反風林火山〈2〉 学習研究社 このアイテムの詳細を見る |
武田信玄を追放して当主の座についた武田義信ですが、苦難の戦いは続きます。
信玄を慕う高坂昌信らの画策で岩殿城に謀反の火が上がり、対外的にも北条や徳川、そして織田との水面下での死闘が繰り広げられます。
そんな中で美濃を制した織田信長が遂に武田家に対して牙を剥き、戦国の両雄の激突となります。
義信の軍師に収まった山本勘助が戦術を駆使して武田家が飛躍をしていく、そんな簡単には話が進まないのが面白いところです。
能力もないのに政治に口を突っ込み、また勘助をねたんで失脚させようとする義信の側近など、泥臭い一面を描いているのが現実味を伴ってきます。
優れた資質を持ちながらも若さからか揺れる義信や、論理を超越した感情に突き動かされる徳川家康など、心の描写がきっちりとされているところも好感できます。
織田家の鉄砲隊を中心とした部隊の猛攻をどう凌ぎきり、そして反攻していくのか、最終巻となる次巻の出来栄えが非常に楽しみです。
2008年12月22日 読破 ★★★★★(5点)