ちゃちゃ・ざ・わぁるど

日記と言うよりは”自分の中身”の記録です。
両親の闘病・介護顛末記、やめられないマンガのお話、創作小説などなど。

中学生医学生シリーズ 追記です

2023年10月09日 10時28分43秒 | 桜宮市を歩いてみたら
中学生医学生シリーズと銘打った
①医学のたまご
➁医学のひよこ
③医学のつばさ

別名東城大未来シリーズ

①が書かれたころは近未来のお話だったのですが
追いつきましたね。
➁~③の時代設定はまるっと今年、2023年です。

で、海堂尊先生作品、
一連の桜宮サーガ&医療小説は
ご存知の通りどこかで繋がっています。
同じ世界の中での出来事、
くわえてリアル現代日本とも繋がっていたりする。

最近立て続けにこれらの続編が出版されて
ファンとしては嬉しい限り・・・もう完全完了したと思ってたから!

で、改めてとりあえずこの中学生医学生シリーズに出て来たキャラクターが
他作品のどこにいるのかちょこっと探してみました。
ざっくりなので漏れもあるかも知れませんが
この三作品を読んで深掘りしたくなった方がいれば
ちょこっと参考になればなんて思います。
・・・勝手にシリーズ名着けちゃいましたすいません。

中学生医学生シリーズ 関連人物登場作品一覧

■ブラックペアンシリーズ
ブラックペアン1988
 高階権太、田口公平
ブレイズメス1990
スリジエセンター1991

■単発
ひかりの剣
 高階権太、清川吾郎、田口公平
夢見る黄金地球儀
 平沼平介、平沼豪介

■田口・白鳥シリーズ(東城大シリーズ)
チームバチスタの栄光
 田口公平、白鳥圭輔、高階権太
ナイチンゲールの沈黙
 浜田小夜、牧村瑞人、佐々木アツシ、如月翔子
ジェネラルルージュの凱旋
ジェネラルルージュの伝説
イノセントゲリラの祝祭
アリアドネの弾丸
ケルベロスの肖像
 東堂文昭
カレイドスコープの箱庭
 曾根崎伸一郎

■極北シリーズ
極北クレイマー
 三枝久広(後のセント・マリアクリニック院長)
 桃倉義治(医学生シリーズの桃倉とは別人)
極北ラプソディー
 
■桜宮碧翠院シリーズ
螺鈿迷宮
 白鳥圭輔
輝天炎上(ケルベロスの肖像の別視点)

■ジーンシリーズ
ジーン・ワルツ
 曾根崎理恵、清川吾郎
マドンナ・ヴェルテ
 山咲みどり、曾根崎理恵

■彦根新吾シリーズ
ナニワ・モンスター
 白鳥圭輔
スカラムーシュ・ムーン

■涼子&アツシシリーズ
モルフェウスの領域
 日比野涼子、佐々木アツシ、如月翔子、田口公平
アクアマリンの神殿

■中学生医学生シリーズ(東城大未来シリーズ)
医学のたまご
医学のひよこ
医学のつばさ

■短編集
玉村警部補の災難
ランクA病院の愉悦
氷極(チーム・バチスタ後日談)

■コロナシリーズ
コロナ黙示録 2020災厄の襲来
 田口公平、白鳥圭輔
コロナ狂騒録 2021五輪の饗宴
   
「氷極」と「コロナ」二作品は実は未読なので
これから読んで、また紹介できればと思います。

こうしてみると、やっぱり全体通して
最初の主人公、田口先生が一番露出多いのかな?
思い入れもひと際・・・
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帰って来た桜宮市~中学生医学生 青春医療小説シリーズ!

2021年07月19日 13時33分20秒 | 桜宮市を歩いてみたら
お帰りなさい! 海堂尊先生!
いや~、ここ数年キューバ革命のお話に傾倒されて
そちら方面の作品を書きまくっていらした(たぶん)海堂先生でしたが
久々に医療小説界に帰って来られましたね。

想えば・・・いわゆる桜宮サーガ一連の作品群は
「スカラムーシュムーン」で一応の完結を見ました。
が、医療小説も書きたくてうずうずしてらっしゃったのでしょうか。

作品群中結構初期に書かれた「医学のたまご」
その続編が次々に発表、刊行されました。
最初の「医学のたまご」は医療関係の雑誌に連載されたものの
その出版社が倒産したため、本書の増版は無理やろなあ~と言われていたあの頃。
ところがさすが天下の角川書店! 
出版権を買い取って文庫本化してくれてるじゃないですか!

随分と前に書きましたが、この作品はノリで各キャラの成長した姿を出したものの
決定的なミスをやらかしてたことがスタッフさんの調査により発覚し
そのミスを挽回してつじつまを合わせるため「モルフェウスの領域」と言う
半ばSF混じりの作品を書いた、と言うエピソードがあります。
いや、これはホンマの話、自称「つじつま合わせの天才」。

そしてこの度、その続編が「野生時代」に連載され、晴れて単行本化されました。
「医学のたまご」に続いて「医学のひよこ」そして「医学のつばさ」で堂々完結!!

内容はと言うと・・・ネタバレにならない程度に紹介しますと
元々のルーツは海堂先生の2作目「ナイチンゲールの沈黙」でしょうか。
この作品のメインキャラがのちのちこの
「中学生医学生 青春医療小説(そんなジャンル初めて聞いたけど)シリーズ」の
重要なファクターとなって再登場。
・・・ま、他作品でもみなさんちょくちょく登場し
サラリと重要なオシゴトをこなしてはくれてますが。
そして「ナイチンゲール」は結構・・・SF的だったりする。
「モルフェウス」はつじつま合わせの為に大胆に?SFシフトしていますが
その流れも汲んでいますからこのシリーズもハッキリ言ってSFです。
ていうか、ラノベだね。
「モルフェウス」の続編の「アクアマリンの神殿」ももはやラノベでしたもん。
それは「ナイチンゲール」で登場した佐々木アツシが主人公の青春物語でした。
今回は3作品通しての主人公:曾根崎薫の青春物語ですが完全にファンタジー。
もともと中高生向けに書かれたものだったので続編もそんなノリになってるのかしら。

そして、久しぶりの桜宮シリーズということもあってか、
これまでの作品群に関連した人物がガンガン出てきました。
田口先生はもちろん、白鳥さんや高階病院長と言ったお馴染みのレギュラーメンバーも登場。
が、それなりに完結してしまったキャラは出てきませんでした。
・・・例えば速水先生、世良先生、彦根先生など、
残念だけどあまりオールスター過ぎてもしんどいので、まあ、いい感じで収めたのでしょうか。
あと、時代設定が2023年だから、今の新型コロナ騒ぎもキッチリネタになさっている。

これまで隠されてきた・・・ていうか、作品群を読んで来た読者にはわかっているけど
登場人物、特に主人公たるカオルの出生の秘密が明らかになっていきます。
当人もそれを知ってしまうことになるのかどうか・・・は読んでみてのお楽しみ。

メインキャラの周りの人物のルーツ作品をちょこっと紹介。

カオルの親友の一人、
平沼くんのパパ・平介とお祖父ちゃん・豪介が活躍するのは「夢見る黄金地球儀」。
これは異色作といっていいでしょう、というのもこれは医療ミステリーではない。
愉快痛快コンゲーム、コミカルな冒険ちょっぴりサスペンスもの。
カオルが尊敬し頼りにする佐々木アツシは前述の通り初出は「ナイチンゲールの沈黙」。
それから「モルフェウスの領域」で辻褄合わせのために?再登場し、続編「アクアマリンの神殿」へ。
読者にとっていきなり登場といえる山咲忍は実は再登場・・・といっていいかどうか。
カオルのシッターの山咲みどりさんと同じく、元は「ジーン・ワルツ」「マドンナ・ヴェルテ」が初出・・・かな。
忍の母・理恵先生が同作品で主人公をつとめています。
オマケ情報、その理恵先生の務めるセント・マリアクリニックの院長・三枝先生、本人はほぼ出て来ないけど
すべての作品群を読んで来た読者には凄く嬉しい人物のはず!! 
この三枝先生はあの、極北シリーズ「極北クレイマー」「極北ラプソディー」で少し登場した
あの、極北市民病院の良心と言われた、あの先生に違いない! 良かった! 海堂先生ありがとう!
・・・意味がわからないという方はぜひそのシリーズお読みください。
謎のスナック「ブラック・ドア」のバーテンダー:牧村瑞人、そして歌手のSAYO
二人は4Sエージェンシーという裏の便利屋やっててちょくちょく他作品にも出て来てましたが
初出はやはり「ナイチンゲールの沈黙」。瑞人はアツシの兄貴分ですからね。
そしてカオルもアツシも・・・もしかしたら瑞人も頭が上がらない
東城大学医学部附属病院の看護師長のショコちゃんこと如月翔子も
もちろん「ナイチンゲールの沈黙」から出てくる長~いおつきあい。
・・・ショコちゃんと言えば、速水先生もアタマ上がらないんだっけ。・・・
教授になっちゃったよ、な田口公平先生は言わずもがなデビュー作「チーム・バチスタの栄光」。
一番最初の主人公、そして最後までなんとなく活躍する(のか?)重要人物。
イヤでもまさかここに至ってコンビの白鳥さんまで出てくるとはね~。
一瞬だけ出て来た三船事務長や垣谷教授も懐かしいお名前です。
今回は完全に敵キャラ?のHAHAHAことマサチューセッツ工科大の東堂教授、
カオルのパパである曾根崎伸一郎教授の同僚・・・みたいなもんですが
このカウボーイハットの似非ヤンキー教授は田口・白鳥コンビ作品の集大成「ケルベロスの肖像」で
物語全般をシッチャカメッチャカ(死語)にしてくれた偉大なる人物。まさかの再登場だよ。

物語の主人公はカオル達中学生チームではありますが
重要なファクターであるアツシの物語でもあるのかな、と思います。
そのアツシ、後半で兄貴分の瑞人と対峙しますが
その時、ずーっと読んで来た、全編読んだ読者はこう思ったのでありました。
「ああ、アツシはやっぱりアツシだったんだ~~~!!」と。
スーパー高校生医学生から、高卒後飛び級でいきなり東城大医学部4年生になったアツシは
何から何まで凄すぎて、クールでカッコよくてついでにすごい美青年になってて
コイツは化けたな~、だったのですが(何故化けたかはやっぱり「モルフェウス」必読!)
相手が瑞人だとね、たちまちあの、小児科愚痴外来で田口先生を困らせた?お子様に戻っちゃうのであります!
なんか、読者としてほっとしました。

とまあ、ざっくりご紹介いたしましたが、相変わらずの海堂節が堪能できました。

こっからは私見ですが、コロナ禍・・・というよりコロナ騒動の現在
先生の著書「ナニワ・モンスター」を今こそ読むべし、と私は思います。
10年前、新型インフルの大騒動は結局世間がから回りして
そのために罹患した患者が差別にあうという今とよく似た事態が起こりました。
この時はワクチンうんぬんや非常事態宣言などはなく1年ほどで収まりましたが
その後ではなく、騒動が起きる直前に書かれたのが本作で
架空の病気「インフルエンザ・キャメル」による騒動や利権まみれの社会の歪みを描いています。
掲載中に新型インフル騒ぎが起きたことについて海堂先生は
「書いたことが現実になった」とご自分でも驚いておられましたが
これはフィクションだけど今のリアル社会にも通じるような内容で
真理を的確についているのではないかと個人的に思うのです。

さて、海堂先生ご自身は今この新型コロナをどう見ていらっしゃるのか?
ちょっと意見をお伺いしたいな・・・なんて思います。
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桜宮ウォーカー⑤~海堂尊マニアックワールドのススメ・改の改

2018年11月23日 22時39分08秒 | 桜宮市を歩いてみたら
⑤・・・というか、②の一部改稿・追記である③の更に改稿でございます。

あの人がこんなところに! 的視点の記事・更新版です。
読み返してみると間違ってたとことかいろいろ発見されたので、その辺も中心に。すんません・・・。
完全版にはなかなかならんなあ~・・・
超長い上、かなりのネタバレを含みますのでご注意ください!!!
(とはいえ事件の内容、トリックや犯人はもちろん明かしておりません。)

前回時系列順一気読み返しを予言?いたしまして、やっと時系列イッキ読み読了しました!
そこで改めて発見したところを改稿のカタチで。

時系列とは言え、同時進行してたり、間に別の物語があったりと完全な順番には並べられないのでその点はご容赦を。
あくまで目安として、読破・再読破を目指す方の参考になればと思います。

それから「時系列順」「刊行順」とは別に「シリーズ×刊行×時系列ミックス」と言うのを考えてみました。
末尾に記しおりますので、ご参考までに。

1.「ブラックペアン1988」
世良雅志医師の外科医1年生物語。と同時に現院長・高階権太外科医も講師として赴任してくる。
帝華大の阿修羅こと高階講師、当時の佐伯総合外科統括にしてこの後院長に就任する佐伯清剛医師、
そして手術室の悪魔・天才外科医渡海(とかい)征司郎医師との三つ巴真っ向勝負。
田口公平・速水晃一・島津吾朗の三人も学生の実習生として登場します。
田口先生が神経内科医になることを決断した魔の手術実習とはこの時のことだったのだよ。
先に書かれた「バチスタ」で登場した垣谷先生がこのシリーズでは結構な頻度で登場します。
後に田口先生と不定愁訴外来を担当することになる藤原看護師もこの時は現役の看護”婦”として登場。
そしてラスト、渡海医師は東城大を去りますが・・・覚えておいて、この人を・・・。
2.「ひかりの剣」
主人公は東城大医学部で剣道部主将、未来の天才救急医・速水晃一。
と、帝華大学医学部で剣道部主将の清川吾郎。こちらは将来帝華大産婦人科医准教授になります。
その弟の司郎はマジメな性格でチャラ系の兄に反発して東城大へ。そして剣道部員としても速水の後輩に。
「ブラックペアン」とほぼ同時進行のお話で、高階講師も講師赴任とともに帝華大剣道部顧問から東城大顧問へ。
「ブラックペアン」でのエピソードもシンクロして紹介されています。
3.「ブレイズ・メス1990」・・・「ブラックペアン」の続編。
世良先生を振り回すのは、こんどはモンテカルロからやってきた天才心臓外科医・天城雪彦。
ちょっとだけですがモンテカルロの王族・建設デザイナーでもあるマリツィノも登場
・・・彼の名はずっと後思わぬところで出てきます。
マリツィノのフルネームに「シロサキ」が含まれていることに注目! 誰かの親族ですよ、この方。
図式としては天城医師は高階講師と鋭く対決してしまいますが・・・。
ゲスト的な扱いで「バチスタ」の桐生外科医も少し顔を出します。なんかウレシイ。
「バチスタ」で名前だけ出てくる海外の教授のお名前も散見。知らなくてもいいけどチェックすると楽しいかも。
4.「スリジエセンター1991」・・・前作の後編とでも言うべき続編。
若き日の世良医師の成長物語クライマックス編。いよいよ天城医師と高階講師のガチンコ対決へ・・・。
そして世良医師の一大決心とは東城大病院との決別でした。彼はこの後の作品にも登場します。
また、速水晃一が前代未聞の医師デビューを果たし、そして「伝説」となる次の物語も被って語られます。
後でじっくり出てくる厚労省局長、坂田氏もチラッと登場。
時系列としては後々の作品群の主人公・彦根新吾も生意気な医学生として登場します。
更に、彦根とタッグを組むことになる後の浪速府知事・村雨弘毅がこの時は桜宮市長の秘書として登場。
5.「伝説―1991」
速水晃一が外科医1年生として東城大病院に着任してほどない頃の短編。
彼が後にジェネラルとあだ名をつけられたのはこのエピソードが元です。
時期的には世良医師が去る少し前。
世良医師と恋仲?だった花房美和看護婦(師ではない)は
ICUの眠り猫こと猫田主任看護婦に速水先生とくっつけられそうに・・・。
猫田看護婦ももう一人の主人公と言えるでしょう。なかなかにオトコマエなヒトです(笑)。
歌手・水落冴子が事故に巻き込まれて死に瀕し、速水に助けられる。これも因縁の始まりか?
6.「チーム・バチスタの栄光」
「伝説」からだいぶ時間がたっています。病院長は佐伯院長が「スリジエ」終盤で勇退し、半年間江尻院長、
そしてこの時は高階院長になってもうかなりたった後。
主人公・田口公平医師は神経内科教室から出た不定愁訴外来の責任者・・だけど万年平講師、
速水医師は救急救命センター長、そして島津医師は日本を代表する放射線科医として准教授に。
バチスタ手術の権威・桐生医師は基本的にはこの回だけのゲストキャラです。
チームメンバーもみなゲストなんですが、第一助手の垣谷医師だけはずっとあとでちょい登場します。
もう一人の主人公・厚労省の白鳥圭介技官は帝華大医学部卒なので当然高階院長の後輩。
7.「ナイチンゲールの沈黙」いわゆるバチスタシリーズ第2弾。
主役は病棟の歌姫・浜田小夜看護師。そして小児科病棟の患者・牧村瑞人と佐々木アツシ。
それから歌手の水落冴子も患者として再登場。
当時冴子を助けたもう一人の恩人である人気バンド・バタフライシャドウ、リーダーのザックは
この時冴子のマネジャーとして城崎という本名で登場しています。
城崎ねえ・・・「シロサキ」ですよ、この人もある一族に深く関係していたのですねえ。
速水と島津は彼女を当時のあの人と知ってか知らずかそのおかげで謎解きに大活躍・・・たぶん。
浜田看護師の親友として登場する同僚の如月翔子看護師は、決して主人公にはならないけど
この後の作品群でも登場回数は結構多く、サブキャラの中ではかなり重要な登場人物と言えます。
8.「ジェネラル・ルージュの凱旋」バチスタシリーズ第3弾。
とは言え、時系列的に「ナイチンゲール」とほぼ同時進行。ていうか、もともと一本だった作品を二分割したのだそうな。
これぞ速水先生の伝説再来、そして真骨頂。
ラスト、大事故で次々搬送されてくる大勢の患者を救いまくるときのカッコよさ!
でも、そのあと彼はある事情で北海道の極北救命救急センターに異動します。
花房美和看護師もついていきますとも、もちろんでしょ。
そしてひとこと・・・田口先生、ナイス大逆転!!(読めばわかります。)
9.「疾風―2006」
「凱旋」のクライマックスシーン・大事故時の救急現場を別の視点から展開。
主人公は普段何かと口うるさく経費節減を唱える三船事務長。
事故の被害者たちの群れに愛妻がいることを知って動揺しますが速水の一喝で立ち直り・・・。
10.「螺鈿迷宮」
桜宮市の医療現場の闇を担う通称でんでん虫・碧翠院桜宮病院が舞台の物語。
この桜宮は市の名前ではなく院長桜宮厳男に由来します。
院長の双子の娘・小百合とすみれが暗躍するこの桜宮市の闇舞台
主人公の医学生・天馬大吉はイカサマ麻雀に負けたせいでボランティアとして放り込まれ
挙句次から次へと怪我を負わされて九死に一生を得るエライ目に。
最終的に彼をピンチから救い出したのは調査に入っていた白鳥技官と姫宮女史。
また、彼をサポート・・・いうか操るGFでジャーナリストの時風新報の別宮葉子記者は
他作品中でも記事の執筆者として名前がちょくちょく登場します。
ところでこれ、「チーム・バチスタ4」と冠してドラマ化されましたけど
根本的にバチスタシリーズちゃうんやけどね。。。テレビと原作はやはり別物か。
・・・そもそもバチスタシリーズってタイトル自体がおかしいんやけど・・・まあええか。
11.「イノセント・ゲリラの祝祭」バチスタシリーズ第4弾。
霞が関の敵キャラとしてミスター厚労省・八神直道氏登場。キレ者なんだけどいかにもお役人。
「バチスタ」で高階院長に白鳥技官を紹介したという、彼の大学時代の友人・坂田寛平局長も本格的に登場です。
坂田氏は”こちら”寄りのまっとうな人物・・だと思いたい。
余談ですが生粋の関西人たる彼のネーミングはひょっとして
吉本のアホの坂田こと坂田利夫氏とカンペイちゃんこと間寛平さんからでは。
ていうか、それで間違いないでしょ(笑)。おちゃめな海堂先生ですから。
房総救命救急センター長・スカラムーシュ彦根新吾が本格的に登場し、
そのアシスタント的立場の桧山シオン先生も登場します。
人呼んで「ヤマビコ・ユニット」。・・・尤も彼女がガチで活躍するのは後のお話。
彦根は東城大三羽烏(?)田口・速水・島津の学生時代の後輩で麻雀仲間。
白鳥技官とも別口で友人であり、この物語後半の大立役者。この人もとんでもない奴、ですね。
12.「青空迷宮」
桜宮市で東城大病院以外によく登場するのは時風新報という新聞社とサクラテレビ。
そのテレビ番組収録で起きた殺人事件、謎を解くのは本庁から出向中の加納達也警視正と部下の玉村警部補。
加納警視正は白鳥技官の同級生でもあります。
桜宮テレビ看板番組プロデューサー兼キャスターのモロさんこと諸口氏はみのもんたさんがモデルだろうか。。
13.「極北クレイマー」
舞台は破たん寸前の北海道極北市・極北市民病院で、主人公は赴任したての若手・今中良夫外科医。
姫宮女史がちょっとだけだけどドハデに登場した後、「病院再建請負人」と自称他称の新病院長がやってきます。
が、なんとそれは世良雅志医師ではないか! あらあら・・・
それと謎のジャーナリスト・西園寺さやか登場。彼女の存在が不吉な影を落とします。
同時に登場する極北監察院南雲忠義院長、その娘の杏子は「螺鈿」で桜宮碧翠院にいた杏子と同一人物。
てことは、さやかの正体は・・・
14.「東京都二十三区内殺人事件」
田口先生がたまたま見つけてしまった死体を通して見える医療行政の歪み。これはリアル社会と見事にリンクするお話。
主な登場キャラは加納警視正、玉村警部補、そして白鳥技官くらい、
短編なので登場人物は少ないですが、考えさせられる一遍です。
ちなみに本作品は「イノセントゲリラ」文庫本化の折、同作品内に吸収されています。
15.「残照―2007」(旧題「君去りし後」)
速水医師が東城大を去って1年後、後任を実質任されたダジャレ男・佐藤部長代理の奮闘記。
見事に速水の後をついでその精神を守ってはいますが・・・
「舐めかけのチュッパチャプスを投げつけられた気がした」くだり「凱旋」を読んでたら思わずにんまりしてしまうフレーズです。
ちなみにNHKドラマ「極北ラプソディー」での速水医師はチュッパチャプスの棒をゴミバコに投げ捨ててました。
原作ファンにはわかる、絶妙のファンサービス! 嬉しいねえ。
16.「ジーンワルツ」
海堂ワールド初登場の曾根崎理恵産婦人科医が主人公。初の女性主人公です。
実は本作品の舞台は東京。桜宮市ではないのですが理恵の出身大学は東城大。
学友だった、一度だけ名前が出てくる「真弓」とは現東城大病院小児科のあの人ですよ、あの人。頭文字は「そ」。
そして彼女の勤めるマリア・クリニック院長三枝茉莉亜医師は極北シリーズで出てきた
極北市民病院の良心・産婦人科部長三枝久広医師の実のお母様です。
更に! 三枝院長の旧姓は実は城崎です。・・・おおっと、またシロサキですね。
つまり茉莉亜先生はあの病院の「はなちゃん」の姉妹・・・だったりしませんか?本筋とは関係ないけど。
「ひかりの剣」の清川吾郎が権威ある産科医師として久々の再登場。相変わらずの傲慢さ(?)
理恵の夫である曾根崎伸一郎教授は・・・まず名前だけ会話の中に登場。
あとは回想シーンでのみ本人が描かれるけど、「初登場」か?コレ。
17.「マドンナ・ヴェルテ」
「ジーン」の別視点からのお話です。主人公は初老の主婦の山咲みどり。
彼女は誰あろう・・・・・・内緒! これは「ジーン」を読んで知るべし。
だから独立して読めるんだけど「ジーン」を先に読むのが絶対オススメ。
後の作品でもメールでばかり登場のステルス・シンイチロウこと曾根崎伸一郎教授、
この時も手紙あるいは葉書文面でしか出て来てないのね。
18.「ナニワ・モンスター」
これは誰が主人公なんでしょうか。視点が大きく3か所に移動するのでややこしい。
でも、やはりスカラムーシュ・彦根新吾房総救命救急センター長と、
どう見ても前大阪府知事の橋下徹氏モデルの、村雨浪速府知事ですかね。
村雨府知事は前述の通り「スリジエ」にちらりと顔を見せています。まあ、書かれたの同じ頃だからね。
伏線仕掛けるつもりで政治家スタート時の姿を「スリジエ」に入れられたのでしょう。
彦根と、東城大シリーズの敵役と言える斑鳩方正桜宮警察署広報室長との対立が明確に。
それから、ほんの脇役で西野というエンジニアが登場します。この人、後でじっくり出てきますよ。
19.「四兆七千億分の一の憂鬱」
加納達也警視正の大活躍がここでも。頭はいいし行動は素早いし、でも相当の無茶言い。
そして何故かいつまでたっても田口先生の不定愁訴外来を不倫外来と呼ぶ。さすが白鳥技官のダチ。
20.「極北ラプソディー」
世良新院長はかつての師である天才・天城雪彦氏の理想・理念を引き継ぎ、
何といわれようとも誰から恨まれようとも再建を完遂する。
数々の恨みを買いながら、各地を転々としつつ病院再建を生業としてきた世良先生、
モンテカルロで号泣していた頃とは比べ物にならないよ、まあ逞しくなっちゃって・・・。
極北といえば、忘れちゃいけない! 救命救急センターには東城大病院から移籍の速水晃一医師がいる!
東城大病院時代実現できなかったドクターヘリを手に入れて、空をも制して彼はゆく。
速水についてきていた花房看護師は世良医師と再会し・・・あとは原作見てね。
ああっ、今中先生・・・・・・・存在感ない? いや、あるよ? あるある、大丈夫。やっぱ主人公だから。
海堂先生作品の欠点を強いてあげるとすればこれです、主人公の存在感が一時途方もなく薄くなる。
まあ、主人公が読者目線の立ち位置という手法もありますから、これはこれでアリかもですが。
21.「アリアドネの弾丸」バチスタシリーズの第5弾。
極北の南雲院長と娘の杏子、西園寺さやかが暗躍の舞台を”北”から”南”つまり桜宮に移し不気味に再登場。
ここでさやかの正体がとうとう明らかに!! まあ”どっちかな”まではわかってたんですが。
それと、本筋には関係ないけど、彼らは「ジーン」の山咲みどりとチラリとすれ違います。
潜伏先がみどりのマンションの近くで、かつ「ナイチンゲール」の事件の起きた部屋と言うのも何かの因縁か。
そしてここでもスカラムーシュ彦根先生&桧山シオンのヤマビコユニットが大活躍。
更に、 裏社会にも通じている謎の便利屋4Sエージェンシーが登場しますが、
そのリーダーはロックバンド・元バタフライシャドウのリーダーでかの水落冴子のマネジャーだった城崎氏。
そして助手は「ナイチンゲール」の小児科の患児だった牧村瑞人君じゃないですか。
事件解決に一役買って、この後も要所要所で登場してくれます。
22.「ケルベロスの肖像」バチスタシリーズ第6弾。
東城大医学部に対する、桜宮病院の一族因縁の復讐譚。
「極北」登場の南雲院長、「バチスタ」被害者の息子・小倉勇一氏、そして天馬君、別宮記者、
斑鳩広報室長、彦根先生とアシスタントの桧山先生、さらに西園寺さやかも現れて、
オールスターの面々が集まる中で東城大医学部最大のピンチが・・・。
さやかの正体が、ここで公に明らかに。そして・・・彼女のこの後はいったいどうなったのでしょう。
この回でボロボロになった東城大病院を救うキーマンはなんと田口先生です!
やっぱ、田口先生は全作品通してどういうわけか?もっとも重要な人なんですよ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・たぶん・・・・・。
途中「スリジエ」の天城雪彦とマリツィノが名前だけ登場します。
マリア・クリニック院長三枝茉莉亜医師もチラリと登場。出番はわずかですが、この人の登場にも深い意味が。
「ブラックペアン」から始まるかの三連作の帰着点はここなのよ。正に因縁の帰結。絡み合い過ぎ。(一応褒めてます)
高階院長が今更ながら彼らに思うものとは・・・。
それと、注目は文庫本化に当たっての書下ろしの、曰く”ボーナストラック”「それから」
二人の対話のシーンを、二人それぞれの一人称で描いたほんの短いエピソード。
どちらも自身の名も相手の名も語りませんが「ケルベロス」を読んだ後に続くからすぐ誰と誰かわかります。
最後の最後に、ちょっとだけ登場・・・しそうになる、 速水先生が泡食って慌てふためいてしまう彼女とは・・・
名前はやはりどちらにも出てきませんが、ずうっと作品群を読んできたものにはすぐわかる。まさに、ボーナストラック。
23.「輝天炎上」
桜宮サーガの主だった面々が出そろう、豪華にしてもっとも不吉な物語。「ケルベロス」の別視点の物語です。
時系列に並べるには無理があって・・・というのも始まりは「螺鈿迷宮」の続きからなので。
ラストが「ケルベロス」と同じ場所なのです。天馬大吉サイドから見た「ケルベロス」と言うべきか。
両方読めば互いのブランクが埋まるからくりになっています。お見事!
・・・おかげで田口先生が情けなく見える・・・。天馬君は田口先生に反感持ってますから。・・・半分は思い込みなんだけど。
別宮葉子もまたまた登場。初登場の冷泉深雪と天馬君との三角関係?も交えての大活躍! 
久しぶりに清川司郎が公衆衛生学教授で再登場。あの清川吾郎の弟ね。そのまま東城大に残ったのね~。
天馬君の指導者で、ついでに雀荘の四天王の話をする。ここで彼は初めて田口先生の顔を知り・・・。
裏も表も何でも屋・4Sエージェンシーのリーダー・城崎亮のオドロキの正体もハッキリわかる。
まあ、うすうすそうじゃないかとは思ってましたけど。
それから20年振り?登場・マリツィノのミドルネーム「シロサキ」とは誰の普系か・・・もうお分かりですね。
公になったさやかの正体、そして彼女を真に滅ぼしたい相手、もう一人の彼女が乱入!! ありゃ、生きてたよ。
さて・・・”彼女たち”はまたどこかで出てくるのでしょうか。
24.「エナメルの証言」
これはちょっと異色の短編。海堂作品には珍しく犯人?側から書かれた倒叙法スタイルの作品。
主人公・栗田医師のその後は作者含めだあれも知らない・・・。
四国に向かったようだから、そのうちお遍路に出た加納さん一行と出会ったりして。
25.「カレイドスコープの箱庭」バチスタシリーズのオマケ的続編。
もちろん主人公は田口先生で、しかもあの、あの、メールでしか出て来なかった曾根崎伸一郎教授本人と論戦をかわす!
なんということでしょう・・・万年平講師・・・違った、
なんとドサマギで准教授になっちゃってた田口センセイがマサチューセッツ大学トップエリートの
曾根崎伸一郎教授を相手に論戦を交わしそして・・・・いやあ、人生何が起こるか分かんないッスね。
マサチューセッツ大学とくれば、「ケルベロス」でド派手に登場した”HAHAHA”氏ももちろん出てくる。
この人は何故に田口先生をこんなに気に入っておられるのでしょう??
さて、長きに亘った東城大の、あらゆるものに向けられた戦いは一応これで終幕を迎えます。
田口先生、ついでに白鳥サン、ホントにご苦労様でした・・・ま、田口先生はこの後も出てくるけどね。
ファンサービスてんこ盛りの本作品は田口先生、島津先生、彦根先生に加えて速水先生も久々の帰還を果たす!
更に何と何と桐生先生まで! サプライズゲストですがまさにファンとしては嬉しい限り。
この時の速水先生の「挨拶」が「ケルベロス」の・・・・・・・・・読めばわかる!!
26.スカラムーシュ・ムーン
これも時系列で並べるのは難しく、起点は「ナニワ・モンスター」とほぼ同時期でしょう。
主人公は東城大とは関係のない、養鶏場の一人娘で加賀大学の院生名波(ななみ)まどか。・・・新機軸ですね。
でも、もう一人の主人公が・・・言わずと知れたスカラムーシュ・彦根新吾。
出たア・・・・・・・。この人が出てくると話は滅茶苦茶に・・・イヤ、面白くなる。
これまで人を喰った態度で勝ちまくっていた彼にも怒涛の試練が押し寄せる。
帰結は「ケルベロス」「輝点炎上」の後、「カレイドスコープ」とほぼ同時期になりますが。
橋下徹氏がモデルであるに違いない村雨浪速府知事がさながら橋下氏同様の大活躍を見せますが
現実の橋下氏と決定的に違う選択をしたせいで話は思いがけない方向へ向かってしまいます。
一見負けたように見える彦根が実はしっぺ返しを用意している結末は見事です。
彼の言う海の向こうの傑物とは・・・そりゃあ「HAHAHA」と「ステルス」だよ。決まってんじゃん。
それにしてもシリーズ全作品読破した人にはわかる仕組みてのはちょっと狡いw
だって、それ、結局全部読めってことですもんね。
27.「夢見る黄金地球儀」
人物以外で地味に連綿と登場するもののひとつ「黄金地球儀」
これが主役になる日がこようとは・・・・。・・・主役?
東城大病院は名前くらいしか出てきませんが、舞台は桜宮のとある町工場と桜宮水族館深海館。
主人公は学者崩れのエンジニア・平沼鉄工所の平沼平助。
それから彼の友人で得体の知れない風来坊・久光譲治。
そしていつかの4Sエージェンシー、でも所長は城崎ではなくなんと牧村瑞人、
そして相棒は元担当看護師で今は歌手の浜田小夜じゃないですか。
オドロキ・・・でもないか、ずっと読んできた読者としては期待通り。
28.「モルフェウスの領域」
主人公日比野涼子が少女時代に滞在したアフリカの小国で出会ったという医師は・・・。
名前はとうとう明かされませんが、ずっと読んできたものにはわかります。
まあ、暗示はされてますからね、間違いないでしょう、「ブラックペアン」のあの人です!!
懐かしくも嬉しい再登場・・・涼子の回想の中だけではありますが。どうしてるのかなあ~。
「ナイチンゲール」登場の佐々木アツシ君がもう一人の主人公です。
アツシの担当看護師だったショコちゃんこと如月翔子看護師も重要な役でこの後のシリーズにも登場。
あ、ついでに??小児患者なのになぜか主治医になってる田口先生もですね。
やっぱ田口先生は全作品通して最も重要な人物なのですよ!!
「ジーン」の曾根崎理恵先生の旦那、ゲーム理論の世界的権威・曾根崎伸一郎氏も再登場
・・・・て、出てこないけど。メールでしか。この人は基本的にメールと手紙でしか出てきません。
後で書かれた「カレイドスコープ」で初めて本人が姿をちょこっとだけ現すのみ。
そして涼子を翻弄・・・しようとする傲岸不遜なヒプノス社のエンジニア・西野昌孝! 
「ナニワ」でほんの少し登場した、お前かい!! 帝華大の清川教授と並ぶ自信家で傲慢な実力者の本格登場。
実はこれは完全にSFと言った方がいい作品なんですが、なぜここでSFが出てきたかは
時系列的には後・書かれたのは前の「医学のたまご」を読めばわかります。
要するに時間軸の整合性が狂ってしまったため苦肉の策で書かれた作品なのだよ。
海堂先生ご自身いわく「自分はつじつまあわせの天才」。そうですね、マジで。
ついでにミスター厚労省・八神直道氏もチラホラ登場。うん、ついでにね。
それから知らなければ気づかなくてもいいけど、またまた瑞人と小夜のコンビも出てくる。
ザックこと城崎さんはどうしてるのかなあ・・・。
29.「アクアマリンの神殿」
「モルフェウス」の続編。佐々木アツシ君再来、しかも主人公だよ! 学園ものだよ!
・・・ていうか、これ、ほぼラノベ(ライトノベル)だよね・・・。海堂尊先生恐るべし、ラノベも書けるとは・・・。
「モルフェウス」で日比野涼子が対峙した曾根崎伸一郎氏もメールで再登場。
ほんま、メールでしか出て来んね・・・。存在感はあるんだけどね。さすがステルス。
そしてここで田口先生が不本意にも教授になってしまった経緯が明らかになります。カッコ笑い。
アツシと対決するのはモルフェウスの立役者・あの西野昌孝。対決というか、ある意味親離れ、かな。
さりげなくサポートするのはショコちゃん、田口先生、高階院長、そして何故かステルス・シンイチロウ。
完全に余談ですが、アツシの声を神谷浩史さんで脳内再生すると
西尾維新氏の「物語シリーズ」がシンクロします。シャフトでアニメ化して欲しいくらい。
・・・うん・・・やっぱりラノベだ、これ・・・。
ちなみに西尾氏は文庫版「ブレイズメス」の解説を書いてはります。海堂作品の愛読者みたいです。
30.「医学のたまご」
主人公はホントは落ちこぼれ寸前なのにひょんなことからスーパー中学生と思い込まれ
飛び級で東城大医学部解剖学教室に入室する羽目になった男子中学生・曾根崎薫。
今更だけど彼の父親はゲーム理論の大家・曾根崎伸一郎。
母はもちろん曾根崎理恵医師ですが、さる事情があって「ジーン」主人公のシッター・山咲みどりと二人暮らし。
伸一郎氏はマサチューセッツ大学の教授で相変わらずメールと手紙でしか登場しません。
重要な役割を担っていて大いに薫を助けるんですが。
本作はかなり前に書かれているので刊行順に読んで来た者にとっては
「カレイドスコープ」でのご本尊登場まで待たされまくった感あります。
同級生の通称ヘラ沼くんは「地球儀」の平沼平助の息子です。
また、三田村君は「スリジエ」に出てきた桜宮医師会理事三田村氏の孫かな??
いろんなところでいろんな人とつながってますね~。
それから、こっちは本当にスーパーな高校生・佐々木アツシ君もおいしい役どころ。
なんかスゲークールでカッコよくなっちゃって・・・。あのアツシがねえ・・・。
アツシがらみでショコちゃんこと如月翔子看護師も師長になってちょい登場。
大学の学長になっている高階院長、そして・・・・懐かしい「バチスタ」の垣谷先生が教授だよ。
”田口教授” あの、あの・・・・論文を書かないがために万年平講師で、出世なんかくそくらえの田口先生が教授・・・
この点についても、書かれたのはこちらがかなり先なので初見ではびっくりしたけど
その謎は後に書かれた「アクアマリン」で明らかになるのは前述の通り。
まあ、ほんの数行しか出てきませんけどね。
薫の直属の指導医・桃倉さん・・・聞いたことある名前ですね~。
極北シリーズで出てきた極北救命救急センター長も桃倉さんでしたよね!

それから、短編集「ランクA病院の愉悦」の5遍について。
これは終盤の辺りに箸休め的に読めばいい感じですが、
「健康増進モデル事業」は少なくとも「夢見る黄金地球儀」より後にしないと強烈なネタバレをくらいます。
あるキャラの正体が、僅かな出番のくせにあからさまに出てきますので。
「緑剥樹の下で」は時系列としては「チームバチスタの栄光」の手前あたり。でもずっと後で読んだ方が懐かしくて良いです。
「ガンコロリン」「ランクA病院の愉悦」は近未来ファンタジーなので時系列としてはラストでもいい。
そして「被災地の空へ」は「極北ラプソディ」の後ならいつでも。速水先生の活躍、再来!
だけど題材が東日本大震災なので時系列としては「エナメルの証言」と「黄金地球儀」の間くらいか。
「極北」で去って行った懐かしい人にも会えますよ! 名前は出て来ないけど読んでて泣きそうになった・・・
あの人は、今も元気にヘリを飛ばしてます!


さてさて。

時系列と刊行順の他に、こういうのどうよ、てことで考えてみました。
「シリーズ×刊行×時系列ミックス」。
まあ、どっからでもええっちゃええんですが、参考にはなるかな、と。
自分も試してみようと思ってます。

1.ブラックペアン1988
2.ブレイズメス1990
3.スリジエセンター1991
4.ひかりの剣
5.チームバチスタの栄光
6.ナイチンゲールの沈黙
7.ジェネラルルージュの凱旋
8.ジェネラルルージュの伝説
9.イノセントゲリラの祝祭
10.アリアドネの弾丸
11.ケルベロスの肖像
12.玉村警部補の災難
13.極北クレイマー
14.極北ラプソディー
15.螺鈿迷宮
16.輝天炎上
17.ジーン・ワルツ
18.マドンナ・ヴェルテ
19.医学のたまご
20.カレイドスコープの箱庭
21.モルフェウスの領域
22.アクアマリンの神殿
23.夢見る黄金地球儀
24.ナニワ・モンスター
25.スカラムーシュ・ムーン
26.ランクA病院の愉悦

なかなか良い順ではないかと思いますが。
ま、あくまでもご参考までにってことで。

てなところで長々・・・
おそ松カラ松チョロ松一松十四松トド松・・・・

お粗末!!


「おそ松さん」面白かった~・・・www
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ブラックペアン

2018年07月07日 13時58分08秒 | 桜宮市を歩いてみたら
良かった~~~ すごい面白かったですね、
海堂尊先生原作「ブラックペアン1988」のドラマ化作品

TBS放送の「ブラックペアン」・・・原作ファンも納得の仕上がりに感動の嵐!!


嵐・・・そう、嵐でしたね、ニノこと二宮和也くん!


単純なちゃちゃはすっかりファンになってしまひましたとも。

以下、ドラマも原作もネタバレしてますのでご注意を!


原作の主人公は竹内涼真くん演じたところの世良雅志医師。研修医一年生。
世良先生の成長物語として、
また「チームバチスタの栄光」やそれに連なる東城大病院の一連の物語の出発点として
本作品は終焉の場へ繋がる最大限重要な伏線にもなっているのですが

しかるに! その世良先生の進む道は東城大を離れて遠く北海道の一地方都市へと終結します。
その道への最初の分岐点を作ったのがオペ室の悪魔と称された孤高の天才外科医・渡海征司郎。

そして敢えて世良先生ではなく渡海先生を主人公に持って来たのが今回のドラマでした。

原作ファンとしては「え? なんで??」と思ったのですが
確かに、世良先生を読者目線に据えればこの物語の主人公は渡海先生に間違いない。

そして渡海先生役がニノ・・・嵐の二宮和也くんと聞いて・・・えええ???   となったちゃちゃであった。

ちゃちゃの勝手な渡海先生のイメージはひょろ長くていつも冷笑を浮かべて人を見下ろしていて
髪はくせ毛で長めの蓬髪で、饒舌で傲慢で・・・だいぶニノとは違うイメージでした。

まあ、ドラマはアニメと違って原作と大きく変えるのが一般的ですからええんですが
問題はその違いに納得できるかどうか・・・

はい、スーパー納得! 本当に面白かったです、一話目からぐんぐん引き込まれました。
圧巻は・・・遅いですが最終回前回の第9話、カエサルの遠隔操作の場面。


「うっわ・・・カッケエーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

この瞬間「惚れた~」と思いましたwww

原作に登場する「スナイプ」は僧帽弁閉鎖不全症の手術器具ではなく食道自動吻合器。
ドラマに登場する最新のロボット「カエサル」は原作には原型らしいものも出てきません。
原作の舞台は1988年ですが、それを現代・30年後の2018年に移したので
その辺りの状況も変えたのでしょう。医療技術の進歩は文字通り日進月歩ですしね。

佐伯教授や黒崎先生はほぼ原作イメージ通りかな、と思いますし、
宿敵西崎教授もそれっぽいなあと思いました。(原作にはあまり登場しませんけど)
花房看護師・猫田看護師・藤原看護師長もイメージ通りだけど
研修医仲間に田口公平や速水晃一の名前を見た時は思わず苦笑・・・
原作では彼らはまだ医学生で、世良先生が面倒を見、そして手術見学で渡海先生の手術を見せた際
飛んだ血しぶきをモロに浴びた田口先生は「神経内科医になる」決意を固めたのでした。
言うなれば、チームバチスタの主人公を産んだのは回りまわって渡海先生なのですね。
「そういうもの好きな医者も必要かもしれない」と田口先生に告げたのが渡海先生ですから。

あと、医療コーディネーターの木下さんを女性にしたのは(原作では男性)華やかさを添えるため、かしら。
でも元看護師で因縁のある人と再会するエピソードも面白かった。
医療過誤問題と大学病院の覇権争いを搦めて「医師は患者のためにあれ」というコンセプトが背景に連綿と流れ
海堂先生の、全作品を通したメッセージそのものを表現している点、
原作から離れたキャラクターやストーリーであっても本懐は遂げられていると思います。

それにしても、ニノ、原作とは違っててもこれは確かに渡海先生でした。

小柄で猫背で、ふらふらとふらつくように歩き、饒舌ではなくむしろ寡黙で・・・てかツンデレで
・・・てか「ツンツン」で「デレ」はほとんどなかったけど
・・・お母さんとネコちゃんと世良先生にだけは少~し「デレ」てたところが妙に可愛げもあり
物凄く憎ったらしいのに最後は必ず救ってくれるので信じたくないのに信じてしまう。

ツイートとか見てると続編やスピンオフを望む声も多いようですが
何故か渡海先生を慕う猫田看護師、この二人の関係がわかる物語を見たいとか
でも、だいたい二番煎じというのはコケることが多いからなあ~~~
キモチはわかるがちゃちゃはやらなくてええと思います。
むしろシリーズ三部作の完全ドラマ化はどんなもんでしょう?
続く「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」では
世良先生が師事するのはモンテカルロのエトワールと称される天才外科医・天城雪彦。
でも、シリーズとしてドラマ化するには、やっぱりニノに主人公を演じて欲しいし、
すると天城先生を渡海先生に置き換えて「戻って来た渡海先生」にするワケには行かないし
かといって渡海先生と瓜二つの天城先生を出すワケにも行かないし・・・・
うーーーん・・・ムズイですねえ・・・。

もう、天城先生が渡海先生とソックリなのを完璧に無視してニノでやっちゃうか、だったりして。

イヤイヤ、これはちゃちゃの妄想です。まあ、お気になさいませぬよう。

とにかく、全放映が終わってちゃちゃには爽やかな読後感・・やないな、なんてゆうんやろ、
まあ、大満足で・・・ソッコー録画してあったので全話一挙鑑賞し
すっかりニノのファンになってしまった自分を見つけたのでありました。


・・・キムタクとの共演映画8月公開てか!! ・・・行くしかないwww
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桜宮ウォーカー④~海堂尊マニアックワールドのススメ・改・おまけ

2018年05月21日 11時26分01秒 | 桜宮市を歩いてみたら
忘れておりました。
「桜宮サーガ」時系列とは別に
執筆順ニアリーイコール刊行順を再掲しておきます。

刊行順に読んでみるのもまたよきかな、と。

それぞれ別の出版社から週刊連載で発表されることが多く、
発表した際は別々だったものをまとめ直して単行本化、あるいは文庫化されたり
文庫化に当たって一部改稿や書下ろしが入ることもあったりで
完全に正確に並べるのが難しいという側面もありました。
前々回の桜宮ウォーカー②の記事とはだいぶ違っているところがありますが
こちらが正確に近いと思います。
いずれにせよ、まあ、「ご参考までに」という程度に解釈していただければ。


1.チーム・バチスタの栄光
2.ナイチンゲールの沈黙
3.螺鈿迷宮
4.ジェネラル・ルージュの凱旋
5.ブラックペアン1988
6.夢見る黄金地球儀
7.医学のたまご
8.ジーン・ワルツ
9.ひかりの剣
10.東京都二十三区内殺人事件
11.イノセント・ゲリラの祝祭
12.モルフェウスの領域・第1章
13.青空迷宮
14.残照―2007
15.伝説―1991
16.疾風―2006
17.極北クレイマー
18.四兆七千億分の一の憂鬱
19.マドンナ・ヴェルテ
20.ブレイズ・メス1990
21.アリアドネの弾丸
22.モルフェウスの領域・第2章以降(単行本化にあたって一つの物語にまとめられました)
23.ナニワ・モンスター
24.極北ラプソディー
25.エナメルの証言(たぶんこの辺)
26.ケルベロスの肖像
27.スリジエ・センター1991
28.輝天炎上
29.ランクA病院の愉悦(「ガンコロリン」の改題)
30.カレイドスコープの箱庭
31.アクアマリンの神殿
32.スカラムーシュ・ムーン

③の記事より2編多いのはモルフェウスを分割したためと
「ランクA病院」を追加したためです。

「ランクA病院」の単行本に同時収録されている短編はちょっと別物というか、
ワタシ的解釈では桜宮サーガの一連とは切り離していいような感じですので③の記事には入れなかったのですが
敢えて入れるならば収録4編中の2編
「緑剥樹の下で」は「チーム・バチスタの栄光」の前あたり。あの、あのT先生と思しき人が登場。
「被災地の空へ」は「夢見る黄金地球儀」の前あたり。あの、あの速水先生が大活躍。
他の2編は桜宮とは直接関係ない・・・かな、と思いますれば。近未来、SFショートショートみたいな作品です。
これはこれで面白いのでよければご一読を。

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