風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

東京交響楽団 『ブルックナー交響曲第8番』 @サントリーホール(7月16日)

2016-07-17 00:09:18 | クラシック音楽




ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団の定期演奏会に行ってきました。
今年2月のミューザでのバレンボイム×シュターツカペレ・ベルリンのブルックナー8番が少々消化不良だったため(4番はよかったです)、帰宅後リベンジのつもりで買ったのが今夜のチケットでした。日本の楽団の演奏会を聴くのは、これが初めて。

指揮者もオケも大変に集中力が高く、この作品への気合いが強く伝わってきた、とても気持ちのいい演奏会でした。
ノットさんがブルックナーに感じるという「クレイジーさ」@プログラムも感じることができましたし、金管は崩壊寸前まで鳴らしてくださいましたし(ぶらぼ~♪でもほんと崩壊ギリギリ^^;)、美しいところはしっとりと繊細に。ブルックナーの作品の心を大切にしつつ、決して無難な守りに入ることもなく(これ素晴らしいと思った)。

でも・・・私は残念ながら心の奥底から熱くなることはなく・・・

贅沢な願いではあるかもしれませんが、ここまで連れて行ってくださるのなら、あともう一歩先の景色まで見せていただきたかった、というのが正直な感想でございました(えらそうにすみません)。最後の一歩が内側にとどまってしまっているように感じられたんです・・・。日本のオケの限界なのかなぁ・・。

でも、本当に良い演奏会ではあったのですよ。
第3楽章なんて非常に美しくてうっとりしちゃいましたし。第四楽章も最後まで息切れすることなく、しっかり以上のものを見せてくださって。もっともこの辺りは2月のシュターツカペレ・ベルリンも割とよかったので、ブルックナーの楽譜の力によるところも大きいのではなかろうか、とも思ったり(いつかダメな演奏に出会ったらこの有難さがわかるのかもしれません)。好みという点では、今回の方が清廉さが感じられて好みだったかな。
そういえば、東京交響楽団の音はシュターツカペレ・ベルリンに比べて、明るく乾いた音に聞こえました。同じ曲でも全然違う風に聴こえて、素人の私には面白かったです。それぞれの良さも感じることができたように思う。

会場はすごい盛り上がりでしたね。3回目くらいのカテコ(って言わないのかな?)で席を立って、お手洗いに行って、出てきてもまだブラボーの嵐がロビーまで聞こえていました。一般参賀もあったそうで。自分との温度差にプチ疎外感(^_^;)

とはいえ生ブルックナーはやっぱりいいなぁ。鬱屈した気分のときに聴くと、心が洗われる。
第八番も、四楽章ラストのジャーン・ジャ・ジャ・ジャーンの繰り返しだけは野暮ったい感じがしてあまり好きではありませんが(最後が好きじゃないのって結構残念)、他は全部好きです。

今年はもうオケのチケットは買っていないのだけれど、今夜行ったらやっぱり楽しくて、もっと行きたくなってしまった。

あ、そうそう。ノットさんって、素敵な方ですね。指揮から誠実さが伝わってきて、その誠実な熱さは心に響きました。定期的に振ってくださっているみたいですし、今度はホームグラウンドのミューザにでも行ければいいな。

※今回はノヴァーク版第二稿でした。覚書。

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