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弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

特許調査(応用編)

2006-07-03 00:06:23 | 弁理士
日本弁理士協同組合の主催で、3月には特許調査研修会(基礎編)を受講しました。このたび、6月28日に特許調査研修会(応用編)が開催され、受講してきました。

基礎編は、基礎編とはいいながら随分と高度のノウハウを教えてもらいました。この調子で行ったら応用編はものすごく難解なのではないかと危惧して受けたのですが、そんなことはありませんでした。今回も、講師の鈴木利之先生が、ご自身の経験をフルに生かして大事なポイントをわかりやすく教えてくださいました。

前回の基礎編は、代表的な有料データベースを用いていかに漏れなく効率的に検索を行うか、という点に関するものでした。

今回の応用編は、調査の対象を
(1) 出願の事前調査
(2) 特許無効資料調査
(3) 侵害予防調査
の3分類にわけ、それぞれの特質に基づいた調査のノウハウについてです。

(1) 出願の事前調査
ここでは、3分野のすべての基礎となる検索方法を教わりました。
ポイントは、
①「言葉」「分類」それぞれについて様々の検索式(事例では10通りでした)を考え、それぞれで10~30件程度に絞れるようにします。
②上記10通りの集合の論理和をつくり、対象が100件程度になるようにします。
③この100件について図面付き抄録を入手して読みます。
④対象技術に近い文献を10件程度ピックアップし、公報を読んで目的の文献を探します。

一発の検索式で探すのではなく、10程度の検索式での検索結果の集合とすることで、洩れの発生を少なくすること、何回も繰り返さずに上記1回で終わること、ということでした。

(2) 特許無効資料調査
漫然と「本件発明に一番近い文献」を検索するのではダメ。
まずは進歩性を否定するための論理を検討し、その論理付けに役立つ文献を探すことが大切と言うことです。この点については、普段から異議理由や特許無効理由の執筆に頭を悩ませている実務家にとっては、「うんうんその通り」と納得がいくところです。
そして、この目的に沿った文献を見つけ出すための手順が説明されます。
こちらも出願の事前調査と同様、1回の検索で100件程度を抽出します。存在するのなら、この100件の中に確実に入っているということです。

(3) 侵害予防調査
最低限の注意事項について説明を受けました。

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