ある週末の夜,たまたまつけたテレビでやっていたのが「白い巨塔」。それ以来,土日の夜,家にいるときは欠かさず見ています。
かの山崎豊子の原作を,韓国でドラマ化したものです。
数年前,日本でも何回目かのドラマ化がされ,好評だったと風の噂にききました。でも私の記憶にあるのは,何といっても田宮二郎主役のバージョン。私が大学生のときだったと思います。
収録を終え,最後の何回かの放映を残した時点で,躁鬱病だった田宮二郎が拳銃自殺。視聴率が一気に跳ね上がったと記憶しています。
最終回の幕切れでかかったモーツァルトのレクイエムは,今も耳に残っています。
放映後,
「田宮二郎は何で死んだ?」
「ガン(癌/gun)で死んだ」
という不謹慎なジョークが流行った。
細かい筋は覚えていないので,韓国版とどう違うかわかりませんが,数回見た範囲で,病院内の派閥抗争に明け暮れる中で起こった誤診事件,裁判の攻防という大筋は同じようです。こういうどろどろとした権力闘争というのは,韓国人の好みにも合うらしく,相当な視聴率をとっている。新聞のコラムにも取り上げられました。(→記事)
このところ若い会社員の間で最高の話題は民放MBCテレビのドラマ『白い巨塔』だ。病院を舞台にした医者達の物語である。原作の日本ドラマを模範的にリメークしたという好評が相次いでいる。人気の秘けつはリアリティーだ。権力に向かって、無限に疾走する人間の群像を生き生きと描写し視聴者を魅了する。
病院が舞台だが『白い巨塔』は医学・医療のドラマではない。企業や公職社会など「出世でなければ淘汰」である所なら、どこにでも適用できる設定だ。政治ドラマ、さらに正確には「職場政治」、「社内政治」のドラマだ。プロ政治屋が専有するものと見なされてきた権力の暗闘とサバイバルゲームがわれわれの日常的な組織生活の中で同様に繰り広げられているとのことを興味深く見せてくれる。
これまでテレビが背を向けてきた、競争的組織生活の作動方式を見せているのだ。これまで韓国のドラマ・映画の中で職場とは、恋愛の場だったり、些細なトラブルぐらいは情で解決できる「類似家族」程度だった。「職場ドラマ」というジャンル自体が未開発だった。そのうえ、ほぼ唯一の職場ドラマ『TV孫子兵法』(公営放送KBS、1987~93年)は中小企業を背景にした「人情劇」だった。上司の怒鳴りと部下の無能が毎回繰り返されるが、トラブル(対立)は笑いで解決された。各種の先端職種を引き込んだ「専門職ドラマ」は、メロドラマの洗練された背景を提供することにとどまった。サラリーマンの哀歓を描いたイ・ミョンセ監督の映画『男は辛いよ』は、職場からの脱出を夢見る主人公のファンタジーで終わった。『白い巨塔』が「進化した職場ドラマの出発」になる理由だ。
今日もやるんだけど,日本出張で見られない。だれかに録画を頼まなくちゃ。
かの山崎豊子の原作を,韓国でドラマ化したものです。
数年前,日本でも何回目かのドラマ化がされ,好評だったと風の噂にききました。でも私の記憶にあるのは,何といっても田宮二郎主役のバージョン。私が大学生のときだったと思います。
収録を終え,最後の何回かの放映を残した時点で,躁鬱病だった田宮二郎が拳銃自殺。視聴率が一気に跳ね上がったと記憶しています。
最終回の幕切れでかかったモーツァルトのレクイエムは,今も耳に残っています。
放映後,
「田宮二郎は何で死んだ?」
「ガン(癌/gun)で死んだ」
という不謹慎なジョークが流行った。
細かい筋は覚えていないので,韓国版とどう違うかわかりませんが,数回見た範囲で,病院内の派閥抗争に明け暮れる中で起こった誤診事件,裁判の攻防という大筋は同じようです。こういうどろどろとした権力闘争というのは,韓国人の好みにも合うらしく,相当な視聴率をとっている。新聞のコラムにも取り上げられました。(→記事)
このところ若い会社員の間で最高の話題は民放MBCテレビのドラマ『白い巨塔』だ。病院を舞台にした医者達の物語である。原作の日本ドラマを模範的にリメークしたという好評が相次いでいる。人気の秘けつはリアリティーだ。権力に向かって、無限に疾走する人間の群像を生き生きと描写し視聴者を魅了する。
病院が舞台だが『白い巨塔』は医学・医療のドラマではない。企業や公職社会など「出世でなければ淘汰」である所なら、どこにでも適用できる設定だ。政治ドラマ、さらに正確には「職場政治」、「社内政治」のドラマだ。プロ政治屋が専有するものと見なされてきた権力の暗闘とサバイバルゲームがわれわれの日常的な組織生活の中で同様に繰り広げられているとのことを興味深く見せてくれる。
これまでテレビが背を向けてきた、競争的組織生活の作動方式を見せているのだ。これまで韓国のドラマ・映画の中で職場とは、恋愛の場だったり、些細なトラブルぐらいは情で解決できる「類似家族」程度だった。「職場ドラマ」というジャンル自体が未開発だった。そのうえ、ほぼ唯一の職場ドラマ『TV孫子兵法』(公営放送KBS、1987~93年)は中小企業を背景にした「人情劇」だった。上司の怒鳴りと部下の無能が毎回繰り返されるが、トラブル(対立)は笑いで解決された。各種の先端職種を引き込んだ「専門職ドラマ」は、メロドラマの洗練された背景を提供することにとどまった。サラリーマンの哀歓を描いたイ・ミョンセ監督の映画『男は辛いよ』は、職場からの脱出を夢見る主人公のファンタジーで終わった。『白い巨塔』が「進化した職場ドラマの出発」になる理由だ。
今日もやるんだけど,日本出張で見られない。だれかに録画を頼まなくちゃ。
それがどんな場所であろうとも人間の本質に違いはありません。それと同時に日本の医学会は大学の学閥によってだめになったといってもいいということがよく表現されていると思いました。
韓国ドラマが情や笑いで事が解決できなくなるのなら・・・日本のドラマと同じになっちゃうんですね。
それは残念。
若い男性医師が、私の親知らずを抜きながら、インターンの女子学生をナンパしていたのには閉口しました(口は閉じられませんでしたが)。