犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

全身的に痛くて帰国しました

2006-05-21 10:17:57 | 言葉

 nパッチム(ㄴ)とngパッチム(ㅇ)との取り違えによる笑い話(実話)を一つ。別の駐在員から聞いた話ですが。

 その人は,韓国で定期的に大学の同窓会をしていたそうです。駐在員もいれば,僑胞(在日韓国人)もいる,日本留学経験のある韓国人もいる。

 あるとき,いつも常連だった駐在員の姿が見えない。

 「○○さんは,今日は来ないの?」。

 連絡係の駐在員が
 「連絡したんだけど,なんでも全身が痛くて帰任したって」

 「全身が痛い? 
 階段を転げ落ちたのかな」

 「いや,酒場で「竹島は日本領土だ」なんて妄言をはいて,袋叩きにあったんじゃないかい。彼,ちょっと右翼的なところがあったから」

 ひとしきり勝手なことを言い合ったあと,

 「ところで,正確にはなんて言ってたの?」
 と,韓国語のできる僑胞が聞いた。

 「確か,秘書が「チョンシンチョグロ・アプダ」って言ってたよ。
 これって,「全身的に痛い」ということでしょう?」

 「えっ,「アプダ」は「痛い」というより「病気だ」ってことだよ。
 チョンシンチョグロはもしかして「精神的に」じゃない?」

 「ああ,そう? 「全身的」じゃなくて「精神的」か。
 ハハ、「全身」と「精神」は発音が似てるからね」

 「ハハハハ」(一同大笑い)


 「ってことは,全身打撲じゃないわけだ。まずは安心だ」

 「でもさあ,「精神的に病気だ」ってのも,それはそれで心配なんじゃない?」

 「ま,それもそうか」…

 (以下略)

 韓国語で全身は전신,精神は정신。カタカナではどちらもチョンシンになります。
 連絡係はイウンパッチム(ㅇ)ニウンパッチム(ㄴ)が聞き取れず,取り違えたんですね。

 ところで,韓国語で鬱病はウウルチュン(憂鬱症)という。日本でもこのところ増えているようですが,韓国駐在員でも鬱の症状がでた人を何人か知っています。特に,単身赴任者に多いらしい。私も気をつけなければ。


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