メタルの衝撃

新旧含め、メタルに対する自分の思いを書き綴るブログ。

CAPTAIN BEYOND

2016-09-10 23:02:07 | USA
このバンドは何故か英国産とされる事もある。確かにサウンドは英国寄りだし、中心メンバーの一人にロッド・エヴァンスも居るのだが、サウンドで分類されるのでは無く、メンバーの出身で分類されるからして米国産バンドである。
アイアン・バタフライ、パープル、ジョニー・ウィンター・バンドのメンバーが集まり結成された事から、スーパーバンドとも言われた様だが、活動拠点である米国での評価は散々であった。むしろ日本での評価が高く、プレミアが付いた事もあった。確かにそのサウンドからして米国よりも日本で受け入れられるものであり、この当時、アメリカに浸透していた英国産バンドの面々からして見劣りのするものである。
ましてボビーの変則的なドラミングは当時の米国には早すぎた。全編を通してリズミカル且つサイケな流れを形成しており、統一性が保たれている。但し、それはアプローチのみであり、テーマ性は無い為、難解な様に見えて決して理解困難なサウンドでは無い。
ただ、当時としては先鋭的であり、テクニカルなサウンドであった事も事実。勝負するステージを間違えたとしか言いようが無い。

CAPTAIN BEYOND/CAPTAIN BEYOND
1972年発
入手:年月日不明、ポリグラム

RAGE

2016-09-03 23:03:51 | GER
ハロウィンに始まるジャーマンメタルの浸透はこのバンドが後押ししたと自分は感じている。デビュー当時こそ典型的なメロディ重視のメタルを展開していたが、この日本デビュー作の4thから独特のメロディとギターリフで構成されたアルバムで一気に加速する。
レイジとしてのデビューこそハロウィンに続く形だが、バンドの中心人物であるピーヴィーが前身バンドを結成したのはハロウィンよりも早い。
今はもう、ジャーマンメタルは漢のメタルという印象が薄れているものの、当時はこのレイジに始まるイメージから、続くジャーマンスラッシュの三羽烏で確定的となったものである。このジャケにあるイメージはもはや崩れ去っているが(笑)
そして、もはや多様化したメタルにあって今ではハッキリとした個性も無いバンドが非常に多い。その中にあっても今だに個性を維持し続けるレイジはもっと評価されて然るべき存在だと思われる。

RAGE/SECRETS IN A WEIRD WORLD
1989年発
入手:1989年、ビクター

DIO

2016-08-28 09:02:29 | UK
ロニー・ジェイムス・ディオという人物を中心に語るならば、自分はレインボーも通過してなければ、オリジナリティを捨てたサバスにも興味は無い。ディオ本人の評価が高いのは分かるが、何か突出したものも無ければ、シンガーとしての挑戦が見られる曲も無いので、彼本来の実力を知りたいが為にこのアルバムを購入した。
ハッキリ言えば、ソングライティングはさほどのものでは無い。クオリティは低くは無いが、曲展開に抑揚が無い為に通には理解出来るが、初心者には印象が残らないのと、ライブを重要視してか、歌い方がクドい。
勿論、メンバーで作り出したものではあるが、ロニーの意向の強さを感じるアルバムである。
折角、サバスを抜けてメタルをやり出したのに、ハイライトとなる曲も無ければ、中途半端なイメージだけが残る。
恐らく、彼を高評価しているのはレインボー親派なのであろう。自分もロニーはレインボーの様なハードロックサウンドが一番合っている様に感じる。何れにしても、ロニーの新たな歌声はもう聴く事が出来ないのだが。

DIO/HOLY DIVER
1983年発
入手:年月日不明、ユニバーサル

TEN②

2016-08-24 22:30:19 | UK
筆休め第五弾。本人は休みになってませんが(笑)。デビュー作から高クオリティのアルバムを作り出したTEN。そしてその同じ年の秋には、この2ndが発表されるという早さ。ミニアルバムかと思いきや、フルレンスというのだから驚いた。
そして、購入して更に驚きが。全13曲という曲数の多さ(日本盤だけのボートラ含む)もさることながら、1st以上のクオリティ。前から曲を書き溜めていただろう事は某関係誌のインタビュー記事に掲載されていた様だが、自分は見ていない。どちらにしても改めてゲイリーの才能を思い知らされた事だけは確かだが。

そして1stアルバムの段階ではセッションメンバーだったパートも今作ではパーマネントメンバーとなり、更にサウンドの安定感と表現力が増した様に感じる。
当時、TENに対する評価は日本が特に良かった様だが、今では相当低い。熱しやすく冷めやすいのは相変わらず、というか今ではむしろ、バンド自体に拘る者が激減している。日本がメタルに対して一番理解しているという輩も居る様だが、極少数のマニアだけ。世界に比べれば日本のメタル人口等取るに足らない。
自分がそこに属するとしても、全く気にしない。むしろ、こういったバンドの良さを理解出来、評価出来る感性に誇りを持っている。

TEN/THE NAME OF THE ROSE
1996年発
入手:1996年、ゼロ・コーポレーション

AEROSMITH②

2016-08-20 21:54:10 | USA
さてさて、筆休め第四弾。このアルバム及びバンドについて語ると字数制限に収まらないかもしれないので、簡略化する。何しろ、エアロのルーツたるホワイトブルースの起源から語らなければ、現代人は理解出来ないだろうから。でも、そんなのお構い無し、知りたかったら自分で調べろ、である。
本題に入ると、再起後のエアロも好きだが、やはりホワイトブルースの影響が色濃い初期は外す事が出来ない。
再起後しか知らないファンには受け入れられないかもしれないが、英国の影響がメロディに反映されている他、当時のこのタイプとしては型破りなスタイルが新世代を感じさせたものだ。
ホワイトブルースで言えば、HR化したクリームからの流れを好む者も多いが、定型と言うか、メジャーな路線と言うものに魅力を感じなかった。
まして、ブルースの始祖は米国。その後の可能性も非常に大きいものがあった。加えて、このデビューアルバムの日本発売のズレをリアルタイムで体験した者は余計、マトモに評価していないだろう。
このデビュー作が本来発売された時期、そして当時のシーン全体の環境、そして曲のクオリティを考えれば、ジャケットに記載された「Featuring ”Dream On”」だけの内容では無いと気付く筈である。
確かに、演奏も決して上手い訳でも無く、スティーヴン・タイラーの声の印象も今とは違い、地味に感じる。それでもR&Rベースのバンドとは演奏の上手い下手では無く、感性とセンスであろう。特に近年、ウンザリするのだが、演奏の正確性とテクニックを重視する傾向なんてクソ食らえである。

AEROSMITH/AEROSMITH
1973年発
入手:年月日不明、CBSソニー