★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇コンサート情報

2009-10-30 09:09:56 | コンサート情報

 

                  <コンサート情報>


ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」/第14番「月光」/第17番「テンペスト」/
         第23番「熱情」

ピアノ:ゲルハルト・オピッツ

会場:横浜みなとみらいホール

日時:09年11月27日(金) 午後7時

チケット:横浜みなとみらいホールチケットセンター、チケットぴあ、イープラス、ローソ
      ンチケット

 ピアノのゲルハルト・オピッツは、1953年、ドイツ・バイエルン州に生まれる。11歳で公式の場でモーツアルトのピアノ協奏曲を演奏。1973年ヴィルヘルム・ケンプと出会い、師事し、ケンプの意思で、後継者として音楽的伝統を引き継ぎことになった。1977年、第2回アルトゥール・ルービンシュタイン・コンクールで優勝を果たす。1981年には、ミュンヘン国立音楽大学で開校以来最も若い教授となる。近年はリッカルド・ムーティの信頼厚く、各地で共演を行っている。これまで発売されたCDは、30枚を超えている。05年ー08年に「ベートーヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会」を日本で開催し、絶賛を受ける。2010年からは、日本において「シューベルト・チクルス」を開催予定。

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◇クラシック音楽CD◇オーマンディのチャイコフスキー:交響曲第5番/弦楽セレナード

2009-10-29 09:14:13 | 交響曲(チャイコフスキー)

チャイコフスキー:交響曲第5番/弦楽セレナード

指揮:ユージン・オーマンディ

管弦楽:フィラデルフィア管弦楽団

CD:ソニー・エンターテインメント(ジャパン) SRCR 8881

 チャイコフスキーの交響曲第5番も弦楽セレナードも、クラシック音楽の定番ともいえる名曲であり、これまで無数といっていいほどの録音が残されている。つまり、ある意味では、もうお腹いっぱいといった感じの名曲なのであるが、その芳醇で華麗な響きで“フィラデルフィア・サウンド”という名で親しまれてきた、ユージン・オーマンディ(1899年ー1985年)とフィラデルフィア管弦楽団のコンビの演奏となると、状況がまた違ってくる。私にとってお腹いっぱいどころか、空腹状態で、もっと食べたいという風に状況がたちどころに違ってくるのである。指揮者とオーケストラが、これほど密接な関係にある例を、私はほかに知らない。

 つまり、指揮者とオーケストラとが一体化し、極上の音楽を紡ぎだしているのである。オーケストラは、指揮者が次に何を要求するのかを知り尽くしており、決して指揮者に引っ張られて演奏しているという感じが全くしないので、聴いていて爽快な気分に浸れる。何よりも響きが豊かでまろやかなところがいい。しかも、いかにもアメリカの風土で培われた、明快で曖昧さのない、伸びやかな明るさが、ヨーロッパの伝統のあるオーケストラとは一線を画している。アメリカ独特の大衆性の重視といった姿勢に一貫として貫かれている。このため、主にヨーロッパのオーケストラの渋みのある響きを好む、音楽評論家の先生達には、必ずしも受けはいいとはいえないようなのだ。

 例えば、「新版 クラシックCDの名盤」(宇野功芳/中野雄/福島章恭共著、文春文庫)で、チャイコフスキーの交響曲第5番のところを見てみると・・・「ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル」「モントゥー/ロンドン響」はあっても、「ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管」が見当たらないのである。それなら私はあえて「ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管」を、意地になってもこの場で推そうと、心に決めた。

 このCDの録音データによると、交響曲第5番が1959年1月25日、弦楽セレナードが1960年4月10日で、フィラデルフィアのブロードウッド・ホテルでの録音だそうだ。ということはオーマンディが60歳くらいの録音であり、正に油の乗り切った、充実した演奏を披露してくれている。ユージン・オーマンディは、ハンガリーのブタペストに生まれている。そして、ブタペスト王立音楽院でヴァイオリンを学んだ。つまり、あの豊穣の音の響きの源泉は、東欧の弦の響きにあったわけである。1921年、オーマンディ22歳のとき米国に渡り、指揮者に転向、37歳のときに、レオポルド・ストコフスキーとともにフィラデルフィア管弦楽団の共同指揮者となっている。以後、音楽監督として実に42年にわたり同管弦楽団に在籍。要するに、東欧の弦の響きと米国の開放感とが一体化したところに“フィラデルフィア・サウンド”が生まれ、育ったのだ。(蔵 志津久)

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◇クラシック音楽◇コンサート情報

2009-10-28 09:16:04 | コンサート情報

 

                   <コンサート情報>


ドヴォルザーク:交響曲第8番/第9番「新世界より」

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット

管弦楽:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

会場:東京文化会館

日時:09年11月25日(水) 午後7時

チケット:カジモト・イープラス、電子チケットぴあ、イープラス、CNプレイガイド、ローソ
      ンチケット、東京文化会館チケットサービス

 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団は、1896年にドヴォルザークの指揮で第1回コンサートを開催したという名門中の名門オーケストラ。これまでターリッヒ、クーベリック、アンチェル、ノイマンなどの著名な指揮者が首席指揮者を務めてきた。03年からはチェコ人のズデネク・マルカが首席指揮者に就任し、チェコのオーケストラとしての個性に磨きをかけた。今回は、名匠ヘルベルト・ブロムシュテットが率いての来日。

 指揮者のヘルベルト・ブロムシュテットは、1927年米国でスウェーデン人の両親のもとに生まれる。これまでドレスデン・シュターツカペレ首席指揮者、サンフランシスコ交響楽団音楽監督、ハンブルグ北ドイツ放送交響楽団首席指揮者、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団第18代カペルマイスターを務めてきた、現代の指揮者を代表する巨匠。NHK交響楽団の名誉指揮者でもある。

http://www.t-bunka.jp/

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◇クラシック音楽CD◇ピリスのショパン:ワルツ全集

2009-10-27 10:37:09 | 器楽曲(ピアノ)

ショパン:ワルツ全集(第4番/第5番/第6番/第9番/第7番/第11番/第10番
             /第14番/第3番/第8番/第12番/第13番/第1番/第2
             番)

ピアノ:マリア・ジョアオ・ピリス

CD:RVC(ΣRATO) RECD-2825

 私の大好きで、敬愛するピアニスト、マリア・ジョアオ・ピリスは、ポルトガルのリスボンで、1944年に生まれています。記録によりますとこのCDの録音は、1984年2月にパリのアドヤール・ホールおいて行われたとありますから、ピリス40歳の時の演奏ですね。そこにはピアニストとして成熟に向かう、実に若々しいピリスのショパンが存分に聴くことができる、ピリス・ファンにとっては、誠に貴重な1枚なのです。ここでのピリスは、天衣無縫ともいえる軽快で、うきうきするような気分のショパンのワルツ全曲を披露してくれています。そしてなりより、遅すぎもなく、早すぎることもなく、優雅で流れるようなショパンが通り過ぎていく雰囲気は、何事にも代えられない至福の一時なのです。こんなに完璧にショパンのワルツを弾いている例は、私はリパッティ盤以外に一度も聴いたことがありません。

 リパッティのショパンのワルツ全集は、完璧なまでに無駄をそぎ落として、何か魂の叫びのような、やるせない気分が横溢していますが、このピリス盤は、逆に、ショパンの精神を肯定的捉え、しかし、単なる“踊り”の音楽ではない、何か詩的な雰囲気を漂わせているのが特徴です。そうなんです、ピリスの弾くショパンのワルツは、“抒情詩”そのものでもあるのですね。ショパンは、これらのワルツの多くをパリの社交界の寵児として過ごしたときに作曲したようですが、ショパンが真に凄いのは、そんな浮かれた社交界の中にあっても、決して人間の真の姿を見失わず、うわべだけの音楽に終わらせなかったことだったんではないでしょうか。今の我々が聴いても心を打たれることが、このことを証明していると思うのです。ショパンはよく“ピアノの詩人”といわれますが、ピリスは詩人としてのショパンを弾き出そうとしたのではないかなぁと、このCDを聴きながら思いました。もし、ピリスに会うことができたら「ピリスさん、あなたにとって、ショパンとはどんな存在ですか」と聞いてみたいものです。

 来年の2010年は、シューマン生誕200年と同時にショパン生誕200年にも当る記念すべき年です(シューマンとショパンは同い年だったんですね。恥ずかしながら初めて気づきました)。このため、わが国でも、いろいろな演奏家が来日し、見事な演奏を聴かせてくれるでしょう。今から楽しみです。コンサートといえば私は、今年4月22日に東京の「すみだトリフォニーホール」で行われた、ピリスとチェリストのパヴェル・ゴムツィアコフのコンサートを聴くことができました。このコンサートは、通常のコンサートとは、いささか異なり、ショパンの部屋でショパン(ピリス)が演奏しているところを、聴衆とチェリストが一緒になって聴いているような場面設定にしたようで、雰囲気を壊さぬよう、曲間の拍手も“禁止”されました。

 ここで、ピリスは、ショパンのピアノソナタ第3番などを演奏しましたが、円熟の極にあるピリスの演奏は、CDのワルツ全集とは異なり、深みのある、どことなく望郷の思いを乗せて、ショパンの心情を代弁するかのような演奏に満足させられました。ピアノ演奏は、ピアニストの置かれた正に“今の姿”を如実に反映するものなのですね。このとき配られたコンサートの資料には、ピリスの最近の活動のようすが次のように書かれていました。「1999年に芸術研究のためのセンター、ベルガイシュを創立、現在、ベルガイシュにおける哲学と教育を、スペインのサラマンカやブラジルのバヒアに広めている。05年、“アート・インプレッションズ”という演劇、ダンス、音楽の実験的グループを結成した」。ピリスはまだまだ進化しているようです。(蔵 志津久)

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◇クラシック音楽◇コンサート情報

2009-10-26 09:22:22 | コンサート情報

 

                                           <コンサート情報>


ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番
ドビュッシー:前奏曲集より(音と香りは夕べの大気の中に漂う/西風の見たもの/
                                     亜麻色の髪の乙女/花火)
ショパン:舟歌
ショパン:12の練習曲 Op.10

ピアノ:アレクセイ・ゴルラッチ

会場:浜離宮朝日ホール

日時:09年11月12日(木) 午後7時

チケット:コンサートイマジン、朝日ホールチケットセンター、チケットぴあ、東京文化
      会館チケットサービス

 ピアノのアレクセイ・ゴルラッチは、1988年ウクライナ、キエフに生まれる。ドイツ、ハノーファー音楽大学に学ぶ。02年ベルリンのスタインウェイ・ピアノ・コンクールをはじめとして、05年ショパン国際ピアノコンクールでセミファイナリストとしてディプロマを受賞、06年浜松国際ピアノ・コンクール第1位など、これまで合わせて10の国際コンクールでの優勝を誇る。ソリストとしてウクライナ国立管弦楽団、NHK交響楽団などのオーケストラと共演をしている

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◇クラシック音楽◇コンサート情報

2009-10-23 09:24:29 | コンサート情報

 

                    <コンサート情報>


ショパン:華麗なるワルツ Op.34-1、Op34-2、Op34-3
シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化
ショパン:ポロネーズ第15番、第16番
プーランク:フランス組曲

ピアニスト:スタニスラフ・ブーニン

会場:サントリーホール

日時:09年11月8日(日) 午後7時

チケット:サントリーホールチケットセンター、イープラス、チケットぴあ、ローソンチケ
      ット、CNプレイガイド、楽天チケット東京文化会館チケットサービス、全日
      本ピアノ指導者協会

 ピアノのスタニスラフ・ブーニンは、1966年モスクワで生まれる。旧ソビエト・ピアノ界の重鎮のネイガウスが祖父、ポーランドの作曲家シマノフスキーの血筋を引く。1983年、史上最年少の17歳でパリのロン=ティボー国際コンクール優勝。1985年第11回ショパン国際ピアノコンクール優勝し、併せてコンチェルト賞およびポロネーズ賞受賞。1988年にはドイツに移住し、ヨーロッパ各地で活動し、好評を得る。06年11月に日本デビュー20周年記念ツアーを全国8カ所で開催。08年11月からは、“ピアノのフェラーリ”と呼ばれる1978年創業のイタリアのファツィオリ社製のピアノ「ファツィオリ」を弾いている。日本在住で妻は日本人。息子の甲斐セバスチャン・ブーニンもピアニストの道を歩んでいる。

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◇クラシック音楽CD◇フルトヴェングラー/ベルリンフィルによるベートーヴェン;第5番/第7番ライブ録音

2009-10-22 09:14:44 | 交響曲(ベートーヴェン)

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」/交響曲第7番

指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー

管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

CD:ポリドール(独グラモフォン) F20G 29088

 09年4月14日付けの当ブログで、フルトヴェングラー指揮/ベルリンフィルのライブ録音によるベートーヴェン:交響曲第4番とヘンデル:合奏協奏曲第10番のCDを紹介したが、今回のCDは、この一連のシリーズの中の1枚で、ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」と第7番とが収められている。内容はというと、歴史的録音に相応しい、記念碑的名演奏を聴くことができる。人類が生んだ最高の作曲家はベートーヴェンであり、今に至るまでべートーヴェンに比肩しうる作曲家は出ていない。そして、人類が生んだ最高の指揮者はフルトヴェングラーであり、これまたフルトヴェングラーに比肩しうる指揮者はこれまで現れていない。人類は、あと何年待てばベートーヴェンを超える作曲家、さらにフルトヴェングラーを超える指揮者を得られのであろうか・・・。

 というわけで、ベートーヴェンとフルトヴェングラーの組み合わせの録音は、望みうる最高の音楽へと、我々リスナーを導いてくれるわけであるが、幾つかある二人の組み合わせの録音の中でも、私は今回紹介するライブ録音が望みえる最高な録音であると確信している。その迫力は、並みのライブ録音などでは到底聴くことのできないもので、何か神がかりな鬼気迫るものを感ずるほどである。よくディオニソス(激情的陶酔)的演奏という表現が使われるが、ここでのフルトヴェングラーの指揮ぶりは、正にディオニソス的演奏そのもので、ベートーヴェンがいばらの人生を歩みながら、やっと辿りついた境地を、余すところなく我々リスナーに開示してくれている。その意味で、このベートーヴェンの2つの交響曲の録音は、現在の人類が持ちうる最高の演奏といっても過言ではないのだ。

 ところで、何故このような鬼気迫る演奏を生むことができたのか。それには演奏時の歴史的背景があるのである。第5番が1943年6月30日、第7番が1943年11月3日の録音で、場所がドイツのベルリン。当時はナチスがドイツを制圧しており、しかも徐々にナチス・ドイツが追い詰められ始めていた頃に当る。ナチス・ドイツの歴史を見てみると、1943年2月に「スターリングラードの戦い」があり、バウルス元帥率いる第6軍がソ連軍に降伏している。そして、同年7月25日にはイタリアでムッソリーニ首相が逮捕され、9月8日にはイタリアが連合国に降伏している。このような敗色漂う中、その間に第5番の録音はベルリンで行われたのである。また、有名な「ノルマンディー上陸作戦」は1944年6月6日に開始されたが、第7番の録音は、この半年前に行われたということになる。正にベルリンは、危機迫る状況にあったわけで、この合間に行われた演奏会場の雰囲気も察しがつく。コンサートの会場は、当時の戦況を色濃く反映したものになっていたであろう。

 それでは、何でこんな危険な場所で、フルトヴェングラーは指揮棒を振ったのであろうか。この辺の経緯については、フルトベングラーに関する専門書に詳しいのだが、このCDのライナーノートには次のように書かれているので紹介しよう。「・・・当時フルトヴェングラーは、ドイツを離れないために痛烈な非難を浴びていたのだが、彼はアーノルド・シェーンベルクの言葉に従ったのだった。―『あなたはここに残って、良い音楽を指揮しなさい』」(デイヴィッド・ケアーンズ著/横井雅子訳)と。このCDの録音は戦時下にあっては良く録れている。これは戦前ドイツのテープ技術は世界最高のレベルにあったからそうだ。マイクロフォン、テープ素材の改良に加え、1940年頃に3ヘッドのオープンリールレコーダーが開発されたことにより、長時間の録音が可能となり、また、テープノイズも格段に軽減されたとある。テープの提供は自由ベルリン放送協会からだが、ソ連軍によって接収され、以後40余年にわたって不明だったものが、日の目を見ることができたという、誠に貴重な録音なのである。(蔵 志津久)

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◇クラシック音楽◇コンサート情報

2009-10-21 09:08:44 | コンサート情報

 

                  <コンサート情報>


モーツアルト:ロンドKV485/ロンドKV511/ピアノソナタ第1番/ピアノソナタ第5番
        /ピアノソナタ第8番/ピアノソナタ第15番
ウェーベルン:ピアノのための変奏曲Op.27
シェーンベルグ:6つの小さなピアノ曲Op.19

ピアノ:菊池洋子(ナビゲーター&フォルテ/モダンピアノ)

会場:東京文化会館 小ホール

日時:09年11月6日(金) 午後7時

チケット:東京文化会館チケットサービス、チケットぴあ、イープラス

 ピアノの菊池洋子は、1993年桐朋学園女子高等学校音楽科入学。卒業後、イタリアのイモラ音楽院に留学。1997年ミラノにおいてソロ・リサイタルを開催。02年1月ザルツブルグで行われた第8回モーツアルト国際コンクールにおいて日本人として初めて優勝する。05年初のソロCD「モーツアルト・アルバム」(エイベックス)で「第18回ミュージック・ペンクラブ賞」受賞。07年「第17回出光音楽賞」受賞。群馬県前橋市出身。

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◇クラシック音楽CD◇前橋汀子 ベスト・コレクション~ヴァイオリン小品集~

2009-10-20 09:13:30 | 室内楽曲(ヴァイオリン)

~前橋汀子 ベスト・セレクション~

クライスラー:プニャーニのスタイルによるアレグロ/エルガー:愛の挨拶/シューベルト(ヴェルヘルミ):アヴェ・マリア/ドヴォルザーク(クライスラー):スラヴ舞曲/チャイコフスキー:メロディー/パガニーニ(クライスラー):ラ・カンパネラ/メンデルスゾーン(クライスラー):五月のそよ風/ブラームス(ヨアヒム):ハンガリー舞曲第1番/マスネ(マルシック):タイスの瞑想曲/チャイコフスキー(プレス):感傷的なワルツ/プロコフィエフ(ハイフェッツ):「3つのオレンジへの恋」より行進曲/ラフマニノフ(プレス):ヴォカリーズ/ボッケリーニ:メヌエット/サン=サーンス:白鳥/シューベルト:セレナーデ/ドビュッシー(ハイフェッツ):美しき夕暮れ/ドボルザーク(クライスラー):わが母の教え給えし歌/ヴィターリ:シャコンヌ

ヴァイオリン:前橋汀子

ピアノ:前橋由子/若林 顕/東 誠三

CD:ソニー・ミュージック・ジャパン・インターナショナル SICC 10070

 このCDは、日本を代表するヴァイオリニストの前橋汀子が、1984年~2000年にかけて録音した「ヴァイオリン小品集100」(全6作)から選曲された18曲を収録したベスト盤である。これらの曲を見ると華やかな曲がちりばめられているので、ともするとムードに流れた、バックグランド音楽みたいな演奏の感じを受けるかもしれないが、前橋汀子がこれらのヴァイオリンの小品を弾くと、1曲1曲が実に滋味溢れた曲に変身し、何か曲の中にリスナーが引き込まれ、その曲が本来持っている魅力に改めて気が付かされるような気分になれる。

 実は、私は以前、ヴァイオリンというと直ぐグリュミオーを思い出し、その甘美なまでの美しい音色に慣れ親しんでしまい、それ以外のヴァイオリンの音色には拒否反応を起こしてしまうという状況にあった。いってみれば、フランコ・ベルギー楽派のあくまで、自然で合理的なボウイング、細かなニュアンス、美しい音色に魅せられていたのである。そのため前橋汀子の師であるシゲティのヴァイオリンの奏法などには抵抗感を抱いていた。しかし最近になってヴァイオリンの演奏を聴いてみると、シゲティの奏でる、ヴァイオリンの表面的な音色の美しさでなく、どちらかといえば荒削りではあるが、その曲の持つ本質を抉り出すような、滋味溢れた演奏に引き付けられるようになってきている。

 前橋汀子の演奏も、師のシゲティのように、ただ表面的な美しさを追求するのではなく、あくまでその曲の本質に迫り、その曲の持つ究極の美しさを我々リスナーに教えてくれる。その意味で、以前の私であったらなら前橋汀子の奏でるヴァイオリン演奏には惹かれなかったが、今ではこのCDを携帯音楽プレーヤーに入れ、時間があれば常に聴いている。もう何回聴いたか分らないほど聴いてきたこれらの曲が、また新しい魅力を持って私の前に現れてくれる喜びは大きい。ムード音楽的に聴ける演奏もそれはそれで気軽に聴けて楽しいものであるが、前橋汀子の演奏のように、滋味溢れる演奏で、しかも日本人でなければ出せない感性が、今の私とって何ものにも代えがたく、懐かしさで心が満たされる。ともすると無国籍の技巧第一主義がはびこる現在のクラシック音楽界で、前橋汀子の存在感は今後一層光を増すことになろう。

 前橋汀子は、あまりにも著名なヴァイオリニストなので、どのような経歴を持っているのか、これまで気にしてこなかった。そこでこのCDのライナーノートを参考に、経歴を整理してみたい。5歳から小野アンナにヴァイオリンを学び、桐朋学園高校では斉藤秀雄、ジャンヌ・イスナールなどに師事している。17歳で日本人としては初めて旧ソ連国立レニングラード音楽院(現サンクトペテルブルグ音楽院)に留学する。その後、ニューヨーク・ジュリアード音楽院で学び、スイスではヨーゼフ・シゲティ、ナタン・ミルシュテインに薫陶を受けている。そして、レオポルド・ストコフスキーの指揮で、ニューヨーク・カーネギーホールで演奏会デビューを飾る。04年に日本芸術院賞を受賞。現在、大阪音楽大学教授として後進の指導にも当っている。(蔵 志津久)

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◇クラシック音楽◇コンサート情報

2009-10-19 09:22:30 | コンサート情報

 

                   <コンサート情報>


~中村紘子デヴュー50周年~ ピアノ協奏曲の夕べ

  モーツアルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲

  ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番

  ショパン:ピアノ協奏曲第1番

ピアノ:中村紘子

指揮:秋山和慶

管弦楽:NHK交響楽団

会場:NHKホール

日時:09年11月5日(木) 午後7時

チケット:ジャパン・アーツぴあ、電子チケットぴあ、ローソンチケット、N響ガイド、イー
      プラス、東京文化会館チケットサービス

 ピアノの中村紘子は、早くから天才少女として名高く、第28回音楽コンクールで第1位特賞を史上最年少で受賞し、N響初の世界一周の公演ソリストに抜擢される。これまでチャイコフスキー、ショパンなど数多くの国際コンクールの審査員を歴任。また、NHK放送文化賞、紫綬褒章、日本芸術院・恩賜賞、ポーランド共和国コマンダリー勲章などを数多く受賞。09年秋にはデビュー50周年を迎え、全国で記念リサイタルを開催し、同時に「デビュー50周年記念アルバム(10枚組)」を発売。

 指揮の秋山和慶は、1963年に桐朋学園大学音楽学部を卒業。1964年2月に東京交響楽団を指揮しデビューを果たし、同団の音楽監督・常任指揮者を40年にわたり務める。01年紫綬褒賞受賞。現在、東京交響楽団桂冠指揮者、広島交響楽団音楽監督・常任指揮者、九州交響楽団首席指揮者・ミュージックアドヴァイザーを務めている。

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