オリオン村(跡地)

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がんばろう東北 史跡巡り篇 八戸の巻

2011-09-05 00:51:36 | 日本史

 

二日目は八戸です。
この日も笑っちゃうぐらいの晴天で、天気予報にやきもきとしていたのが嘘のような展開です。
その八戸は南部氏の惣領であったとも言われている根城南部氏の本拠でしたので、初めて訪れることもあってかなりの期待感がありました。
ただ結果的には自分の守備範囲とは違ったことを痛感した、そんな一日となってしまいました。

根城は根城南部氏、一般的には八戸氏が南北朝時代に築いた城です。
そのために城と言うよりは館との表現が正しいと思われ、実際問題として自分の中の概念である城とはかけ離れた存在でした。
遺構としての土塁などがしっかりと残されているので資料的な価値は高いのでしょうが、やはり日本100名城に指定をされていなければ訪れなかったと思います。

領主が住んでいた主殿はさすがに規模が大きく、中には当時の生活を想定したのであろう人形などが配置をされていました。
ただこれも時代が下れば裕福な商家の建物と言われても分からないかもしれず、何とも複雑な気分です。
このあたりの感覚は人それぞれの嗜好や志向によるものでしょうから仕方のないところで、自分には合わなかった、ただそれだけです。

敷地内には多くの建造物が復元、再建をされています。
上段左から東門、納屋、上馬屋、中馬屋、番所、下段左から工房、野鍛冶場、鍛冶工房、板蔵、堀跡となります。
堀跡以外は柵で囲まれたいわゆる本丸に配されており、しかし納屋や工房、鍛冶工房などは竪穴式だったりもしますのでいつの時代だよと思わずつぶやいたりもしましたし、順路に沿って歩いて終わりといった感じでさほどの印象は残りませんでした。
ただ手入れがかなり行き届いていることは分かりましたし、貴重な施設であることは間違いないでしょう。

こちらは根城と八戸市博物館の敷地の境にある、旧八戸城東門です。
八戸城からこちらに移設をされたもので、八戸市の指定文化財となっています。
なぜにここにあるのかはよく分かりませんが、根城がああいったものですのでかなり違和感があったことは否めません。

八戸市博物館の前には、根城を築いたと言われている南部師行像があります。
南部師行は北畠顕家の配下として南朝を陸奥の地で支えて、そして顕家に従って上洛をした際にその顕家とともに討ち死にをしました。
この師行の系統が根城南部氏、いわゆる八戸氏となり、戦国時代の八戸政栄に繋がります。

八戸市博物館には南部氏にかかる資料の展示がされていましたが、根城南部氏のものがさほど多くはなかったのが残念でした。
惣領を三戸南部氏に奪われたことで歴史の陰に隠れてしまったところが多かったのも理由だと思われ、やはり敗者には厳しい世の中ということなのでしょう。
三戸南部氏を惣領に引き上げた南部信直が優秀な武将であったとは思っていませんが、時代を見る目だけは確かであったと言えます。

根城とは離れた場所にある八戸城は、ありがちな役所と公園に化けていました。
八戸城は江戸時代の築城で、また根城南部氏とは全く関係がありません。
根城南部氏は八戸から遠野に移されてしまい、その跡に宗家から分かれた南部直房が八戸藩を新たに立てて八戸城に入りました。
ていのいい乗っ取りのようなもので、しかし根城南部氏改め遠野南部氏は家中ではそれなりの地位を与えられましたので冷遇をされたというわけでもないようです。

藩祖ということもあってか、南部直房像が城跡に鎮座をしています。
南部信直の孫にあたりますので戦国の遺風は残っていた時代の人物なのでしょうが、申し訳ないながらも地味なイメージは否めません。
説明板などがないのは地元の方にとっては常識となっているのか、はたまた軽視をされているのかが激しく気になったりもします。

八戸城の遺構として残されているのは、先の東門とこの角御殿表門のみとなります。
現在は市の施設の門となっており、ちょっと悲しい立て看板があるなどして趣が感じられません。
出足から蹴躓いたこともありましたが、どうにも見るもの聞くものに不満たらたらとなってしまったのは自分勝手な思いであることは承知ながらも、これが八戸の正直な感想です。
ただきっと歳を重ねれば何か違ったものが見えてくるのではないかと、来るのが早すぎたのだろうと思えば受け止め方も変わってきますので、そう自分に言い聞かせることにします。


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