弁理士の日々

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円高はどこまで行くのか

2010-08-12 21:11:13 | 歴史・社会
このところずっと円が上昇する基調でしたが、本日はさらに円高が加速しました。
今まで何ら対策を打たずにいた政府・日銀でしたが、本日の午後になってやっと動きが見え、それによって円の上昇にやや戻りが見えましたが、この数時間はまた円上昇の基調に戻っています。
取り敢えず、本日の政府・日銀の動きをメモしておきます。

市場動向注視、適切に対応=円高進行で緊急協議―政府・日銀
8月12日18時15分配信 時事通信
『長野県軽井沢町で静養中の菅直人首相は12日、外国為替市場で一時1ドル=84円台まで円高が進行したことを受け、仙谷由人官房長官、野田佳彦財務相と緊急の電話協議を行った。菅首相は為替相場について「動きが激しい」と懸念を示し、市場動向を注視するよう指示。これを受けて記者会見した野田財務相は、「景気動向を注意深く見守りながら適切な対応をしていく」と述べた。』

日銀総裁「注意深くみていく」…円高進行で談話
8月12日18時5分配信 読売新聞
『日銀の白川方明総裁は12日、欧米市場に続き東京外国為替市場でも一時、1ドル=84円台まで円高が進んだことを受け、総裁談話を発表した。
談話では、「米国経済の先行き不透明感の高まりなどを背景に、為替市場や株式市場では、大きな変動がみられている」としたうえで、「日銀としては、こうした動きやその国内経済に与える影響について、注意深くみていく」としている。』

円反落、85円台後半=首相の円高懸念発言などで―東京市場
8月12日19時0分配信 時事通信
『12日の東京外国為替市場は、菅直人首相の円高の進行を懸念した発言などを材料に円が売られ、円相場は反落した。午後5時現在は1ドル=85円69~72銭と前日比61銭の円安・ドル高。
この日は朝方から85円台前半でもみ合いが続き、東京市場では昨年11月以来となる84円台に上昇する場面もあった。しかし、午後に菅首相が仙谷由人官房長官に円高について「動きが激しい」と伝えたことが報じられると、円売りが活発化した。ほかにも玉木林太郎財務官が日銀の中曽宏理事(国際担当)と意見交換したことや、為替介入の前段階とされ、金融機関に為替水準を問い合わせる「レートチェック」を日銀が行ったとする一部報道などで、「介入警戒感が高まった」(邦銀)という。』

8月1日にこのブログの円高が止まらないで、「世界中の投資家が、日本の民主党政権の無策を当て込み、円買いを仕掛けているのではないか」という長谷川幸洋氏の仮説を紹介しました。その仮説が実証されているような今日この頃です。

日銀はどうなのでしょうか。高橋洋一氏は無策の日銀「金融政策決定会合」直後に始まる「強烈円高」の可能性~政治家も日銀も動かない日本の為替が狙われる(2ページ)で、
『9日と10日に日銀の金融政策決定会合が開かれる。
しかし、日銀は、9月の民主党代表選の様子見で、今の時点で行うべき金融政策をやらないだろう。この時点で何か行っても、民主党代表が誰かによってさらに追加策を求められるかもしれないので、その時に備えて「弾」をとっておくというスタンスだ。マーケット関係者やマスコミもそうみている。』
と述べています。これが本当だとしたら何とも情けないですね。

ところで、ここ1両日の円高について、ニュースは例えば
東京外為 一時84円台 長期金利7年ぶり低水準
8月12日12時1分配信 毎日新聞
『12日の東京外国為替市場の円相場は、米国など世界経済の先行き不安を背景に、比較的安全とされる円が買われる海外市場の流れを引き継ぎ、一時1ドル=84円台まで上昇した。』
と述べるなど、円高の原因を主に米国の経済不安に求めています。しかし、1両日の各国通貨の動きを比較してみると、ドルはむしろ(円を除く)各国通貨に対して上がっているのです。
「円とドルが2人高でその他通貨が全体安。円とドルでは円の方が上昇。」というのが全体像であるように思います。主要通貨のみで見れば「ユーロ1人安」となりますが。

「円ドル」ばかりに目を奪われず、世界全体の経済を眺めた上で円高の原因と対策を講じてほしいものです。
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