メタルの衝撃

新旧含め、メタルに対する自分の思いを書き綴るブログ。

SCORPIONS

2016-04-30 23:10:47 | GER
このバンドを軌道に乗せたのは、ウリに依る所が大きい。初期のサウンドというよりも、このバンドのステータスを築いたと言ってもいい。多くのスコーピオンズ・ファンは世界的バンドとなった以降のサウンドを彼らのステータスだと思っている様だが、それ故に辻褄の合わない変化に答えを見出だせないのだ。
一般的に初期スコーピオンズの代表作とされている本作だが、自分も全く異議は無い。それはウリのギターワークやソングライティングもさることながら、ウリ在籍時に於いて最もヘヴィ且つダークな内容だからだ。自分はスコーピオンズのみならず、ドイツ本来のメロディはダークな面ありきだと思っている。確か、ハロウィーンの記事でも書いたな.....

現在ではこれに勝るアルバムがある為に個人的な代表作は別にあるが、彼らの歴史の中で、このウリが居た時代は非常に重要であり、ウリが離れた理由がその後のスコーピオンズにある。

因みにこのジャケを含め、初期作の多くは差し替えられていると聞いたが、どの様に変えたのか確認していない。各々のジャケが表す意味もその音楽性に内包されているのだ、という事も含め、スコーピオンズのサウンドとは?という事をもう一度、追求してみては?

SCORPIONS/VIRGIN KILLER
1976年発
入手:年月日不明、BMGビクター

ANTERIOR

2016-04-27 22:53:01 | UK
BFMVと同じウェールズ出身のバンド。当時としてはまるで時代錯誤の様なアプローチながらも古さを感じさせないテクニック。それはニューメタルの時代に突入してから、誰もが暗黙の了解でやらなかった事を彼らはやってのけた。
もはや主流となっていたスクリームやデスボーカル等の流行りを尻目に、従来のメタルスタイルでデビューした彼らは、かつては当然の如く組み込まれていたギターソロを取り入れ、勝負に出た。勿論、ギターソロを入れるからには、それなりのテクニックがなければ単なるマスターベーションで終わってしまう。まして、ツイン・ギター体制でそれを売りにするからには各々だけで無く、双方のハーモニーも重要となる。

しかし、20歳そこそこの彼らはそんな不安を遥かに超える能力を持っていた。そんな自信の表れか、ボートラにはレーサーXのカバー曲も収録。先ずは聴いてみるべし。

ANTERIOR/THIS AGE OF SILENCE
2007年発
入手:2007年、MetalBlade.Japan

DOWN

2016-04-23 23:46:20 | USA
前記事より、このバンドに馴染み無い方への案内。

特に60~80年代をそのピークとしていた者や、逆にこのバンドに嵌まってダイムバック派だった者等は聴かずにいたかもしれない。
80年代から芽を出したヘヴィ化へのシフトはあらゆるカテゴリーへ飛び火し、メタルシーンそのものを覆す様相を呈した。それ故にオールドスタイルは淘汰され、新しいスタイルを迎合したベテランは瀕死の状態まで追い込まれる。
このDOWNも決して新しいスタイルでは無いのだが、サザンロックをベースとしたヘヴィスタイルで新旧の折り合いを付けている。
グルーヴ感あるサウンドには米国の渇いた感覚と哀愁があり、更には鬱積した感情の吐き出しがパワーとなっている。

このアルバムは3rdだが、そのクオリティは当初より安定している。C.O.C.やB.L.S.等もオススメだが、サザン・ロックを語るなら外せないアルバム。

DOWN/OVER THE UNDER
2008年発
入手:2008年、ロードランナー・ジャパン

WITCHCRAFT

2016-04-20 22:36:36 | EU
スウェーデンのバンド。全てに於いて徹底された70年代スタイルで新バンドながら、時代を間違えたかの様なヴィンテージ・ロック。よくぞ、この時代にしかも北欧から出てきたものだと感心するばかり。北欧の、と言うよりも英国や米国のアンダーグラウンドなブルース・ロックやヘヴィ且つソリッドなリフを得意とするドゥームロックからの影響が色濃い。
このアルバムでは無いが、かのDOWNのフィル・アンセルモに再起を促した事は有名な話し。特に70年代に活躍していたドゥームバンドの多くが過去のものとなっていただけに、このバンドの出現は喜ばしい事であり、かつてのユーザーにも新鮮味を与えた筈である。

日本ではあまり好まれないサウンドではあるが、かつてのアンダーグラウンド・シーンはこの様なサウンドをそのスタイルとするバンドが多数存在していた。

WITCHCRAFT/WITCHCRAFT
2004年発
入手:2008年、Rise Above Records

TYGERS OF PAN TANG③

2016-04-16 21:37:44 | nwobhm
このアルバムが製作・発売されたのは90年代に入ってからの事だが、中身は紛れもなく、NWOBHM最盛期の音源である。正確にはアルバムでは無く、アルバム未収録であったシングルの寄せ集めであり、アンソロジー盤の色合いが強い。
貴重な音源ではあるものの、それはマニアにとっての価値であり、シングル盤のアウトテイクも含まれている事とムーブメントの特定された時期の作品である事から、音源そのものに重要性がある。

以前、ジョン・サイクスのレビューでも書いたが、彼が在籍した時代の曲を中心に、ほぼ全ての時期のシングルが含まれており、曲自体の差もあれば、好みも分かれるものだけに"マニア向け"なのだが、更に4thアルバムは外部ライターにより作られたもので、バンドとしてのアティテュードすら無い。
サイクシーのファンならぱ、この後に続く奇妙な巡り合わせも周知の上だと思うが。

その繋がりを知りたいのなら、このシングル集は押さえておいた方がいいだろう。

TYGERS OF PAN TANG/SINGLES

入手:1992年、MCAビクター NWOBHM貴重盤コレクション