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弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

すがやみつるのネットライフ

2006-04-24 00:09:47 | 趣味・読書
漫画家のすがやみつる氏は、1985年頃、アメリカにおけるパソコン通信CompuServeの草創期からそこに参加し、それ以後日本とアメリカのパソコン通信の架け橋となってきた人です。
もともと、世界の自動車レースの情報をいち早く知りたい、ということからはじめたことですが、英語に悪戦苦闘しながらアメリカのパソコン通信の世界を開拓していき、結果として日本のパソコン通信をリードする役割を担われました。そのはじめからの様子が、すがやみつるのネットライフで詳しく語られています。

先日、北杜夫氏のマンボウ恐妻記において、“私の履歴書”記事の中で北氏が奥さんをよく書いていないことを話題にしました。このような話題が出ると、私は上記すがやみつるのネットライフに出てくる話を思い出します。

1985年頃、パソコン通信でメールを出した米国人から電子メールが届きます。
“英和辞典を片手に読んでみると、「奥さんは、髪がブロンドで目は青。とても才能のある女性で、ビジネスの良きパートナーである……」なんてことを書いてある。
「ありゃま~、なんてアメリカ人は図々しいんだろ。まだ会ったこともない相手に、自分の奥さんのことをベタベタに誉めてあるよ。アメリカ人には、謙譲の美学とか、へりくだるとかって感覚がないんだね」と、これがそのときの正直な感想。”

これに対して返事メールを出します。
“「こちらの家族は、妻と娘が2人。それに母が同居している。妻はチビで太っており、2人の子供は、食べて騒いでばかりいる」
 といった内容の、謙譲と遠慮と、そして、一歩さがって師の影を踏まずの日本的精神と純和風の美学に彩られた愚妻豚児スタイルの電子メールを送ったのだ。
 このような遠慮がちな自己紹介が通用するのは、世界でも東アジアだけ――ということを知るのは、しばらく後になってからのことである。海外生活の経験がある人に、この電子メールの内容を話したら、「相手のアメリカ人は、その手紙の内容を本気にしてますよ、きっと。彼らは、みんな家族を大事にしてますから、家族を大事にしているって姿勢を示さないと軽蔑されかねないんです」と言われ、もうビックリ。メル・スナイダーも、ぼくの送った電子メールを本気にして、ぼくの家族が本当にチビでデブでうるさいだけの家族だと思い込んでいるんじゃかろうかと不安になった。が、幸いにして、メル・スナイダーは、ビジネスで日本人との交際も多かったため、ぼくの送ったメールも、ジャパニーズ・スタイルだと理解してくれていたらしい。ホッ。”

現在では、日本でも欧米流が浸透し、自分の家族を紹介するときに愚妻豚児スタイルを用いず、家族の良いところを積極的に紹介するスタイルが増えてきたように思います。しかし、北杜夫氏ほどの年齢になると、やはりこのような欧米流スタイルは気恥ずかしくて使えないでしょうね。

私が、米国CompuServeを通じてのインターネットメールにハマったのが1990年頃です。CompuServeを通じて日本語メールを送信するテクニックに関し、当時のNIFTY-ServeのFCISというフォーラムのお世話になりましたが、このフォーラムを主導していたのがすがやみつる氏です。ですから、この同時代にすがやみつる氏がどのような活動をしていたかにとても興味があり、すがやみつるのネットライフを読んでいるのですが、どうも1990年になる直前で話がストップしているようです。
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