会社法施行前にも商法の改正はかなり頻繁に行われていましたよね。私共もそのたびに定款変更のオシゴトをしておりました。
通常は改正法に対応するための形式的な変更であることが多いのですが、あるとき、ある上場企業の子会社の定款変更をした際、親会社の方から、「今回は実体に合った変更をしようと思います。」というお話しがありました。
変更内容は色々だったのですが、びっくりしたのは、株主総会の議決権の基準日(当時は“株主名簿の閉鎖”でしたが)を削除するというものでした。
私 「??ホントに削っていいんでしょうか?普通はどの会社にも基準日の規定を置いていますけどぉ・・・」
A社 「だって、100%子会社なんだからいらないでしょ? そもそも招集時点と開催時点の株主が違うことなんかほとんどないし、もし売却なんかで株主が代わるとしたら、買主さんが株主総会で権利行使しなきゃおかしいでしょう?」
ふぅーむ。。。確かにその方が良さそうです。じゃあ、何で猫も杓子も基準日なんだろうか・・・・と考えました。
①通常は、有って困る規定ではないこと。
②ないより有る方が良さそうなこと。
③かの有名な●●法令の定款用紙に当然のように記載されていること。
④司法書士業務ソフトに入っている定款(デフォルト)も③と同じようなものであること。
⑤みんな(私を含めて)実質的な必要性をあんまり考えていないこと。
というわけで、A社の子会社たちは、皆、基準日の規定を削除いたしました。実際、子会社のご担当者がどこまで理解されていたかは不明ですが、私はこのことをきっかけに、基準日に限らず会社の実体に則した定款規定とはどういうものか、ということを考えるようになりました。
定款のことは色々と書いていきたいと思いますが、本日はこれでオシマイとしま~す。
明日から連休ですが、お風邪など召しませぬよう、楽しい休日をお過ごしください。
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