★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇新譜CD情報

2012-03-30 10:37:09 | 新譜CD情報

 

<新譜CD情報>


~イリーナ・メジューエワ、京都リサイタル2011(ライヴ録音)~


シューマン:アラベスク
シューマン:クライスレリアーナ
ショパン:ノクターン 嬰ヘ長調 作品15の2
ショパン:舟歌
メトネル:4つのおとぎ話
メトネル:ピアノ・ソナタ (「三部作ソナタ」第1番)
メトネル:夕べの歌

ピアノ:イリーナ・メジューエワ

CD: 若林工房 WKLC‐7011

 イリーナ・メジューエワの2011年、「京都コンサートホール」でのライヴ録音。得意とするシューマン、ショパン、メトネルという三人の作曲家の作品を収録したプログラム。イリーナ・メジューエワは、ロシアのゴーリキー(現ニジニー・ノヴゴロド)生まれ。5歳よりピアノを始め、モスクワのグネーシン音楽大学(現ロシア音楽アカデミー)で学ぶ。1992年ロッテルダムで開催されたE.フリプセ国際コンクールでの優勝をきっかけに、オランダ、ドイツ、フランスなどで公演を行う。1997年からは日本を本拠地として活動を続けている。2006年度青山音楽賞受賞。現在、東京在住。落語、歌舞伎など、日本の伝統文化にも造詣が深い。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇コンサート情報

2012-03-29 10:31:02 | コンサート情報

 

<コンサート情報>


~インバルと辻井伸行が共演  東京都交響楽団第733回定期演奏会~
 
ショパン:ピアノ協奏曲第1番

ショスタコーヴィチ:交響曲第10番

指揮:エリアフ・インバル

管弦楽:東京都交響楽団

ピアノ:辻井伸行

会場:東京文化会館

日時:4月20日(金) 午後7時

 指揮のエリアフ・インバル(1936年生まれ)は、イスラエル出身の指揮者で、パリ音楽院に学ぶ。1974年にフランクフルト放送交響楽団の音楽監督となり、同交響楽団の黄金時代を築く。2001年~2006年、ベルリン交響楽団(現ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団)の音楽監督。現在、東京都交響楽団プリンシパル・コンダクター(2008年―2012年)、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者(2009年―2012年)を務める。

 ピアノの辻井伸行(1988年生まれ)は、東京音楽大学付属高等学校(ピアノ演奏家コース)卒業。1999年、全国PTNAピアノコンペティションD級で金賞を受賞。2005年、第15回ショパン国際ピアノコンクールで「ポーランド批評家賞」を受賞。2009年、アメリカで開催されたヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人として初めて優勝した。現在、上野学園大学在学中。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽CD◇モーツァルト:セレナード 第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク(小夜曲)」他

2012-03-27 10:30:44 | 管弦楽曲

モーツァルト:セレナード 第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク(小夜曲)」  
        :ディヴェルティメント第1番
        :ノットルノ
        :ディヴェルティメント第3番

指揮:ウィリー・ボスコフスキー

管弦楽:ウィーン・モーツァルト合奏団

CD:DECA 425 745‐2

 このCDは、ウィリー・ボスコフスキー(1909年―1991年)とウィーン・モーツァルト合奏団とがモーツァルトのセレナードとディヴェルティメントの作品を録音した中の1枚だ。実に暖かみのある演奏であり、その音色は羽根毛を想わせるように優雅であり、かつ典雅な趣が滲み出ている。何かこのような演奏を聴くと一瞬ホッとした感覚に身を委ねてしまい、下手な理屈はもうどうでもいい、といった気分になってしまう。科学技術が進み、生活のテンポも早くなった現代社会では、通常の生活においては、こんな感覚はまあ滅多に味わうことはない。それだけにウィリー・ボスコフスキー&ウィーン・モーツァルト合奏団が残してくれたこの一連の録音(1970年代)は、現在でもその輝きが少しも失せることなく、逆にその存在感はますます大きいものになっているようにも感じられるのである。最近、古楽器を使った演奏がちょっとしたブームとなっているが、ウィリー・ボスコフスキー&ウィーン・モーツァルト合奏団の演奏は、現代楽器によるものでもあるにもかかわらず、何か、いにしえの雅さが溢れている。逆に古楽器を使った演奏でも、現代的な演奏によってがっかりさせられることも少なくない。私などは、この意味からもこの録音は、永久保存盤であってほしいとすら感じている。

 ウィリー・ボスコフスキーは、オーストリア生まれのヴァイオリニスト兼指揮者。1949年から1970年まで、ウィーンフィルの第1コンサートマスターを務めた。しばしば来日し、NHK交響楽団などを指揮している。1961年には腕の故障で退団を余儀なくされたワルター・バリリに代わってバリリ弦楽四重奏団を引継ぐなど、室内楽でも活躍。ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団の首席指揮者も務め、ヴァイオリンを弾きながら、時折弓を振りつつ指揮するやり方で、シュトラウス一家のワルツやポルカなどを演奏した。要するに根っからのウィーン流の演奏をする大家であり、我々がイメージするウィーンの音楽家の典型のような演奏家であった。現在でもウィーン流の演奏をする演奏家は多いが、何かショウ的なつくられた演奏といった感じがしないでもない。これに対し、ウィリー・ボスコフスキーの演奏は、根っからウィーン風が息づいており、少しの不自然さも感じさせないところが大きく違うのだ。ある意味では、現在ではウィリー・ボスコフスキーのような、“正調ウィーン節”を聴かせてくれる演奏家は、既に絶滅してしまったのかもしれない。

 アイネ・クライネ・ナハトムジークは、モーツァルトが書いたセレナードの13番目に当る曲で、「小さな夜の曲」という意味であり、日本ではしばしば「小夜曲」と表示される。歌劇「ドン・ジョバンニ」を書いていた最中の1787年8月に作曲された。全部で4つの楽章からなっており、通常、弦楽合奏、弦楽四重奏あるいは弦楽五重奏によって演奏される。何とも軽快なメロディーに溢れており、誰からにも親しまれるところから、モーツァルトの作品の中でも最も人気のある作品の一つである。第1楽章は、誰もが口ずさみたくなるような軽快なアレグロである。第2楽章は、ゆったりとしたテンポで進むロマンツェで、第1楽章を受けたように爽やかな印象が強く残る。第3楽章は、メヌエットとアレグレットで、舞曲風の雰囲気がリスナーすべての心を和ましてくれる。第4楽章は、ロンドの終楽章で、格調高く、凛々しく曲が進行し、如何にもモーツァルトらしい一点の曖昧さもない、歯切れの良さが曲全体を盛り上げる。ウィリー・ボスコフスキー&ウィーン・モーツァルト合奏団は、小股の切れ上がったような演奏とでもいうのが相応しいような、颯爽とした演奏を聴かせてくれる。「この演奏を聴かずして“ウィーン風などと言ってほしくない」という感じにも捉われてしまうほどの演奏ではある。

 ディヴェルティメント第1番は、1769年から1771年にかけて父レオポルトと共にイタリアへ旅行した際に作曲されたとされている。セレナードは、貴族の屋外パーティーなどで演奏される曲であるのに対し、ディヴェルティメント(喜遊曲)は、貴族の家において室内での食事の際に演奏されたとされる室内楽という。現在の我々が聴いてみると、セレナードとディヴェルティメントの違いが明確に聴き分けられるようにも思えないし、あまりその違いを意識して聴く必要性もないと思う。このディヴェルティメント第1番は、とにかく軽快で聴いているだけで楽しくなる曲だ。如何にもモーツァルトらしい軽快なメロディーが次から次に現れ、あっという間に曲が終わる感じだ。ウィリー・ボスコフスキー&ウィーン・モーツァルト合奏団は、軽々しく、同時にウィーン風の優雅さは損ねないで演奏するので、リスナーは暫し日常の喧騒から離れた夢の世界に佇むことができる。ディヴェルティメント第3番は、曲想は第1番と大きな違いはないが、より優雅さと力強さが広がりを見せ、奥行きがある曲といった感じがする。そんな微妙な違いをウィリー・ボスコフスキー&ウィーン・モーツァルト合奏団は、巧みに演じている。第3楽章めの弦楽器のピチカートなどは、このコンビの味わいがよく出ている。(蔵 志津久)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇コンサート情報

2012-03-26 10:31:17 | コンサート情報

 

<コンサート情報>

 

~ピアノ連弾~デュオ~ソロ「PIANO×PIANO」 日本演奏連盟第24回クラシックフェスティバル~

【第1部】連弾~デュオ
シューベルト:幻想曲ヘ短調
 ピアノ連弾/ピアノデュオドゥオール 藤井隆史&白水芳枝
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
 2台ピアノ/伊藤恵&北村朋幹
サン=サーンス:動物の謝肉祭
 2台ピアノ/デュオ・グレイス 高橋多佳子&宮谷理香
ベートーヴェン/小林仁編曲:交響曲第8番第1楽章
 2台8手/伊藤恵&北村朋幹、藤井隆史&白水芳枝
 
【第2部】デュオ~ソロ
ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲
 2台ピアノ/迫昭嘉&江口玲
ラヴェル:ラ・ヴァルス
 2台ピアノ/迫昭嘉&江口玲
ラフマニノフ:組曲第2番
 2台ピアノ/寺田悦子&渡邉規久雄
ショパン:幻想ポロネーズ
 ピアノ/清水和音
ショパン:英雄ポロネーズ
 ピアノ/清水和音

会場:東京文化会館大ホール

日時:2012年4月19日(木) 午後6時30分

 日本演奏連盟が年に一度開催する、日本屈指の演奏家多数が集う“クラシックフェスティバル”。2012年はピアノをテーマに、ソロから連弾、2台ピアノ、さらに2台8手まで、ピアノ音楽を存分に楽しめる演奏会「PIANO×PIANO」。出演者は注目の若手からベテランまで豪華な顔ぶれのピアニストが勢揃い。また、日頃はソリストとして活動する名手たちのピアノデュオやアンサンブルも見逃せない。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇新譜CD情報

2012-03-23 10:50:29 | 新譜CD情報

 

<新譜CD情報>

 
~―辻井伸行―映画「はやぶさ 遥かなる帰還」オリジナル・サウンドトラック~

 作曲:辻井伸行

演奏:辻井伸行(ピアノ)/篠崎正嗣ストリングス他

はやぶさ 遥かなる帰還 メイン・テーマ [ピアノ・ソロ版]  辻井伸行
長い旅の始まり
地球スイングバイ
作り手の想い
リアクションホイール
タッチダウン
はやぶさ 遥かなる帰還=葛藤=辻井伸行
リトライ
新たなトラブル
イオンエンジンを巡る葛藤
通信途絶
微かな声を信じて
山口の信念
微かな声
最後の賭け
帰還への加速
父の教え
地球へ 遥かなる帰還
はやぶさ 遥かなる帰還 メイン・テーマ  辻井伸行

CD:エイベェックス・クラシックス AVCL-25751

 東映60周年記念作品として主役に渡辺謙を向かえ完成させた超大作映画「はやぶさ 遥かなる帰還」の音楽を辻井伸行が全面的に担当したCD。テーマ曲に加え、映画音楽全体を辻井伸行が担うのは初めて。航行距離60億km、7年間の苦難の日々を乗り越え、奇跡の帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」の宇宙空間を疾走する映像、人生のすべてを賭けて「はやぶさ」帰還に挑む科学者や技術者たちの苦悩に、辻井伸行ならではの、まさに宇宙的な音楽が寄り添い、映画の感動をより深いものへと導く。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇コンサート情報

2012-03-22 10:31:03 | コンサート情報


<コンサート情報>


~2010年ショパン国際コンクール第2位 インゴルフ・ヴンダーの日本初リサイタル~


モーツァルト:ピアノソナタ第13番

リスト:超絶技巧練習曲集より「夕べの調べ」「マゼッパ」

ショパン:ピアノ・ソナタ第3番
      :アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ

ピアノ:インゴルフ・ヴンダー

会場:紀尾井ホール

日時:2012年4月17日(火) 午後7時

 

 ピアノのインゴルフ・ヴンダーは、1985年、オーストリア生まれ。クラーゲンフルトおよびリンツの音楽院を経て、ウィーン国立音楽大学を卒業。アダム・ハラシェビッチに師事。14歳でウィーン・コンツェルトハウスのシューベルト・ザールにデビュー。2010年、ショパン国際コンクールで第2位受賞、併せてコンチェルト賞、幻想ポロネーズ賞など特別賞を受賞し、ショパンの名手としてその名を世界に知らしめた。2011年には、ショパン国際コンクールの受賞者と共に日本へのツアーを行い、大成功を収める。現在、世界各国で演奏活動を展開している。2011年1月、ドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、同年6月にデビュー・アルバム「幻想ポロネーズ~ショパン・リサイタル」をリリースした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽CD◇エリー・アメリンクのモーツァルト&シューベルト歌曲集

2012-03-20 10:32:39 | 歌曲(女声)

~モーツァルト&シューベルト歌曲集~

<モーツァルト曲>
静けさがほほえみながらK.152
鳥よ,年ごとにK.307 
寂しい森の中でK.308 
すみれK.476 
魔法使いK.472 
別離の歌K.519 
ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時K.520 
夢のすがたK.530 
可愛い糸紡ぎK.531 
夕べの想いK.523 
クローエにK.524 
春へのあこがれK.596 

<シューベルト曲> 
糸を紡ぐグレートヒェンD.118 
歌の中の慰めD.546 
音楽に寄すD.547 
ガニメードD.544 
春のおもいD.686 
恋はいたるところにD.239―6 
笑いと涙D.777 
セレナーデ~きけ,きけ,ひばりD.889 
ズライカI:吹きかようものの気配はD.720 
ズライカII:ああ、湿っぽいお前の羽ばたきがD.717 
エレンの歌III:アヴェ・マリアD.839

ソプラノ:エリー・アメリンク

ピアノ:イエルク・デムス

CD:東芝EMI OC30‐9018

 オランダ生まれのリリック・ソプラノ、エリー・アメリンク(1933年生まれ)の歌声は、明るく澄んでおり、一点の曇りもない青い空を眺めているような、清々しさに加え可憐さも感じる。ドイツのソプラノのエリーザベト・シュヴァルツコップ(1915年―2006年)の声も美しいのではあるが、格調が高く、近寄りがたい気品に満ちている。それに対してエリー・アメリンクの歌声は、大変親しみやすく、気軽に聴くことができる。気軽に聴くことができる、とは言っても曲の捉え方は、実に正統的なものであり、少しも乱れはないのだが、歌声自体に温もりがあり、聴いていて何か心安らぐ雰囲気を辺りに醸し出すのだ。そのエリー・アメリンクがモーツァルトとシューベルトのリートの名曲を録音したのがこのCDである。既にアメリンクは、引退しているので、その意味でも貴重な録音には違いない。

 エリー・アメリンクは、当初からリート歌手に専念して、オペラ歌手とは一線を引いていた。ヨーロッパの歌手のほとんどは、オペラ歌手の傍らリート歌手もしますよ、というケースがほとんどであり、この意味からエリー・アメリンクの存在は特筆される。日本においては、オペラはそうしょっちゅう聴けるものではないが、リートのリサイタルの数は比較的多い。フィッシャー・ディースカウが来日の折「ドイツにいるとリートは死んだと思っていたがたが、日本で生きていた」と言った程である。この点でもエリー・アメリンクは、リート好きの日本人に特に愛されたソプラノ歌手であったろうと思う。エリー・アメリンクは、1958年にジュネーブの国際コンクールで優勝し、以後歌手としての道を歩んだ。歌い方は、大変丁寧で緻密なもので、この点からも日本での評価は高いものがあった。このことを本人も認識していたのか、山田耕筰や中田喜直などの歌曲を日本語で歌ったほどで、引退後も公開講座のために来日するなど、日本との関係は深い歌手であった。

 このCDは、そんな歌声にぴったりのモーツァルトとシューベルトの有名なリートが納められており、類稀な彼女の美しい歌声を思う存分堪能することができる。このCDの第1曲目に収められた、モーツァルトの「静けさがほほえみながら」を聴いてみよう。モーツァルトの翳りのない美しいメロディーに乗ってエリー・アメリンクの、それはそれは美しい歌声がリスニングルーム一面に広がる。エリー・アメリンクの顔は見られないものの、題名にあるように、彼女がほほえみながら歌っているに違いないとさえ思わせる歌声なのだ。現在でも、歌のうまいソプラノは沢山いるだろうが、こんなに聴いていてリスナーの心を和ませてくれる歌手は、あまりいない。というよりは、ほとんどいないと言った方が正確であろう。モーツァルトの最後の曲「春へのあこがれ」も、こんなに情感が篭った歌い方をした例を、これまで私は聴いたことがないほどだ。

 シューベルトの第1曲「糸を紡ぐグレートヒェン」も、如何にもエリー・アメリンク独特の歌い方に思わず聴き惚れてしまう。通常、この曲は暗く思わせぶりに歌うもであるが、エリー・アメリンクは自己の美学を決して捨てようとしない。あくまで、彼女の美意識に立ったシューベルトなのである。そして、最後の「アヴェ・マリア」は、彼女の歌の特質と曲とが完全に一体化して、この世のものとも思われないような、崇高な美しさに溢れかえった世界が目の前に出現する。こんな歌い方ができるソプラノは、もう出てこないのではないか、とさえ感じさせる完成度の高い、同時に暖かみに満ちた歌声なのである。なお、ここでのピアノ伴奏は、オーストリア出身のイエルク・デムス(1928年生まれ)である。先頃来日したパウル・バドゥラ=スコダ(1927年生まれ)およびフリードリヒ・グルダ(1930年―2000年)とともに昔「ウィーンの三羽烏」と呼ばれたピアニストで、ここではエリー・アメリンクとぴたりと息のあった伴奏を聴かせている。(蔵 志津久)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇コンサート情報

2012-03-19 10:56:40 | コンサート情報


<コンサート情報>

 

~札幌交響楽団 東京公演 ホクレン・クラシック・スペシャル2012~

ベートーヴェン:交響曲第7番
        :交響曲第5番「運命」

指揮:尾高忠明

管弦楽:札幌交響楽団

会場:サントリーホール

日時:2012年3月21日(水) 午後7時

 2011年、創立50周年記念として2度目のベートーヴェン・ツィクルスに取り組んだ尾高忠明指揮札幌交響楽団、創立51年目の春に“運命”のベートーヴェン名曲プログラム。札幌交響楽団は1961年発足。北海道唯一のプロ・オーケストラとして「札響」の愛称で長く親しまれ、2011年には創立50年を迎えた。現在、音楽監督・尾高忠明、正指揮者・高関健、首席客演指揮者・ラドミル・エリシュカという指揮者陣。尾高の指揮の下で2001年の英国と2005年の韓国公演を実施。2011年5月には、札響創立50周年を記念したヨーロッパ演奏ツアーとして英国のロンドン、ドイツのミュンヘン、デュッセルドルフ、イタリアのミラノ、サレルノの3カ国5都市で公演、各地で絶賛を博した。2011年9月からは、もうひとつの50周年記念事業として、尾高とベートーヴェンの交響曲全曲の演奏会とCD収録に取り組んでいる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇新譜CD情報

2012-03-16 10:31:14 | 新譜CD情報


<新譜CD情報>

 
~クラウディオ・アバドのモーツァルト:協奏交響曲&フルートとハープのための協奏曲~

 

 モーツァルト:オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンと管弦楽のための協奏交響曲
        
         :フルートとハープのための協奏曲

指揮:クラウディオ・アバド

管弦楽団:モーツァルト管弦楽団

演奏:ルーカス・マシアス・ナヴァッロ(オーボエ)、アレッサンドロ・カルボナーレ(クラリネット)、ギヨーム・サンタナ(ファゴット)、アレッシオ・アレグリーニ(ホルン) ジャック・ズーン(フルート)、レティツィア・ベルモンド(ハープ)

録音:2008年5-6月、ボローニャ

CD:ユニバーサル ミュージック(ドイツ・グラモフォン)UCCG-1558 (日本盤のみSHM-CD)

 アバド&モーツァルト管弦楽団によるモーツァルト管楽器のための協奏曲シリーズの第2弾。今回は協奏交響曲とフルートとハープのための協奏曲。指揮のクラウディオ・アバド(1933年生まれ)は、これまでウィーン国立歌劇場音楽監督、ベルリン・フィル芸術監督などを務めた。現在は、自身が組織した若手中心のオーケストラであるマーラー室内管弦楽団、モーツァルト管弦楽団なと活動することが多いという。今回、そのアバドが現代を代表する名手を揃えて、モーツァルトの協奏曲を録音した。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇コンサート情報

2012-03-15 10:30:05 | コンサート情報

 

<コンサート情報>

 

~漆原啓子&練木繁夫 初めての1日でベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会~

<1>ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第1番/第2番/第3番/第4番/第5番「春」

<2>ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第6番/第7番/第8番/第9番「クロイツェル」/第10番

ヴァイオリン:漆原啓子

ピアノ:練木繁夫

会場:東京文化会館小ホール

日時:2012年3月17日(土) <1>午後2時/<2>午後6時

 1日でベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全曲を演奏する初の試み。全10曲が2公演に分けられ、番号順に演奏される。作曲者の創作の軌跡をなぞりながら追体験できるのは、全曲演奏会ならではの楽しみ。ヴァイオリン:漆原啓子とピアノ:練木繁夫の二人は、昨年3年越しとなる「ヴェートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ全集」のレコーディングを完結させたばかり。名コンビによる突き詰められた完成度の高い演奏が期待できる。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする