★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽CD◇レヴァインのワーグナー:管弦楽作品集

2011-12-20 10:28:55 | オペラ

~ワーグナー:管弦楽作品集~

ワーグナー:歌劇「タンホイザー」 序曲とバッカナーレ(ヴェーヌスベルクの音楽)   
       :楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲  
              :歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲  
              :歌劇「さまよえるオランダ人」序曲  
               :楽劇「ヴァルキューレ」から ヴァルキューレの騎行  
:              楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死

指揮:ジェイムズ・レヴァイン

管弦楽:メトロポリタン・オーケストラ

CD:ユニバーサル ミュージック UCCG‐50053

 ベートーヴェン死後、ワーグナーほどクラシック音楽界のそのもののあり方に、大きな影響力を及ぼした音楽家は稀であろう。ワーグナーは作曲家としてより以前は、指揮者としての活動に重点が置かれていた。特にベートーヴェンの第9交響曲に対する思い入れは凄まじく、何とか演奏される機会を増やそうと日夜奮闘努力したようだ。もともと、ワーグナーは、ウェーバーの後継者としてオペラ作家曲者として位置づけられるが、ベートーヴェンの第9交響曲のように、独唱と合唱付きの交響曲には目がなかったというのが本当のところだろう。その指揮ぶりは、ベートーヴェン作品を演奏する時でもかなりロマン派に近い解釈で指揮したようで、主観主義に傾倒した指揮には、支持者も多くいた。一方では、主観主義を排除してあくまで楽譜に忠実に指揮するメンデルスゾーン支持者との間で、軋轢が生じるほどであったという。

 ワーグナーは、オペラ作曲家としては、歌劇をさらに劇的にまで高揚させ、楽劇というジャンルを創造するなど、常に革新的な作曲者として名を馳せた。つまり、ワーグナーの音楽には、常に劇的な側面が圧倒的な比重を占めたいたわけである。これに対し、ブラームスは、人間に一人一人の心の内に秘められた心情を曲として表現し、人間の苦悩や抒情などを表現する作曲家として、リーダー的存在になっていた。ここで、現在でも知られるワーグナー派対ブラームス派の対立という構図を生むことになる。ただ、冷静に考えてみれば、両派は、もともと水と油のような関係で折り合う訳もないことが察しられる。このようにワーグナーは、指揮者としてはメンデルスゾーン派と対立し、作曲者としては、ブラームス派と対立するなど、常にクラシック音楽界に対し、波風を立てていた張本人であったことは確かだ。それだけ、内包した音楽的な理想像は高く、他に威圧感を感じさせるのに充分すぎる存在であり、今でも熱烈な支持者に囲まれている。

 ワーグナーは、純音楽的以外にもその才能を開花させた。自作の歌劇や楽劇を演奏するコンサートホール自体を新設してしまったのである。それがドイツ南部のバイエルン州の小都市バイロイトにあり、毎年7月下旬から8月下旬に開催されるバイロイト音楽祭のワーグナー作品専用コンサートホールである。古今の音楽史上、自作の作品のためだけにコンサートホールを新設したのはワグナー以外にいなかっただろうし、これからも出てこないであろう。このバイロイト音楽祭で演奏するのは、ドイツ各地から選抜された特別編成のオーケストラ。このメンバーに選ばれること自体大変な名誉となっている。さらに、チケットの販売枠5000枚強に対して、全世界から毎年40万件強の申し込みがあるというから、聴けるだけでも名誉なこととなる。バイロイト音楽祭を生で聴くには最低でも8年間は必要とさえ言われているほど。ワーグナーの作品の多くが神話に基づこともあり、第2次世界大戦中はナチの国家意識の高揚に利用されたこともある。一方では、その根源とする思想は、現代にも通じるところがあり、新解釈の演出が毎年なされ、その出来栄えでは顰蹙を買うことも少なからずあるのである。その意味では、ワーグナーは、今でも騒動を巻き起こし続けているとも言えるかもしれない。

 このCDは、そんなワーグナーの歌劇、楽劇で演奏される序曲、前奏曲を中心に、管弦楽で演奏される曲だけをピックアップしてある。独唱、合唱が入らないワーグナー演奏なんてつまらないと思うのは早計だ。ここで取り上げられている管弦楽作品は、ワーグナー作品のエキスともいえるものであり、これらの曲からワーグナーの歌劇、楽劇の全体を想像してみるのも、クラシック音楽の一つの鑑賞方法であろう。ワーグナーの歌劇や楽劇は「一眠りして、起きて聴いても前と変わらない音楽が鳴っていた」という笑い話があるほどに長大な作品である。そうならば、時間に追われている現代人には、このCDのようなワーグナーのエキスが凝縮された録音を聴くのが早道だ。何よりもここでの、アメリカ人指揮者レヴァイン(1943年生まれ)の演奏が素晴らしい。通常、我々がワーグナー作品の演奏で思い浮かべるのが、やたらと大音響で、おどろおどろしいものだ。レヴァインはその逆手でも取るように。ゆっくりと曲の細部が聴き取れるほどの繊細さでワーグナー作品を振っている。しかも、決して雄大さを損ねないで演奏しているところが凄い。レヴァインは、1973年からメトロポリタン歌劇場の芸術監督を務め、長年にわたりオペラ演奏を熟知していることを、このCDから充分に聴き取ることができる。(蔵 志津久)

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◇クラシック音楽CD◇永遠のディーヴァ マリア・カラス

2009-11-19 09:21:00 | オペラ

~マリア・カラス 永遠のディーヴァ~

ある晴れた日に 歌劇「蝶々夫人」より    
恋は野の鳥<ハバネラ> 歌劇「カルメン」より    
歌に生き、愛に生き 歌劇「トスカ」より    
今の歌声は 歌劇「セビリャの理髪師」より    
あなたの声に心は開く 歌劇「サムソンとデリラ」より    
花から花へ 歌劇「椿姫」より    
私は夢に生きたい<ワルツ> 歌劇「ロメオとジュリエット」より    
この宮殿の中で 歌劇「トゥーランドット」より    
亡くなった母を 歌劇「アンドレア・シェニエ」より    
世のむなしさを知る神 歌劇「ドン・カルロ」より    
ありがとう、愛する友よ<ボレロ> 歌劇「シチリア島の夕べの祈り」より    
私は芸術家のしもべ 歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」より    
お仲間の方々……気もはればれと 歌劇「夢遊病の女」より    
苦い涙をそそいで<狂乱の場> 歌劇「ランメルムーアのルチア」より    
清らかな女神よ 歌劇「ノルマ」より    
私のお父さん 歌劇「ジャンニ・スキッキ」より 

ソプラノ:マリア・カラス

指揮/管弦楽:セラフィン指揮・フィルハーモニア管弦楽団/プレートル指揮・フラン
          ス国立放送管弦楽団/デ・サバータ・ミラノ・スカラ座管弦楽団 他

CD:EMIミュージック・ジャパン TOCE 55918

 このCD+DVDの2枚組みのアルバムは、不世出のソプラノ マリア・カラス(1923年ー1977年)が没後30年を迎えた07年、グラミー賞の「功労賞」を受賞したことを受けて、発売されたものなのであろう。タイトルには「カラス・・・それは愛のドラマ “マリア・カラス” 永遠のディーヴァ 最新リマスタリング音源+ベスト貴重映像!」と記されている。没後30年を過ぎてグラミー賞を受賞するということは、異例中の異例である。正に“ディーヴァ(オペラのプリマドンナ=歌姫)カラス”でなければ、到底成し遂げられない偉業なのだ。カラスは、ニューヨーク生まれだが、両親の故国ギリシャに赴き、アテネ音楽院で学んでいる。その後名指揮者セラフィンの支援の下イタリアを本拠地として活動を開始する。1950年スカラ座でのデビュー以後世界の著名な歌劇場に出演し、人気を不動のものにしていった。1974年11月、ワールド・ツアー・コンサートで訪れた札幌公演が最後のコンサートであったという。このときの日本公演の模様は、音楽雑誌なので書かれているが、残念ながら峠を過ぎた歌手という印象が強かったようだ。1977年9月16日に54歳の若さで、パリで亡くなっている。

 このCDでは最良の音質でカラスの歌声が聴かれるのが、何より嬉しい。全16曲を全部聴き終えても、別に長いとは感じられないほど、カラスの歌声は充実し、魅力に富んでいる。一つ一つのフレーズがドラマそのものだ。何かドラマに引きずられて、あたかもリスナーである自分が主役になったような錯覚に陥るほどだ。その魅了の根源はどこからくるのか・・・。一見華やかそうに見えるカラスの人生は、実は苦悩に満ちたものだったとする解説がよくなされるが、そんな苦しみが歌に深みを与え、聴くものを離さないのであろうか。あるいは、役柄への集中度が異常に高く、役になりきっている場面に惹きつけられるのであろうか。大きな包み込むような力強い歌声と、可憐で弱々しい女性的な歌声とを自由自在に描き分けられるところに惹きつけられるのか、私は何回カラスの歌声を聴いても、魅力の根源がどこにあるのか分らない。逆に分らないところが魅力の根源なのかもしれないのだが・・・。

 全16曲を収めたこのCDの中で、音質、曲そのものを含めて、私の好みは次の6曲だ。①恋は野の鳥<ハバネラ> 歌劇「カルメン」より②あなたの声に心は開く 歌劇「サムソンとデリラ」より③世のむなしさを知る神 歌劇「ドン・カルロ」より④私は芸術家のしもべ 歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」より ⑤お仲間の方々……気もはればれと 歌劇「夢遊病の女」より ⑥清らかな女神よ 歌劇「ノルマ」より。ただベルリーニの名作「清教徒」が収められていないのが残念といえば残念なことだ。私は、1957年(カラス34歳の若さ)に米国ダラスで録音されたリハーサルのCDを持っているが、ここで「清教徒」でのカラスの歌いっぷりは壮絶の一言で、聴くうちに自然に涙が零れ落ちてきてしまうほどなのだから。

 “ディーヴァ マリア・カラス”は、過去のあらゆるクラシック音楽家の中で、ひときは聳え立つ存在であり、さしずめ指揮者であったならフルトヴェングラー、ピアニストならリヒテル、チェリストならカザルスなどに比肩し得る、偉大な芸術家の一人であったことを忘れないでおきたい。今、手元に「クラシックジャーナル」誌の創刊号(03年3月1日発刊)があるが、その中に合計32ページわたる「木之下晃アーカイブス 1 マリア・カラス」というグラビア写真集が掲載されている。これは日本公演の時の撮影だと思うのだが、その写真が素晴らしい出来栄えで、見ているだけでカラスの歌声が聴こえてきそうなのだ。(蔵 志津久)

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◇クラシック音楽CD◇森 麻季 イタリア・オペラ・アリア集

2009-08-18 09:07:53 | オペラ

ドニゼッティ:シャモニーのリンダ~“私の心の光”
ベッリーニ:夢遊病の女~“ようこそ皆さん・・・私にとって今日という日は”
ドニゼッティ:ランメルモールのルチア~“彼のあの優しい声が”(狂乱の場)
ベッリーニ:清教徒~あなたの優しい声が”
ロッシーニ:セビリアの理髪師~“今の歌声は”
ヴェルディ:椿姫~“不思議だわ・・・花から花へ”
プッチーニ:ラ・ボエーム~“私が街を行けば(ムゼッタのワルツ)”
プッチーニ:ジャンニ・スキッキ~“私のお父さん”

ソプラノ:森 麻季

指揮:大勝秀也
管弦楽:ヴロツワフ・スコア・オーケストラ

CD:AVEX ENTERTAINMENT INC. AVCL-25115

 このCDは、06年6月22日ー25日、ポーランド放送局大ホールでの録音とあるので、今から3年前の録音である。ソプラノ歌手・森麻季について知ったのはNHKの番組「トップランナー」であったと思う。そのときの司会者との対応の素晴らしさに、思わず引き寄せられてしまった。ともするとクラシック音楽家の関係者は公式ばった対応か、逆にくだけすぎた対応をする人が多い。それに対し、この時の森麻季の対応は、ごく自然体で、気負いもせずに、しかもクラシック音楽の素晴らしさ、楽しさを誰にでも分かるよう説明しきっていた。クラシック音楽が森麻季の体の中に入り込んでしまっていて、それが自然に口から流れ出す。「これは本物だ」と思わざるを得なかった。

 それから、東京オペラシティホールでのリサイタルを聴いたり、ソリストとして登場したコンサートを聴いたり、最近では北トピア(東京)でのリサイタルを聴いた。澄んだ声の美しさと深い曲への解釈力は、抜群のものがある上、会場を包む雰囲気を親密感溢れるものにしてしまう天賦の才も持ち合わしてもいる。リサイタルが終わると何人か聴衆は思わず立ち上がって拍手をするし、聴衆が手を振るとその人に向けて手を振り返すといったことも自然に行われる。この辺のリサイタルでの雰囲気づくりの卓越さは、歌そのものの図抜けた才能をさらに拡大して我々に見せ付ける。

 それに、一児の母になった今でもブログを欠かさず書いていることは、まことにもって感心する。このブログではコンサートの背景や開催後の印象などがこと細かく書かれており、森麻季の音楽性を理解する上では欠かせない存在だ。森麻季は、東京芸術大学在学中に安宅賞を受賞し、文化庁芸術家在外研修員、プラシド・ドミンゴ世界オペラ・コンテストをはじめ多くの国際コンクールでの最優秀賞を受賞するなど、その経歴には輝かしいものがある。我々凡人にとっては、遥か遠くの人のように思ってしまうが、このCDのライナーノートやブログなどを読むと、これまでいかに努力をしてきたか、努力をしているかがよく分かる。イタリアに単身乗り込んで行き、右も左も分からない中でも、希望を捨てないで努力したことが現在につながっていることなどが・・・。

 このCDは、イタリアオペラのハイライト集で、聴き所がたっぷり収められており楽しめる。私の趣味では、最後の2曲、プッチーニの“ムゼッタのワルツ”と同じくプッチーニのジャンニス・キッキ“私のお父さん”が特に好みであり、時々夜中に聴いている。これからも森麻季の国際的な活躍は続くことになろうが、このCDは若き日の森麻季のイタリアオペラを知る上で貴重な1枚といえよう。ところでこのCDの指揮者の大勝秀也は曲全体をうまくまとめている。今後もっと聴いてみたい指揮者の一人だ。(蔵 志津久)

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◇クラシック音楽◇パヴァロティ・イン・ハイドパーク

2008-04-08 21:04:56 | オペラ

曲目:パヴァロッティ・イン・ハイドパーク   
    プッチーニ=歌劇「トスカ」妙なる調和など

演奏:テノール=ルティアーノ・パヴァロッティ   
    レオーネ・マジエラ指揮フィルハーモニア管弦楽団

CD:LONDON POCL-1172  

 昨年亡くなったテノールのルティアーノ・パヴァロッティほど親しまれ、そして尊敬された歌手はそう多くはない。このCDは91年にハイドパークで行われた野外演奏会のライブ録音で、10万人を動員したというから、誠に凄い。  

 このような野外のライブ録音というのは、一種独特の熱気がみなぎり、通常の演奏会とは比較にならないくらいの臨場感が感じられるものだ。このCDもパヴァロッティの美声が圧倒的迫力で聴く者に迫ってくる。また、聴衆の熱狂が肌を通して伝わってくる。  

 歌劇のアリアを歌うパヴァロッティに引き込まれるが、「マンマ」や「オー・ソレ・ミオ」などポピュラーな名曲を歌うパヴァロッティの歌声は実に楽しそうで惚れ惚れする。我々は偉大なテノールをまた一人失ってしまった。(蔵 志津久)

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◇クラシック音楽◇アンナ・モッフォのオペラ・アリア集

2007-07-07 19:54:22 | オペラ
歌劇アリア集:ベルリーニ=夢遊病の女 ベルディ=ファルスタッフ ベルディ=オテロ ベルディ=ラ・ボエーム他

演奏:ソプラノ=アンナ・モッフォ

CD:Legato Classic 3667-47141-2

 アンナ・モッフォは今で言うアイドル的存在のソプラノだった。張りのある透明感を持った歌声はそれだけで魅力的であるが、さらに可愛らしい容姿と相まって聴くものに十分な満足感を与える。そのアンナ・モッフォも昨年亡くなった。なんだかこの世の無情感を持たざるを得ない。このCDは彼女の全盛期のライブレコーディングでオペラのアリアを聴かせる内容だが、まろやかでのびのびとした歌声に聞き惚れる。じっと聴いていると先週聴いた森麻季の東京オペラシティでのコンサートを思い出してしまった。その声の質、そして容姿の可愛らしさ、なんだか森麻季はアンナ・モッフォの生まれ変わりでないかと錯覚を覚えてしまった。
(蔵 志津久)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%83%E3%83%95%E3%82%A9
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◇クラシック音楽◇カラス~ダラス  リハーサル風景1957

2007-03-09 21:41:18 | オペラ
①ベルディ:椿姫
②ベルリーニ:清教徒
③ドニゼッティ:アンナ・ボレーナ
④ベルディ:マクベス
その他

歌手:マリア・カラス

CD:米国LEGATO CLASSICS LCD-131-1

 マリア・カラスほど“不世出な歌手”という名にふさわしい歌手はいないだろう。スケールの大きな表現に加え、細やかな情感も鮮やかに描ききれる技量を兼ね備えた歌手であった。カラスよりも正確に歌いこなせる歌手は大勢いたし、これからも出てこようが、カラスほど情感にあふれた歌を歌える歌手はいない。全盛時代のカラスの歌声は人の心を揺さぶるものがある。今後フルトヴェングラーに比肩し得る指揮者は出てきても、カラスに比肩できる歌手は半永久的に出てこないのではないのか。それほどカラスの存在は偉大なものであった。このCDは米国ダラスでのリハーサルの模様を収録した貴重なCD。何か本番のオペラよりもこのリハーサルの方が人を引き付けるものがある。オーケストラの楽団員のカラスに対する拍手も尊敬の念が滲み出ているようで、さすがカラスだけのことはあると納得できる。(蔵 志津久)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%B9


 
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