台を大幅カットし2時間15分にしたせいか全体にアッサリ印象になってしまってたり、
三人が息絶える場面の無音が超不自然に機械的だったり(やりたいことはわかる気はするが映像で観るとなんだか陳腐・・・)、
多用されるストップモーションやら、(上のポスターの)現代風の彼らの画像withロックな〆やらがイチイチ安っぽかったり、
とまあ言いたいことは山ほどございますが(言ったけど)、
これはコクーン歌舞伎。
悪くも良くも歌舞伎座のそれとは違いますし、その映像化でも守りに入らずガンガン攻めていく姿勢は大いに評価したいと思います 好みは別として。
それに普段あまり生の舞台を観ない人達には、こういう方が映画のように観られて親しみやすいかも。ということは新しい歌舞伎ファンを増やしたいというコクーン歌舞伎の意図に適ってるわけで。

「映像作品」を意識して再編集されているので「舞台」のリアル感が大幅に減ってしまっていたのだけは、仕方がないとはいえ残念でございました。普通のシネマ歌舞伎はもっと舞台感がありますもの。
あ、勘九の「松嶋屋のおじが~」ももちろんカット うん、わかってた・・・。

舞台そのものの感想は、去年コクーンで観たときとほぼ同じです(舞台の見え方や照明は肉眼で観た方がずっと美しかったですけど、それは衛星劇場やNHKでも同じですし)。
三人とも本当に当たり役。
特に勘九郎の和尚、やっぱりいいわ~ 暗闇の中の寂しい魂が感じられて・・・。
歌舞伎は観るけど去年の舞台は観ていないという方、あるいは歌舞伎自体をまだ一度も観たことがない方、2100円は高いですがそれだけの価値は十二分にありますから、ぜひぜひお近くの映画館へ!!





そういえば、大川端。本家三人吉三では和尚とお嬢がお互いに、そしてお坊は一人でセルフ止血だけど、コクーンでは和尚が身代わり猿を取りに行ってる裏でお坊&お嬢がラブラブに止血し合っておった。お坊のセルフ止血、結構好きなんだけどな。

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