Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

大阪出張と和歌山の旅

2006-10-09 | てつどう。

10月5日(木)、この日は出張でした。場所は新大阪。
なんと、18時半から打ち合わせ(笑
会社を15時に出て、15時33分発ののぞみで出発!

...打ち合わせは20時半頃終わり。
21時18分の最終の新幹線まで、今回同行の上司、
うらケンさんと軽く、でも楽しく飲みました。


....でも。
僕は帰らなかったんです^^
丁度この出張翌日に、遅めの分割夏休み(1)が入れてあったので、
思い切って関西にステイ!したのでした。


今回は、実に10年以上訪ねていない和歌山方面を目指しました。
まずは、一気に御坊(ごぼう)まで下ることに。
ここからは、「紀州鉄道」が走っています。
なんと営業距離わずか2.7キロ!小さな小さな鉄道です。
高校のときに訪問する機会を逃し、それ以来やっと行けた!

とりあえず、電車の写真をば。


和歌山駅にて。103系。
関東地区では絶滅してしまった標準型通勤電車103系は、
ここ阪和線ではまだまだ大活躍。
低運転台+非ユニット窓、クモハ基幹の懐かしい4両編成(Mc+M+T+Tc)が
ばんばん走っています。
奥の381系もまだまだ主力。国鉄型天国♪



和歌山から御坊までは、113系。
旧阪和色の未更新中間車と、JR西日本特有の延命工事を施した先頭車の組み合わせ。


そして和歌山から約1時間で御坊に到着。
ここから、いよいよ紀州鉄道に乗車です。


レースバス!じゃじゃーん

もと北条鉄道にいた車両です。
このレールバス(なんと2軸)は一時期第三セクター私鉄では多く見られ、
一時代を築いた車両ですが、最近は代替が進み残りわずかになりました。


車内もバスっぽい


草生すガタガタの細いレールの上を20キロ前後でゆっくり走ります


そしてわずか6分で終点西御坊に到着。
な、なんか駅舎の建物が傾いているんですが...(涙


正直言って、すげぇボロい駅です...
いやほんと、すごい放置プレイです。
廃屋のような感じです。


折り返しまで時間があったので、途中駅だけど紀州鉄道のメインの駅である
紀伊御坊まで歩いて向かいます。2駅、15分くらい。
ここに、紀州鉄道のもう一両の実働車、もと大分交通のキハ603が休んでいました。
残念ながらこの日は走っていませんでした。


紀州鉄道という会社、実は鉄道部門は「鉄道会社の不動産部門」という信用を得るため
「ネームバリュー」で持っているだけで、
実際は観光やリゾート・不動産を得意とする会社なのです。
これは、かつてここは「御坊臨港鉄道」と呼ばれていた路線でしたが、
1970年代に他の中小地方私鉄同様に廃止が取りだたされました。
そこで、名乗りを上げたのが東京の磐梯電鉄不動産。
この会社が1973年、御坊臨港鉄道を買収、「紀州鉄道」に社名を変更して
現在に至っています。
実際、千代田区の水道橋駅から、ビルの屋上に掲げられた大きな紀州鉄道の文字を
見ることが出来ます。
まさか、水道橋界隈を行き交う多くの方々は、
この鉄道がこんな小さな、「ほったらかされ感いっぱい」な
風情であるなんて思いもしないでしょう。

この紀州鉄道、区間短縮などはあったものの、幸いなことに廃止の声は聞かれません。
いつまでも御坊市民の足として、活躍してほしいと思います。
なんというか、短いながらも暖かい感じのする鉄道でした。



御坊から和歌山へ戻ったあと、南海の和歌山市駅へ移動するためにJRで移動です。
105系。うーん、かっこいい。
それにしても市内のターミナル連絡なのに本数が1時間に1本程度っていうのは...(泣



さあ、ここからは南海電鉄を楽しみましょう。
しかも、なかなか乗れない和歌山市方面の南海の支線を...。
和歌山市駅界隈に、南海はいくつか小さな支線を持っているのですが
どれも盲腸線で、乗り潰すには時間がかかるのです。
この機会に乗ることにしたのでした。


まずは加太線(かだせん)。
加太軽便鉄道が1912年に開業させた、歴史ある路線です。
路線は9キロ程度。
市街地を進みますが、終点が近づくと急に海が開き、山の中へ入っていきます。
そこを、17m級の2扉車が2両で行き来する姿はかなり興味深いです。


終点加太駅。1925年築、こちらも歴史ある駅舎。


今度は多奈川線へ。
多奈川線は和歌山市駅から数駅のみさき公園駅から出る、小さな支線。
もとは疎開してきた軍需工場への通勤の足として、1944年に開業しました。
その後、淡路航路と四国航路が路線の途中にある深日港(ふけこう)から発着することになり、
難波から淡路連絡の急行の運転が開始されました。
ですが、淡路航路は泉佐野港発着に変更されてしまったため深日港はすっかり寂れ、
直通急行も1993年に廃止され、以降多奈川線は2両編成のワンマン列車が
のんびり往復するだけの寂しい路線になってしまったのでした。



多奈川駅。すごく寂しい駅です...。
広くて長いホームがかつての姿を思わせてくれます。


さて、支線めぐりの最後は和歌山港線へ。
ふたたび和歌山市駅に戻ります。
終点和歌山港駅で南海フェリーの四国航路に連絡している路線なのですが、
これがまた乗るのが大変。
というのも、本数が少ないのです。
1時間に1本どころか、2時間に1本の時間帯もあるくらい。
今回は加太線・多奈川線を乗って時間を調整し、なんとか和歌山港へ行くことが出来ました。


終点和歌山港駅。遠くにフェリー。


あたりは完全に港の風景です。



そんなこんなで難波へ戻り、新大阪へ出て新幹線で帰京。
いやはや、観光地には行かず(涙)、乗りっぱなしの旅。
でもなかなか乗りたくて行けなかった各路線に行けて良かった。
だけど、和歌山県、もっとゆっくり見て回りたかったです...。




>>新大阪へ行く道中。御堂筋線が地上に出るころには
あたりはすっかり夕暮れです。
御堂筋線のこのあたり、すごく好きなんですよね。
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14 コメント

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まさか! (しい)
2006-10-09 18:20:24
うわあ、まさか和歌山鉄道特集やってもらえるなんて!!

嬉しいなあ♪

和歌山県民でもここまで知りませんよ(笑)

実は、昔の実家が御坊市の隣なんですよ~。

紀州鉄道はたまに乗ってました。

学問駅の切符を受験のお守りにしてたり。。。

思い出の1ページです。



和歌山、田舎なのに妙に鉄道が多いんですよね。

他にも有田鉄道とか野上鉄道かあったんですけど

バスになっちゃって寂しい限りです。



なんだか帰省して、南海のローカル線に

乗ってみたくなりました。
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Unknown (たま~る)
2006-10-09 20:12:02
かちらを拝見していたら最近、鉄道熱が復活してしまい、無性に乗りたくなってしまい、先週実行してきました。夜行好きなので夜行中心に(かなり久しぶりに・・・)乗ってきました。

熊本から「はやぶさ」シングルDXで東京。小田急「ロマンスー」で箱根湯本、「登山鉄道」で強羅往復、新宿へ戻り、「ムーンライトえちご」で新潟。新潟から越後線で柏崎。柏崎から「北越」で富山。富山では富山ライトレール「ポートラム」に乗車。その後金沢で宿泊。

金沢から七尾線で和倉温泉へ。温泉に入り金沢えとんぼ返り。金沢から「サンダーバード」で京都。途中、湖西線が強風で運転見合わせになり米原経由になるというハプニングに見舞われましたが無事京都へ。

そして京都から「なは」ソロで熊本へ。

4泊5日中3泊車中泊の駆け足旅でした。これでますます「鉄熱」が上がりそうです~



返信する
まさか!パート2 (田吾作)
2006-10-09 20:15:16
うわあ思い切り毎日の通勤路の光景ですよ~!?(和歌山駅周辺)

最近鉄道はご無沙汰なので、新鮮な光景です♪



>有田鉄道と野上鉄道

しいさんどもです~。懐かしいですね~

有鉄に野鉄!!会社が変わって存続してるけど

昔の南海貴志川線も良かったですよね~。

確かに和歌山は鉄道と、単線&無人駅率

高いですね~(苦笑)



返信する
詳しいですね。 (musashi)
2006-10-09 21:30:36
詳しいレポート、楽しませてもらいました。

オリジナルに近い103系に感涙。



南海難波駅は昔から変わってませんね。

電車のカラーは新しくなってますけど。



御堂筋線のあそこ、私も好きです。

あ~、関西へ行きたい!
返信する
田吾作さ~ん! (しい)
2006-10-09 21:35:14
こんなところで会えるなんて!

我々和歌山に縁のある者としては、

ほんと懐かしいというか思い入れのある光景ですね♪



>単線&無人駅率



ほんと高いですよね!

特に紀勢線の白浜以南とか多いですよね!

あれはあれで風情ありますね♪
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いやはや・・・♪ (うらケン)
2006-10-09 22:27:05
あの後・・・

こんなドラマがあったとは。



恐るべしっ♪
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ウエルカムツーカンサイ^^; (Gu)
2006-10-09 22:35:40
和歌山を攻められましたかぁ。和歌山って同じ関西でありながら「ちょっと旅した気分」を味わえるので好きです。



阪和線・・・

天王寺駅の終端駅&他線とは独立した構造、元私鉄な架線柱&短い駅間距離、山中渓(山越え)辺りをダイナミックに走る103・・ネタは色々ありますよねぇ。



南海加太線・多奈川線・和歌山港線・・渋いですねぇ。和歌山港線の途中駅はもう無くなったんでしたっけ。時間があれば和歌山~橋本~高野山~難波と洒落込みたい?モノですねぇ^^;



和歌山市内・・・ご存知かと思われますけど、「市駅」~「和駅」間はバスが頻発しているのですが、途中に官公庁や和歌山城もあるし、道も広いし・・・是非LRTを整備していただきたいと、個人的に思っています。



新御堂筋・・

その写真の辺りから15分ほど北に行くとボクの暮らす街があります。ieさまのブログでよく通るトコロが写ってるのが嬉しいです^^;
返信する
懐かしいです (そらまめ)
2006-10-09 23:36:05
3歳から8歳まで、和歌山市内に住んでいました。難波まで、よく南海電車に乗ったものです。今の南海電車って、こんなカラーリングになっているんですね。加太にも和歌山港にも何回も行ったのに、そのときは電車じゃなくて車だったようです。

 紀州鉄道の実態って、全く知りませんでした。職場でよく目にする名前なのですが、本当に電車を走らせていたのですね。傾いた駅舎、ちょっと哀しくなります。
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駆け足でしたが... (ie)
2006-10-10 11:35:10
しいさま>

いやはや、ほんとうに駆け足でした。

>学問駅の切符を受験のお守りに

なるほど!たしかにお守りに良い駅名ですものね。

>有田鉄道とか野上鉄道

有田はなんとか廃止直前に行くことが出来ました。

今回は御坊まででしたが、白浜の方まで行きたいなあ

と思いました。景色、いいですものね!



たま~るさま>

>夜行好きなので夜行中心に

す、すごい行程ですね!僕も夜行でつなぐの大好きです。さすがに最近は時間が取れずしていませんが...

鉄道熱、復活のお手伝いが出来て光栄です!

これからもちょくちょく出てきますので、宜しくお願いいたします。



田吾作さま>

>思い切り毎日の通勤路の光景ですよ~

しいさん、田吾作さんのこと考えながら乗ってました^^

>南海貴志川線

なんとか存続し、和歌山電鉄になりました。

白い車体に赤い屋根の「いちご電車」ってのが走り始めましたよ!



musashiさま>

>楽しませてもらいました

ありがとうございます。これでもすごい端折ってます...

ほんとは3日くらいに分けようかと思ったんですが。

>オリジナルに近い103系に

まだまだガンバっていて、感動しました。

当たり前だった電車が懐かしく感じられる時代になったんですね。



うらケンさま>

>恐るべしっ♪

なんとかお休みできて、楽しめました。ありがとうございますた...。



Guさま>

>和歌山を攻められましたかぁ

まる1日どうしようか悩んだのですが、奈良と悩んだ結果、和歌山にしました。

>阪和線・・・

いいですね、やっぱりもと私鉄の風情いっぱいです。モヨが爆走してたんですねえ...国鉄時代はキハ81とか。

>南海加太線・多奈川線・和歌山港線

いやはや乗るのにまる半日...。でもどれも大手私鉄ローカル線スキにはなかなかでした^^

>和歌山港線の途中駅はもう無くなったんでしたっけ

あ、もう無いです~。



そらまめさま>

>今の南海電車って、こんなカラーリングに

個人的には今一歩な感じします。あのエレガントなグリーンツートンのほうが好きでした。

>和歌山港

沿線にはあれだけ人が住んでいるのに駅は廃止になるし本数は少ないし、で車社会の実態を見た思いでした。

>紀州鉄道の実態って

鉄道部門の不動産というバリューがあっても、実際に見たらびっくりするようなところです。でも一生懸命走ってました。なんだか嬉しかったです。
返信する
紀州鉄道 (nek)
2006-10-11 00:02:45
出張のいいオプションツアーですね(笑)



そういえば和歌山県。本州で全く足を踏み入れた

ことのない3県のうちのひとつです^;



103系、今も勇ましいモーター音で駆け抜けて

いるんですね~。しかも低運転台!



レールバス!! これは富士重工のやつですね!

TOMIXのモデルを思い出しました~。



西御坊駅...すごいですね~とても駅には見えない^;

キハ603・・これで現役ですか!!?



昔、軽井沢で「紀州鉄道の別荘地」を見て以来、

気になって紀州鉄道の謎が今解けました~!!

みごとにネームバリュー作戦にかかってました(笑)





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