犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

中田引退と韓国人の反応

2006-07-12 06:25:27 | 日々の暮らし(韓国~2007.7)

人生とは旅であり、旅とは人生である

 かっこいいですね。中田がこのW杯を最後に現役を引退するというニュースは韓国でも報道されました。

「辞めてどうするの。コーチ?」
「いや,別の人生を歩むらしいよ。企業経営に興味があるみたい。」
「えっ?」
「会計士の勉強もしてたし,MBAも目指すって。どっかの企業の理事(イサ=日本でいう役員)もすでにやっているって」
「ふーん(???)」
 なんか怪訝な顔をしています。

 ワールドカップで国じゅうが熱狂し,選手たちは「太極戦士」などともてはやされていますが,実は,みんな,心の中ではスポーツ選手をバカにしている。
(勉強ができなかったから,スポーツでもするしかなかった奴)
と思っている。

 日本では中学に入るとクラブ活動(運動系)で忙しい,という話をしても,韓国人は理解できない。
「国家代表選手を目指すの?」。
 いや,そーゆーわけじゃなくて。日本では「文武両道」で,勉強もできて運動もできる子が人気あるんだよ。
「へーっ」。
 韓国では,普通の子は運動をしません(せいぜい小学校のときにテコンドーをやるぐらい)。中学以後は勉強あるのみ。クラブ活動など,訳すこともできない。
 頭が悪いが運動神経は抜群という子は,小さいときから,いっさい勉強をせず,運動に賭ける。晴れて国家代表選手になれればいいですが,そんなのは極少数。挫折した子どもたちの前途は悲惨です。何も勉強していないので簡単な計算もできない,文も満足に書けない。まともな社会生活はできません。
 かつて柔道で金メダルをとることだけを目的に作られた「柔道大学」(いまは名前が変わっています)は,「カンペ(やくざ)予備軍」などといわれていた。
 スポーツ選手は,一般にそういうイメージなので,中田選手の華麗な「転身」は俄には信じられない。
 韓国ではありえないことです。

 少し前,WBC(ワールドベースボールクラシック)で,イチローが例の30年妄言を吐いたとき,韓国の監督だったか,
「教養がないから,そんなこというんだろ」
とコメントしていました。
 正確な表現は忘れましたが
モッペウォソ・クレッチョ
だったと思う。
「モッペウダ 못 배우다 」というのは,
「学べない」→「学ぶ機会がなかった」→「教養がない」
ということで,韓国の典型的なスポーツ選手のイメージです。

 中田もイチローも,優れた運動能力に加えて,強靱な意志と理知を兼ね備えた選手だと思うのですが,韓国人の想像力を越えているようです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アガシとアジョシ | トップ | イサ(移徙=引っ越し) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日々の暮らし(韓国~2007.7)」カテゴリの最新記事